２００２年（平成１４年）

 ２００３年（平成１５年）

馬名

●前年１月の初凪賞で５着入着を果たしたクイックドロウ。900万クラス昇級７戦目で初めて掲示板に上がったが、その後は障害に転向して８着，９着，７着と結果を出せず、ここから７ヶ月の休養に。そして復帰後は、平場戦１１着，特別戦１５着と惨敗が続いたが、前走の平場戦は６着。勝ち馬から着差はあったものの、ここにきて復調気配が窺えただけに、今回は掲示板を狙っていきたい。１番人気は、前走平場戦で１番人気で２着だったマチカネラッパで単勝1.8倍。既に900万特別勝ちの実績のある馬。２番人気は、昇級緒戦の前走の特別戦で１２番人気ながら３着と好走したゼンノキャスパーで単勝7.2倍。クイックドロウは、単勝217.9倍の１２番人気のまったく人気薄。それでも、本来の実力を出せるようなら、人気ほどの実力差があるはずがない。そろそろ掲示板圏内食い込んでほしいところだ。

　直線に向くと、先頭エルカミーノは、リードを２馬身，２馬身半と開いていく。残り１ハロンで、ゼンノキャスパーはまだ４番手で、クイックドロウはその２馬身後ろで内に入って、ここからじわじわ渋太い伸び脚を発揮する。先頭エルカミーノは更にリードを開いて、ラスト150ｍでは３馬身半差でセーフティリードか。ラスト100ｍで、後方待機のマチカネラッパ，つれてスリーファニーが追い込んできて、先頭エルカミーノとの差を詰めていったが、差は詰められたもののエルカミーノが危なげなく１馬身半差を保って押し切り勝ち。クイックドロウは、単独４番手の態勢のゼンノキャスパーとの差をじわじわ詰めたものの、3/4馬身差まで詰めるのがやっとで５着でのゴール。３着馬の後ろが６馬身も差が開いたように、内容的にはもうひとつだったが、それでも久々に５着入着に食い込んで見せた。鞍上の 古川吉騎手は，「暖かくなるにつれ、馬体が絞れてきた。それに今日は展開も味方してくれたね。」とコメント。 勝ち負けの競馬をするまでは厳しいのかもしれないが、今後も上位食い込みの可能性はあるはずだ。

●４歳春という非常に遅いデビューとなったグレイスマッシュ。いきなり500万クラスからのスタートという厳しい状況の中、平場戦を７着，４着と悪くないレースをする。しかしながら、その後は園田競馬に移籍し、Ｃ級の下級条件とはいえ、３戦してすべて圧勝と力の違いを見せつける。秋からＪＲＡの舞台に返り咲いたが、ここまで平場戦を３戦して１３着，１０着，５着。再転入当初は戸惑った感もあるが、徐々に中央の競馬になれてきて着順を上げてきた。今回はそろそろ勝ち負けまで期待できる頃。１番人気は、近２走平場戦を連続２着としているコスモグラシアスで単勝1.4倍の断然人気。グレイスマッシュは、単勝9.4倍の２番人気。３番人気は、近２走平場戦を１番人気で２着，２番人気で１５着としているトーワギャラクシーで単勝11.7倍。前走大きく崩れてやや評価が下がっている。一頭が断然抜けた人気となっているが、まだまだ実力を出し切っているわけではないグレイスマッシュだけに、あっさり勝利を決めるシーンもありうるはずだ。

　直線に向くと、先頭スイートブーケが１馬身半リードで、ここから更に後続を突き放しにかかる。グレイスマッシュは、２番手争いの２頭の間を割って、残り250ｍでは単独２番手に上がって、先頭スイートブーケを追う。ここからは、逃げるスイートブーケとこれを追い詰めるグレイスマッシュの２頭のデッドヒートで、３番手以下はあっという間に引き離される。じわじわ迫るグレイスマッシュ。スイートブーケも渋太さを見せたが、ラスト50ｍでグレイスマッシュが外から捻じ伏せるようにこれを捉え、最後は首差競り落として優勝のゴール。３着以下には実に７馬身もの差をつけていた。これが嬉しいＪＲＡででの初勝利となったグレイスマッシュ。デビューがあれだけ遅かった馬だが、経験を積みながら500万クラスを勝ち上がるまでに成長した。まだまだ進化の余地はあるだけに、これからの活躍も楽しみ。鞍上の 川島信騎手は、「前を見ながら理想的な形で運べました。行きたがると聞いていたんですが、砂を被りながら運んだこともあって、折り合いもスムーズでした。小回りの1700ｍが合っているみたいです。」とコメント。 勝ってなお500万クラスに留まるだけに、更にもう１勝は確実に挙げたいところだ。

●前走500万下平場戦を優勝し、嬉しいＪＲＡでの初勝利を挙げたグレイスマッシュ。勝ってなお同条件の今回は、もちろん勝機十分の一戦となる。そして、グレイスマッシュが単勝2.9倍の１番人気に支持される。２番人気は。２番人気は、近５走平場戦で２着，４着，２着，３着，１着として前走500万下を勝利したばバトルウインロードでで単勝5.5倍。500万クラスを前走勝っているのはグレイスマッシュと同じ。３番人気は、近２走平場戦を５着，７着としているスズノミヤビオーで単勝6.0倍。後には準オープンで連対を果たすまでの成長を見せることになる馬。グレイスマッシュも決して油断はできないが、更なる前進を見せれば楽勝を演じてもおかしくないはずだ。

　直線に向くと、ワンモアディネロは脱落し、スズノミヤビオーとグレイスマッシュの２頭が抜け出して来ての叩き合い。２頭のマッチレースの様相となるが、残り１ハロンでグレイスマッシュの方が頭ひとつリード。ここからグレイスマッシュがそのまま捻じ伏せて２連勝なるかと思われたが、内のスズノミヤビオーも実に渋太く食い下がり、ラスト150ｍから盛り返してくる。最後まで２頭のデッドヒートが続き、勝負の行方は分からなかったが、ゴール寸前でスズノミヤビオーがグイッと首だけ出て、惜しくもグレイスマッシュは僅かに競り負けて２着でのゴール。３着以下を３馬身も引き離して、実力は見せてくれたが、ほんの僅か足りなかった。。 鞍上の川島信騎手は、「いい感じの流れになってくれましたし、手応え十分。勝てると思ったくらいでした。最後は追い比べの形になって負けてしまっただけに悔しいです。」とコメント。 この内容の走りを見せられれば、もう１勝を挙げるのは時間の問題だ。

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●前年暮の中京日経賞で、まったくの人気薄ながら３着と健闘を見せたクロスヘッド。しかしながら、年が明けてからは特別戦を１２着，１２着、１１着。更には平場戦でブービー１４着と、まったく精彩を欠くレースを続けている。それでも、中京日経賞の好走は決してフロックではないはず。力を発揮できる条件さえ揃えば、巻き返しがあってもおかしくないはずだ。１番人気は、近２走特別戦を２着，１着としているゴールデンロドリゴで単勝2.5倍。後にＧ２のＣＢＣ賞２着，Ｇ１の高松宮記念，スプリンターズＳでともに５着になるなどの活躍をする馬。２番人気は、準オープン４着から降級し、前走1000万特別では１番人気で６着に終わったケイエスホノカで単勝4.2倍。クロスヘッドは、単勝30.3倍の９番人気。常識的は厳しいのかもしれないが、50kgの軽ハンデを生かして上位食い込みを狙う。

　直線に向くと、先頭クロスヘッドが渋太く踏ん張り、外ナムラスピリットは半馬身差の２番手。３番手グループにはゴールデンロドリゴもケイエスホノカもいるが、もうひとつ伸び切れない。前２頭の争いが続くが、ラスト100ｍではクロスヘッドが二の脚を発揮し、じわり3/4馬身にリードを開く。ゴール前でもう一度ナムラスピリットが差し返すような構えを見せたが、クロスヘッドは最後は余裕を見せながら半馬身差粘り切って優勝のゴール。２番手ナムラスピリットも、最後までクロスヘッドをかわす脚はなかった。３番手以下は更に２馬身半の差をつけていた。久しぶりに波乱を演出して見せたクロスヘッド。しかも今回は、一気の逃げ切り勝ちまで決めてしまった。鞍上の 鈴来騎手は、「馬場状態を考えて前に行った。スタートは良かったし、出たなりの位置で。外からケイエスが来たときにハミを取ってくれたが、最後は馬場に脚を取られてしまった。パンパンの馬場なら違っていたはず。」とコメント。 ハンデも恵まれてはいたが、今回は持てる力を存分に発揮することができた。勝ってなお1000万クラスに留まるだけに、引き続きチャンスありだ。

●人気薄の道新スポーツ杯で見事な逃げ切り勝ちを演じたクロスヘッド。勝ってなお同条件でのレースとなるだけに、引き続き期待をしていいはず。１番人気は、Ｇ３のファルコンＳ１０着の後、前走1000万特別で３着だったグリーリーランドで単勝4.4倍。２番人気は、近２走特別戦４着，３着のイシノグレイスで単勝4.3倍。後にアイビスＳＤ４着など重賞で上位に食い込む馬。クロスヘッドは、単勝15.7倍の７番人気。それほど評価は上がってきてはいないが、２走連続で上位争いをすれば、誰もがその力を認めるようになるはずだ。

　直線に向くと、先頭グリーリーランドが１馬身半リードで逃げ込みを図る。クロスヘッドがケイエスホノカを競り落として単独２番手に。しかしながら、ここから大外からケイアイバリアが一気の末脚を繰り出して凄まじい伸び脚を発揮し、クロスヘッドをあっという間に捉えると、ラスト100ｍで先頭グリーリーランドまで並ぶ間もなく抜き去って、ここから更に２馬身半後続を突き放して鮮やかな差し切り勝ち。クロスヘッドは伸びずバテずという感じで、グリーリーランドとは同じような脚色で差を詰められず、更にはゴール寸前で大外カノヤアカデミーに3/4馬身差されて４着でのゴール。それでも最後まで渋太く踏ん張って、２着のグリーリーランドとの着差は１馬身1/4差と、前走の勝利がフロックでなかったことを証明して見せた。ただ、馬場の悪い内に閉じ込められた点は痛かった。鞍上の鈴来騎手は、「馬場が原因なのか、内にモタれてしまって…。良馬場がベストですね。」とコメント。安定性が身についてきただけに、今後の活躍も大いに楽しみだ。

