２０１３年（平成２５年）

 ２０１４年（平成２６年）

 ２０１５年（平成２７年）

 ２０１６年（平成２８年）

 ２０１７年（平成２９年）

 ２０１８年（平成３０年）

●シービークロスの代表産駒シノクロスの孫アミザクラ。南関東でデビューすると、８戦目で初勝利を挙げるが、その間未勝利の身で特別レースで２回入着２回するなど、力のあるところは見せていた。その後は夏木立特別でピンプルパンプルに１馬身半差の２着。更に前走浦和の交流戦では、ハイペースの逃げで最後は６着にまで落ちてしまったが、もうひと息で掲示板はあったかもしれないという走りを見せていた。今回は再度のＪＲＡ交流戦だが、今度は掲示板圏内には食い込みたい。１番人気は、デビューから７連続入着の後、ここ２戦は９着，６着という着順のＪＲＡサカジロビューティで単勝1.9倍。ここ２戦はひと息でも、大きく崩れない安定感がある。２番人気は、近２走特別戦を２着，１着としている地元川崎のピンプルパンプルで単勝4.5倍。前走はアミザクラを２着に下している。アミザクラは、単勝32.4倍の８番人気。無理のないペースで気持ちよく逃げられるようなら、見せ場は作ってくれるに違いない。

●ＪＲＡ交流のムーンストーンフラワー賞では５着に踏ん張って、ＪＲＡ勢相手に掲示板を確保したアミザクラ。着差はやや開いたものの、ハイペースで飛ばして楽な展開ではなかったことを考えれば、ある程度評価していいはず。今回は再度ＪＲＡ勢に勝負を挑む。１番人気は、５月の遅いデビューで、デビュー戦となった未勝利戦では既走馬相手に８着だったＪＲＡディナスティーアで単勝2.4倍。一度レースを経験しての上積みは大きいはず。２番人気は、ここ２戦はＪＲＡ未勝利戦で７着，６着という成績のウインレナータで単勝4.6倍。新馬デビュー戦では２着と好走している。３番人気は、前走アミザクラに先着して４着だったピンプルパンプルで単勝4.6倍。前走ムーンストーンフラワー賞では、アミザクラに3/4馬身先着して４着だった。４番人気はＪＲＡジェルヴェーズで単勝6.2倍。前々走の未勝利戦では３着と好走している。この上位４頭が人気を独占する形。アミザクラは、単勝20.6倍の６番人気。先手を取るとどうしても展開が厳しくなるが、それほど無理なく運べる展開になれば、十分見せ場を作ってくれるはずだ。

●前走ＪＲＡ交流のルビーフラワー賞で着差はあったものの３着と健闘したアミザクラ。ＪＲＡ勢相手でも十分戦えることを示し、今回は前走以上に肉薄した勝負を期待。１番人気は、前々走ＪＲＡ未勝利戦で１馬身差の３着と底力を見せたラスティハーツで単勝2.4倍。前走の未勝利戦は６着だったが、勝ち馬から２馬身半差とそれほど負けていない。２番人気は、４前走，３前走のＪＲＡ未勝利戦で３着，２着と好走しているＪＲＡスマートゾロで単勝3.5倍。前走川崎のＪＲＡ交流戦では１番人気で６着と期待を裏切っただけに、巻き返しを期している。アミザクラは、単勝11.8倍の５番人気の伏兵評価。マイペースの逃げを打てるようなら、面白い勝負になるはずだ。

●前走ＪＲＡ交流ので３着だったアミザクラ。これで２戦連続のＪＲＡ交流戦３着となるが、特に前走は勝ち馬から３馬身差と大きくは負けておらず、見せ場も作ってくれた。勿論今回も上位食い込みを期待。１番人気は、ＪＲＡでは４戦して５着２回の後、南関東の交流戦で２戦連続で２着としているＪＲＡラッキーランナーで単勝2.8倍。２番人気は、デビューからの２戦を２着，７着としているＪＲＡアグネスエーデルで単勝2.9倍。新馬戦２着の素質馬だが、今回は半年ぶりのレースとなる。アミザクラは、単勝24.8倍の６番人気。今回もアミザクラの逃げ脚が、人気どころをどこまで手こずらせるのか、健闘を期待したい。

●オークス５着馬のグランドクロスを祖母に持つアンヴァリッド。母のストールンブライドも、地方から中央に移籍して、1000万特別４着など中堅クラスで活躍した。父がトップクラスのハーツクライとなれば、デビュー戦で当然期待は高まる。１番人気は、キングカメハメハ産駒のマカワオクイーンで単勝2.5倍。アンヴァリッドが単勝3.6倍の２番人気。３番人気は、ゴールドアリュール産駒のムーンレンジャーで単勝4.4倍。比較的少頭数で人気も割れているが、500kgを超える雄大な体から繰り出すパワーで楽勝を決めてほしい。

　 レースでは、アンヴァリッドはそれほどいいスタートではないが、無理なく好位に取り付く。ミリノテツニーが先頭に出るが、外からタンジブルがかわしにかかる。アンヴァリッドは、先頭から３馬身差の６番手で１角へ。１〜２角で、インを回ったコーナーワークでミリノテツニーが単独先頭，半馬身差でタンジブルが２番手。更に半馬身外にマカワオクイーン，１馬身差でサンココモの順。向正面に入って、半馬身差でムーンレンジャー，更に２馬身差で６番手アンヴァリッドの順。向正面の中間でアンヴァリッドがじわっと押し上げるが、その前にいたムーンレンジャーが仕掛けてこれが一気に先頭に立つ。それを見て、アンヴァリッドも大外をグーンと進出。３角では、先頭ムーンレンジャーに、１馬身差の２番手に取り付くアンヴァリッド。3/4馬身差で内タンジブルが３番手。３〜４角の中間ででは、３番手タンジブルの外に人気のマカワオクイーンが並んでくる。その後ろは２馬身開いてトーセンクローチェ。４角では、アンヴァリッドにムチが入ると、先頭ムーンレンジャーの外に並びかける。３番手タンジブルは２馬身遅れて直線へ。

　 直線に向いたところで、アンヴァリッドは外へ外へと切れて行き、その間に内ラチ沿いのムーンレンジャーがまた１馬身1/4差のリード。それでも、態勢を立て直したアンヴァリッドが追われてからグイグイ伸びて、残り250ｍであっさり抜き去って先頭。残り１ハロンでは、３番手は更に６馬身も差が開いて勝負は決した。アンヴァリッドは、ラスト150ｍからはもう引き離す一方で、ゴール前は抑える余裕を見せながら５馬身差の圧勝のゴール。モノの違いを見せつける、パワフルな走りを見せてくれた。鞍上の北村宏騎手は、「予想していた通り、スタートの出はゆったりしていたので、徐々にポジションを上げて行き、意識的にハナは行った馬に体を併せる形を取りました。向正面では、他馬の足跡を見て飛んでいましたし、直線もゲートの輪乗りの跡を見て膨れてしまい、随所に幼さを見せていました。でも、追ってからはよく伸びてくれましたよ。そのあたりが成長すれば更にいいと思います。」とコメント。シービークロスの血を引く牝系は少なくなってきただけに、この馬には大きな期待を懸けたい。その期待に応えられる素質馬だ。

●前走の新馬デビュー戦で５馬身差圧勝を演じたアンヴァリッド。３着以下もバラバラの入線で、それだけアンヴァリッドの能力が抜けていたということ。直線だけであっと言う間に差を開いたあたり、エンジンの性能自体が違っていた。今回は昇級戦の競馬となるが、ここで足踏みなどはしていられない。そして、アンヴァリッドが単勝3.5倍の１番人気に支持される。２番人気は、これも新馬デビュー戦を７馬身差圧勝してきたホワイトフーガで単勝5.3倍。この馬の前走の勝ちっぷりも、底知れないものがある。３番人気は、初ダートの未勝利戦をレコード勝ちした後、500万特別３着，平場戦４着と安定した走りを見せているスピリッツセカンドで単勝5.5倍。アンヴァリッドの将来性に懸ける期待は実に大きい。その期待に応える走りを是非とも見せてほしい。

　 レースでは、アンヴァリッドはスタートで１馬身立ち遅れてしまい、手綱を押しても行く気をあまり見せない感じで後方２頭目から。ノースヒーローが先頭に立って、3/4馬身差でホワイトフーガが２番手。半馬身差で３番手コスモボアソルテ以下。アンヴァリッドは、先頭から１０馬身近い差の後方３頭目の位置。１〜２角で、先頭ノースヒーローのリードは１馬身半，２番手にホワイトフーガで、その後ろは２馬身1/4差で向正面へ。バラけて縦長の展開で、後方アンヴァリッドは先頭から１２馬身差があり、向正面の中間でも動かない。後方のままやきもきさせていたアンヴァリッドだが、３角過ぎからムチも一発入って、ここでギアチェンジして一気に加速。大外を猛然とマクって行って、３〜４角のかけてあっと言う間に前に押し上げて行く。４角では、ノースヒーロー，ホワイトフーガの先頭争いに、3/4馬身差でスピリッツセカンドが３番手。その半馬身外の大外４番手争いに取り付いたアンヴァリッド。大外を回って一気に脚を使ってしまったが、果たしてこの強引な競馬で直線更に末脚を繰り出せるのか。

　 直線に向くと、ホワイトフーガがあっさり単独先頭に立って、残り250ｍを切って２馬身のリード。アンヴァリッドが３番手スピリッツセカンドの外に馬体を併せて行った時、スピリッツセカンドの騎手のムチがアンヴァリッドの鼻面を叩いたような感じになってで、アンヴァリッドは一瞬ヒルんでしまう。ノースヒーローをかわしてスピリッツセカンドが２番手に上がってくるが、これに更に外からもう一度併せてくるアンヴァリッド。ここから先頭と２番手２頭の態勢は暫く変わらなかったが、アンヴァリッドは伸び脚が鈍ることなく、ラスト120ｍでスピリッツセカンドを競り落とすと、ここから２馬身前にいるホワイトフーガに襲いかかる。一歩一歩力強く伸びるアンヴァリッドは、ゴール前でホワイトフーガを外からキッチリ半馬身捉えて優勝のゴール。１番人気に応えて、見事デビューからの新馬，特別連勝を成し遂げた。スタートで出遅れた上に、３角過ぎから強引過ぎるとも思われる大外一気のマクリをかけ、それでいて理想的なレース運びをしていたホワイトフーガを捻じ伏せた内容は、力の違いがなければできない芸当。テンに行けないなど不安定な要素は残すが、相当な素質の持ち主であることは間違いない。鞍上の後藤騎手は、「前半の手応えがもうひとつだったので、気合をつけながら走らせていました。向正面から上がって行くことができたんですが、そこまで脚が溜まっていたこともあり、直線はしっかりと伸びてくれました。まだ粗削りなところはありますが、今回も集中して走っていましたし、このままの感じでこれからもいってほしいです。」とコメント。この世代のダート戦線のトップクラスの一頭と言ってもいい力を示し、重賞制覇やダートＧ１での好勝負にさえ、大きな期待を抱かせることとなった。

●前走１月の500万クラスの黒竹賞を、強引過ぎるとさえ思われる競馬で相手を捻じ伏せるように優勝して、デビューから２連勝を飾ったアンヴァリッド。粗削りでレースぶりが不安定ではあるが、それだけに非凡な素質を感じさせる。行く行くはグレードレースの勝利にさえ期待を抱かせる逸材。今回は放牧明けで、調教量もやや足りない感じもあるが、オープンの強敵相手でも勝ち負けの競馬を期待。１番人気は、前走オープンのヒヤシンスＳで３着と力を見せたクロスクリーガーで単勝2.7倍。そのヒヤシンスＳでは、その後ドバイに遠征したＧ２のＵＡＥダービー３着となったゴールデンバローズには完敗したが、３歳ダートトップクラスで同じＵＡＥダービーに遠征したディアドムス，タップザットに先着しており、この馬も世代トップクラスの実力を持つはず。２番人気は、白毛馬で斑模様が人気を集めているブチコで単勝4.7倍。前走Ｇ３チューリップ賞では芝で１４着に大敗したが、ダートでは未勝利戦を８馬身差圧勝，500万下戦を３馬身半差の楽勝と、ここまで２戦２勝で圧倒的な強さを見せている。アンヴァリッドは、単勝6.0倍の３番人気。力関係は未知数の面があるが、互角の能力を持つことは明らか。あとは、自在の立ち回りができない馬だけに、いかにロスのない競馬をするかが大きなポイントとなりそうだ。先々に夢を大きく膨らませる勝利を期待したい。

　 レースでは、アンヴァリッドはスタートで長く待たされたこともあってか、１馬身立ち遅れ。スタートがいつも巧くない馬だが、今回もスタートを決められず。少し立ち上がりかけた感じで出て、行き脚もつかずに最後方から。戸崎圭騎手も、じっくり手綱を抑えて後方待機策を決め込む。２番人気のブチコは躓き加減に出るが、出遅れという感じではない。アンヴァリッドは、スタートしてから150ｍで既に先頭から８馬身の差がついてしまう。クロスクリーガー，ホワイトフーガの先頭争いで、１馬身1/4差でマイネルオフィール，リアファルの３番手争い。更に１馬身半差でブチコは５番手争い。最後方のアンヴァリッドは、先頭から１５馬身の差がついて１角へ。１〜２角で、バラバラの縦長の展開となっているが、ペースは決して速くない。ホワイトフーガが先頭で２馬身リードで、クロスクリーガーは２番手キープ。向正面で、半馬身内マイネルオフィールが３番手。半馬身外にリアファル，これに１馬身差でブチコが５番手の態勢。向正面の中間を過ぎても、アンヴァリッドは先頭まで１５馬身近い差がある。それでも、３角手前では先頭まで１０馬身余りの差に詰めて行く。このあたり、２番手クロスクリーガーは、先頭まで１馬身1/4差にじわっと詰めて行く。アンヴァリッドは、３角から仕掛けて大外を押し上げると、３〜４角にかけてグーンとマクって行く。このあたりは、前走と同じようなパターン。それでも、先頭までまだ８馬身差。４角では、先頭ホワイトフーガにクロスクリーガーが並びかける。１馬身半差でマイネルオフィール，リアファルの３番手争い。半馬身差で中ブチコ，外タンジブルも差はない。その後ろ１馬身3/4差の中団あたりまで大外から順位を上げる アンヴァリッド。かなり押し通しでムチも入って大外を一気に脚を使ったが、直線ここから伸びられるのか。

　 直線に向くと、クロスクリーガーがじわじわ単独先頭に抜け出してくる。残り１ハロンでは１馬身半リードし、２番手に下がったホワイトフーガを、外からリアファルがかわして行く。１馬身1/4差でブチコ，タンジブルの４番手争い。これを１馬身差で外から追って来るアンヴァリッド。しかしながら、今回はメンバーも強力になっており、前走ほどの伸び脚はなく、じりじりという感じ。ラスト100ｍでタンジブルが単独３番手に上がって来るが、アンヴァリッドはその１馬身後ろでまだ６番手。押し切りを図る先頭クロスクリーガーに、リアファルがじわじわ詰め寄って来るが、クロスクリーガーがしのぎ切って優勝。アンヴァリッドはやや伸び切れない中でも渋太く脚を使い、ラスト50ｍでブチコ，ホワイトフーガをかわして４番手に上がると、３番手タンジブルを首差から更に追い詰める。中からノンコノユメも差し込んできて、３着以下は激戦の様相。タンジブルも実に渋太かったが、アンヴァリッドはゴールの瞬間に並びかけて、まったく同時の態勢のゴール。写真判定の結果は３着同着。ノンコノユメの追撃は首差しのいだ。それでも、優勝したクロスクリーガーからは、３馬身3/4差と少し差が開いていた。前走同様の大外一気のマクリを見せたアンヴァリッドだったが、今回は前走よりメンバーがかなり強力だっただけに、前走のような訳にはいかなかった。どうしてもスタートが決まらずに行き脚も鈍いだけに、好位でうまく立ち回った馬との差は少なくない。しかも、どうしても大外を回らざるを得なくなる距離損も考えれば、器用なレースができるようになればまだまだ相当に差を詰められるはず。鞍上の戸崎圭騎手は、「まだ精神的にも肉体的にも成長途上で、ゲートで待たされて我慢できず立ち上がってしまいました。でもいい馬だし、最後も頑張っていると思います。」とコメント。３連勝を果たせなかったのは残念で、課題は色々残っているが、今日の勝ち馬と立場を逆転させることは十分可能。馬がまだ幼いだけに、成長の余地も大きいはずだ。