●潮騒特別で４着となり、道新スポーツ杯での勝利がフロックでなかったことを示したクロスヘッド。その後はオープンのＵＨＢ杯に果敢に挑んだが、さすがにここでは壁が厚く最下位の８着に終わってしまう。それでも、この秋のスプリンターズＳで５着となるゴールデンロドリゴから７馬身差で、大きく差をつけられたわけではなかった。その後は３ヶ月の休養を取り、前走中山の平場戦はブービー１３着に終わったが、ひと叩きされて得意のローカル開催となるだけに、変わり身があっても不思議はないはず。１番人気は、近２走特別戦を２着，６着としているゴールデンブレーヴで単勝3.4倍。キャリア僅か４戦という馬で、成長度は大きいはず。２番人気は、近２走特別戦を３着，２着としているケイアイバリアで単勝4.6倍。クロスヘッドは、単勝40.0倍の１２番人気の低評価。元々あまり人気にならない馬ではあるが、現級勝ちの実績からも、実力さえ発揮できればそれほど差はないはずだ。

　直線に向くと、クロスヘッドが渋太い伸び脚を発揮し、先頭に立っていたニシノブレスレットを残り１ハロンでかわしにかかる。しかしながら、外からソウゴン，つれて１馬身差でロードダルメシアンも差して来る。クロスヘッドが単独先頭で押し切りを図るが、ラスト100ｍでは外からソウゴン，ロードダルメシアンが半馬身差まで迫ってくる。しかしながら、この時点で既に勢いが違っており、ラスト50ｍでロードダルメシアンがかわして先頭。それでも２番手で粘ろうと頑張っていたクロスヘッドだったが、ゴール前では力尽きたようになってソウゴンに突き放されてしまって３着でのゴール。人気のゴールデンブレーヴは後方から追い込みをかけ、差は詰めたものの５着が精一杯だった。１２番人気ながら見せ場十分の３着と、改めて底力のを証明して見せクロスヘッド。一瞬勝ったかとさえ思わせる場面も作った。 鞍上の田嶋翔騎手は、「軽ハンデが良かったし、今日の馬場も苦にしませんね。何とかなると思ったのですが…。」とコメント。 叩き２走目で変わり身を見せ、これからまだまだ頑張ってくれるはずだ。

●前走の五色沼特別では、１２番人気の低評価ながら３着と善戦したクロスヘッド。改めて底力のあることを再確認しただけに、今回も好勝負を期待したいところ。１番人気は、近５走特別戦で 1-2-2-0 と勝ち負けの競馬を続けているマイネアイルで単勝1.7倍。２番人気は、近３走特別戦を４着，４着，５着としているパインアキナで単勝7.8倍。既に900万特別勝ちの実績のある馬。クロスヘッドは、単勝23.8倍の８番人気。今回もそれほど人気はないものの、前走の内容からもチャンスはあるはずだ。

　直線に向くと、ソロリサイタルとアグネスラブの２頭の叩き合いとなるが、残り250ｍを切ったところで外からこれをかわしにかかるマイネアイル。その後ろは２馬身と少し差が開いている。ラスト150ｍで、先頭から４馬身差の位置から外オメガグレイスとレスレクシオンの２頭がぐんぐん追い込んでくる。クロスヘッドは更に２馬身半後ろで、後方から差を詰めて来てはいるが、前までは届きそうにないか。ラスト100ｍでマイネアイルが先頭に抜け出すが、素晴らしい伸び脚を発揮したレスレクシオンが、先頭マイネアイルに猛然と襲いかかり、ラスト70ｍで並ぶ間もなく抜き去って先頭に突き抜けて優勝。そして、最後に渋太く伸びたオメガグレイスが、ゴール前でマイネアイルを首差捉えて２着。クロスヘッドは、ラスト100ｍでも先頭から５馬身差の中団だったが、オメガグレイスと同じような脚色で伸びて順位を上げ、最後は何とか５着入着確保のゴール。勝ち馬から４馬身の差があって、後方から差を詰めただけの内容で、見せ場があったわけではなかったが、前走に続いての掲示板確保でこの馬の力は示した。ただ、小回り中京で前に行けなかったのは致命的だった。今後も引き続き、条件と展開次第では勝機も見出せるはずだ。

●前年のラジオ福島賞では２着と好走したシップウジョー。しかしながら、その後の特別戦は１３着，１１着とまさかの大敗。ここにきて体調も下降線だったのか。不甲斐ない走りが続いただけに、今回は何とか巻き返したい。１番人気は、鳴海特別で頭差２着となった後、前走の初夢賞では３番人気で７着に終わったエプソムソルジャーで単勝4.2倍。２番人気は、昇級２戦目の前走大宰府特別では１番人気で３着だったアプロディッセで単勝5.0倍。シップウジョーは、単勝9.2倍の５番人気。実力伯仲の波乱ムードの一戦だが、シップウジョーも本来の力を出し切れれば、あっさり勝ってしまってなんら不思議はない。あとは、どこまで体調が回復しているかが鍵になる。

　直線に向くと、内からツルギハンティングがまた盛り返してきて、残り１ハロンでは、プレッジマイワードと２頭並んでの先頭争い。２馬身差でシップウジョーとタイキマグナムの３番手争いだが、これにエプソムソルジャーも加わってきて３頭の３番手争いに。先頭争いは、ラスト100ｍでツルギハンティングが競り勝って先頭。シップウジョーとエプソムソルジャーの３番手争いとなっていたが、ラスト100ｍで大外をグングン伸びたウィスキートゥデイがこの２頭を一気にあっさりかわして単独３番手に。シップウジョーも４番手争いで懸命に踏ん張っていたが、ゴール前でエプソムソルジャーに競り負けて、もう一度盛り返してきたタイキマグナムとほとんど同時の５着争いのゴール。写真判定の結果、辛うじて鼻差で５着入着は確保した。結局、ツルギハンティングが3/4馬身差抜け出して優勝した。近２走の大敗から盛り返しを見せたシップウジョーだったが、まだ本来の走りとは言えない。鞍上の 大西騎手は、「以前なら、あの位置までつけて行ければ差し切れていたんだけどなぁ。最後はジリジリになってしまった。」とコメント。 それでも、今回の５着で上昇ムードは感じられただけに、これから巻き返していきたい。

●ラジオ福島賞で２着と好走した後、特別戦は１３着，１１着とまさかの惨敗を喫したものの、走小倉の吉野ヶ里特別で５着と掲示板を確保したシップウジョー。ようやくここから巻き返しムードになってきた。今回も評価は高くないが、密かに勝利を狙っていく。１番人気は、南関東から中央入りし、特別戦をここまで３戦、全て４着以内の堅実な走りを見せているゼンノショウグンで単勝2.6倍。後に小倉大賞典３着など、重賞でも上位に食い込むことになる馬。２番人気は、七夕賞５着の後、1000万特別で３戦連続４着以内の惜敗を続けるダイワバーミンガムで単勝4.9倍。シップウジョーは、単勝20.3倍の７番人気。メンバーはなかなか強力だが、この馬の実力を出し切れるようなら、差のない競馬はできるはずだ。

　直線に向くと、早くもエアスムースが先頭に立って、追い出しを待つ余裕を見せながら抜け出して来ると、残り250ｍから満を持して追い出しにかかる。後続勢の中からエスパシオがじわじわ脚を伸ばすが、残り１ハロンでは更に１馬身差でシップウジョーも突っ込んで来る。先頭エアスムースが１馬身リードで押し切りを図るが、エスパシオにシップウジョーが並びかけての２番手２頭がじわじわ迫る。ラスト100ｍでは、エスパシオとの争いは、シップウジョーが半馬身出て２番手で、ここから先頭エアスムースに迫って行く。エスパシオも盛り返しを図る。エアスムースが渋太く粘るところ、そこへシップウジョーが際どく差し込み、更にはこの争いにエスパシオも加わって、最後は３頭まったく同時の写真判定のゴール。どの馬にも勝たせたいような大接戦だったが、結局シップウジョーに鼻差軍配が上がり、嬉しい勝利を飾った。大接戦を制して嬉しい勝利を飾ったシップウジョー。シービークロスの血を引く馬３頭が鼻，鼻の接戦で３着までを独占したのは、実に感慨深い。シップウジョーの差し脚が最後にほんの僅か上回った。鞍上の 江田照騎手は、「前半は砂を被って嫌がっていました。追ってからそんなに切れないからと聞いていたので、あえて仕掛けを遅らせたんですが、それがうまく行ったようですね。」とコメント。一時の不振を完全に脱出したシップウジョー。昇級後は更なる強敵相手となるが、準オープンでも勝負根性を発揮して、上位争いを期待したい。

●両国特別で、鼻，鼻差の大接戦を制して優勝したシップウジョー。これで準オープンに昇級となるが、昇級緒戦の前走卯月Ｓは６着。それでも、勝ち馬からの差は３馬身半程度で、決して大きな差があったわけではなく、準オープン２走目となる今回は、上位食い込みを期待したい。１番人気は、1000万下平場戦を２連勝して昇級してきたダイワバーミンガムで単勝2.6倍。七夕賞５着の重賞入着実績を持つ。２番人気は、前走Ｇ２のマイラーズＣに挑戦して１１着に終わっているフォーレルアゲインで単勝3.0倍。前々走準オープンのバレンタインンＳでは３着と力を見せている。シップウジョーは、単勝31.8倍の６番人気。オッズほど実力差があるとは思われず、展開時代では次第では十分チャンスがあるはずだ。

　直線に向くと、逃げたマティーニに、残り400ｍで外からシップウジョーが並びかける。２頭の叩き合いとなるが、残り250ｍでシップウジョーの方が競り勝って先頭。マティーニが僅かに遅れて２番手で、その後ろ１馬身半差で中ダイワバーミンガム，外フォーレルアゲインの人気２頭が差して来る。更にはカオリジョバンニも差はない。シップウジョーも懸命に粘っていたが、ここから少し甘くなって、ラスト120ｍでフォーレルアゲインにかわされ、更にはラスト70ｍで中カオリジョバンニにも差されてしまう。ダイワバーミンガムは、優勝争いからは遅れを取る。伸びを欠いたシップウジョーだが、それでも３着には何とか粘れるかという態勢だったが、ゴール前でダイワバーミンガムに僅かに頭差差されて４着でのゴール。上がり33.3秒の脚を使って優勝したフォーレルアゲインがらは２馬身半の差があった。早目先頭で最後は伸び切れなかったシップウジョーだが、優勝争いには踏ん張って見せ場は作ってくれた。鞍上の 小野騎手は、「今日はある程度行こうと思って２番手の競馬。直線に向いた時も手応えがあったし、一瞬やったかなと思ったんですが…。でも左回りも問題なかったし、よく頑張ってくれました。」とコメント。 準オープンでも互角に戦える力は示してくれただけに、次走では更に上の着順を期待したい。

●準オープン昇級２戦目の晩春Ｓで４着と上位に食い込んだシップウジョー。しかしながら、続く特別戦では９着に終わり、オープンの巴Ｓに挑戦するも１２着殿り負け。再び自己条件に戻った前走漁火Ｓでも７着に終わり、ここにきて停滞ムードになってきているだけに、そろそろ奮起を期待したい。１番人気は、前走新潟の1000万特別を快勝して昇級してきたロイスジュニアで単勝1.9倍。２番人気は、Ｇ３の新潟記念でで４着と善戦した後、前走自己条件戦では３着だったチョウカイリョウガで単勝2.6倍。シップウジョーは、単勝16.7倍の５番人気。本来の力を発揮できれば、差のない競馬は十分可能なはず。ここから再び上昇ムードに乗っていきたい。

　直線に向くと、シップウジョーも渋太さを発揮して逃げ込みを図る。残り１ハロンでユキノサンロイヤルが２番手に上がって来るが、ロイスジュニアもほとんど差はない。先頭シップウジョーは二の脚を発揮し、リードを１馬身半と逆に開いてゴールを目指す。しかしながら、ラスト150ｍを切ってからシップウジョーの逃げ脚が甘くなってきて、ユキノサンロイヤルとその外首差のロイスジュニアの２頭がじわじわ迫る。よく踏ん張っていたシップウジョーは、一旦は勝てるかというシーンもあったが、ラスト50ｍでユキノサンロイヤルに競り負け、ゴール寸前でロイスジュニアにも差されて無念の３着でのゴール。見せ場十分の健闘と言える走りを見せてくれたが、着差が僅か首，首差の接戦だっただけに、あともうひと押しを利かせられなかったのが惜しかった。 鞍上の小野騎手は、「仕上がりは良かったよ。今日はメンバーを見て前でレースをしたが、この馬は先行した方がいいみたいだね。」とコメント。 それでも、このところの停滞ムードはここにきて払拭。自分のペースで気持ちよく逃げられれば、準オープンでの勝利のチャンスも十分にあるはずだ。

●前走ニューマーケットＣで僅差の２着と見せ場十分の走りを見せたシップウジョー。今回は前走以上にメンバーが揃ったが、前走同様に気持ちよく行ければチャンスはある。１番人気は、前走菊花賞８着のダンツシェイクで単勝3.2倍。準オープンでも勝ち負けを争ってきている馬。２番人気は、近２走Ｇ３の新潟大賞典４着，Ｇ３のマーメイドＳ６着と重賞でも健闘しているハッピーパスで単勝4.4倍。Ｇ１の桜花賞４着という実績を持つ馬。シップウジョーは、単勝13.0倍の７番人気。やや評価は低いが、自分のパターンに持ち込めれば渋太さを発揮してくれるはずだ。

　直線に向くと、シップウジョーが渋太く１馬身リードで粘り込みを図る。２番手プレジオの外からトーホウスパーク。間の狭いところをダンツシェイクが突こうとするが、ラスト150ｍでは進路が狭くなって、頭を上げてスピードを鈍らせてしまう。ここで、先頭シップウジョーに馬体を併せるプレジオ。ここからシップウジョーは優勝争いから脱落し、先頭プレジオにじわじわハッピーパス，更に大外からはダイタクバートラムの突っ込み。この３頭は大接戦の叩き合いとなったが、最後にハッピーパスが頭差競り勝って優勝。上位３頭から突き放されたシップウジョーは、何とか４着には粘り込もうという態勢だったが、体勢を立て直して追ってきたダンツシェイクにゴール寸前で外から首差差されて５着でのゴール。大外マヤノトライミーも差を詰めていたが、これは首差しのいだ。今回も自分の競馬はできたシップウジョーだったが、終始突かれながらの競馬で前走ほどの粘りは発揮できず。それでも、力のあるところは見せてはくれていた。 鞍上の小野騎手は、「プレッシャーをかけられたけど、最後までよく頑張っていると思います。」とコメント。 今後もメンバーと展開次第では、準オープンでの勝利も狙っていきたい。

●前年２月、障害４戦目の未勝利戦で２着に食い込む健闘を見せたスバルパンシー。これで勝利への期待も持ったが、その後は１０戦して５着が３回という成績。６着，７着も多く、決して悲観するほどの内容ではないが、それでも掲示板ラインぎりぎりという感じの状況が続く。そして暮には平地500万下戦に２度使われるが、ここは１３着，１４着と大敗に終わる。年明け緒戦の今回は、再び障害でのレース。何とか上位と差のない見所のある走りを期待したい。１番人気は、平地1000万クラスから障害入りし、緒戦の前走で２着と障害適性を発揮したバンダムフェザントで単勝2.1倍。２番人気は、900万特別，1000万特別を連勝し、Ｇ３のアイビスサマーＤで１０着となった後に障害入りし、ここまでの２戦を５着，６着としているワンダーフルフィルで単勝4.3倍。スバルパンシーは、単勝44.6倍の９番人気の低評価。しかしながら、この馬の差し脚が生きる展開になれば面白いはずだ。

　 レースでは、スバルパンシーは向正面からまずまずのスタートを切るが、ゆっくり後方に下げて行く。トウキュウコマンドが先頭だが、ほぼ固まった態勢。スバルパンシーは中団だが、先頭までは３馬身半とそれほど差はない。３角では、今度は人気のバンダムフェザントが先頭に替わり、１馬身1/4差でトウキュウコマンドが２番手だが、３〜４角の中間でシロヤマロウジーがこれをかわして２番手に押し上げる。このあたりから徐々に隊列はバラけてきて、４角ではスバルパンシーは先頭から７馬身差の後方外目で正面スタンド前へ。バンダムフェザントが１馬身半リードで先頭で、今度はカルストンハードオが２番手に上がってくる。中団のスンバルパンシーは、先頭から６〜７馬身差の中団で流れに乗る。１〜２角では、先頭ダンバムフェザントは、リードを２馬身半と少し開きにかかる。カルストンハードオが２番手で、２馬身差でレオブラック，１馬身差でワンダーフルフィルの順。

　向正面では、中団スバルパンシーは先頭まで１０馬身差で、内マグマミリオンと並ぶような態勢。３角手前では、先頭バンダムフェザントはリードを３馬身と開きにかかり、２番手カルストンハードオは手が動き始める。しかしながら、バンダムフェザントは障害飛越でバランスを崩し、その差が２馬身に縮まり、３角ではムチが入る。３角過ぎではワンダーフルフィルが２番手に上がって来るが、先頭バンダムフェザントは、３馬身半とまた差を開いていく。しかしながら、３〜４角の中間から、２番手以下の馬たちも差を詰めにかかる。先頭から７〜８馬身差の中団にマグマミリオンかいて、スバルパンシーはその２馬身後ろの位置。４角では、先頭バンダムフェザントのリードは２馬身で、ワンダーフルフィルが２番手。１馬身差でレオブラック，更に１馬身差にグーンと押し上げて来たマグマミリオンが４番手。スバルパンシーは、その３馬身後ろの中団大外から追い込み態勢で直線へ。

　直線に向くと、内目を一気にマグマミリオンが伸びて押し上げる。残り300ｍでは、先頭バンダムフェザントに、１馬身差でマグマミリオンとワンダーフルフィルが２番手争いから追ってくる。更に１馬身差で最内からインディアンルビー。これに半馬身差でレオブラックが５番手だが、その２馬身後ろの大外６番手争いからスバルパンシーも突っ込んで来る。残り１ハロンでマグマミリオンが先頭に抜け出して、バンダムフェザントは脚が止まってくる。ラスト100ｍでは、インディアンルビーがバンダムフェザントをかわしにかかり、3/4馬身差でワンダーフルフィルが４番手。その１馬身半後ろの５番手からスバルパンシーも詰め寄ってくる。ここからは、早目先頭のマグマミリオンに、インディアンルビーが２番手から詰め寄り、この２頭のマッチレースとなったが、マグマミリオンが首差振り切って優勝。スバルパンシーは、ワンダーフルフィルとバンダムフェザントの３着争いの叩き合いに際どく詰め寄ってきたが、馬体を併せに行ったところで同じような脚色になってしまい、惜しくも首，首差及ばず５着でのゴール。それでも５着入着は果たし、しかも３着争いにまで食い込んだ走りは、十分健闘と言っていい。できればもうあとひと押しで３着にまで食い込みたかったが、よく頑張ったと言っていいだろう。 鞍上の田嶋翔騎手は、「スムーズなレースができましたね。それに３kg減の斤量も利いていると思う。」とコメント。 今後も展開が嵌れば、今回のような好走も期待できるはずだ。

●年明け緒戦の障害未勝利戦で、５着ながら差のない競馬をして見せたスバルパンシー。しかしながら、その後は競走中止，１２着，８着とまったく見せ場なし。この近２走は勝ち馬から7.0秒，5.7秒もの大きな差をつけられており、力を発揮できるパターンに持ち込めなければ厳しい状況が続いている。それでも、壷に嵌ればあっと驚く好走もないとは言えないだけに、密かに上位食い込みを狙っていく。１番人気は、近２走連続２着のトーアエカテリーナでで単勝3.0倍。後に障害オープンでも上位争いをすることになる馬。２番人気は、前走障害入り緒戦で１番人気で５着だったエアコルサバードで単勝3.3倍。平地では1000万クラスだった馬。スバルパンシーは、単勝63.9倍の９番人気。近走の成績から評価は下がっているが、大穴を開ける可能性はあるはずだ。

　直線に向くと、スバルパンシーはスプリングトーカイをかわして５番手に押し上げ、掲示板確保の期待が高まる。この時点で、２番手エアコルサバードから８馬身の差がある。残り１ハロンでも、フエイバータッチはリードを保って逃げ切り態勢。２番手でエアコルサバードが粘り、４馬身差でレザーゲイルが３番手に。１馬身半差で外４番手メジロディングルは脚が止まってくる。これに１馬身半差で中からスバルパンシーが差を詰める。ここからよく伸びたスバルパンシーは、メジロディングルをかわして４番手に上がると、３番手レザーゲイルに詰め寄って行ったが、ラスト100ｍからは同じような脚色に。更には一旦かわしたスプリングトーカイが盛り返してくる。この３番手以下の３頭は差がなく、３頭で２番手エアコルサバードにじわじわ迫る。しかしながら、スバルパンシーは結局前を捉え切れず、２着に粘ったエアコルサバードから半馬身，首差の４着でのゴール。先頭フエイバータッチは、直線更に後続を突き放して約１４馬身差をつける大差の圧勝だった。２着争いに食い込む４着と見せ場十分の大健闘を見せてくれたスバルパンシー。嵌った時はこれだけ大駆けができるのが実に面白い。できれば、もうあとひと押しで２着にまで食い込みたかったが…。 鞍上の江田勇騎手は、「スタートしてハミを取ってくれなかった。道中は追い通しだったよ。最後はハミを取ってくれたし、ジワッと伸びてくれた。」とコメント。 今後も安定して走れるかどうかは分からないが、またこういうチャンスも巡ってくるはずだ。