●牝馬Ｇ１に３度出走した実績のあるスプリングガーベラの産駒カカリア。北海道競馬でデビューして２戦目で初勝利を挙げるが、その後オープン特別では８着，７着と敗退。平場戦２着の後、２歳地方重賞では７着と、相手が強くなると苦戦してしまう。交流Ｇ３のエーデルワイス賞に挑戦するも、１６頭立ての１４着と惨敗を喫してしまう。２歳シーズンはこれで終えて、その後は９カ月レース間隔が開いてしまうが、復帰戦のＣ１特別を優勝して、これでＪＲＡに転入となる。実績的にはもうひとつだが、芝適性も考えての中央移籍。1000ｍの直線競馬だが、血統的にもいきなり好勝負できて不思議ない。１番人気は、前走初めての直線1000ｍの特別戦で２着と好走したアカノジュウロクで単勝3.5倍。直線競馬への適性を買われた形。２番人気は、前走1000ｍの1000万特別８着から降級してきたヨシカワクンで単勝5.2倍。1000万特別で４着という実績がある。カカリアは、単勝8.3倍の３番人気の支持を得る。中央の競馬にメドを立てるのはもちろん、ファンの期待も背負っているだけに、その期待に是非とも応えたい。

　 レースでは、カカリアはスタートは悪くなかったが、他馬の方が出脚は速かったことから、無理に前に行こうとはしない。外目からタカラジェニファが先頭に出てくるが、中からはクラウンビション，アイアムネフライトなども先行グループにつけ、このあたりは各馬横に広がっている。残り500ｍで、カカリアは中団後ろの位置で、先頭までは３馬身差。僅かにタカラジェニファが先頭だが、内からヨシカワクン，中ファンファーレも差はない。カカリアは、後ろでまだ脚をタメている感じ。ラスト250ｍでは、内目ヨシカワクンと大外ラチ沿いにまで持って行ったタカラジェニファの先頭争い。3/4馬身差でタカラジェニファの内側からタニセンヴォイスがじわじわ迫る。これに１馬身半差でカカリアも中位まで順位を上げて来ている。

　 ラスト１ハロンを切って、外目カカリアは３番手タニセンヴォイスに１馬身差の４番手争いまで順位を上げてくる。ここからタニセンヴォイス，タカラジェニファの間を突こうとするが、ラスト100ｍで２頭の間で進路が狭くなって、3/4馬身差から後退して１馬身1/4差に差が広がってしまう。それでも、今度はタニセンヴォイスの内側に進路を切り替えてもう一度追ってくる。この時点で、３番手ヨシカワクンからは１馬身差。ラスト50ｍから、タニセンヴォイス，タカラジェニファの２頭が抜け出たが、ラスト30ｍでタニセンヴォイスが競り勝って優勝。一瞬スピードを鈍らせてからもう一度追って来たカカリアは、最後の最後でヨシカワクンとほとんど同時の態勢の３着争いに持ち込んでのゴール。写真判定の結果は、カカリアが鼻差差して３着食い込み。中央緒戦で、芝も初めてだったが、いきなり通用する力を発揮してくれた。１，２着馬を差すのではないかという勢いもあっただけに、直線進路が塞がったのが残念。鞍上の岩田騎手は、「詰まる場面があって、もったいないレースだったね。でも、直線競馬に適性は高いし、能力のある馬だよ。」とコメント。これで自信を持ってこれからの中央の競馬を戦っていけるはずだ。

●前走中央転入緒戦の平場戦で３着と上位に食い込んだカカリア。しかも最後の競り合いの場面で進路が狭くなるシーンがあってのもので、まともなら勝ち負けの争いにまで食い込めていたはず。芝も２戦目となる今回は上積みが見込め、チャンスも広がってくるはず。１番人気は、近２走ともに１番人気で、東京の平場戦３着，福島の特別戦６着としているブライトチェリーで単勝4.3倍。４走前に福島の特別戦を１番人気で優勝している実力があり、今回は巻き返しを期す。1000ｍの直線競馬も１戦１勝と適性を示している。２番人気は、1000万クラスから降級した前走平場戦でカカリアに鼻差の４着だったヨシカワクンで単勝4.6倍。1000ｍ直線競馬では、1000万特別で４着という成績を残している。カカリアは、単勝5.6倍の３番人気。その他、同じシービークロスの曾孫のカシノワルツも、優勝圏内の一頭。カカリアは、内枠に入った点で不利は否めないが、もちろん勝機は十分だ。

　 レースでは、全馬ほぼ揃ったスタート。カカリアなど内の馬たちは、馬場のいいところを通ろうと、徐々に外目にコースを取って行くが、カカリアは積極的に前に行く構えはない。まず、ブリッツカイザー，グレカーレの２頭が先頭に出てくるが、ブリッツカイザーの方が単独先頭。3/4馬身差でグレカーレが２番手。これに3/4馬身差で大そ外ダークアイリスなど４頭の３番手争い。その後ろ１〜１馬身半圏内の７番手争いが数頭横に広がっているが、内目カカリア，大外ブライトチェリーもこの争いの中。その１馬身半後ろの後方集団の一角にカシノワルツがつけている。

　残り400ｍで、カカリアが徐々に好位グループに接近して、先頭までは１馬身半差。その１馬身半直後の中位にカシノワルツもじわっと進出。大外ブライトチェリーは、先頭から２馬身差の位置で、ここから更に前に上がってくる。前に行った馬たちは甘くなってきて、残り１ハロンで、内目カカリア，大外ブライトチェリーの２頭が先頭に抜け出してくる。中カシノワルツは１馬身半差で７番手の位置だが、ここからグイッと脚を伸ばしてくる。前２頭の争いから、ラスト120ｍでブライトチェリーの方が先頭に出る。カカリアも食い下がるが２番手の態勢。１馬身1/4差でカシノワルツが３番手に上がって、カカリアの内側から迫ってくるが、同じような脚色でじりじりとしか差は縮まらない。結局、カカリアはブライトチェリーに半馬身遅れて２着でのゴール。カシノワルツも伸びてはいたが、カカリアとの差を3/4馬身まで詰めるのが精一杯で３着。シービークロスの曾孫の２，３着という結果だった。前走の３着に続き、今回も２着と実力を示したカカリア。しかしながら、やはり内ワクだったこともあり、馬場の荒れたところを通ったことと、外に持ち出す距離損は少なくなかった。特に勝ち馬は大外枠だっただけに、その差は小さくなかった。鞍上の岩田騎手は、「ゲートをうまく出てくれたし、言うことない内容だった。ただ、今日は内枠だったからね。これが勝ち馬と枠順が逆ならまた違っていたのだろうけどね。直線競馬は合っている。」とコメント。２戦連続の好走で、自信は確固たるものとなったはず。中央初勝利も遠くはないはずだ。

●中央２戦目の前走雷光特別では２着だったカカリア。２戦連続の好走で、しかも内枠の不利を考えれば内容の濃いものだっただけに、大いなる自信をつけてここに臨んでくる。単勝2.0倍の１番人気に支持され、中央初勝利を目指す。２番人気は、同じシービークロスの曾孫のカシノワルツで単勝4.6倍。前走の雷光特別ではカカリアに続く３着。近８走で２，３着が６回と惜敗を続けている。３番人気は、前々走1000ｍ直線競馬の閃光特別で２着だったアカノジュウロクで単勝6.9倍。前走の平場戦では１番人気で１３着に大敗しているだけに、今回は巻き返しを期す。カカリアは今回は枠順も悪くなく、是非とも中央初勝利を決めたい。

　レースでは、カカリアはスタートで若干遅れる。電撃戦だけに、この不利は小さくない。まず、シングルカスク，シェールの先頭争い。カカリアは中位から徐々に前の方に上がってくる。シングルカスクが単独先頭に立って１馬身半のリード。ロマネクイーンが２番手に上がり、半馬身差で内にシェール。更に3/4馬身差で大外カシノワルツ。これに徐々にカカリアも接近してくる。

　 残り400ｍで、先頭シングルカスクに、シェール，ロマネクイーンの２頭が3/4馬身差に接近。更に半馬身差で中からカカリアが順位を上げてくる。ここからスルスル押し上げるカカリアは、残り１ハロンで先頭シングルカスクに並んでくる。3/4馬身差で間ロマネクイーンと内のシェールの２頭の３番手争い。これに3/4馬身差でカシノワルツ。ここからカカリアがあっさり抜け出して先頭。差を詰めにかかったカシノワルツは、ラスト150ｍでロマネクイーン，シングルカスクの間で狭くなって失速。ラスト100ｍで１馬身半抜けて勝利を決めたカカリアは、ここから更にググッと伸びて、最後は２馬身半差をつける完勝のゴール。カシノワルツは不利が応えて６着に終わり、シービークロスの曾孫の１，２着独占はならず。出走馬のほとんどが牝馬だった一戦だが、牝馬が上位７着までを独占した。中央入り３戦目で嬉しい勝利を飾ったカカリア。一戦ごとに成長が窺えるのも頼もしい。武井調教師は、「乗り役さんは、直線競馬のこの距離が合っていると言っていた。スタートが今ひとつだったが、これだけ強い勝ち方を見せてくれたし、文句なしの内容だったよ。」とコメント。これで1000万クラスに昇級するが、このスピードがあれば、上のクラスでも十分通用するはずだ。

●前走500万下平場戦を２馬身半差の完勝で勝利したカカリア。中央入り３戦目での勝利となったが、これで1000万クラスに昇級となる。今回は同じ新潟1000ｍの直線競馬で、この馬の持ち味を発揮できるはず。ただ、今回は３連続開催の最終日で、内の方はかなり馬場が荒れてきているが、内枠になってしまったのは不利な材料となる。そして、カカリアが単勝4.2倍の１番人気に支持される。昇級緒戦でも、前走の勝ちっぷりが高く評価されている。２番人気は、前走1000ｍ直線競馬の1000万特別を優勝しているエイシンテキサスで単勝4.8倍。今回は５カ月ぶりのレースではあるが、現級を既に勝利している能力は、ここでは一枚上のはず。３番人気は、前走500万下の雷光特別を優勝しているブライトチェリーで単勝6.7倍。前走は２着のカカリアに半馬身先着しており、単純な比較でもカカリアにとっては強敵となる。人気の割れた混戦模様で、レースでも激戦が予想されるが、カカリアには内枠の不利を撥ねのける勝負根性を期待したい。

　 レースでは、カカリアはスタートはまずまずで、無理なく前の方に出て来て、内からじわじわ外目にコースを取って行く。外ブルーピアスが先頭に出てきて、内からはミラクルアイドルが２番手。半馬身差で中ウエスタンユーノー。3/4馬身差で外からシャトルアップが４番手。これに１馬身差でカカリアなどが並んで５番手争い。先頭ブルーピアスのリードは3/4馬身。２番手争いはシャトルアップなど３頭。１馬身半差の４番手争いにカカリアはつけているが、この争いに外からエイシンテキサス，ケイアイユニコーンなども加わって来る。

　 残り400ｍで、先頭ブルーピアスに、3/4馬身差でシャトルアップが単独２番手に。カカリアはその１馬身半後ろで６番手あたり。残り250ｍで、今度はシャトルアップが、ブルーピアスを内側からかわして先頭。１馬身半差でエーシンエムディーが３番手。3/4馬身差でカカリア，ウエスタンユーノー，ケイアイユニコーンの４番手争い。ラスト150ｍでは、４番手争いはケイアイユニコーンとカカリアの２頭に。前４頭が争覇圏内となったが、先頭シャトルアップは、ラスト100ｍでも１馬身1/4差リードで押し切り態勢。エイシンテキサスが２番手で粘るところ、半馬身外ケイアイユニコーンが３番手。その内カカリアは半馬身遅れて４番手の態勢。ラスト50ｍでは、先頭シャトルアップのリードは3/4馬身。２番手エイシンテキサスに、外ケイアイユニコーンが際どいところまで詰め寄る。半馬身内カカリアは４番手で、着順的には決したか。それでもカカリアは最後にもう一度差を詰めにかかり、３着のケイアイユニコーンに頭差まで迫って４着でゴール。かなり差のないところまで追い上げたカカリアだったが、最後は内枠の不利が応えた印象。１〜３着馬がすべて８枠だったことから言っても、荒れ馬場と距離ロスの差は小さくなかった。鞍上の岩田騎手は、「昇級戦だったが、このクラスでも通用する力は持っているね。もう少し枠が外なら良かったが、この内枠からでも頑張って走っている。1200ｍに延びても対応できそう。」とコメント。１番人気には十分応えられなかったが、1000万クラスで勝ち負けできる力は証明。新潟開催はこれで終わりだが、1000万クラスでも勝機は十分だ。

●1000万クラス昇級緒戦の新潟の飛翼特別で１番人気で４着だったカカリア。人気に応えられた着順ではなかったが、勝ち馬から3/4馬身差で1000万クラスにメドを立てることができた。中央入りしてからは1000ｍの直線競馬しか使われていないだけに、今回は初めての1200ｍ戦。それでもこれがマイナス材料にはならないはず。１番人気は、1000万クラスに昇級してからの特別２戦を連続２着と実力を見せているエーシンエムディーで単勝2.0倍。２番人気は、３歳オープン特別で最下位１２着に終わった後、６カ月の休養で立て直された東京の1000万特別で首差２着と好走したノボリレジェンドで単勝7.2倍。好走する時とそうでない時の落差が激しい馬ではある。カカリアは、単勝12.0倍の５番人気。２番人気以下はオッズも拮抗した激戦模様だ。

　 レースでは、カカリアはスタートはまずまず。すっと先頭に立ったのはノボリレジェンド。3/4馬身差で２番手争いは内カカリアなどが横に広がっている。ここから手綱を押してフルールシチーが２番手，首差でメイケイペガムーン。これに１馬身差でカカリア，エーシンエムディーの４番手争い。３角では、カカリア，エーシンエムディー，メイケイペガムーンの３番手争いに。３〜４角の中間では、カカリアはメイケイペガムーンと並んでの３番手争いで、先頭まで２馬身差。これに3/4馬身差でエーシンエムディー。４角では、先頭は依然としてノボリレジェンドで3/4馬身のリード。フルールシチーが２番手で、１馬身差でカカリア，エーシンエムディーの２頭が続いて直線へ。

　 直線に向くと、カカリアはすぐ前にノボリレジェンドがいて追い出せない状態。ここから一旦最内を突いたが、ノボリレジェンドが内に寄って来て狭くなってしまう。その間に、外から伸びたエーシンエムディーが、残り250ｍであっさり先頭。ノボリレジェンド，フルールシチーの２番手争いに、１馬身差でカカリア，アンチュラスの２頭。ここでもカカリアはまだ進路が狭かったが、残り１ハロンから進路が開けて一杯に追い出される。カカリアは、ここからはアンチュラスに伸び負けてしまうが、甘くなったノボリレジェンドをかわして４番手。１馬身半後ろからはアブマーシュ，サンブルエミューズが差して来る。ラスト100ｍからは、カカリアは３番手フルールシチーとの差を少し詰めた程度で、サンブルエミューズ，アブマーシュに際どく並ばれて、３頭一線の４着争いのゴール。鼻，鼻の大接戦の４着争いだったが、何とか５着入着は確保した。満足のいく結果とまでは言えないものの、1200ｍでもまったく問題ないことを示した点は収穫だった。鞍上の川田騎手は、「いい枠が当たりましたし、1000ｍに使っていたので、楽にポジションが取れました。直線ではなかなか進路が開かなかったのですが、。この距離に対応してくれたのは収穫でしたね。」とコメント。いずれ勝利の順番が巡ってくるに違いない。