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●前年暮の仲冬特別で２着と実力を見せたスプリングガーベラ。1000万クラスでの勝利にも十分手が届くと思われたが、年が明けての小倉の特別戦は１２着，８着。４ヵ月半の休養で立て直しが図られたが、復帰緒戦の前走ＴＶｈ杯でも７着に終わる。このところ精彩を欠いているが、今回は叩き２走目となる上、夏競馬は向いているタイプだけに、そろそろ変わり身があってもいいはず。１番人気は、1000万特別で２着，３着，２着，２着と惜敗を続けた後、前走500万クラスに降級した平場戦で３馬身半差楽勝を演じたヌーヴァレジェンダで単勝1.7倍の断然人気。昇級戦というのは形だけ。２番人気は、前走特別戦２着のシャドウスプリングで単勝5.5倍。既に900万特別勝ちの実績のある馬。スプリングガーベラは、単勝18.3倍の５番人気。変わり身が期待されて、穴馬評価を得ているが、この馬らしい差し脚を発揮してくれる予感がある。

　直線に向くと、コーナーワークを利してウォーターポラリスが単独先頭に立って１馬身のリード。しかしながら、やはりヌーヴァレジェンダがすぐに盛り返し、ラスト150ｍでかわして単独先頭へ。２番手ウォーターポラリスの１馬身外からシャドウスプリングが差して来る。スプリングガーベラは中を突いて、大外シャーリーとともに追い込んでくるが、先頭まで捉えるところまでは厳しいか。スプリングガーベラもよく伸びて、最後は大接戦の３着争いに加わってくる。リザルトシチー，更にはゴール寸前でウォーターポラリスを捉えたが、大外シャーリーに首差競り負けて４着でのゴール。ヌーヴァレジェンダは、１馬身1/4差押し切って人気に応える勝利を飾った。４着だったスプリングガーベラだが、久しぶりにこの馬らしさを見せてくれた。やはり夏場は得意な季節なのか。鞍上の 伊藤直騎手は、「今日みたいにゆるい馬場は滑ってしまう。エンジンのかかりが遅かったし、最後になってようやくハミがかかって、直線も追うと反応よく伸びた。いいものを持っている馬だし、上のクラスでも通用しそうだよ。」とコメント。 ようやく調子が上がってきて、ここから更に前進して行きたい。

●函館日刊スポーツ杯では４着だったスプリングガーベラ。しかしながら、その後は明らかに調子落ちしてしまい、夏の北海道の特別戦は１０着，９着，１１着。精彩を欠く現状から、その後は３ヵ月半のレース間隔を取って立て直しを図る。今回は休み明けの一戦だが、リフレッシュ効果が出ていれば、当然巻き返しがあって不思議はない。１番人気は、近２走を連続２着としているニシノムーンライトで単勝2.3倍。後にクイーンＳ４着，京都牝馬Ｓ５着と重賞でも活躍することになる馬。２番人気は、前走の特別戦では１番人気で８着に終わったメジャーカフェで単勝4.1倍。春はＧ１のＮＨＫマイルＣ４着などの活躍をした馬。スプリングガーベラはかなり評価が低く、単勝92.8倍の１０番人気。メンバーはなかなか強力だが、スプリングガーベラも実力さえ発揮できれば、肉薄する競馬も十分可能だなはずだ。

　直線に向くと、先頭クリアーシャインが１馬身3/4差とリードを開いて逃げ込みを図る。混戦の２番手争いから、残り250ｍでメジャーカフェが単独２番手に上がってくる。このあたり、ニシノムーンライトは前が壁になって苦しい態勢。スプリングガーベラは内から脚を伸ばし、メジャーカフェから２馬身半差で、中団グループのゴッチャの争いに加わってくる。先頭クリアーシャインは甘くなり、ラスト100ｍでメジャーカフェがかわして先頭。半馬身差でイルバチオが２番手に上がってくる。その１馬身1/4差後ろの広がった４番手争いに、内ラチ沿いスプリングガーベラと外ニシノムーンライトが伸びてくる。ラスト50ｍを切ったところで、一杯のクリアーシャインをかわしてスプリングガーベラとニシノムーンライトの３番手争いとなるが、スプリングガーベラはここから競り負けて４番手に。更にはゴール寸前で内外大きく離れた大外から突っ込んだダイワマイクルに鼻差かわされて５着でのゴール。それでも、近走着外が続いていたことを考えれば、立て直しの効果が出たと言っていい。 鞍上の田中勝騎手は、「テンには行けないが、行ってもダメだと思う。でも、終いはよく伸びているよ。」とコメント。 絶好調時ほどの切れ味は繰り出せなかったが、復調なった感があるだけに、ここから更に巻き返しを図りたい。

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●前年１０月の愛宕特別で差し切り勝ちを演じたダブルハピネス。ここから更に勢いに乗って行きたかったが、その後は６ヵ月半の休養に。今回は休み明けにもかかわらず、馬体重が12kg減となっており、体調的にはもうひとつというところか。それでも現級勝ちの実力から考えて、ここでもある程度の好勝負は可能。１番人気は、昇級緒戦の前走平場戦で頭差２着と実力を見せたアイアンリアリティで単勝1.7倍。堅実無比の走りに定評があり、後にはオープン特別で連対するなどの活躍をする。２番人気は。1000万クラス昇級後の平場戦を３連続２着としているユレルオモイで単勝5.3倍。後の交流Ｇ３のクイーン賞４着などの活躍をする馬。ダブルハピネスは、単勝25.5倍の７番人気。実力を出し切れれば差はないはずだが、今回はそこまでは望めないデキ。それでも、格好をつける走りは見せてくれるはずだ。

　直線に向くと、アイアンリアリティは３番手で手綱を持ったままで、追い出しを待つ余裕を見せ、残り１ハロンから満を持して追い出しにかかる。しかしながら、その割りに追い出してからグイッと伸びる感じではない。ブルーレッドブルーとトヨサンランボーの２頭の先頭争いに、外からじわじわ詰め寄るアイアンリアリティ。直線入口ではアイアンリアリティと同じ位置だったユレルオモイは、突き放されてしまって伸び切れない。ダブルハピネスは、内からじわじわ伸びてラスト250ｍで５番手まで押し上げるが、４番手のユレルオモイには水を開けられて、そのまま流れ込む形で５着入着のゴール。優勝争いは３頭の大接戦だったが、最後の最後でアイアンリアリティが鼻差差して優勝した。一応５着入着を果たしたダブルハピネスだったが、勝ち馬からは７馬身の差。しかしながら、休み明けで体調不十分，スタートで５馬身立ち遅れたことを考えれば、まともなら好勝負になっていたはず。鞍上の 秋山騎手は、「最後はすごくいい伸びを見せてくれた。久々でこれだけやれるあたり、この馬かなり走りますよ。今日は大きく出遅れてしまったが、順調なら次はあっさり勝てるんじゃないかな。」とコメント。 今回は５着に終わったが、次走ではもちろんチャンス十分。ただ、出遅れ癖の解消は必要だ。

●６ヵ月半ぶりのレースとなった桃山特別では、スタートで大きく出遅れて５着だったダブルハピネス。ひと叩きの効果が期待された続く鷹取特別では、ひと叩きの上積みが期待されたが、ここでは９着に終わってしまう。とにかくスタートに難があるのが大きな課題だが、叩き３走目の今回は、そろそろ本領を発揮してくれるはず。１番人気は、1000万特別を１着，２着，２着とし、ここでは間違いなく力量上位のアイアンリアリティで単勝2.1倍。３走前の桃山特別では、ダブルハピネスに勝っている。今回で５連続１番人気に支持されている。２番人気は、500万下平場，1000万特別を連勝中のウォーターリーグで単勝3.4倍。前年のＧ３のユニコーンＳでは４着に食い込んでいる。ダブルハピネスは、単勝13.9倍の５番人気。スタートさえ決められれば、互角の勝負は十分可能だ。

　直線に向くと、ダブルハピネスの強さは桁違いで、更に後続をグングン突き放す。２番手にはフェルメールブルーで、１馬身半差でトヨサンランボーが３番手。アイアンリアリティは更に２馬身後ろで、ようやく脚を伸ばして来るが、到底ダブルハピネスには及ばない。断然先頭のダブルハピネスは、ラスト150ｍで１０馬身と大きなリードで独走態勢。もう既に追う必要もなくなったダブルハピネスは、ここからは軽く馬なりで流した分少し差を詰められたが、２番手に上がったアイアンリアリティに７馬身差をつける圧勝のゴール。スタートで出遅れながら、ひとマクリで先頭に立って、直線で更に後続を突き放す圧倒的な勝ちっぷり。次元の違う強さを見せつけ、これほどまでに強かったのかと驚嘆！鞍上の 飯田騎手は、「最近の成績こそひと息でしたが、返し馬の感触が良かったので、好調時のデキに戻りつつある気がしました。途中から引っ掛かるタイプなので、前半は折り合いに専念。無謀かなとは思いましたが、ペースが落ち着いていたし、４角からヨーイドンの競馬だと届かない馬なので、向正面から行かせたんです。最後まで保ちそうな手応えはありましたが、気で走るタイプなんでしょうね。」とコメント。 これだけの強さを発揮すれば、いやがうえにも期待は大きく膨らんでいく。準オープンでも当然好勝負できるはずだ。

●前走のＴＶＱ杯では、スタートで出遅れながら、一気のマクリで７馬身差の桁違いの圧勝を演じたダブルハピネス。今回はいよいよ準オープンに昇級しての一戦となるが、前走の勝ちっぷりからも、いきなり勝ち負けの競馬を演じても不思議はない。今後どこまで活躍できるかを占う一戦となる。１番人気は、1000万特別を優勝した後、前走オープンに挑戦した阿蘇Ｓでも３着と好走したエイシンダンズビルで単勝2.9倍。２番人気は、オープン特別で５着，３着とした後、前走の準オープン戦では３着だったトシザボスで単勝3.2倍。後にエルムＳ２着など重賞で活躍することになる馬。ダブルハピネスは、単勝5.2倍の３番人気。このメンバーでも決して遜色があるとは思われない。相当に期待をかけていいはずだ。