●前走の鳥羽特別では５着だったものの３着争いには加わっていたカカリア。満足できる着順とまでは言えないが、1200ｍでも結果を出せたという点で、今後の活躍の場が広がった。今回も十分チャンスがある。１番人気は、近４戦で２着３回と惜しい競馬が続いているシンデレラボーイで単勝2.9倍。目下１０戦連続４着以内と、決して崩れない安定性がある。２番人気は、前走の平場戦で鼻差２着と惜敗したキタサンラブコールで単勝4.1倍。目下４連続入着を続けている。カカリアは、単勝15.6倍の６番人気。伏兵評価ではあるが、この馬も安定性には自信があり、人気以上の着順の可能性は相当に高いはずだ。

　 レースでは、カカリアはまずまずのスタート。３番人気のフルールシチーが、躓いて２馬身立ち遅れ。好発を決めたクリノタカラチャンが先頭に立って、１馬身1/4差でカカリアなど４頭の２番手争いだが、この２番手集団からウインネオルーラー，ヤサカオディールの２頭が先頭に接近する構え。クリノタカラチャンが先頭で、半馬身差でウインネオルーラー，１馬身半差で３番手ヤサカオディールの隊列となる。２馬身1/4差でカカリアは控えて４番手。３角では、カカリアの外にシンデレラボーイが並んでくる。出遅れたフルールシチーは、カカリアから１０馬身近く離された最後方。３〜４角の中間では、カカリアは先頭から４馬身差の４番手集団の内々を追走すると、４角にかかって仕掛けて行く。このあたり、シンデレラボーイの方が先に行って３番手争い。カカリアは、先頭から３馬身差の６番手争いで、外からモンマックス，キタサンラブコールが並んできて直線へ。

　 直線に向くと。激戦の中からシンデレラボーイが先頭に抜け出してくるが、残り１ハロンで大外キタサンラブコールが一気に襲いかかって２頭の争い。カカリアは、先頭から１馬身3/4差でまだ５番手争い。ラスト150ｍで、キタサンラブコールが半馬身リードで先頭で、これに食い下がるシンデレラボーイ。カカリアは先頭から２馬身差の５番手だったが、ラスト100ｍでウインネオルーラー，クリノタカラチャンをかわして３番手まで押し上げる。これに内ヤサカオディール，外モンマックスも差なく追ってきたが、カカリアはこれをしのいで３着確保かと思われたところで、最後方待機のフルールシチーが桁違いの勢いで猛然と追い込んでくる。際どい態勢となったが、カカリアはフルールシチーの猛襲を首差しのいで３着確保のゴール。勝ち負けまでの競馬はできなかったが、この馬なりの力は示した。鞍上の川田騎手は、「前走が初めての1200ｍでしたが、同じ距離でも今日は右回りに替わっていましたが、とても上手に走ってくれました。この距離に対応できるようになったのは進境ですね。」とコメント。1000万クラスでは善戦止まりの競馬が続くが、あとひと押しで勝利に手が届くところまできている。

●暮れのハッピーエンドＣでは３着だったカカリア。善戦止まりの同じような着順のレースが続くが、一方でこれだけ安定して走れる点は高く評価していい。今回も実力伯仲の混戦ムードだが、乱戦を制する勝負根性を見せてほしい。１番人気は、福島の特別戦で鼻差２着の後、前走中山の特別戦では１番人気で８着だったインスペードで単勝3.6倍。巻き返しを期しての一戦。カカリアが単勝4.1倍の２番人気。３番人気は、前走の平場戦では２馬身差の５着だったワキノコクリュウで単勝5.9倍。接戦の勝負になるのは間違いないが、あとはいかにロスなく立ち回れるかがカギとなってきそうだ。

　 レースでは、カカリアはまずまずのスタートで、すっと先行グループに加わって行く。ダイワインスパイアが先頭に立って、内首差でカディーシャ，更に外から首差でワキノコクリュウ。１馬身差で大外ヤサカオディールが４番手，これに3/4馬身差で中カカリアは少し控える形。人気のインスペードは、更に２馬身後ろの中団から。３角でも、カカリアは先頭から３馬身半差の位置でじっとしている。３〜４角の中間では、カディーシャが僅かに先頭で、首差でダイワインスパイアが２番手。４角にかかると、ここからカカリアもゴーサイン。カディーシャ，ダイワインスパイア，ワキノコクリュウの３頭並んでの先頭争いに、１馬身差でリバティーホール，カカリアの２頭。その後ろは１馬身半差で６番手以下が横に広がるが、その争いの大外にインスペードが押し上げて直線へ。

　 直線に向くと、前３頭が競り合っての先頭争いに、１馬身1/4差でカカリアが４番手から追ってくる。残り１ハロンでは、カカリアの外にインスペードが馬体を併せてくる。カカリアも踏ん張っていたが、ラスト150ｍでインスペードに遅れを取る。ラスト100ｍでは、今度はインスペードが、先頭争いのカディーシャ，ダイワインスパイアの２頭をかわしにかかる。これに3/4馬身差で、内目プロスペラスマム，中カカリアなどが追ってくる。ラスト50ｍからは、一瞬先に抜け出したインスペードと内をすくったプロスペラスマムの２頭の争いとなったが、インスペードが首差競り勝って優勝。カカリアは、ラスト70ｍで先頭から半馬身差の３番手に順位を上げたが、上位２頭との差を詰める脚は繰り出せずに３着でゴール。今回も差はなく見せ場は作ったが、ここ最近のレースと同じような結果に。鞍上の蛯名騎手は、「勝ちパターンのレースはできたんだけどね。少しトモが甘い分、直線で何度も手前を替えていて、もうワンパンチ足りなかった。一生懸命に走る馬だから、平坦の方がいいかもしれない。」とコメント。確実に上位争いをしてくれるが、あとひと息が足りない。それでも、今の状態を維持できれば、いずれは勝利の時も巡ってくるはずだ。

●中山の平場戦で３着となり、これで昇級後４連続入着となったカカリア。ひと押しが足りなくても、確実に差のない競馬ができる点が評価されていたが、３カ月間隔を開けた中山の特別戦では、１番人気で７着と掲示板を外してしまう。それでも、今回はひと叩きで確実に上昇が見込めるだけに、当然勝ち負けの期待。そして、今回もカカリアが１番人気に支持されて、単勝オッズは3.2倍。２番人気は、驀進特別２年連続制覇を狙うエイシンテキサスで単勝3.9倍。特別戦を２着，６着とした後、今回は６カ月間隔が開いている点が割り引き材料。３番人気は、半年の休養の後、特別戦を５着，１２着としているプリンセスムーンで単勝6.2倍。前走は１番人気を大きく裏切ったが、叩き３走目で今回は巻き返してくるのか。実力的には拮抗した組み合わせで、久しぶりの直線競馬となるが、今度こそ人気に応えて勝利を決めたいところだ。

●前走の邁進特別では４着と着順的には巻き返してきたカカリア。しかしながら、１番人気に支持されていたことを考えれば、満足できる結果ではなかった。相変わらずの善戦止まりの競馬が続くが、今回も単勝3.7倍の１番人気に支持され、今度こその意気込み。２番人気は、近５走特別戦で３着２回，４着１回のフルールシチーで単勝3.9倍。３番人気は、前走特別戦４着のコウエイタケルで単勝5.2倍。４走前には特別戦２着と実力を見せている。実力拮抗の一戦だが、カカリアは善戦止まりにそろそろピリオドを打ちたいところだ。

●前年１２月のの中山戦で４着だったカシノワルツ。これで５連続入着となって、すっかり安定性を身につけた感。しかしながら、前走年明けの未勝利戦では、内々で包まれてほとんど競馬をしないまま、ブービー１５着に沈んでいた。力を出せなかった前走は度外視。今回は当然巻き返しがあるはず。１番人気は、デビューから４戦連続入着のジンセイハオマツリで単勝1.8倍の断然人気。２番人気は、デビューからの２戦を２着，１１着としているデイドリーマーで単勝5.5倍。前走からの巻き返しを期している。カシノワルツは、今回も評価は低く、単勝24.3倍の８番人気。しかしながら、ジンセイハオマツリとの実力差はそれほどないはず。大外ワクは確かに不利だが、展開次第でチャンスはあるはずだ。

　レースでは、カシノワルツは大外ワクからまずまずのスタートで、手綱を押して前の方に出てくる。ブルーモントレーが中から出てくるが、内からジャパンイモンがかわして半馬身のリード。２番手ブルーモントレーに、3/4馬身差で中ジンセイハオマツリが３番手。更に半馬身差で大外カシノワルツは４番手で、ファンタジーデイもほとんど差はない。カシノワルツは、ジンセイハオマツリの外に並んで行くと、３角では単独３番手に上がって、先頭まで3/4馬身差に接近していく。積極的に行くカシノワルツは、３〜４角の中間では、先頭ジャパンイモンの外首差の２番手で、余力を残した手応え。これに１馬身1/4差の内々４番手ジンセイハオマツリも、手応えはいい。４角では、外カシノワルツが頭ひとつ出て先頭。内ジャパンイモンが差なく２番手で、１馬身差でジンセイハオマツリ，ブルーモントレーの３番手争いで直線へ。

　直線に向くと、内ジャパンイモンも渋太く食い下がり、カシノワルツとの叩き合い。手応えではまさっているかに見えたカシノワルツだが、ジャパンイモンの抵抗に手を焼く。それでも、残り１ハロンではカシノワルツが首ほどリードし、このまま押し切れるかと力が入る。しかしながら、１馬身差をなかなか詰められなかったジンセイハオマツリが、ラスト150ｍからグイグイ伸びて、ラスト100ｍでカシノワルツはあっさりかわされてしまって２番手に。ここからジャパンイモンの抵抗が最後まで続いたが、カシノワルツは根性で首差しのぎ切って２着確保のゴール。直線勝ったかというシーンもあったが、今回は勝ち馬が一枚上だったか。鞍上の二本柳騎手は、「前回がドン詰まりで不細工になったのですが、今日は外ワクでスムーズな競馬ができました。開幕週なので攻めのレースをしましたが、勝ち馬の決め手が一枚上でしたね。」とコメント。それでも今回はこれまでの最高着順。念願の初勝利もいよいよ近づいて来た。

●３月の小倉の未勝利戦で、ついに念願の初勝利を飾ったカシノワルツ。惜敗を続けながら、デビュー１４戦目にようやく手にした嬉しい勝利だった。500万クラス昇級後は、３歳の平場戦９着，特別戦８着とやや足りなかったが、その後の平場２戦は１４着，１５着と惨敗。短いローテーションで長い間休みなく走り続けてきたこともあり、疲れが窺える状況。今回は５カ月のレース間隔を開けて立て直しが図られ、初めての古馬との対戦となる。１番人気は、前走1000万特別５着から降級してきたハッピーアビラで単勝3.0倍。入着率１００％という堅実馬だが、今回は半年ぶりの実戦となる。２番人気は、1000万下平場６着，特別戦９着として降級してきたオメガセニョリーナで単勝4.1倍。前走は９着とは言え、３着馬から１馬身半と差のない競馬をしている。カシノワルツは、単勝132.9倍の１５番人気の低評価。1000万クラスからの降級組が相手では確かに厳しいが、疲れが取れてリフレッシュした今回は、真の力を見せてくれるに違いない。

　レースでは、カシノワルツはスタートは五分に出ると、ぐいぐい手綱をしごいて二の脚を加速させ、スタートから100ｍを過ぎたところで先頭に立って行く。半馬身差でエリモフェアリー，シンジュボシの２番手争い。これに半馬身差でラバージュなども差なく固まって続く。人気のハッピーアビラは、先頭から４馬身差の中団大外を追走。３角では、先頭カシノワルツのリードは１馬身。３〜４角の中間では、エリモフェアリーが単独２番手で、１馬身差でコスモリープリング，シンジュボシの３番手争い。４角でも、先頭カシノワルツは手応え十分の逃げで、ここから１馬身半と逆に２番手以下との差を広げにかかって直線へ。

　直線に向くと、先頭カシノワルツは、内ラチ一杯に２馬身半と後続を突き放し、あるいはこのまま押し切ってしまうのかと期待が高まる。残り300ｍでは、一頭だけ３馬身抜け出している。２番手にシンジュボシで、残り１ハロンでは１馬身1/4差でコリーヌが３番手。ここまで軽快に逃げていたカシノワルツだったが、脚色が若干鈍ってきて、ラスト150ｍではリードは１馬身3/4差に。そして２番手シンジュボシが、ラスト80ｍでカシノワルツを外から捉える。3/4馬身差でコリーヌ，更に半馬身差で大外からナオミノユメ，チェネレントラの２頭が突っ込む。カシノワルツは、ラスト50ｍでこの差し馬勢たちにかわされて５番手に。更にゴール寸前でオメガセニョリーナと外ラバージュに半馬身差されて７着でのゴール。もうあとほんの僅かで掲示板を確保できただけに、寸前で差されてしまったのは残念だった。それでも、休養で馬の状態も回復したのか、見せ場十分の走り。休み明けを叩かれた効果を見込めば、500万クラスで好勝負できる手応えを掴んだと言える。

●前年３月小倉の未勝利戦を、デビュー１４戦目で勝ち上がったカシノワルツ。しかしながら、昇級後の３歳500万クラスでは９着，１４着，１５着と結果を出せず。休みなしの連戦の疲れを癒すために５カ月の休養で立て直しを図られた後、古馬相手のレースとなって、ここまで５戦して７着が最高，近４走は二桁着順という内容。途中ダートも試されたが、芝もダートも同じような内容だった。それでも、中には直線一旦先頭に抜け出して、一瞬見せ場を作ったレースもあった。実力さえ出し切れれば、ある程度戦える力はあるはずだけに、何とかきっかけを掴みたい。１番人気は、近２走平場，特別を連続２着としているアグネスハビットで単勝2.8倍。既に３歳500万特別勝ちの実績がある馬。２番人気は、園田競馬で勝利を挙げて中央に再転入し、転入３戦目の前走で差のない３着と力を見せたミッキーマンデーで単勝3.9倍。カシノワルツは、単勝40.1倍の９番人気。これまでは、どちらかと言えば前に行く競馬の方が内容は良かっただけに、今回も前に行っての粘り込みを期待したい。

　レースでは、カシノワルツはスタートは五分に出て、手綱を押して好位グループの一角。好発を決めたアグネスハビットが、ポーンと一頭抜け出るが、内からシュウギンが強引にかわして先頭。半馬身差で内イキが２番手，その後ろ１馬身半差でアグネスハビットは無理せず３番手。カシノワルツは、更に１馬身後ろの内々５番手の態勢。外側には差なくエーシンサファイアがつけている。３角でも、先頭シュウギンが１馬身リードで逃げているが、イキが今度は外に出して並んでくる。３〜４角の中間では、更に半馬身差で外エッフェル。その後ろは２馬身少し開いて内々カシノワルツは手が動いている。一方、外側に併走するアグネスハビットは持ったままの手応え。４角では、シュウギンがまた１馬身リードで先頭。２番手争いは横に広がってくる。カシノワルツは先頭から１馬身3/4差の内々で、２番手争いの一角に加わる態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭シュウギンが１馬身リードで逃げ込みを図る。広がった２番手争いから、内からじわじわ伸びるカシノワルツが単独２番手に抜け出しを図る。しかし、外からはアグネスハビットが差してくる。ここからカシノワルツは先頭に迫り、ラスト150ｍではシュウギンをかわして先頭かという態勢。勝利の期待さえ膨らんだカシノワルツだったが、半馬身外のアグネスハビットがじわじわ詰め寄り、つれてその外からラインロバートの突っ込み。カシノワルツもよく踏ん張っていたが、ラスト50ｍを切ってから差し馬勢がどっと押し寄せて来て、カシノワルツは最後で掴まって５着でのゴール。勝ち馬からの差は１馬身差だったが、大接戦の中、一瞬で５着に落ちてしまったのは無念。しかしながら、これがカシノワルツにとって、500万クラスに昇級してから１０戦目で初めての入着となった。しかも、見せ場十分で僅差の勝負。鞍上の二本柳騎手は、「前回控え過ぎたので、積極的なレースをと思っていました。最後はよく踏ん張っていましたし、今日は持ち味を引き出せたのではないでしょうか。」とコメント。苦戦が続いていたが、500万クラスで好勝負できるきっかけを掴めたのは収穫。好調を維持できるようなら、今後も見せ場を作ってくれるはずだ。

●小倉の八代特別では、500万クラス昇級１０戦目で５着と初入着を果たしたカシノワルツ。厳しい結果のレースも少なくなかったが、ここまで諦めることなく頑張り続けてきた。しかしながら、続く前走の刈谷特別では、この馬の苦手な後方からの競馬を余儀なくされ、見せ場のないまま１８頭立ての１６着と惨敗を喫する。それでも、まったく持ち味を生かせなかった前走の結果は度外視できる。うまく好位で立ち回れるなら、巻き返しがあっても驚けない。１番人気は、５戦連続で２着，３着を続けた後、前走の特別戦は１番人気で１１着に沈んだブライトチェリーで単勝2.8倍。前走こそ連闘の反動か、前が詰まって力を出せなかったのか大きく崩れたが、元々このクラスでは力量上位の馬。レース間隔を開けて立て直してきた。２番人気は、休み明け２走目の前走特別戦で２着と実力を見せたハッピーアビラで単勝3.9倍。３走前に１番人気で９着と崩れていたが、休養で状態は完全に回復した。カシノワルツは、単勝51.6倍の１１番人気。確かに実績的には見劣るかもしれないが、揉まれずにうまく立ち回れるようなら、前々走５着以上の好走もあり得るはずだ。

　レースでは、カシノワルツはスタートを五分に近い形で出るが、それほどいい出という訳ではない。それでも、無理なく好位置グループの後ろに取り付く。シュウギン，ディアプリンセス，サウンドマンデュロの３頭の先頭争いから、内のシュウギンが先手を取り切る。カシノワルツは４番手まで押し上げて、先頭までは２馬身半差。人気のブライトチェリーは、更に４馬身後ろの中団の外で脚を溜めている。このあたり、ややバラけた展開になっている。３角では、先頭はシュウギン，１馬身差でディアプリンセスが２番手で、その２馬身後ろで、カシノワルツは３番手サウンドマンデュロの内に並んで行く。３〜４角の中間では、カシノワルツは先頭まで２馬身半差の単独３番手。３馬身後ろの中団外ブライトチェリーも進出を開始する。４角では、内々カシノワルツの手応えは悪くない。シュウギンが先頭をキープし、3/4馬身差でディアプリンセスが２番手。半馬身差で外からユキノラムセスが３番手に。更に半馬身内のカシノワルツは４番手争い。前も横も囲まれたようになっているが、果たして抜け出て来られるのか。このあたりは混戦で、ブライトチェリーもカシノワルツに１馬身差の外目に取り付いて直線へ。

　直線に向くと、カシノワルツが内から２頭目のところ、少し狭い感じはあったが進路を確保してじわじわ脚を伸ばす。残り１ハロンでは、先頭シュウギンがまだ3/4馬身リードで粘っている。２番手争いはカシノワルツ，ユキノラムセスの２頭だが、その外からブライトチェリーがグイグイ伸びて並びかける。ラスト150ｍを切って、勢いでまさるブライトチェリーが先頭に出る。しかしながら、内カシノワルツも首差かわされながらも、ここから渋太く食らいついて２番手。更に半馬身差の大外からハッピーアビラが３番手に上がってくる。逃げたシュウギンは脱落し、ユキノラムセスも伸び切れずない。ラスト100ｍからは、先頭ブライトチェリーと首差で食い下がるカシノワルツの２頭が抜け出ての叩き合い。しかしながら、結局最後までこの首差は縮まらず、カシノワルツは２着でのゴール。惜しい競馬だったが、これが500万クラスで初めての勝ち負けの競馬。それも、１番人気馬を相手にあともうひと息という内容だっただけに、大健闘と言っていい。鞍上の二本柳騎手は、「しっかり伸びて頑張ってくれたし、もう少しだったんですけどね。うまく立ち回れたんですが、最後は決め手の差でしょうか。ただ、前走がひと息だったので、巻き返せて良かったかもしれないね。」とコメント。内々でうまく立ち回れたという面は確かにあったが、実力さえ出し切れればこのクラスでも勝ち負けできることを証明して見せた。今後も同じような競馬ができれば、500万クラスを勝つのも決して夢ではないはずだ。

●前走の医王寺特別で接戦の２着と好走したカシノワルツ。500万クラスでは苦しい戦いの方が多かったが、やっと勝ち負けの競馬に持ち込むことができた。前走の結果がフロックではないことを証明するためにも、ここは更に前進あるのみ。１番人気は、近５走平場，特別戦で２着，３着を続けているエーシンエムディーで単勝2.2倍。今回で４戦連続の１番人気となる。２番人気は、未勝利を勝ち上がった後、500万下平場戦で３着，４着と確実に上位争いをしているプリンセスムーンで単勝6.9倍。前走は４着だったが、１番人気で勝ち馬から3/4馬身の差のない競馬をしている。カシノワルツは、単勝21.5倍の７番人気で、想像以上に評価は低い。それでも、前走同様の競馬ができるなら、もちろん好勝負を期待していいはずだ。

　レースでは、カシノワルツはスタートが若干甘い。本当は好位につけたかったところだが、行けずに後方からの競馬。外からプリンセスムーンが出てくるが、内から数頭が並んできて、前５頭の先頭争い。ここから最内エイシンエムディーが半馬身出る。最低人気リバティーホールは先頭争いから控える形で、先頭から２馬身半差の５番手に。カシノワルツは後方グループの一角で、先頭までは６馬身差。このあたりは宥めながらの追走となっている。３角では、先頭エイシンエムディーに、１馬身差でロマネクイーンが２番手。カシノワルツは、先頭まで８馬身差だが、３〜４角の中間では１０馬身と更に差が開いても、ここはじっと脚を温存。３番手プリンセスムーンに、このあたりでリバティーホールが並んでくる。４角では馬群がやや詰まってきて、カシノワルツは依然後方ながら、やや外目に持ち出して、先頭から６馬身差の位置からスパート態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭エイシンエムディーが内ラチ沿いを２馬身近くリード。ロマネクイーンを外からかわしてプリンセスムーンが２番手。これに3/4馬身差で中から伸びてくる最低人気のリバティーホール。残り１ハロンで、今度はプリンセスムーンが先頭だが、ラスト150ｍで3/4馬身差の内側からリバティーホールが詰め寄ってくる。前の方に４頭がいて、その後ろ２馬身開いて５番手争いが一団。カシノワルツは、この時点で５番手から２馬身半差の位置。先頭との差を考えると、勝ち負けまでは厳しい感じ。リバティーホール，プリンセスムーンの叩き合いとなったが、ラスト50ｍを切ってリバティーホールが競り勝って優勝。余力を残しているカシノワルツは、ラスト100ｍから中を突いてグイグイ伸びる。大混戦の３着争いは、ラスト30ｍで中ネオヴィクトリアが僅かに出るが、次の瞬間これを外から捉えたカシノワルツが半馬身差して３着でのゴール。この馬には余りにも不向きな展開だったが、こんな形でも上位に追い込んできたのは、この馬の活躍の幅が広がった証し。鞍上の二本柳騎手は、「行くところ行くところで狭くなり、もったいなかったですね。でも右回りの平坦コースは走りますね。」とコメント。残念な思いは残ったが、この競馬で３着にまで持ってきたあたり、500万クラスでの勝利に確かな手応えを感じた。なお、勝ち馬のリバティーホールは最低人気で、単勝配当は569.4倍でＪＲＡの単勝最高配当の記録を塗り替える大波乱だった。

●前走福島の500万下平場戦でも３着と力のあるところを見せたカシノワルツ。２着，３着と続けたことで、確かな自信を得ることができた。500万クラスを勝ち上がるのももう巡り合わせ次第。今回はメンバーも手強いが、カシノワルツにも勝機は十分。１番人気は、未勝利を勝ち上がって７カ月の休養の後、昇級後の500万下平場戦を３着，４着，２着と確実に上位争いをしているプリンセスムーンで単勝2.2倍。前走は首差の惜敗で、３着のカシノワルツには２馬身半の差をつけている。２番人気は、休み明けの平場，特別を連続２着としているショウナンバグースで単勝6.0倍。カシノワルツは、単勝14.2倍の６番人気。前走のプリンセスムーンとの差をどこまで縮められるのか。展開次第で逆転まで
狙っていきたい。

　レースでは、カシノワルツはスタートは五分に出て、じっくり中団からの競馬。最近は差す競馬を覚えて揉まれ弱さも解消しているだけに、まったく問題のない位置取り。手綱を押してクインスウィーティ，ホークインザブルーの先頭争い。１馬身差でプリンセスムーンはすっと３番手に取り付く。これに内側でほぼ並ぶ態勢はショウナンバグースとフィールドメジャー。１馬身後ろにジャストザオネスト，スーパーアースの２頭。カシノワルツはその２馬身後ろの中団外目，行き過ぎないように抑えているが、掛かっている訳ではない。３角では、カシノワルツは先頭から５馬身差で、このあたりは流れに乗れている。３〜４角の中間でも、クインスウィーティ，ホークインザブルーの先頭争い。１馬身半差でプリンセスムーンはガッチリ３番手をキープ。４角では、カシノワルツはプリンセスムーンの３馬身後ろ，中団外目の位置から追い出しにかかって直線へ。

　直線に向くと、先頭争いの２頭に詰め寄って行くプリンセスムーン。つれて3/4馬身差で外から脚を伸ばすスーパーアース。その後ろから一気に伸びて来たのがカシノワルツ。残り１ハロンで、先頭に立っていたホークインザブルーを、外の差し馬３頭がかわし、ここからはプリンセスムーン，スーパーアース，カシノワルツの３頭の叩き合い。壮絶な競り合いから、いちばん勢いのあったカシノワルツがラスト100ｍで頭ひとつリードか。しかしながら、ここからプリンセスムーンがもう一度差し返し、カシノワルツは首差競り負けて２着でのゴール。スーパーアースとの態勢も際どかったが、これには鼻差競り勝った。ついに500万クラスの勝利なったかと思われただけに残念。それでも、ローテーションが詰まっているにもかかわらず、どんな展開でもきっちり能力を発揮できるようになった。鞍上の原田和騎手は、「惜しかったですね。一度前に抜け出して、この馬も脚は上がっていないんですが、差し返されてしまいました。少しササりはしましたが、直線の脚に影響はなかったし、左回りも問題なかったですよ。勝てなくて残念です。」とコメント。体調さえ維持できれば、勝利はもう目前と言っていい。

●新潟の平場戦では首差２着の惜敗だったカシノワルツ。３戦連続で２着，３着を続ける形になったが、続く前走の東京の特別戦では１０着に終わる。東京コースが合わなかったこともあるが、道悪にも苦しんでいた印象。ローカル開催では安定して力を出せる馬で、今回は馬場状態もいいだけに、前走のようなことはないはず。１番人気は、近４走特別戦を３着，２着、平場戦を６着，４着としているテイエムコウノトリで単勝3.6倍。２番人気は、前走の平場戦で１１番人気ながら４着と好走したツクバアラモードで単勝4.9倍。カシノワルツは、単勝6.6倍の３番人気。メンバー的に見ても実力拮抗で、カシノワルツにも勝利のチャンスは十分だ。

　 レースでは、カシノワルツは若干スタートが甘かったが、手綱をしごいて盛り返すように押し上げる。ホークインザブルーが好発を決めるも、ガッダムアスカ，エヌワイグレースの２頭が内外から押し上げて、前３頭の先行争い。ここからエヌワイグレースが先頭に出てくる。カシノワルツは、先頭から３馬身近い差の４番手争いで、外チュウワベイビーと並ぶ態勢。人気のテイエムコウノトリは、更に２馬身後ろの中団馬群の真ん中。３角手前では、カシノワルツは単独４番手だが、３角にかかるとビッグダージリン，チュウワベイビーの２頭が外から並んでくる。３〜４角の中間では、カシノワルツは前に馬がいて手綱を抑えている感じで、動けない形だが持ったままの手応え。４角では、先頭ホークインザブルーのリードは3/4馬身。エヌワイグレースが２番手で、3/4馬身差でガッダムアスカ。更に3/4馬身差で外ビッグダージリン，その内3/4馬身差でカシノワルツは５番手の位置。十分余力は残しており、上位争いの期待が高まって直線へ。

　 直線に向くと、カシノワルツは最内を突いて脚を伸ばす。残り１ハロンで、ホークインザブルーが先頭で押し切りを図り、3/4馬身差でガッダムアスカが２番手。これに3/4馬身差で内カシノワルツ，外ビッグダージリンの３番手争い。カシノワルツの１馬身半直後からは伏兵のヤサカディオールも突っ込んでくる。テイエムコウノトリは馬群の中で伸びを欠いている。ここからカシノワルツがググッと伸びて、ラスト150ｍではカシノワルツ，ホークインザブルー，ガッダムアスカの３頭並ぶ態勢となるが、あっさりカシノワルツが内から抜け出して先頭。そこへ3/4馬身差で狙いすましたように追撃してきたのがヤサカディオール。ここからは２頭のマッチレースとなり、カシノワルツも懸命に踏ん張っていたものの、ゴール寸前で首差差されて２着でのゴール。今度こそ勝ったかというシーンを作ったものの、あと一歩というところで今回も惜敗に。鞍上の二本柳騎手は、「結果的に勝ち馬にマークされる形になりましたからね。前走は道悪が応えたもので、今日の馬場ならこれくらいやれていいんです。もう何とかしたいんですが、いつも決め手のある馬にやられてしまうんです。」とコメント。なかなか勝ち運に恵まれないが、勝利の時はもう目前だ。

●7月の福島の平場戦で首差２着と惜敗したカシノワルツ。続く福島の特別戦は、外々を回らされる展開もあって６着に終わっていた。今回は1000ｍの直線競馬となるが、十分適性はあると考えられるだけに期待は大きい。１番人気は、未勝利を勝ち上がって昇級緒戦の前走平場戦で首差２着と素質のあるところを見せたシャルマンウーマンで単勝3.4倍。２番人気は、近２走特別戦を４着，５着としているショウナンバグースで単勝5.7倍。500万クラスで２着２回の実績がある。カシノワルツは、単勝8.1倍の６番人気。実績的に見ても決してヒケは取らないだけに、何とか念願の勝利を手にしたい。

　直線1000ｍの競馬で、カシノワルツはスタートは五分に出るが、無理に行こうという構えはなく中位から。人気のシャルマンウーマンが先頭に出て来て、半馬身差で内にスノークラフト，大外コウヨウエンプレスの２頭。これに半馬身差で内ショウナンバグースが４番手。カシノワルツもじわじわ押し上げて、１馬身差の５番手争いにまで順位を上げてくる。その3/4馬身外にはネオザミスティック。