　直線に向くと、残り250ｍで先頭トーセンノースランにエイシンダンズビルが並びかけ、この２頭で後続を３馬身と突き放す。３番手争いは、ケイエスドラゴンなどが３頭ほどの争いとなっている。ダブルハピネスもじわじわ伸びて３番手グループに迫っていくが、上位２頭には届きそうにない。エイシンダンズビルがあっさり抜け出して、ラスト100ｍではもう４馬身リードで、後は馬なりで軽く流す。ラスト150ｍからようやく伸びたダブルハピネスは、ここで３番手争いの３頭をまとめて抜き去るが、２番手のトーセンノースランまでは４馬身の差がある。ダブルハピネスも最後までよく伸びていたが、トーセンノースランとのとの差を２馬身差まで詰めるのがやっとで３着でのゴール。楽勝のエイシンダンズビルからは６馬身の差があった。昇級緒戦で３着となって、準オープンでも互角の競馬ができることを示して見せたダブルハピネス。それでも、勝ち馬からの６馬身差は、内容的にはひと息の印象も残した。それは、それだけダブルハピネスへの期待が大きいことの証でもある。 鞍上の河内騎手は、「この距離でも思ったよりついて行けたが、３角でゴチャつくところがあったからね。でも、遅い流れだった割によく差を詰めてくれている。ひと頃よりも状態も上向いているし、前走の強い内容も伊達ではなかったね。」とコメント。 今回は道中折り合いを欠く面もあっただけに、リズムよく走れればもっと上のレベルの走りができるはず。追い込み勢の中でただ一頭上位食い込みを果たした点も評価できる。クラス２走目の次走では、更に前進してくれるはずだ。

●準オープン昇級緒戦の前走涼秋Ｓでは３着だったダブルハピネス。準オープンでも互角の競馬ができるところは示してくれたが、少し着差が開いたレースだった点は不本意だった。今回は果敢に重賞に初挑戦となるが、52kgの斤量は非常に魅力で、このメンバー相手でも上位食い込みの期待がかかる。１番人気は、オープン特別の欅Ｓ，Ｇ３のプロキオンＳと目下２連勝中のスターリングローズで単勝1.7倍の断然人気。後にＧ１のＪＢＣスプリント優勝，フェブラリーＳで３着となるのを始め、グレードレース通算６勝の実績を残すことになる馬。２番人気は、オープン特別と交流Ｇ３を２つの目下３連勝中と勢いに乗るディバインシルバーで単勝7.4倍。ダブルハピネスは、単勝14.9倍の５番人気の穴馬評価。ＴＶＱ杯で見せたような桁違いの走りを見せられれば、この相手でも好勝負は十分可能なはずだ。

　直線に向くと、残り１ハロンで、手綱を持ったままで先行２頭に外から並びかけるスターリングローズ。この時点で、その手応えの違いから、スターリングローズの勝利を誰もが確信するような状況。ここから満を持して追い出しにかかる。２馬身差の４番手がエイシンダンズビルだが、その１馬身後ろの３頭並んだ大外からダブルハピネスが猛烈な追い込みをかけてくる。ヤマカツスズランとスターリングローズの先頭争いから、ラスト100ｍでスターリングローズが先頭に抜け出してくる。ダブルハピネスは、前走涼秋Ｓで６馬身差をつけられたエイシンダンズビルを抜き去って３番手に押し上げると、、前の２頭との２馬身半差をぐいぐい詰めて行く。最後の伸び脚ではダブルハピネスが断然まさり、ゴール寸前でヤマカツスズランを首差捉えたものの、スターリングローズには半馬身及ばず２着でのゴール。それでも、重賞初挑戦で断然の１番人気を追い詰める走りは、なかなかの評価に値するもの。500万クラスでも足踏み状態の次期が時期があたったダブルハピネスだが、よくぞここまで成長してくれたという感じ。 鞍上の河内騎手は、「終いよく差して来れたけど、勝ち馬はまだ余裕があったみたいだし、相手が強かったね。それでもこの馬自身、硬さがほぐれて最近ずっと具合がいいし、流れさえ速くなればキッチリ脚を使ってくれる。これでオープン馬だね。」とコメント。 重賞でも通用する能力を自らの力で示し、これから更なる飛躍が期待されることとなった。

●前走のシリウスＳで２着と好走したダブルハピネス。52kgの軽ハンデもあったが、重賞で勝ち負けを争う競馬ができたのは大きな自信になる。今回はジャパンＣダートの前哨戦だけに、ここでも上位争いができるようなら楽しみが膨らんでくる。１番人気は、Ｇ３のアンタレスＳ，Ｇ２の東海Ｓを連勝中のハギノハイグレイドで単勝1.8倍の断然人気。４走前にはＧ１の川崎記念で頭差２着となっているほどの馬だが、今回は５ヶ月ぶりの実戦でもある。２番人気は、近４走Ｇ３で１勝，２着２回と実力を見せているスマートボーイで単勝6.2倍。ダブルハピネスは、単勝10.8倍の４番人気。今回はハンデ戦ではないにも関わらず、前走２着が評価された形で穴人気を集めている。前走の力が本物であることを示して、Ｇ１挑戦を現実のものにしていきたい。

　直線に向くと、マイネルブライアンが先頭ロングカイソウに一気に襲かかるが、ここからダブルハピネスもグイグイ力強い伸び脚。残り１ハロンでは、ダブルハピネスがマイネルブライアンに並んできての２番手争い。ラスト150ｍでは、ロングカイソウは完全に一杯で、この２頭でこれを一気に抜き去っていく。マイネルブライアンと外ダブルハピネスの叩き合いは、ここでダブルハピネスがじわっと出る。ここからマイネルブライアンも渋太く食い下がったが、ダブルハピネスはじわりじわりとその差を開き、最後は半馬身競り落としてグレードレース優勝のゴール。素晴らしい成長力で、ついに重賞タイトルまで奪取してしまった。 鞍上の河内騎手は、「前からは離されていたが、途中で動いてしまうと良くないから、自分の競馬に徹するつもりだった。外ワクでうまく流れに乗れたし、流れが速くてちょうど良かった。前走は1400ｍで強い競馬をしていたし、密かに期待していたんですよ。」とコメント。 かつては500万クラスでも勝ち切れていなかったことを思い返すと、ここまでに至ったのは実に感慨深い。この勝利は、シービークロスに母父として初の平地グレードレース制覇をもたらした。次走はもちろんジャパンＣダート。夢のＧ１挑戦となるが、Ｇ１の晴れ舞台でも精一杯の走りで健闘を見せてほしい。

●武蔵野Sを優勝し、ついに重賞ウイナーとなったダブルハピネス。秋のダートＧ１の前哨戦とも言えるレースを優勝しただけに、この後向かうのは当然ジャパンＣダートとなる。生涯初のＧ１の晴れ舞台となるだけに、全力勝負で上位争いを演じて見せたい。１番人気は、菊花賞４着の後、ＪＢＣクラシックを優勝しているアドマイヤドンで単勝2.2倍。この後ダート王として君臨する馬で、生涯通算芝ダート合わせてＧ１を７勝を挙げるほどの馬。２番人気は、ジャパンダートダービー，ダービーグランプリと、３歳統一Ｇ１をそれぞれ７馬身，１０馬身差の桁違いの内容で連勝してきているゴールドアリュールで単勝2.6倍。ダブルハピネスは、単勝28.5倍の７番人気。確かにこれまで戦ってきた相手とは違うが、勢いに乗って、日本のダート最強馬たちに真っ向勝負を挑んでいく。

　直線に向くと、ゴールドアリュールがまたひと伸びして半馬身リード。外にアドマイヤドンだが、内に入ったイーグルカフェも２番手争いに。一方、ダブルハピネスはまったく伸び脚がない。ラスト150ｍでゴールドアリュールは甘くなり、ここでイーグルカフェが内からかわして先頭に。アドマイヤドンがじりじり２番手を窺い、ラスト100ｍでゴールドアリュールを捉える。ダブルハピネスは、後ろの馬にもかわされて順位を下げてしまい、最後は結局１３着でのゴール。そのままイーグルカフェが１馬身差を保っての押し切り勝ちで、ゴール前で大外強襲のリージェントブラフが、アドマイヤドンを首差捉えて２着に食い込む波乱となった。ダブルハピネスは、勝ち馬から約１４馬身差の敗戦だったが、実はレース中に脚元に故障を生じていた。鞍上の河内騎手は、「デキは良かったけど、最後は 脚元を気にしていた。」とコメント。 ３角から脚元に違和感を感じていたといい、これではこの結果も致し方なかった。レース後の診断は、左前骨膜炎。夢にまで見たＧ１の晴れ舞台で、レース中に故障発生とは…。完走したとはいえ無念の一語に尽きる。この後、ダブルハピネスは６カ月の休養を経て無事復帰することができたが、復帰後はもうかつてもの面影はなく、５戦して全てまったく見せ場のない着外という結果でターフを去った。本当の実力を発揮したのはほんの一時期で、運もなかったが、そんな中でもこの馬の鮮烈な走りはいつまでも深く胸に刻まれている。引退後は、小倉競馬場で誘導馬として頑張っている。

●前走の猪名川特別で渋太く２着に粘ったタマモスプリング。前々走のゴールデンブーツＴでは１０着だったが、勝ち馬から0.4秒差の競馬をしており、展開さえ向けばこれくらい走れて何ら不思議はない。もちろん今回も再度の好走を期待したい。１番人気は、近４走連続で３着以内の堅実な走りを見せているダークウィザードで単勝3.0倍。皐月賞出走経験もある馬。２番人気は、前走Ｇ３の中日新聞杯に挑戦して７着だったサンライズシャークで単勝3.4倍。後に小倉記念２着などの活躍をする馬。タマモスプリングは、単勝16.5倍の７番人気。そのほか後に春の天皇賞でヒシミラクルに半馬身差の２着と健闘することになるサンライズジェガーも出走している。それほど人気は高くないタマモスプリングだが、実力の差はそれほどないはず。勝負根性を発揮できれば、勝ち負けの競馬も十分可能なはずだ。

　直線に向くと、残り250ｍでタマモスプリングがアストラルブレイズをかわして先頭。１馬身差でダークウィザードが２番手だが、タマモスプリングはその差を詰めさせない。しかしながら、外からはサンライズジェガーが一気に突っ込んで来る。タマモスプリングを巡って先頭争いが激戦となってきて、ラスト150ｍではタマモスプリングに大外サンライズジェガーが並んでくる。間半馬身差でダークウィザードも優勝争い。タマモスプリングも懸命の踏ん張りを見せたが、ラスト50ｍでサンライズジェガーが競り勝って先頭。タマモスプリングが２番手に粘ることろ、ダークウィザードがじわじわ迫り、更にはゴール前で大外一気にサンライズシャークが突っ込んだが、タマモスプリングは鼻，首差しのいで２着死守のゴール。優勝したサンライズジェガーからも僅か半馬身差も競馬だった。見せ場十分の競馬を見せてくれたタマモスプリング。鞍上の 小林徹騎手は、「渋太さが出てきた。別定戦でもこれだけやれたのは収穫。力をつけてきているということだろう。」とコメント。 安定した走りを見せて、1000万クラスでの勝利に向けて大きく前進。これからも見せ場十分の走りを見せてくれるはずだ。

●年明けの初夢賞でも２着となり、これで２戦連続の２着となったタマモスプリング。いよいよ1000万クラスでの勝利も見えてきたが、続く稲荷特別では７着と失速。それだけに、今回はなんとしても巻き返したい。１番人気は、昇級後の特別戦を６着，２着としているエイシンハリマオーで単勝3.8倍。前走は僅差の勝負で、もちろんここも勝利を狙ってくる。２番人気は、前走１年１カ月もの長期休養明けの特別戦で５着だったエルウェースターで単勝4.2倍。休養前はこのクラスで勝ち負けをしていた馬だけに、ひと叩きされた今回は、前進あるのみ。タマモスプリングは、単勝17.0倍の９番人気。前走は実力を出し切っての結果ではないだけに、チャンスは十分あるはずだ。 ４ヶ月レース間隔が開いた点もカギとなってくる。

　 直線に向くと、マイネルハンサムがあっさり先頭。タマモスプリングは抵抗できずに２番手だが、ここから懸命に粘り込みを図る。外からじわじわプラントタイヨオーが詰め寄ってきて、タマモスプリングはラスト150ｍでかわされて３番手に。ここから更に差し馬勢に迫られて、ラスト50ｍで内の狭いところを割ってきたエルウェースターに差され、ゴール寸前では大外エイシンハリマオー以下にも並びかけられたが、なんとか頭差粘って４着死守のゴール。早目先頭のマイネルハンサムは、プラントタイヨオーの追撃を半馬身抑えて優勝した。４着に踏み止まったタマモスプリングだが、もうひとつ粘りが見られなかったのが不本意。この馬本来の走りとは言えなかった。鞍上の 小林徹騎手は、「いいペースで運べたんだけど、久々で少しイライラしていた分、最後に止まってしまった。でも、これなら次は楽しみだね。」とコメント。 今回は４ヶ月の休み明けだっただけに、致し方ない面もあった。これからも当然巻き返しがあって不思議はないはずだ。

●有松特別では逃げて４着だったタマモスプリング。その後は果敢にＧ３の愛知杯に挑戦したが、さすがに相手が強くブービー１１着に終わる。それでも、クラス再編で500万クラスに降級となっただけに、早々に勝ち上がれると思われたが、前走の和田岬特別ではまさかの１２着大敗。超ハイペースの先行争いに巻き込まれた不運もあっただけに、今回は巻き返しを期す一戦。１番人気は、京成杯４着，きさらぎ賞３着以来５ヶ月ぶりのレースとなるカゼニフカレテで単勝3.6倍。後にＧ３の愛知杯を制するなどの活躍をする馬。重賞で活躍した実力は、休み明けでも上位のはず。タマモスプリングは、単勝3.6倍の２番人気。３番人気は、前走８ヶ月ぶりの500万特別で７着だったシルキードルチェで単勝5.0倍。秋華賞出走の経験のある馬。タマモスプリングにとって、カゼニフカレテは脅威の存在ではあるが、他の馬に対しては力量上位は明らか。今度こそ実力を見せてほしい。

　直線に向くと、先頭サンレインボーは失速し、タマモスプリングとスローバラードの２頭の叩き合い。そしてこの２頭の間を窺うカゼニフカレテ，更には大外からマルイチフライトも差を詰めて、勝負はこの４頭の争いに。残り150ｍでも、依然タマモスプリングとスローバラードの叩き合い。カゼニフカレテは半馬身差の３番手。マルイチフライトは遅れる。しかしながら、ここからカゼニフカレテがじわじわ伸びて、ラスト50ｍで間を割って先頭に。それでも最後まで３頭の接戦が続いたが、タマモスプリングはゴール寸前でスローバラードに首差競り負けて３着でのゴール。勝ち馬からの差は僅か半馬身だっただけに、実に惜しい競馬だった。鞍上の 小牧太騎手は、「掛かる面があると聞いていたので、そろーっと乗ったが、そんな素振りはまったくなかった。渋太さはあるけど、何かダラーッとした感じで、最後は切れ味の差が出たね。」とコメント。 それでも、自分の得意の逃げパターンに持ち込めなかったにもかかわらず、前走の惨敗から巻き返し、さすがに500m万クラスでは力量上位というところを見せてくれた。引き続き勝利が期待できるはずだ。

●降級２戦目の英彦山特別で、１番人気で首，首差の３着と惜敗したタマモスプリング。それでも、やはりこのクラスなら力量上位というところを示したが、続く平場戦は５着に終わり、その後は３カ月のレース間隔を空けてリフレッシュ。そして前走平場戦５着をひと叩きされ、今回は更なる前進で勝利を目指す。１番人気は、前走特別戦で２着だったビッグペイオフで単勝3.6倍。このクラスの安定勢力の馬。２番人気は、近５戦連続で３着，４着を続けるラタフィアで単勝5.3倍。タマモスプリングは、単勝6.5倍の３番人気。実力を拮抗の一戦で、タマモスプリングにも当然チャンスは十分だ。

　 直線に向くと、ビッグペイオフとタマモスプリングの叩き合いが続くが、残り１ハロンでタマモスプリングが競り勝って先頭。その後ろは１馬身半差で３番手タガノクィーンが追ってくる。更には内目をスルスルとロングユウシャ，大外からはアドマイヤリッチの突っ込み。ラスト100ｍで、タマモスプリングが１馬身半抜け出して先頭で、ここからロングユウシャとアドマイヤリッチが、ビッグペイオフをかわしての２番手争いに。この２番手２頭がタマモスプリングとの差をじわじわ詰めたが、3/4馬身程度まで詰めたところで同じような脚色になり、結局タマモスプリングがそのまま 余裕を残しながら押し切り快勝のゴール。２着争いは写真判定となったが、アドマイヤリッチの方に鼻差軍配が上がった。500万クラス降級５戦目で勝利したタマモスプリング。1000万クラスでも上位に食い込んでいたことを考えれば、少し時間がかかった印象も。しかし、元々詰めの甘いタイプだけに、これも致し方ない。 むしろ、人気のビッグペイオフを自ら潰しに行って勝利をもぎ取った内容を評価したい。 鞍上の小池騎手は、「そう控えてもスッと切れるタイプじゃないですからね。それを考えて、今日は早目早目に動きました。結果的に、それがうまくいったんじゃないかな。」とコメント。1000万クラスに昇級してからも、また上位食い込みを期待したい。

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●前年１０月の南武特別では４着だったトーセンサンダー。これで３連続の入着となったが、その後は６ヶ月の休養で今回が復帰戦。休み明けでも、おおむね実力を発揮できるようなら、もちろんここでも好勝負は十分可能。１番人気は、近３走特別戦を１着，３着，４着としているランドチェイサーで単勝2.7倍。２番人気は、昇級後の２戦を特別戦で９着，６着としているフライトソングで単勝7.1倍。トーセンサンダーは、単勝17.2倍の８番人気。意外に評価が低い印象だが、どこまで実力を発揮できるかがポイントだ。

　直線に向くと、先頭ゲンパチブライアンが差を開きにかかって、残り400ｍでは２馬身半のリード。マンノチャンピオンが２番手で、１馬身差で３番手争いは内外広がっている。この時点で、トーセンサンダーはまだ中団のまま。ラスト150ｍでも、先頭ゲンパチブライアンは依然２馬身半リードで逃げ込みを図る。２番手マンノチャンピオンに、内からランドチェイサーが並んでくる。トーセンサンダーは依然中団大外で伸び切れない感じで、２番手からはまだ４馬身の差がある。ラスト100ｍで、ランドチェイサーが単独２番手に上がってきたが、ゲンパチブライアンの逃げ切りはもう確実。ゲンパチブライアンは、１馬身半差を保って危なげなく逃げ切った。トーセンサンダーは、ゴール前でようやく伸び脚を発揮し、内のエクスカイザー，タイチルドレンを首，首差捉えて４着でのゴール。勝ち馬からは４馬身半差があったが、４着と力のあるところは見せてくれたトーセンサンダー。休み明けでまだ本調子ではなかったことを考えれば、一応及第点の内容か。鞍上の 中館騎手は、「久々でボーツとしていたんだけどね。それでここまで走るんだから能力がある。この距離は短いが、今日はペースが遅くて追走が楽だったことも、この馬には良かったね。この内容なら、叩いた次が楽しみ。」とコメント。 このひと叩きで、次走では更に上昇を見せてくれるはずだ。

●休み明けの前走金北山特別で４着と力のあるところを見せたトーセンサンダー。半年ぶりのレースをひと叩きされて、今回は前走以上の競馬を期待したい。１番人気は、準オープンから降級した前走特別戦では５着だったロイスジュニアで単勝2.9倍。休養前の準オープンでは上位争いをしていたように、本来このクラスでは上位の馬。２番人気は、近６走特別戦を 1-3-1-1 として４着を外していないチョウカイリョウガで単勝4.6倍。後に新潟記念４着，アメリカＪＣＣ５着と重賞でも活躍することになる馬。トーセンサンダーは、単勝17.7倍の５番人気。今回の人気どころはなかなか強力だが、持ち前の渋太さで肉薄したい。

　 直線に向くと、内ノボビッグワン，外チョウカイリョウガの２頭の先頭争いで、後続に２馬身半の差をつけている。中トーセンサンダーが単独３番手に上がってくるが、内首差でロイスジュニアも３番手争い。更に１馬身差で外からニシキオーカンが差して来る。残り300ｍで、チョウカイリョウガが頭ひとつリードするが、これに執拗に食い下がるノボビッグワンとの争いが続く。トーセンサンダーとロイスジュニアの３番手争いは、ラスト100ｍで内のロイスジュニアが差し返すように３番手。これをもう一度差し返そうとするトーセンサンダーだったが、この３番手争いの２頭は、大外ニシキオーカンにあっさりかわされてしまう。最後まで勝負根性を見せたトーセンサンダーだったが、そのままロイスジュニアに首差抑え込まれて５着でのゴール。先頭争チョウカイリョウガは、最後はノボビッグワンをグイッと半馬身捻じ伏せて優勝。最後差を詰めたニシキオーカンも、ノボビッグワンに首差で及ばず３着止まり。善戦は見せたものの、最後の粘りが利かなかったトーセンサンダー。それでも、一応自分の能力はキッチリ発揮していたと言っていだろう。鞍上の 石崎隆騎手は、「ペースが遅くなったので外目へ出して、最後もジワジワ伸びているんだが…。今日は流れが向かなかったね。」とコメント。展開次第で十分勝利を狙える、その確信を深めた一戦となった。