　 残り500ｍを切って、先頭シャルマンウーマンのリードは１馬身。ここからカシノワルツが２番手まで順位を上げてくる。残り400ｍでは、カシノワルツがシャルマンウーマンの内側にスッと入って来て、今度はカシノワルツが先頭か。半馬身差の大外からは、ネオザミスティックが伸びてくる。残り１ハロンでは、カシノワルツが先頭に立って、半馬身外ネオザミスティックが２番手で、この２頭で３番手の以下を一気に引き離しにかかる。この時点で、カシノワルツの勝利なるかと力が入ったが、２頭の叩き合いからラスト100ｍを切ってネオザミスティックの方が競り勝つ。カシノワルツも最後までよく伸びていたが、ネオザミスティックに半馬身競り負けて２着でのゴール。３着以下を３馬身半も引き離して、負けて強しの競馬を見せてくれたカシノワルツ。運悪く、もう一頭強い馬がいたということか。毎回何かにやられてしまうが、それでも直線1000ｍに高い適性を示したのは大きな収穫。鞍上の二本柳騎手は、「道悪でなければいいレースになると思っていました。前走も大外を回らされた分ですからね。前が開いてくれましたし、この距離も良かったようです。」とコメント。惜しい競馬が続くが、勝利の時が遠くないのは間違いない。

●初めての直線競馬だった前走平場戦で２着と好走したカシノワルツ。３着以下に３馬身半の差をつける内容は、大いに評価されるもの。1000ｍ直線競馬に適性を示し、今回はもちろん勝利を狙う。１番人気は、近２走ともに１番人気で、東京の平場戦３着，福島の特別戦６着としているブライトチェリーで単勝4.3倍。４走前に福島の特別戦を１番人気で優勝している実力があり、今回は巻き返しを期す。1000ｍの直線競馬も１戦１勝と適性を示している。２番人気は、1000万クラスから降級した前走平場戦で４着だったヨシカワクンで単勝4.6倍。1000ｍ直線競馬では、1000万特別で４着という成績を残している。同じシービークロスの曾孫のカカリアが３番人気の支持を受ける。カシノワルツは、単勝10.2倍の６番人気。前走の内容からは評価が低過ぎる感もあるが、ここで何とか念願の500万クラスでの勝利を手にしたい。

　 レースでは、全馬ほぼ揃ったスタート。カシノワルツなど内の馬たちは、馬場のいいところを通ろうと、徐々に外目にコースを取って行くが、積極的に前に行く構えはない。まず、ブリッツカイザー，グレカーレの２頭が先頭に出てくるが、ブリッツカイザーの方が単独先頭。3/4馬身差でグレカーレが２番手。これに3/4馬身差で大外ダークアイリスなど４頭の３番手争い。その後ろ１〜１馬身半圏内の７番手争いが数頭横に広がっているが、内目カカリア，大外ブライトチェリーもこの争いの中。その１馬身半後ろの後方集団の一角にカシノワルツがつけている。

　残り400ｍで、カカリアが徐々に好位グループに接近して、先頭までは１馬身半差。その１馬身半直後の中位にカシノワルツもじわっと進出。大外ブライトチェリーは、先頭から２馬身差の位置で、ここから更に前に上がってくる。前に行った馬たちは甘くなってきて、残り１ハロンで、内目カカリア，大外ブライトチェリーの２頭が先頭に抜け出してくる。中カシノワルツは１馬身半差で７番手の位置だが、ここからグイッと脚を伸ばしてくる。前２頭の争いから、ラスト120ｍでブライトチェリーの方が先頭に出る。カカリアも食い下がるが２番手の態勢。１馬身1/4差でカシノワルツが３番手に上がって、カカリアの内側から迫ってくるが、同じような脚色でじりじりとしか差は縮まらない。結局、ブライトチェリーが半馬身競り勝って優勝。カシノワルツは、カカリアとの差を3/4馬身まで詰めるのが精一杯で３着でのゴール。シービークロスの曾孫の２，３着という結果だった。今回もまたひと押しが足りなかったカシノワルツ。惜敗が続いているが、このクラスを勝てる力はもう既に証明済み。鞍上の二本柳騎手は、「いつも堅実ですし、一生懸命走ってくれますし、どこかでチャンスが巡ってくるといいですね。」とコメント。もちろん、引き続き勝利のチャンスは大きいはずだ。

●前年９月の雷光特別では３着だったカシノワルツ。なかなか勝ち切れないまでも、安定した走りを見せていたが、その後は平場戦６着，特別戦６着と掲示板を逃してしまう。それからは路線変更してダート戦にチャレンジしたが、１５着，１４着と惨敗し、ダート適性のないことがはっきりする。前走芝に戻った特別戦では８着だったが、勝ち馬からの差は0.4秒と小さかっただけに、今回は上位食い込みを期待。５戦連続着外と足踏みしてしまっているが、本来は十分勝ち負けできる力を持っているはず。１番人気は、未勝利を勝ち上がった後、500万下平場戦を２着，４着としているラヴィオリで単勝4.2倍。ここ２戦は僅差の勝負をしている。２番人気は、近３走を３着，６着，３着としているクラウドチェンバーで単勝5.4倍。カシノワルツは、単勝12.6倍の７番人気。今回は連闘で臨む一戦で、伏兵評価ではあるが、そろそろ巻き返してほしい。

　 レースでは、カシノワルツはスタートは五分に出て、手綱を押して前の方に出てくるが、横に大きく広がっての先頭争い。内ラヴィオリが先頭に出てきて、半馬身差でインヴォーク。これに１馬身差でディアプリンセス，イロリの３番手争いだが、以下もほとんど差なく固まっている。カシノワルツも前の集団の一角だが、先頭からは徐々に差が開いてきて、先頭から３馬身半差の９番手。３角では、大外からテイエムコウノトリがカシノワルツをかわして押し上げて行くが、カシノワルツはじっと脚をタメている。３〜４角の中間では、カシノワルツは中団外目で先頭まで４馬身差。４角でも、ラヴィオリが終始先頭をキープして3/4馬身差のリード。２番手争いは３頭並んでいるが、大外コウエイタケルの脚色がいい。その後ろ３馬身差の中団馬群の真ん中にカシノワルツの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、外からコウエイタケルがぐいぐい伸びてきて、残り１ハロンでラヴィオリをかわしてあっさり先頭。ラスト150ｍでは、3/4馬身差で２番手で食い下がるラヴィオリ。これに１馬身半差で３番手争いの大外からクラウドチェンバーが追い込んでくる。この３番手争いは混戦で、１馬身遅れで馬群の中を割ってカシノワルツも差を詰める。ラスト100ｍを切って、カシノワルツは４番手まで上がって先頭まで２馬身1/4差。ここからカシノワルツは、クラウドチェンバーと同じような脚色で前との差を詰め、ゴール寸前で最内ラヴィオリを首差捉えて３着でゴール。優勝したコウエイタケルからも１馬身半とそれほど差はなかった。ダートを試すなどしてこのところ停滞していたが、再び本来の走りを見せてくれた。鞍上の二本柳騎手は、「連闘でも体調は良かったし、ダートから芝に替わった前走と違って、今日は行き脚がつきましたからね。やはりこの条件が合っています。」とコメント。いよいよ巻き返しの態勢が整った。

●前走の大牟田特別で３着と巻き返してきたカシノワルツ。少し余分な回り道をしてしまったが、再び本来の調子を取り戻してきた。もちろん今回も十分チャンスあり。１番人気は、前走小倉の平場戦で３着と実力を見せたサフランスカイで単勝4.8倍。前々走は1000万クラスに格上挑戦して９着ながら、それほど負けてはいなかった。２番人気は、1000万クラスから降級後３戦掲示板に上がれていないジンセイハオマツリで単勝4.9倍。現級勝ちの実績はあっても、近走の成績からは信頼度は高くない。カシノワルツは、単勝11.3倍の５番人気。確たる中心馬のいない混戦ムードだが、カシノワルツの勝負根性に期待したい。

　 レースでは、カシノワルツはスタートは五分に近い出で、無理せず中団後ろからの競馬。オールパーパスが中からじわっと出て先。首差で内ロードメビウス，外テーオートマホークの２頭。一団の展開で、人気のサフランスカイは先頭から２馬身差の６番手あたり。カシノワルツは、先頭から５〜６馬身差の後方から。３角では、サフランスカイは少し控えるような感じで、先頭まで４馬身差の中団に少し下げている。カシノワルツは、先頭から８〜９馬身差の後方につけて、３〜４角の中間からじわっと順位を上げて行くが、先頭との差は縮まっていない。サフランスカイは、先頭との差が６〜７馬身とまた少し開いてきて、４角では手綱を押している。カシノワルツはすっと動いて外に持ち出す。逃げたオールパーパスに、外からテーオートマホークが並びかけると、更に大外からテイエムシングンも馬体を併せに行って、この前３頭が並んでの先頭争い。サフランスカイは、先頭から４〜５馬身差の中団馬群の真ん中。カシノワルツは、先頭から６〜７馬身差の後方大外からスパートをかけて直線へ。

　 直線に向くと、オールパーパス，テーオートマホーク，テイエムシングンの３頭並んでの先頭争いが、残り１ハロンの地点でも続いている。１馬身半差でジンセイハオマツリが４番手。人気のサフランスカイが、先頭から３馬身半差の７番手。カシノワルツは一番大外から追い込んで、先頭までは５〜６馬身差。ラスト150ｍを切って、中からじわっとテーオートマホークが先頭だが、混戦の争いが続く。サフランスカイがじわじわ渋太く伸びて、ラスト100ｍを切って４番手争いに加わってくる。これに１馬身半差でカシノワルツが大外から猛襲をかけてくる。先頭テーオートマホークにテイエムシングンが食い下がり、４番手争いの真ん中から抜けてきたトシストロングが前にぐいぐい迫る。オールパーパスが甘くなって４番手に下がったところを、中からサフランスカイがこれに詰め寄る。そこへ大外一気にカシノワルツが突っ込んで、最後は５頭横一線の大接戦の４着争いのゴール。際どい写真判定になったが、カシノワルツがサフランスカイを首差捉えて４着に食い込んだ。６着，７着馬も鼻，鼻で続く大接戦の４着争いだった。 前走に続く上位争いを演じてくれたカシノワルツ。本来これくらい走れて当然の実力馬。回り道はしたが、これで完全復調宣言か。鞍上の二本柳騎手は、「無理に出して行くとダメだから、ジックリ構える形を取りました。ラストはよく伸びているし、確実に脚が使えるようになってます。」とコメント。悲願の500万クラス優勝を、そろそろ決めたいところだ。

●３月の小倉の平場戦では３着だったカシノワルツ。大牟田特別３着に続く好走だったが、あとひと押しというところで勝ち切れていない。その後は中京の平場戦で９着に終わるが、今回は巻き返しを期待。１番人気は、近４走で特別戦で３着，４着と上位争いをしているアイファーマシェリで単勝4.2倍。２番人気は、特別戦で２着，平場戦で４着の後、前走の特別戦では１３着と崩れたスリーカーニバルで単勝4.4倍。前走は振るわなかったものの、1000万特別戦で４着が２回あるように、上のクラスで互角の力を示した実績は侮れない。カシノワルツは、単勝10.2倍の５番人気。実力では決して遜色はないだけに、あとはいかに力を出し切れるか。勝機は十分にあるはずだ。

　 レースでは、カシノワルツはスタートはまずまずで、中団からじっくり脚をタメる競馬。横に広がっての先頭争いから、人気のアイファーマシェリなど３頭の先頭争い。カシノワルツは、先頭から６馬身差の中団で、いい感じで流れに乗れている。３角では、アイファーマシェリが単独先頭で、半馬身差でイーグルアモンが２番手。３〜４角の中間では、カシノワルツは先頭まで５馬身差だが、ここからかなり手を動かしてゴーサインが出されると、４角ではじわっと動いて行く。今度はイーグルアモンが半馬身リードで先頭に出て、アイファーマシェリ，スリーカーニバルの２番手争い。カシノワルツは、先頭から３馬身差の中団外からスパート態勢で直線へ。

　 直線に向くと、残り250ｍを切って今度はスリーカーニバルが先頭。半馬身遅れてイーグルアモン，これに１馬身差でアグネスキズナが３番手。アイファーマシェリは伸びを欠いている。カシノワルツもグイグイ伸び脚を発揮して、残り１ハロンを切ったところで３番手争いの外に並んでくるが、更に半馬身差の大外から
ミッキーマンデーの追い込み。激戦の様相となり、ラスト100ｍでカシノワルツは２番手まで上がる。先頭スリーカーニバルが、１馬身半リードで懸命に逃げ込みを図る。ここから先頭に詰め寄るカシノワルツだが、外ミッキーマンデーも首差まで迫っている。ここからもうひと頑張りを見せたカシノワルツは、ミッキーマンデーとの差を半馬身に開いて、更にゴール前でスリーカーニバルを頭差捉えて差し切り勝ちのゴール。ゴール前でミッキーマンデーがもう一度巻き返す構えを見せたが、既に態勢は決していた。500万クラスに昇級してから２８戦目。２着３回，３着３回と幾度となく惜しいレースを重ねたが、ついに念願の勝利を手にした。これまでの苦労が報われた一戦で、本当に感慨深い勝利。鞍上の二本柳騎手は、「いつもよりメンバーが楽になっていたので、期待していました。３〜４角での手応えは思ったよりも良くなかったのですが、最後は何とか差し切ってくれましたね。」とコメント。1000万クラス昇級後は厳しくなるのは間違いないが、是非とも頑張りを期待したい。

●４月の医王寺特別で、ついに念願の500万クラスでの勝利を挙げたカシノワルツ。これで1000万クラスに昇級となるが、昇級緒戦の福島中央ＴＶ杯では１３着惨敗。それまでの連戦の疲れもあったことから、その後は２カ月あまり休養してリフレッシュ。そして前走さくらんぼ特別では、上位には入れなかったものの、勝ち馬から0.6秒差の７着と悪くない競馬をした。クラス慣れも見込める今回は、掲示板圏内も密かに狙っていきたい。１番人気は、３歳オープン特別の葵Ｓ５着の後、さくらんぼ特別では首差の２着だったゴールドペガサスで単勝1.8倍。２番人気は、佐賀競馬で３連勝して中央に再転入し、転入２戦目の前走500万特別を勝ち上がってきたマンハッタンヘンジで単勝4.8倍。カシノワルツは、単勝39.1倍の７番人気。評価は低いものの、１番人気のゴールドペガサス以外となら、オッズほどの力の差はないはずだ。

●前走1000万クラス昇級３戦目の白河特別では７着だったカシノワルツ。５着馬から鼻，首差というところで掲示板を逃してしまったが、そろそろ1000万クラス初入着を期待したい。１番人気は、昇級緒戦の前走特別戦で１番人気で３着と力を見せたオヒアで単勝3.1倍。２番人気は、前走500万下平場戦を勝ち上がってきたアドマイヤナイトで単勝3.7倍。まだキャリアが浅く、４戦２勝という戦績から素質が評価された格好。カシノワルツは、単勝41.5倍のブービー９番人気。確かに勝ち負けまでとなると厳しいかもしれないが、大負けはしないはずだ。

●昇級４戦目の前走別府特別では５着と、昇級後の初入着を果たしたカシノワルツ。勝ち切るまでの力はなくとも、十分勝負になることは示してくれた。これだけ戦歴を重ねながら、更に成長が窺えるだけに、今回は更なる前進を期待したい。ただ、今回は連闘で臨む一戦で、これがいい方に出るのか悪い方に出るのか。１番人気は、重賞を中心に使われて二桁着順を続けた後、1000万クラスまで降級した前走特別戦では５着だったリアルヴィーナスで単勝3.5倍。３歳オープン特別の葵Ｓ勝ちや、Ｇ３ファンタジーＳ５着の実績がある。２番人気は、未勝利，500万下平場戦を連勝した後、1000万特別では９着だったプルメリアスターで単勝4.6倍。前走は振るわなかったが、素質が高く買われている。カシノワルツは、単勝30.8倍の９番人気。人気は低いが、実力伯仲の混戦ムードの一戦だけに、カシノワルツにも食い込むチャンスはあるはずだ。