●前走の石和特別では５着だったトーセンサンダー。着順的にはもうひとつだったが、それでもこれで８連続入着の堅実さを見せている。今回は休養明け３戦目で、更なる前進を期待していいはず。１番人気は、近２走特別戦を２着，１着としているアグネススペシャルで単勝2.0倍。後にオールカマー２着，アメリカＪＣＣ３着など、重賞でも活躍することになる馬。２番人気は、前走特別戦３着のトーワトレジャーで単勝6.6梅。２年前のＧ１秋華賞では差のない３着と好走している馬。この先も、新潟記念優勝，エリザベス女王杯４着などの活躍をすることになる。トーセンサンダーは、単勝7.0倍の３番人気。上位人気どころはなかなか手強いが、トーセンサンダーも十分好勝負に持ち込めるはずだ。

　直線に向くと、先頭ゲンパチブライアンは、１馬身半差を保ったまま渋太く粘り、ここから逆に後続を突き放す感じで、残り１ハロンではその差は２馬身半に広がってくる。このあたりで、大外アグネススペシャルが２番手まで押し上げて先頭を追ってくる。これに１馬身半遅れて外トーセンサンダー，その内側トーワトレジャーの２頭も差して来て、ラスト150ｍではこの２頭の３番手争いに。ラスト100ｍで、アグネススペシャルがゲンパチブライアンをかわして先頭。トーセンサンダーとトーワトレジャーが２番手争いに加わってきて、ゴール寸前でトーセンサンダーがトーワトレジャーを競り落とし、更にはゲンパチブライアンを首差捉えて２着でのゴール。優勝したアグネススペシャルからは3/4馬身の差があった。堅実なレースを続けるトーセンサンダーだが、今回も力のあるところは見せてくれたものの、勝ち馬が一枚上手だったか。鞍上の 石崎隆騎手は、「今日は後方からじっくりと脚をタメて乗ったら、終いいい伸びを見せてくれたが、もう少し切れがほしいね。」とコメント。 勝利を掴むのも決して遠くはないはずだ。

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３着

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３着

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３着

●デビュー２戦目の新馬戦を鮮やかに差し切って優勝したヒロショウグン。その後は５ヶ月のレース間隔が開いて、昇級緒戦の500万下平場戦は９着。もうひとつ力を出し切れなかった感があるが、その後はまた５月カ月レース間隔が開いてしまい、なかなか波に乗り切れない感じだったが、初めての古馬相手の平場戦で３着と力のあるところを見せてくれた。更なる上昇が期待できる今回は、500万クラスを勝ち上がる可能性も十分。１番人気は、前走デビュー３戦目の未勝利戦を１番人気で３馬身半差楽勝してきたゴールデンカップで単勝3.2倍。２番人気は、近２走特別戦，平場戦を連続２着としているハセノコンコルドで単勝4.2倍。今回は４ヶ月ぶりのレース。ヒロショウグンは、単勝5.4倍の３番人気。実力的には拮抗しているだけに、ヒロショウグンの自慢の末脚が爆発することを期待したい。

　直線に向くと、ゴールデンカップ，キタサンオウドウの先頭２頭の間を割ってカナハラサンサン，外からはインターランスターが差して来る。残り１ハロンでは、カナハラサンサンとインターランスターの２頭が抜けてくる。しかしながら、大外ヒロショウグンがグイグイ力強い脚を繰り出して、既に先頭２頭を１馬身差の射程圏内に捉えている。切れ味でまさるヒロショウグンは、ラスト100ｍであっさり先頭に替わる。カナハラサンサンがかわされてから半馬身差で渋太く食い下がったが、差し返すまでの力はなく、ヒロショウグンがそのまま半馬身捻じ伏せて優勝のゴール。人気のゴールデンカップは、少し差のある５着に沈んだ。なかなか強い勝ち方を見せてくれたヒロショウグン。力上位という勝ちっぷりで、この内容なら1000万クラスでも十分期待できるはず。中野栄調教師は、「前走は休み明けの上に、相手も強かった。ひと叩きして本当に良くなっていたよ。時計も詰めてくれたし、本当によく走ってくれた。」とコメント。 まだまだこれからどんどん成長していく馬で、先々の活躍が本当に楽しみだ。

●500万クラスを昇級３戦目で勝ち上がったヒロショウグン。そして、1000万クラスの前走セレブレイション賞では、昇級戦ながら１番人気の高い評価を得たものの、勝ち馬から４馬身差の６着に終わってしまう。前走期待に応えられなかっただけに、今回は何とか巻き返したいところ。１番人気は、前走の平場戦では３番人気で４着だったヤマニンマターで単勝1.8倍。まだ３歳馬だけに、上昇度も大きいはず。ヒロショウグンは、単勝3.6倍の２番人気。３番人気は、500万平場戦を２着，２着，１着として勝ち上がってきたオトコノユウジョウで単勝13.1倍。1000万クラスでも５着入着の実績のある馬。それほどメンバーが強力というわけではないだけに、ヒロショウグンの勝機ももちろんん十分だ。

　直線に向くと、先頭ハクリュウヒットの逃げ脚は衰えず逃げ込みを図る。残り１ハロンでは２馬身リードでゴールを目指す。しかしながら、２番手に上がってきたケイビイスパイダーが、一歩一歩先頭ハクリュウヒットに詰め寄ってくる。ヒロショウグンは、後方から末脚を伸ばして来てはいるが、前まで迫れるような勢いはない。ケイビイスパイダーは、ラスト100ｍでハクリュウヒットを捉えて先頭に。その後ろ２馬身半開いた３番手争いから、真ん中を割ってヤマニンマターが一気に追い込んでくる。ヒロショウグンは、ヤマニンマターの３馬身後ろで、中団馬群の真ん中を突いてくるが、掲示板の圏内に食い込めるかどうかというところ。ケイビイスイパイダーがハクリュウヒットをじわじわ突き放しにかかり、ほぼ勝利を決定づけたかと思われたところに、外から一気に追い込んで来たのがヤマニンマター。しかしながら、ケイビイスパイダーが半馬身押し切って優勝。ヒロショウグンは、ゴール前で内ラチ一杯のカミワザをかわして５番手に。更には大外からリバーカフェが、ヒロショウグンを上回るような脚で差を詰めたが、これは首差しのいで５着確保のゴール。なんとか掲示板には上がったが、この馬の実力から考えると物足りない内容ではあった。同じような追い込みのヤマニンマターが勝ち負けまで食い込んでいたことを考えると、末脚不発だったと言わざるを得ないか。 鞍上の岡部騎手は、「出てすぐに内外から来られたのもあって、テンにモタついてしまった。あれではいい位置に行けないからね。終いは伸びたが、もう少しついて行けないと…。」とコメント。 これから更に1000万クラスで揉まれていけば、近いうちに勝ち負けの競馬ができるはずだ。

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●２歳夏の小倉開催でデビューしたプラントヒロム。新馬２戦は４着，１０着という成績で、その後は４カ月の休養に。復帰後の未勝利戦は、５戦して６着が２回とひと息の成績だったが、続く前走は初めての５着と掲示板入り。それでも内容的に高く評価できるものではなかったが、大崩れのない走りはできるようになっている。じわじわ力をつけてきており、今回はメンバー的にも比較的戦いやすいだけに、初勝利への期待が高まる。そして、プラントヒロムが単勝3.8倍の１番人気に支持される。２番人気は、これまで全３戦して５着が最高のファンドリカイゼンで単勝5.3倍。今回でデビュー以来全４戦で２番人気と、素質を評価されている馬。３番人気は、全３戦して６着が最高のチャイナシチーで単勝6.6倍。決して未勝利で力量上位というメンバーではないが、それだけに将来のことを考えれば、プラントヒロムにとっては負けられない一戦となる。

　直線に向くと、先頭チャイナシチーがまた逃げ脚を伸ばして、残り600ｍでは２馬身半のリード。真ん中からプラントヒロムが２番手に押し上げて、先頭との差をじわじわ詰めて来る。内ラチ一杯に逃げ込みを図るチャイナシチーだったが、残り250ｍでプラントヒロムがこれを捉える。１馬身差で外チェリーカズキ，更に１馬身半差で大外ラストハリケーンが追って来る。先頭に立ったプラントヒロムは、ラスト100ｍでチェリーカズキを突き放しにかかるが、今度は外からラストハリケーンがグイグイ迫る。更にゴール前では大外ブルースカーレットが強襲してくる。内のファンドリカイゼンも１馬身差で食い下がっていたが、プラントヒロムとは同じ脚色。懸命に粘り込みを図るプラントヒロムに、ラストハリケーンとブルースカーレットが詰め寄ったが、プラントヒロムがなんとか首差振り切って優勝のゴール。これまで５着が最高だったプラントヒロムだが、勝利のチャンスは逃さなかった。それに加え、接戦だったとは言え、プラントヒロムの地力強化も窺えた。 鞍上の和田騎手は、「ひと息入っていたけど、仕上がりは良かったですよ。切れる馬ではないので、前でレースをしましたが、直線の入口で馬場を気にした以外は大丈夫でした。」とコメント。これで500万クラスに昇級してどこまで戦えるかだが、まだまだ成長途上だけに、これからの活躍も十分期待できるはずだ。

●２前走の未勝利戦で首差競り勝って、前走デビュー９戦目で嬉しい初勝利を挙げたプラントヒロム。今回は昇級緒戦となるが、これまでのレース内容が地味で、しかも昇級緒戦とあって、それほど注目されない存在となっている。１番人気は、名牝アグネスフローラを母に持つアグネスプロトンで単勝2.1倍。前走デビュー２戦目で勝利して、その血統的背景からも高い評価を得る。２番人気は、前走あずさ賞５着のジュピターシチーで単勝5.0倍。前々走は重賞で大敗しているが、３前走の特別戦では、強敵相手に３着と善戦している。プラントヒロムは、単勝67.2倍の１１番人気の低評価。それでも、相手なりに走れる面のある馬だけに、このメンバーでも見せ場を作ってくれる可能性はあるはず。今後に期待をつなぐ走りを期待したい。

　直線に向くと、ジュピターシチーとサフランブリザードの２頭の先頭争いだが、その内側に入ってきたプラントヒロムが一気に差を詰めてくる。残り１ハロンでプラントヒロムがかわして先頭に立つと、ここからあっという間に後続を突き放す。ラスト150ｍで、サフランブリザードがジュピターシチーを競り落として２番手に上がるが、ラスト100ｍでは先頭プラントヒロムは２馬身半突き抜けて、この時点で勝負あったの感。しかしながら、ここからプラントヒロムは急に甘くなり、差し馬勢がドッと襲いかかって来る。ここから中ファンドリアサマ，大外マルブツアンセムなどが猛然と迫る。一転大混戦の様相となり、それでもプラントヒロムがギリギリ粘り込めるかと思われたが、最後の最後でマルブツアンセムに際どく並ばれて写真判定のゴール。判定の結果、マルブツアンセムの方に鼻差軍配が上がり、プラントヒロムは無念の２着。その後ろも首，半馬身，首と続く大激戦だった。完全に勝ったかと思われたプラントヒロムだけに、最後に甘さを見せてしまったのは、着差が着差だけになんとも無念。早目に抜け出して馬が気を抜いてしまったような形。鞍上の 和田騎手は、「スブいのはズブいが、エンジンがかかってからがいいね。直線もビュッと伸びた。並ぶ形なら何とかなったかもしれないが、収穫はあるレースだった。」とコメント。 今回は残念な敗戦だったが、昇級緒戦でこれだけやれれば十分過ぎる内容。これからの戦いぶりが大いに楽しみだ。

●昇級緒戦の前走の平場戦で、人気薄ながら鼻差２着と大きな成長ぶりを見せつけたプラントヒロム。500万クラスで互角に戦える力は証明済みで、今回も当然期待がかかる。１番人気は、デビュー１０戦目の前走の未勝利戦を３馬身差楽勝したヒシミラクルで単勝3.8倍。後に菊花賞，天皇賞・春，宝塚記念を制して最強ステイヤーと称されることになる馬。２番人気は、昇級緒戦の前走平場戦でマイソールサウンドの２着だったアクトナチュラリーで単勝4.2倍。父サンデーサイレンス，母は名牝ダイナアクトレスという良血中の良血馬。プラントヒロムは、単勝14.3倍の７番人気。意外なほど評価が低い印象だが、間違いなく好勝負を演じてくれるはずだ。

　直線に向くと、内外大きく横に広がってくるが、先頭グランドマッハ一頭が３〜４馬身抜けている。大外からヒシミラクルが追ってきて。これに１馬身差で３頭ほど並んだ真ん中に進路を見出したプラントヒロム。更に１馬身半差の大外からはアクトナチュラリーの突っ込み。残り１ハロンで、先頭グランドマッハは甘くなる。２番手ヒシミラクルの外にアクトナチュラリーが一気に並びかけ、ラスト150ｍからはこの２頭の先頭争いの叩き合いとなり、３番手以下を突き放す。プラントヒロムは、ラスト100ｍでグランドマッハをかわして単独３番手に上がったが、前の２頭には２馬身半引き離されて３着でのゴール。前の２頭は最後まで一歩も引かない叩き合いを続けたが、アクトナチュラリーの方に鼻鼻差軍配が上がった。３着だったプラントヒロムだが、前走に続く上位食い込み，しかも今回は１，２着馬がかなり強力だったことを考えると、非常に評価の高い内容。鞍上の 石崎騎手は、「内の馬場が悪いし、あまり外を回りたくなかったので、ギリギリのところを走らせた。その分、伸びてくれたね。」とコメント。500万クラスでの力量上位も示し、この強さはもう本物だ。

●前走のぶっぽうそう特別では、強敵相手に３着と能力を見せつけたプラントヒロム。500万クラスを勝ち上がるのに十分な能力を示し、今回は一気に勝利を目指す。１番人気は、近３走連続４着を続けるヴェルデマーレで単勝2.4倍。２番人気は、1000万特別で勝ち負けを続けた後、前走のＧ３愛知杯ではブービー１１着に終わったシービークロスの孫タマモスプリングで単勝2.9倍。今回は500万クラスに降級しての一戦。プラントヒロムは、単勝9.5倍の４番人気。古馬相手の一戦ということで４番人気の評価に留まったが、まだまだ力をつけている次期だけに、ここでもチャンスはあるはずだ。

　直線に向くと、先頭メジロザオーに、外からヴェルデマーレが並んでくる。更に内からプラントヒロムも迫ってくる。残り250ｍで、ヴェルデマーレが先頭に立って、残り１ハロンでプラントヒロムが単独２番手に。懸命に先頭を追うプラントヒロムは、ヴェルデマーレから１馬身半差で踏ん張っていたが、ラスト150ｍで２馬身差に突き放されて勝負あり。３番手からローレルプリンセスが追いすがって来たが、最後はプラントヒロムと同じ脚色に。先頭ヴェルデマーレは、余裕を見せながら２馬身差をつけて楽勝，プラントヒロムはそのまま２着でのゴール。またしても勝利に手が届かなかったプラントヒロムだが、古馬相手に互角以上の走りができた点で、大いに収穫はあった。鞍上の 太宰騎手は、「前がやってくれて、理想的な位置でレースが運べました。直線では抜け出せると思ったけど、一頭になるとソラを使うところを見せていた。並んでいれば、もっと際どいレースになっていたと思います。」とコメント。 今の状態を維持できれば、引き続きチャンス十分だ。

●和田岬特別でも２着となり、惜しいレースが続くプラントヒロム。もちろん今回も勝利を狙う一戦となる。１番人気は、断念桜花賞と言われるオープンの忘れな草賞３着，３歳500万下特別戦，平場戦を連続２着とした後、３ヶ月ぶりの前走平場戦では１番人気で８着に終わったエメラルドアイルで単勝2.0倍。前走は不利があっての結果だけに、当然今回は実力を発揮してくるはず。２番人気は、特別戦，平場戦で２着，３着を続けた後、今回が５ヵ月半ぶりのレースとなるエーティーダイオーで単勝6.5倍。後に、中日新聞杯で３着２回など、重賞でも好勝負を演じることになる馬。プラントヒロムは、単勝21.8倍の８番人気。意外に評価が低い印象だが、今回はメンバーもかなり強化されている。それでも、相手が強くなってもある程度対応できるタイプのプラントヒロムだけに、ここでも好勝負を期待していいはずだ。

　直線に向くと、外目からエメラルドアイルが力強く伸びて、残り250ｍであっさり先頭に抜け出してくる。プラントヒロムも真ん中をグイグイ伸びて押し上げて行く。ここからエメラルドアイル一頭が突き抜けて、ほぼ勝利を決定づける。２番手争いは、エーティーダイオーなど４頭が内目で競り合っていたが、ラスト100ｍでこれをまとめて外からかわしていくプラントヒロム。単独２番手に上がったプラントヒロムに、内でマヤノマタドールが食い下がるが、プラントヒロムはこれを１馬身抑えて２着でのゴール。しかしながら、プラントヒロムもなかなかの伸び脚だったものの、優勝したエメラルドアイルとは同じ脚色だった。またしても２着と勝利に手が届かなかったプラントヒロム。今回は勝ち馬が強過ぎただけに致し方ない。 鞍上の太宰騎手は、「体がふっくらしていい感じになっていました。終始手応え良く運べていましたし、直線もしっかり伸びてくれました。」とコメント。 いつ勝利の順番が巡ってきてもおかしくないが、とにかく今の状態を維持できている間になんとか勝利をモノにしたい。

●前走の平場戦でも２着となり、これで２戦連続の２着と惜しいレースが続くプラントヒロム。とにかくもうあとひと押しという感じだけに、今度こそ勝利をモノにしたい。１番人気は、近４走で特別戦で１回，平場戦で２回の３連対の惜しい競馬を続けているアサカユウキで単勝2.1倍。２番人気は、３前走と前走で４着と上位食い込みを果たしているゼンノスウィングで単勝3.6倍。900万特別連対実績があり、その点では格上の存在とも言える。プラントヒロムは、単勝4.3倍の３番人気。実力は拮抗しているだけに、あとはもう勝負根性に期待するほかはない。

　直線に向くと、横に広がって前が壁になっていたプラントヒロムも、ここから進路が開けてくる。残り300ｍでは、大外ゼンノスウィングが先頭に抜け出すが、真ん中割るように脚を伸ばすプラントヒロムが１馬身差の２番手に。残り250ｍで、プラントヒロムの内からアサカユウキが馬体を併せてくる。ラスト150ｍで、内から伸びたアサカユウキが一気に先頭に抜けてくる。プラントヒロムも渋太く伸びて、ラスト50ｍでゼンノスウィングに並びかけるところまで行ったが、ゴール寸前でまた首差差し返されて３着でのゴール。優勝したアサカユウキは強かったが、２着のゼンノスウィングに競り負けたのは無念だった。結局１〜３番人気まで人気順どおりの入線となった。 鞍上の太宰騎手は、「この距離が初めての分、少し行きたがってしまいましたからね。最後はじりっぽくなってしまいました。」とコメント。 いつ勝ってもおかしくない力を持つプラントヒロムだが、どうしてもあと一歩勝利に手が届かない競馬が続く。

●前走の平場戦で３着となり、これで５戦連続２着，３着を続けるプラントヒロム。なかなか勝てそうで勝てない競馬が続くが、 その後の２戦は６着，４着と後退。しかしながら、それほど差があったわけではなく、もちろん今回も勝利を期待。１番人気は、前走平場戦で人気薄で６着だったサンタクローチェで単勝4.1倍。２番人気は、近５走特別戦，平場戦で連続４着以内の堅実な走りを見せているワイルドユースで単勝4.6倍。プラントヒロムは、単勝6.5倍の４番人気。実力拮抗の一戦で、今回も詰めの甘さを見せる心配はあるが、何とか勝負根性で善戦止まりにピリオドを打ってほしい。

　直線に向くと、外のスティミュラントが単独先頭。１馬身差で内ワイルドユース，外プラントヒロムの２頭がこれを追う。しかしながら、スティミュラントは実に渋太く、ラスト150ｍでも3/4馬身リードで押し切りを図る。２番手争いの２頭の２馬身後ろからダンツホークオーも追ってくるが、伸び脚はひと息。ここからワイルドユースは一杯になって後退し、プラントヒロムが単独２番手に。しかしながら、スティミュラントとの差を詰められないまま、ラスト50ｍからは逆に突き放される感じに。しかしながら、３番手以下から迫ってくる馬はなく、プラントヒロムはスティミュラントから１馬身半差の２着でのゴール。人気のサンタクローチェは、伸び脚不発で５着が精一杯。今回もあと一頭上位の馬がいて勝利には手が届かなかったプラントヒロム。それでも、ここ２戦より内容はよく、また上昇ムードになってきたか。 鞍上の橋本美騎手は、「内をうまく立ち回れたけど、勝ち馬には先を越されて届かなかっただけに残念。道中ずっと掛かっていてもこれだけ差して来れたので、能力はかなり高いと感じましたが…。」とコメント。 惜しいレースが続くが、本当にもうそろそろ勝利を手にしたい。

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