●1000万クラス昇級６戦目の宮崎特別で鮮やかな差し切り勝ちを演じたカシノワルツ。今回はついに準オープンまで昇級してのレースとなる。500万クラスでもなかなか勝ち切れずにいた馬が、気がつけば準オープン。これまでの長い頑張りが実ったものだが、準オープンでも好勝負を期待したい。１番人気は、近親５走を３着，３着，５着，５着，７着としているアットウィルで単勝3.2倍。近６走連続で１，２番人気になっている馬で、前走こそ崩れたものの、このクラスでは力量上位と見られている。２歳オープン特別のクローバー賞優勝，Ｇ３函館２歳Ｓを１番人気で５着という実績もある。２番人気は、前走１０番人気ながら４着と好走したシルクドリーマーで単勝5.3倍。前走は勝ち馬から3/4馬身差の競馬で、アットウィルには１馬身半先着している。カシノワルツは、単勝7.8倍の５番人気。ハンデ戦で、５２kgの斤量も買われた形だが、それだけでなく、前走リアルヴィーナスを捻じ伏せた勝ちっぷりも評価されている。昇級戦でも、準オープンにメドの立つ走りを見せてほしい。

●前走準オープン昇級緒戦の北九州短距離Ｓで５着と上位に食い込んだカシノワルツ。準オープンでのメドを立て、今回は中央場所での競馬でメンバーは強力になるが、どこまで戦えるか力を試したい。１番人気は、500万下平場戦を３馬身差，1000万特別を２馬身差と楽勝して昇級してきたマルヨバクシン単勝3.0倍。まさに今急成長の途上にある馬。２番人気は、近３走で３着２回のサンブルエミューズで単勝4.4倍。２歳オープンの芙蓉Ｓ優勝，Ｇ３フェアリーＳ３着の実績はもちろん、Ｇ１阪神ジュベナイルＦでは２番人気に支持され、Ｇ１桜花賞でも６着に踏ん張った素質馬。カシノワルツは、単勝64.1倍の１２番人気。中山に舞台が替わって、さすがにここでは厳しいと見られているが、若干のハンデの恩恵もあるだけに、あっと言わせる激走を見せてほしいところだ。

●前走のセプテンバーＳで２着と好走したカシノワルツ。僅差の惜しい競馬だったが、目覚ましく力をつけていることを確信した。それでもハンデの恩恵があっての好走と見られている向きがあるだけに、定量戦の今回どこまで戦えるかが大きなポイントとなる。１番人気は、前走セプテンバーＳでは１番人気で４着だったマルヨバクシンで単勝3.7倍。前走はカシノワルツの方が１馬身半先着している。２番人気は、500万下平場，1000万特別を連勝しているサザナミで単勝6.2倍。３歳馬でまだキャリア６戦という馬で、上昇度も買われている。カシノワルツは、単勝19.1倍の８番人気。マルヨバクシンとの比較で見れば、かなり評価が低い印象だが、それだけにこの馬の底力を見せつけてほしいところだ。

●前走みちのくＳでも４着となり、これで３戦連続の入着となったカシノワルツ。ハンデの恩恵がなくとも互角の勝負ができたことで、大いに自信を深めた。もちろん今回も十分に勝算あり。１番人気は、昇級緒戦の前走みちのくＳでは２番人気で７着だったサザナミで単勝3.1倍。７戦３勝のディープインパクト産駒で素質が評価されている。２番人気は、前走みちのくＳではカシノワルツに半馬身先着して２着と実力を見せたペイシャフェリスで単勝4.2倍。既に準オープン勝ちの実績があり、この年１月のオープン特別で首差２着と実力を見せている馬。カシノワルツは、単勝8.7倍の４番人気。みちのくＳの再戦のようなレースだが、上位人気馬との実力差はほとんどないはず。カシノワルツが準オープンを勝ち上がってもなんら不思議はない。

●強烈な追い込みを武器に1000万特別勝ちなどの活躍をしたスリースポットの孫セブンスコード。門別でデビューして、６戦して２着１回，３着２回の成績で勝ち切れなかったが、金沢に移籍してからは２着，１着として待望の初勝利を挙げる。更に今度は南関東に移籍して、浦和で平場戦を２連勝し、金沢在籍時から通算３連勝と勢いづく。続く前走の特別戦は９着と大敗してしまったが、今回はＪＲＡ勢を相手に好勝負を期待。１番人気は、門別では４戦１勝で、その後南関東に移籍して 2-3-0-1 と活躍しているカズミドリームで単勝1.7倍の断然人気。南関東では４着を外したことがない堅実さ。２番人気は、これまで６戦して最高着順が４着のＪＲＡウインファルコンで単勝3.5倍。ここ３戦二桁着順を続けているが、ＪＲＡのレースで４着の実績は評価せざるを得ない。セブンスコードは、単勝6.6倍の３番人気。ＪＲＡ勢は計６頭が参戦しているが、それほど恐れる必要はない。好勝負を見せてほしい。

　【レースでは、セブンスコードはスタートは五分に出て、手綱を押して前の方に。ダッシュが速かったのはウインファルコン。最内カズミドリームも前へ。セブンスコードも手綱を追って行く。１〜２角で、先頭はウインファルコンで、リードを２馬身半と開いて行く。２番手はカズミドリーム，ハイアーパーク，セブンスコードの３頭。２馬身差でピコタン，サノシスターの２頭がこれに続く。向正面にかかると、２番手以下が先頭との差を詰めて行くが、外セブンスコードは４番手の態勢。３角手前では、ウインファルコン，カズミドリームの２頭が３番手以下を引き離しにかかるが、今度はピコタンが３番手に上がって、前２頭を追って行く。３角過ぎでは、セブンスコードは先頭から３馬身差の４番手だが、前３頭から遅れ始める。３〜４角の中間では、セブンスコードは、前３頭から４馬身ほど離されて、更にはアフィシオン，サノシスターの２頭にも内外からかわされてしまう。４角では、３番手ピコタンも先行２頭について行けなくなり、人気２頭の勝負か。今度は外カズミドリームが先頭，ウインファルコンは半馬身差の２番手。あっと言う間に３馬身半遅れたピコタンが３番手。２馬身差でアフィシオン，更に２馬身差でセブンスコードが５番手。一旦はセブンスコードをかわしたサノシスターは遅れを取って直線へ。

　直線に向くと、カズミドリームが１馬身リードで残り１ハロン。２番手ウインファルコンの後ろは５馬身と開いて、ピコタンが３番手。１馬身半差でアフィシオン，更には２馬身半差でセブンスコードが５番手。その後ろはまた２馬身差がある。前２頭の後ろは更に大きく差が開いてしまう。セブンスコードは５番手で態勢は決する。ゴール前で外からダイバエミューが差を詰めて来たが3/4馬身差までで、セブンスコードが５着でゴール。ＪＲＡ勢６頭の中で、掲示板に圏内に入ったのは２着のウインファルコンのみだった。上位２頭とは大きな差があったセブンスコードだったが、３角で既に苦しい手応えだった割りには、最後までよく踏ん張ってはいた。まだこれからの馬だけに、今後の成長に期待したい。

●４月の浦和のＪＲＡ交流戦では１，２着馬からは大きな差があったものの掲示板圏内に食い込んだセブンスコード。その後は３歳条件戦で９着に終わり、今回再びＪＲＡ交流戦に出走。今回も人気は低いが、上位食い込みを狙う。１番人気は、前々走の交流戦で４着だったＪＲＡダイシンクワトロで単勝2.4倍。前走ＪＲＡの未勝利戦では８着に終わっているが、ＪＲＡでは４戦して最高着順が４着となっている。２番人気は、デビューからの２戦を連続８着としているＪＲＡアイリストで単勝3.7倍。２戦ともに勝ち馬から６〜７馬身程度と大きくは負けていない。セブンスコードは、単勝41.5倍の８番人気。メンバー的に見て、展開が向けば好走は十分可能だ。

　 レースでは、セブンスコードはスタートは五分に出るが、一発ムチが入るものの後方から。４頭ほど広がった先頭争いだが、外のウインダイバーがムチを入れて出てくる。セブンスコードは押っつけながら、先頭から７馬身差の最後方。１〜２角で、ウインダイバーが先頭で半馬身リード，２番手にアカンタレ。3/4馬身差で外レオズアメトリンが３番手。向正面では、セブンスコードは先頭から８馬身差。このあたりで１番人気ダイシンクワトロが大外をじわっと押し上げて、先頭から４馬身差の中団に。セブンスコードは殿りのまま。３角では、先頭はウインダイバーで変わらないが、１馬身差でレオズアメトリンが２番手に。３番手アカンタレは少し苦しくなってきて、３〜４角の中間では、２番手と３番手の間が３馬身と開いてくる。ダイシンクワトロは行きっぷりがひと息で、押し上げるどころかやや後退加減。セブンスコードは内々を通って殿りのまま、３番手から５馬身差の位置。４角では、先頭はウインダイバー，１馬身差でレオズアメトリン。２馬身半差でアカンタレが３番手。その後ろは２馬身差で３〜４頭が固まっている。セブンスコードは前との差は変わっていないが、コーナーワークの差で後方２頭目にひとつ順位を上げて直線へ。

　 直線に向くと、それまで脚をタメていたセブンスコードが、インから脚を伸ばしてくる。ラスト150ｍでは、中団内ラチ沿いの６番手争い。ウインダイバーが逃げ込みを図り、これを3/4馬身差で追うレオズアメトリン。２馬身開いて内ラチ沿いをダイバエミューが３番手に上がって差してくる。２馬身開いてアカンタレが４番手。ラスト100ｍで、セブンスコードはアカンタレに１馬身差の５番手争い。ラスト70ｍで、４番手争いはアカンタレに並びかけて５頭がほぼ一線。その中から、最内セブンスコード，大外アイリストの２頭が抜け出てくる。セブンスコード，アイリストは内外離れての４番手争いとなり、そのまま接戦の態勢でゴール。かなり際どかったが、セブンスコードの方が鼻差勝って４着に食い込んだ。優勝争いは、レオズアメトリンの差し切り勝ちだった。前回に続いてのＪＲＡ交流戦入着を果たしたセブンスコード。勝ちに行く競馬ではなかったが、この馬なりに健闘と言える内容。この先は、更に上位に肉薄する競馬を見せてほしいところだ。

●前年１１月のカペラ賞で地方重賞初制覇を果たしたハクユウロゼ。年明けの３歳オープン特別も圧勝し、ここまで５戦４勝。今回は、同時期の地方重賞の飛燕賞をパスし、ＪＲＡに挑戦。初めての芝コースとなるが、果たしてどこまでその力が通用するか。１番人気は、Ｇ３シンザン記念７着の後、500万下平場戦では１番人気で３着だったブレイヴバローズで単勝3.5倍。２番人気は、近２走特別戦を５着，４着としているダノンチャンスで単勝5.4倍。ハクユウロゼは、単勝43.4倍の１１番人気。初コース，初芝で、更に中央競馬のペースも未経験。幼い面が残るハクユウロゼだけに、これらの点はかなりのマイナス材料となり得るが、それでも好勝負を期待したい。 

　 レースでは、ハクユウロゼはスタートであおって１馬身立ち遅れると、ダッシュがつかずに最後方。スタートから100ｍで、先頭から６馬身の差がついてしまう。広がった先行争いから、ダノンチャンスが２馬身抜け出て来て先頭。ヤマニンリベンダが２番手だが、これにイリスファルコンが並んでくる。１馬身半差でデスティニーソングが４番手，これに3/4馬身差で内ブレイヴバローズは５番手争い。ハクユウロゼは更に１０馬身後ろで、最後方の争いの外。先頭まではかなりの差がついているが、３角手前から外を少し仕掛けて押し上げる。３角過ぎでは、ハクユウロゼは後方５頭目まで順位を上げて、先頭まで１２馬身差。ダノンチャンスが１馬身リードで先頭をキープしている。３〜４角の中間では、ハクユウロゼは仕掛けていて、４角では大外を回って押し上げる。今度は、先頭ダノンチャンスにイリスファルコンが並びかけ、１馬身半差でブレイヴバローズ，首差でヤマニンリベンダ。前８頭が４馬身圏内で固まり、３馬身開いて大外ハクユウロゼが９番手争いに。その１馬身後ろの外からメイショウギガースも追い込み態勢で直線へ。

　 直線に向くと、先頭ダノンチャンスが二の脚を繰り出して１馬身リード。外からブレイヴバローズ，デスティニーソングが２番手争い。残り１ハロンで、ハクユウロゼは前８頭の集団までまだ３馬身の間隔が開いているが、大外からはメイショウギガースが脚を伸ばして並んでくる。先頭争いは、ラスト150ｍで今度はデスティニーソングが僅かに先頭で、内首差でブレイヴバローズが食い下がる。１馬身差で大外ショウナンマッシブが追って来る。ハクユウロゼは、ラスト100ｍでメイショウギガースに3/4馬身遅れたが、ここからこの２頭でグイグイ前との差を詰めて行く。ここからメイショウギガースと同じ脚で伸びたハクユウロゼは、先行して甘くなったダノンチャンスに猛然と迫ったが、首差届かず８着でゴール。優勝したデスティニーソングからは４馬身ほどの差があったが、最後の上がりタイムは、メイショウギガースに次ぐメンバー中２番目のものだった。８着では満足できる着順とは言えないが、スタートでアオっての競馬を強いられたことを考えると、ＪＲＡ500万クラスでも通用する力は示してくれた。これから経験を積んで行けば、再度のＪＲＡ挑戦の機会があれば、掲示板以上の活躍も期待して良さそうだ。

●ＪＲＡに挑戦したかささぎ賞では後方から凄い脚で追い込んだものの８着だったハクユウロゼ。それでも能力のあるところは見せてくれたが、続くＪＲＡ阪神の500万下平場戦では、同じ８着ではあったが、伸び切れない感じのレースに終わる。今回は地元佐賀に戻っての３歳牝馬地方重賞。ただ、全国交流で他地区の強敵も加わるだけに、楽観はできない。その中でも、ハクユウロゼが地元の期待を背負い、単勝1.6倍の断然人気に支持される。２番人気は、佐賀若駒賞でハクユウロゼに５馬身差の２着となった後、地方重賞の花吹雪賞を優勝した地元佐賀のオヒナサマで単勝4.6倍。前走はハクユウロゼがＪＲＡ挑戦で不在の中での勝利であったが、今回は佐賀の牝馬ナンバーワンを目指している。２歳１０月の九州ジュニアチャンピオンでは、ハクユウロゼに首差先着している。３番人気は、特別戦２着を間に挟んで園田、名古屋の地方重賞を目下４連続２着としている兵庫のスターレーンで単勝4.7倍。実績的にはここでは最上位と言っていい。その他にも他地区からの参戦があり、実力の比較がつきにくい。そんな中でも、ハクユウロゼが地力を見せてくれることを期待したい。

　レースでは、ハクユウロゼはスタートダッシュが鈍く９番手からの競馬で、前の集団からは２馬身置かれた位置。１周目３角で、兵庫のラブエンジェルコン，地元のホワイトウィングス，コパノレイミーの先頭争い。２馬身差で笠松のサイレンスミラー。４角では、外から兵庫のスターレーンが４番手に押し上げて、先頭まで５馬身差。その１馬身内にオヒナサマ。後方外のハクユウロゼは、更に２馬身半後ろ。正面スタンド前で、先頭はラブエンジェルコン，半馬身差でコパノレイミー。その後ろは３馬身開いてホワイトウィングス以下。オヒナサマ，スターレーンは２頭並んで、３番手から１馬身半差。大外を通るハクユウロゼは、更に２馬身半後ろ。１〜２角でオヒナサマが４番手争いに上がると、向正面では手応えよく単独３番手となり、先頭まで２馬身半差。向正面の中間では、先頭に１馬身差まで早くも押し上げる。その２馬身後ろの５番手から、スターレーンが大外を仕掛けて一気に動いて行く。ハクユウロゼは更に２馬身半後ろで、かなり手が動いているが、反応はもうひとつの感じで、厳しい競馬になるのではとの不安がよぎる。３角では、オヒナサマがあっさり先頭に替わって、１馬身1/4差でスターレーンが２番手に。３〜４角の中間では、１馬身差で兵庫のスダチチャン，その3/4馬身外にハクユウロゼが押し上げるが、ここまでかなり脚を使っている感じ。その後ろは２馬身開いている。４角では、ハクユウロゼはムチを飛ばしながら３番手スダチチャンの外に並びかけるが、更に１馬身差の外に北海道のセミプレナが忍び寄って直線へ。

　 直線に向くと、残り１ハロンでハクユウロゼは先頭まで３馬身差で、一杯に追われるものの伸び切れない。オヒナサマが１馬身半リードで先頭だが、ラスト100ｍではスターレーンが１馬身差に詰め寄ってくる。１馬身半差でスダチチャン，半馬身遅れたハクユウロゼは４番手。半馬身差の外からセミプレナが差してくる。ここからスターレーンがぐいぐい伸びて、ラスト30ｍでオヒナサマをかわして差し切り勝ち。ハクユウロゼは、大外セミプレナに抵抗できずにかわされてしまい、スダチチャンとも同じような脚色のまま3/4馬身遅れて５着でゴール。６着以下には５馬身差があったように、上位５頭の力が抜けていたが、ハクユウロゼも人気を背負っていただけに、上位５頭のうち３頭が他地区からの参戦だったように、地元勢だけのレースとは勝手が違った面もあったのは否めない。それでも、オヒナサマに２馬身近くも遅れたあたりは、ハクユウロゼ本来の走りではなかた印象。今後の巻き返しを期待したい。

●ル・プランタン賞では１番人気で５着に終わったハクユウロゼ。他地区の強敵の参戦も厳しかったが、地元勢のオヒナサマの後塵を拝したことも残念だった。今回は九州ダービーで、佐賀最強のスーパーマックスが南関東から佐賀に戻り、大きな壁となって立ちはだかる。１番人気はそのスーパーマックスで、単勝1.1倍の断然人気。佐賀で九州ジュニアチャンピオンなど５戦全勝とした後、南関東では８着，６着に終わったが、佐賀に戻った前走の佐賀皐月賞では６馬身差の圧勝と、佐賀では無敗で無敵を誇る。２番人気は、ル・プランタン賞で地元馬最先着の２着だったオヒナサマで単勝10.8倍。続く前走古馬相手のＢ４戦でも２着と実力を見せている。地方重賞では花吹雪賞勝ちがある。ハクユウロゼは、単勝14.4倍の４番人気。スーパーマックスの壁はかなり厚いが、２着はなんとかゲットしたいところだ。

　レースでは、ハクユウロゼはスタートは若干甘く、中団からの競馬。４頭の先頭争いからオヒナサマがが半馬身先頭に出てくる。スーパーマックスが２番手，半馬身外フジノカミワザが３番手。ハクユウロゼは７番手で、フジノカミワザの２馬身半後ろから。１周目３角手前で、内からスーパーマックスが先頭を奪い、３角では１馬身のリード。オヒナサマは２番手。３〜４角の中間では、ハクユウロゼは先頭から６馬身差の中団で、掛かり気味になっている。４角では、スーパーマックス，オヒナサマ，フジノカミワザが、それぞれ3/4馬身間隔。正面スタンド前でも変動はなく、前３頭から１馬身半差でビーザライトが４番手，１馬身3/4差でキリシマキャプテン。その3/4馬身外ハクユウロゼは６番手。１角〜２角にかかると、ハクユウロゼは仕掛けて進出開始。向正面では、先頭はスーパーマックス，半馬身差でオヒナサマが２番手。１馬身半差でフジノカミワザの態勢で、その後ろは３馬身と開いている。向正面の中間過ぎでは、ハクユウロゼはムチを飛ばして４番手まで上がるが、３番手までは４馬身の差。このあたりから、先頭２頭が後続を引き離しにかかる。３角では、先頭２頭が競り合う形で、３馬身半と開いてフジノカミワザが３番手。２馬身差まで詰めてきたハクユウロゼが４番手。３〜４角の中間では、今度はオヒナサマの方が先頭に出る。断然人気スーパーマックスは意外にも苦しいのか。４角では、先頭オヒナサマが１馬身1/4差リード。２番手スーパーマックスは外側に持ち出す。２馬身差でフジノカミワザ。これに外から１馬身差までハクユウロゼが取り付くが、ここまでかなり脚を使っているだけに余力が残っているのか。

　 直線に向くと、先頭オヒナサマが１馬身半リードで押し切りを図る。２番手スーパーマックスは、佐賀で初めての黒星を喫するのか、大ピンチの場面。ラスト150ｍで１馬身差でフジノカミワザも追ってくる。ハクユウロゼは切れ味ひと息で、フジノカミワザに１馬身半遅れる。ここからスーパーマックスがもう一度盛り返してきて、ラスト100ｍでは先頭に１馬身差。スーパーマックスの3/4馬身外からじわじわフジノカミワザ。ハクユウロゼもじりじりと差を詰めてきてはいる。このあたりから先頭オヒナサマの脚色が鈍り、ラスト50ｍを切ってからスーパーマックスが差し返して先頭。最後はフジノカミワザが２番手に上がる。ハクユウロゼは差を詰めてはいたが、内で３番手に下がったオヒナサマに半馬身差の４着でゴール。上位４頭が５着以下を引き離したが、１着〜４着まですべて半馬身の間隔。ハクユウロゼも差はなかったが、最後の力比べで伸び切れずに終わった。ハクユウロゼも頑張っていただけに、ダービー馬の称号を手にできなかったのは残念。しかしながら、実力的には僅かの差のはずだ。最強スーパーマックスでさえ、決して負かせない相手ではなくなってきた感じだ。

●オークス５着馬のグランドクロスの孫ファミリータイズのデビュー戦。評価はあまり高くないが、素質の片鱗を見せてほしい。１番人気は、ゴールドアリュール産駒のプラチナグロースで単勝3.4倍。２番人気は、Ｇ２スプリングＳなど重賞２勝のダンスインザモアを兄に持つスマートホルスで単勝5.0倍。ファミリータイズは、単勝15.1倍の８番人気。傑出馬のいない混戦模様の一戦だけに、上位食い込みのチャンスは十分あるはずだ。

●牝馬Ｇ１に３度出走した実績のあるスプリングガーベラの産駒マルカンパンサー。大井競馬所属でデビューし、デビュー２戦目で初勝利を挙げると、その後は一歩ずづ少しずつ階段を登る感じ。その後６戦してＣ２特別で通算２勝目。更に７戦勝ち切れない競馬が続いたが、ここからＣ１特別〜Ｂ２Ｂ３特別まで３連勝と勢いづく。それでも、その後６戦は勝ち切れなかったが、前々走Ｂ１Ｂ２特別を３馬身半差の圧勝。この時のパフォーマンスはなかなかのものだった。前走のＢ２Ｂ３特別は１番人気で４着と取りこぼしてしまったが、実力を出し切れればもっと上のクラスでも好勝負は可能なはず。今回は牝馬の準重賞だが、ここで勝利を挙げられるなら、これから更に飛躍して行けるはず。１番人気は、前走交流Ｇ３のスパーキングレディーＣで３着と好走したマイネエネーナで単勝2.2倍。１，２着のＪＲＡ馬からは７馬身差をつけられたが、ＪＲＡ勢の間に割って入った。ＪＲＡ時代は２勝したのみだったが、ここにきてグレードレース３着という実績には重みがある。２番人気は、ＪＲＡ時代は４着が最高で勝ち切れなかったが、地方では兵庫と南関東で12-2-2-1 の素晴らしい活躍を見せているハッピーウェーブで単勝3.9倍。勝ち鞍はＢ３特別までで格上とは言えないものの、そのＢ３特別を３馬身差圧勝したレース内容も評価が高い。マルカンパンサーは、単勝7.0倍の４番人気。展開次第では、上位人気馬たちを十分負かせるだけの能力はあるはずだ。

　 レースでは、各馬揃ったスタートで、マルカンパンサーは手綱を押して行くが中団まで。ゴールドキャヴィアが先頭に立って、半馬身差でキモンレッド，更に半馬身差でローズベビークリス。その内半馬身差で人気のマイネエレーヌは４番手。マルカンパンサーは、これに１馬身半差の中団外目からの競馬。１〜２角で、先頭ゴールドキャヴィアは２馬身と少しリードを開く。向正面で、マイネエレーヌは先頭から３馬身差の４番手だが、それほど行きっぷりがいい訳ではない。じわっと押し上げたマルカンパンサーが、マイネエレーヌの半馬身外に押し上げる。３角手前では、マイネエレーヌにはもうムチが飛ぶが、マルカンパンサーは手応え十分。３角では先頭争いは前３頭が並んできて、１馬身半差でマイネエレーヌ，マルカンパンサーの２頭の４番手争い。３〜４角の中間では、ゴールドキャヴィアが脱落し、キモンレッド，ローズベビークリスの先頭争い。単独３番手となったマルカンパンサーが大外から押し上げて、４角で先頭に並びかけると、直線入口では半馬身リードで先頭。４番手以降からは、外を通ってクラカルメンが押し上げてきて直線へ。

　 直線に向くと、大外マルカンパンサーが先頭に躍り出て１馬身のリード。キモンレッド，ローズベビークリスの２番手争いに、半馬身外からクラカルメンが追ってくる。これに１馬身差でマイネエレーヌは５番手で伸び切れないが、それを最内からハッピーウェーブがかわしてスルスルと差し込んでくる。しかしながら、ラスト100ｍでマルカンパンサーは２馬身1/4差リードで勝負を決める。２番手クラカルメンに、最内から伸びたハッピーウェーブがラスト50ｍでかわして２番手に上がったが、マルカンパンサーは危なげなく１馬身半差で快勝のゴール。前走交流Ｇ３で３着だったマイネエレーヌは、マルカンパンサーから３馬身近い差の６着に終わった。実に強い内容で南関東の準重賞を制覇したマルカンパンサー。これからは本当のオープンクラスでの競馬となる。着実に馬は成長を遂げており、牝馬同士であれば更に強い相手でも十分戦えるはずだ。

●準重賞のクリスタルナイトＣを優勝したマルカンパンサー。続く前走Ａ２Ｂ１特別はミラーコロに鼻差の２着と惜敗したが、ミラーコロは前走地方重賞のスパーキングサマーＣで３着と上位争いをしていることから測れば、マルカンパンサーが地方重賞で好勝負できても不思議はない。ただ、今回は生涯初めての地方重賞挑戦となるが、Ｓ２重賞でかなり強力メンバーの男馬相手だけに厳しい戦いは覚悟しなければならない。１番人気は、近９戦で 8-1-0-0 の快進撃をしているグランディオーソで単勝1.7倍。前々走地方重賞のサンタアニタＴは２着で連勝が止まったが、前走の準重賞では３馬身差の圧勝と実力を見せつけている。２番人気は、地方重賞のアフター５スター賞で鼻差２着と惜敗した後、前走の準重賞戦ではグランディオーソに３馬身差の２着だったゴーディーで単勝6.5倍。３番人気は、サンタアニタＴを優勝し、前走交流Ｇ３のオーバルスプリントでは６着だったセイントメモリーで単勝9.1倍。前年のＧ３オーバルスプリントを優勝しており、実績的には一枚上の存在。マルカンパンサーは、単勝57.0倍の１１番人気。斤量的には有利な面もあり、そのあたりを生かして上位食い込みを狙いたい。ここで差のない競馬ができるなら、これから期待が更に膨らんでくる。

　 レースでは、マルカンパンサーは僅かに甘い感じのスタート。セイントメモリーなど５頭の先頭争い。その後ろは２馬身〜２馬身半開いて最内ツルオカオウジなど４頭が並ぶ態勢。その１馬身後ろの内々に人気のグランディオーソがつけている。マルカンパンサーは、その１馬身1/4差後ろの後方の位置取り。１〜２角で、僅かに先頭に立ったのはゴーディーで、首差でソルテ，半馬身差でセイントメモリー，3/4馬身差でトーセンアドミラルが４番手の順。向正面では、グランディオーソは先頭から５〜６馬身差の中団やや後ろの内ラチ沿いをじっくり追走している。更に２馬身半後ろの後方３頭目にマルカンパンサーが脚を温存するが、３角手前から外目に持ち出してじわっと進出する構え。３角でも前の方の態勢はほとんど変わらず。３〜４角の中間でも、グランディオーソは先頭から５馬身差の位置でじっと動かない。マルカンパンサーは余力のある手応えで、外からじわっと進出するが、先頭まではまだ８馬身の差がある。４角では、終始突つかれていた感じのゴーディーが、１馬身と少しリードを開いて先頭。２番手ソルテに、外からセイントメモリーが並びかける。その後ろは１馬身1/4差で内々ツルオカオウジが４番手争い。これに3/4馬身差に詰めてきた中グランディオーソ。マルカンパンサーは更に３馬身半後ろで、中団後ろの大外からラストスパートにかかって直線へ。

　 直線に向くと、先頭ゴーディーに、セイントメモリーが3/4馬身差にじわっと詰め寄ってくる。その3/4馬身外には、グランディオーソがソルテをかわして早くも３番手に。これに3/4馬身差で内々ツルオカオウジが５番手の態勢。残り１ハロンで、マルカンパンサーは更に３馬身後ろの中団大外から脚を伸ばす。前３頭がほとんど差のない態勢になってきて、ラスト150ｍを切って今度はセイントメモリーが先頭。3/4馬身差でグランディオーソが２番手に。グランディオーソがじわじわ詰め寄り、ラスト50ｍからはこの２頭がほとんど並ぶ態勢での叩き合いとなったが、セイントメモリーが何とか鼻差しのぎ切って優勝。３番手ゴーディー以下は同じような脚色のまま、５着入線はツルオカオウジ。マルカンパンサーは、ラスト100ｍでは７番手争いで、前の６番手ミラーコロまでは１馬身半差。ここからじわじわ最後まで伸びたマルカンパンサーは、ミラーコロを捉えて、食い下がるジョーメテオに半馬身差をつけて６着でのゴール。５着のツルオカオウジとの差もじわじわ１馬身差まで詰めたものの、地方重賞入着はならなかったマルカンパンサーだが、男馬相手のこのメンバーで、地方重賞初挑戦でここまでやれたのは、この馬の能力レベルが相当に上がっていることを証明するもの。牝馬同士であれば、地方重賞でも相当に戦えるはず。これからの更なる活躍に期待が高まる。

●前走地方重賞初挑戦のマイルグランプリでは６着だったマルカンパンサー。地方重賞入着はならなかったが、南関東の男馬一線級にもそれほどヒケを取らない競馬ができる力を示した。Ａ２Ｂ１特別の今回は、当然首位争いの競馬。１番人気は、前走Ａ２Ｂ１特別で３着だったダイヤモンドダンスで単勝2.9倍。前々走はＪＲＡオープンの朱鷺Ｓに挑戦して着順は１２着だったものの、勝ち馬から0.5秒と差のない競馬をしている。４月にはＡ２Ｂ１特別を４馬身差圧勝しているだけでなく、東京ダービー４着を始めとした地方重賞入着の実績を持つ。マルカンパンサーは、単勝5.1倍の２番人気。３番人気は、ＪＲＡ交流戦，Ｂ１Ｂ２特別と２戦連続４着という成績のモレサンドニで単勝5.3倍。ＪＲＡ時代は1000万クラスだった馬。マルカンパンサーは２番人気ではあるが、前走の内容からはここでは実力上位とさえ思える。ここで貫禄を見せて勝利を飾れば、再度の地方重賞挑戦への道筋ができるはずだ。

　レースでは、マルカンパンサーはまずまずのスタートで、手綱を押して行くものの中団から。アントニオピサがすっと先頭に立つが、これにケンブリッジナイスが首差まで並んでくる。１馬身半差でオベロンホワイト，マンボビーンの２頭。これを外からマルカンパンサーが加速してかわして行って早目３番手。１番人気のダイヤモンドダンスは、更に２馬身半後ろの中団やや後ろから。向正面の中間では、マルカンパンサーは３番手で、先頭まで１馬身1/4差。３角でも態勢は変わらないが、このあたりからマルカンパンサーは少し仕掛けて行く。３〜４角の中間では、ダイヤモンドダンスは更に３馬身半後ろでじっと脚をタメている。４角では、マルカンパンサーがじわっと押し上げて、アントニオピサ，ケンブリッジナイスの２頭に外から並びかけての先頭争いに。１馬身半差で４番手以下は一団。ダイヤモンドダンスは、先頭まで３馬身差の中団馬群の真ん中で直線へ。

　 直線に向くと、マルカンパンサーが持ったままで首ほどリード。残り300ｍを切ってから追い出しにかかる。残り１ハロンでは、先頭マルカンパンサーが１馬身抜け出して、２番手で粘るケンブリッジナイス。１馬身差で内アントニオピサは３番手，これに１馬身差でダイヤモンドダンスが４番手まで押し上げる。しかしながら、先頭マルカンパンサーは、ラスト100ｍで２馬身半抜けて楽勝態勢。ラスト80ｍでダイヤモンドダンスが２番手に上がって来たが、マルカンパンサーは差を詰められることなく２馬身半差の完勝のゴール。このメンバーでは力が違うところを見せつけた。着実にパワーアップを遂げ、安定感も身についてきた。今のこの馬の力なら、牝馬地方重賞でも上位争いができるのは間違いない。

●Ａ２Ｂ１特別のオープス磐梯賞を楽勝したマルカンパンサー。今回はいよいよ牝馬地方重賞に駒を進め、地方重賞入着はもちろん、勝利のチャンスと言える。５４kgと斤量的に恵まれたこともあって、単勝3.0倍で最終的に１番人気に支持される。オッズはかなり割れていて、前走地方重賞のロジータ記念を３馬身差圧勝しているノットオーソリティが、オッズは同じ3.0倍で２番人気。地方重賞通算４勝，交流Ｇ３エーデルワイス賞４着の実績は、マルカンパンサーより明らかに上。３番人気は、前走交流Ｇ３クイーン賞で８着だったレッドクラウディアで単勝5.4倍。ＪＲＡ時代３歳オープンの昇竜Ｓを優勝，Ｇ３クイーン賞制覇を始め、グレードレース入着６回の実績も、マルカンパンサーより断然上。前年の東京シンデレラマイルも２着。休み明け３走目で本領を発揮するか。かなりの激戦ムードの一戦だけに、マルカンパンサーの勝負根性に期待をかける。

　 レースでは、マルカンパンサーは出遅れというほどではないものの、それほどいいスタートではなく、手綱を押して行くがなかなか行けずに中団から。じわっと先頭に立ったのはケンブリッジナイスで、外首差でノットオーソリティも先頭争いで以下も一団。マルカンパンサーは、先頭から３馬身差の位置。１〜２角にかかって、マルカンパンサーは先頭から７馬身と少しバラけてくる。ここから更に前はバラけて、先頭はケンブリッジナイス，１馬身1/4差でノットオーソリティ，２馬身差でアスカリーブルが３番手だが、その後ろは５馬身と開いてくる。向正面に入って、４番手にＪＲＡから転入緒戦のメモリアルイヤーで、以下は固まった態勢。マルカンパンサーは、メモリアルイヤーから３馬身半差の中団で、押っつけながらで楽な追走ではない。３角手前では、マルカンパンサーもかなり手が動いている。３角では、先頭争いはケンブリッジナイス，ノットオーソリティの２頭。３馬身半差でアスカリーブル，更に３馬身半差で４番手争いの大外にマルカンパンサーが押し上げてくる。３〜４角の中間では、先行２頭が後続を６馬身と引き離す。４角では、ノットオーソリティが先頭に立って１馬身のリード。ケンブリッジナイスが２番手で、４馬身開いた３番手争いの大外にマルカンパンサー。マルカンパンサーは、ここまでかなり仕掛け通しで苦しい追走だっただけに、直線伸び脚を見せられるのか。

　 直線に向くと、先頭ノットオーソリティが一頭抜け出して、残り１ハロンでは２馬身リード。内ケンブリッジナイスが２番手で踏ん張り、３馬身差でアスカリーブルが僅かに３番手だが、これに首差でレッドクラウディア，マルカンパンサーが食い下がる。ラスト100ｍで、先頭ノットオーソリティは４馬身リードで勝負を決める。大外マルカンパンサーは、アスカリーブル，レッドクラウディアより首ほどリードして、２番手ケンブリッジナイスに１馬身差まで詰め寄り、２着を窺う形になったが、ここから少し甘い感じになったところをレッドクラウディアに差し返されて、５頭並ぶ態勢の２着争いとなったものの４着でのゴール。２着のケンブリッジナイスからは頭，頭差で２着確保はならず。優勝したノットオーソリティからの５馬身差も大きかった。１番人気だったことを考えると、決して満足のいく結果ではなかったが、２着争いに踏ん張ってこの馬の力は一応示した。地方重賞初入着となったが、この次はもっと上の活躍を期待していきたい。

●年末の東京シンデレラマイルでは４着となり、地方重賞初入着を果たしたマルカンパンサー。年が明けてからは、地方重賞での勝ち負けまで期待されたが、１月の準重賞で男馬相手に７着に敗れると、その後は７カ月の休養に。今回は休み明けの一戦だが、Ａ２Ｂ１特別なら、いきなり勝ち負けできても不思議はない。１番人気は、Ｂ３特別〜Ａ２Ｂ１特別まで４連勝した後、Ａ２Ｂ１特別２着，Ａ２下特別を２戦連続３着と堅実なレースを続けているブリージーストームで単勝2.5倍。特に前々走は、'14年にＧ２兵庫ジュニアグランプリを制しているジャジャウマナラシに１馬身差の競馬をしている。２番人気は、近４走Ｂ級特別を１〜４着とこれも堅実なブラックサンダーで単勝5.6倍。Ｇ１ジャパンダートダービー５着を始め、黒潮盃４着，羽田盃５着などの実績がある。マルカンパンサーは、単勝7.5倍の３番人気。休み明けで評価は低くなっているが、実力的にはあっさりのシーンも十分あり得るはずだ。

●２年前の大井のＡ２Ｂ１特別の東京中日スポーツ杯を快勝したマルカンパンサー。その後は南関東で７戦して、地方重賞２戦は着外に終わったものの、その他のオープン特別，Ａ２Ｂ１特別では全て掲示板を確保する堅実な走りを見せていた。そして、８歳となったこの年から名古屋競馬に移籍となるが、南関東での実績から見て、名古屋の上級クラスでも上位争いを期待していい。緒戦のＡ３特別を優勝，更に４戦後のＡ２特別で名古屋での２勝目を挙げる。交流Ｇ３かきつばた記念はさすがに厳しく９着に終わったが、その後はＡ３特別優勝，Ａ１特別２着，Ａ２特別優勝と好勝負を続け、８歳ながら健在ぶりを見せつけている。今回は兵庫からの遠征馬などの強豪を迎え撃つ形で、強敵相手の地方重賞となるが好勝負に持ち込めるのか。１番人気は、Ａ１特別を連勝中の兵庫のトランヴェールで単勝1.6倍。１８戦１４勝の戦績もさることながら、前走を９馬身差で圧勝したレースが圧巻だった。２番人気は、兵庫ダービーなど地方重賞３勝の実績を誇る兵庫のインディウムで単勝3.5倍。ここ３戦は期待どおりの走りができていないが、４走前には東海桜花賞で３着となっている。マルカンパンサーは、単勝12.8倍の４番人気。上位人気２頭との力の比較がつきにくいが、この馬自身２度目の地方重賞入着はもちろん、密かに勝利まで狙って行く。

　レースでは、マルカンパンサーはスタートで若干立ち遅れ、後方からの競馬に。トキノベラトリクスが先頭に立って、１馬身1/4差でワンダフルタイム，キクノフレヴァンの２番手争い。１馬身差でサルバドールハクイ，インディウムの２頭。２馬身半差でトランヴェールは６番手。その１馬身後ろの固まった大外がマルカンパンサー。１〜２角で、マルカンパンサーは最後方３頭並んだ大外で、先頭までは７馬身差。向正面では、インディウムは先頭まで２馬身半差の外４番手。その１馬身3/4差後ろの６番手にトランヴェール。マルカンパンサーは更に２馬身後ろ、最後方の争いの大外の位置だが、向正面の中間からじわっと動き始める。３角では、トキノベラトリクスが依然先頭も、先頭集団は固まってくる。後方の外のマルカンパンサーも、先頭からの差は５馬身ほど。ここから人気どころが動いて行って、３〜４角の中間ではインディウムが先頭。半馬身差でトランヴェールが２番手，１馬身遅れてトキノベラトリクスは３番手。マルカンパンサーは７番手争いで、先頭まで６馬身差。４角では、インディウム，トランヴェールの人気２頭が並んで、この２頭のマッチレースか。３馬身と開いてきてトキノベラトリクス，２馬身差でセブンサムライが４番手。１馬身差でサルバトールハクイ，更に１馬身半差でマルカンパンサーは６番手で直線へ。

　 直線に向くと、人気２頭の争いから、外トランヴェールが首差リード。内で食い下がるインディウム。３番手以下は３馬身差から更に突き放される。ラスト100ｍでもインディウムが首差で粘っていたが、ラスト50ｍからトランヴェールがグイッと突き放して快勝。３番手以下は完全に引き離されたが、ラスト100ｍでは３番手セブンサムライ，１馬身半差で一杯になったトキノベラトリクス。１馬身差でサルバトールハクイ，１馬身1/4差で大外マルカンパンサーが６番手の順。３着にはセブンサムライが一頭抜けたが、マルカンパンサーがゴール前でサルバトールハクイ，トキノベラトリクスを捕らえて４着でゴール。優勝したトランヴェールからは１０馬身以上の差があったが、マルカンパンサー自身２度目の地方重賞入着を果たした。今回は他地区馬の参戦もあって厳しかったが、８歳とはいえまだまだ地方重賞で頑張ってくれそうだ。

●オークス５着馬のグランドクロスを祖母に持つワトソンクリック。母ジュウモンジは、ＪＲＡで２着が３回あったものの、結局勝利を挙げることはできなかった。その母の果たせなかった勝利への思いを、ここでワトソンクリックが叶えたい。前走の芝の新馬デビュー戦は６着だったが、すっと２番手につけるセンスの良さを見せていた。今回ダートでまた違った面も見せてくれるかも。１番人気は、前走芝の新馬デビュー戦で４着だったヘウレーカで単勝2.6倍。４着だったとは言え、２着争いにまで加わっていた。２番人気は、デビューからの２戦を連続６着としているデンバーで単勝4.7倍。初めてのダートで、これまで以上の走りを見せられるか。ワトソンクリックは、単勝8.4倍の３番人気。メンバー的にも、上位食い込みの可能性は相当に高い。今後に期待の膨らむ走りを期待したい。

　レースでは、ワトソンクリックは五分に近い出ではあったが、行き脚ひと息で気合をつけられる。ナニスンネンがじわっと先頭に立つが、内からアポロエース，トミケンキルカスもほとんど差はなく、先行争いは３頭が固まった態勢。１馬身半差でタイセイアニマートが４番手，更に１馬身1/4差でデンバーが５番手だが、ワトソンクリックなどもこれに差のないところまで押し上げて、このあたりは固まった態勢となるが、１〜２角で、ワトソンクリックはかなり大外を回らされる形になって、先頭から６馬身差の中団やや後ろの位置取りに。このあたり、アポロエースが先頭の態勢で向正面へ。先頭から５馬身差の中団真ん中にいるのがタイセイアニマート，その半馬身内に人気のヘウカーレ。ワトソンクリックは更に２馬身後ろの後方大外で、その後ろは５馬身開いて最後方の３頭という形。３角手前でワトソンクリックが大外をすーっと進出すると、３角では手綱をしごいてマクリにかかる。３〜４角の中間では、先頭から３馬身差の中団よりやや前の位置まで押し上げている。４角では、ナニスンネンとベルウッドツルギの先頭争いに替わるが、前の方は固まっている。ワトソンクリックは、先頭から１馬身差の大外５番手あたりまで上がって来ている。その２馬身後ろの中団にタイセイアニマート，これに１馬身差の内にヘウカーレの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、ナニスンネンが先頭で3/4馬身のリード。残り250ｍで、ベルウッドツルギ，ワトソンクリックと、更にぐいぐい脚を伸ばして来たタイセイアニマートの２番手争い。少し遅れて最内ドラゴンパイロも差してくる。残り１ハロンで、今度はタイセイアニマートが一気に先頭。ラスト150ｍでは、3/4馬身差でワトソンクリックが２番手に上がる。半馬身差で内ラチ沿いからドラゴンパイロも同じような脚で伸びてくる。ワトソンクリックは、タイセイアニマートには突き放されてしまったが、内のドラゴンパイロに抜かさせない。ゴール前で大外からトーセンアスリートが強襲してきたが、ワトソンクリックはこれを首差しのいで２着確保のゴール。デビュー戦の前走から上積みを見せるとともに、ダートにも適性を発揮した。鞍上の武士沢騎手は、「脚抜きのいいダートで好走しましたが、力のいるダートでも大丈夫だと思うし、逆に坂のあるコースになった方がいいかもしれません。１角で外を回らされましたが、自分のペースを守って競馬ができたのも良かったと思います。」とコメント。活躍の幅が広がり、これからの活躍に期待したい。

●前走デビュー２戦目の未勝利戦で２着と好走したワトソンクリック。ダート適性も見せて、今回は更なる前進を期待したい。そして、ワトソンクリックが単勝2.0倍の１番人気に支持される。２番人気は、初ダートだった前走で２番人気で５着だったカズノステナンゴで単勝6.2倍。前走はワトソンクリックと僅差の競馬をしている。３番人気は　これまで全２戦を３着，２着と上位争いをしているジーアイウォーカーで単勝7.0倍。前走は新馬デビュー戦は３着だった。前走手合わせして差のない競馬をしている馬たちがライバルになるが、その中でもワトソンクリックの評価が高い。そのファンの期待に是非とも応えたい。

●レコード決着の前走は１番人気で３着だったワトソンクリック。差し馬向きの展開の中、人気を背負って早目に動かざるを得なかったが、３着確保で力は示してくれた。もちろん今回も初勝利を目指す一戦。そして、ワトソンクリックが単勝2.4倍の１番人気に支持される。２番人気は、前走阪神の新馬戦で着差は開いたものの２着と素質を示したノースウィナーで単勝4.6倍。３番人気は、前走新潟の新馬戦で４着だったパルパルパピヨンで単勝4.9倍。ワトソンクリックに勝機十分のメンバー構成だけに、今度こそ勝利のチャンスをモノにしたい。

　 レースでは、ワトソンクリックはやや甘い感じのスタートで、少し押っつけながら中団の位置に。すっとノースウィナーが先頭に立って、２馬身差でロイヤルパンプが２番手だが、これに外からパルパルパピヨンが並んでくる。ワトソンクリックは、先頭から６馬身差の位置。１〜２角で、パルパルパピヨンが単独２番手の態勢で、先頭までは１馬身半差。１馬身差でトップリバティ，ミスエリカの３番手争い。向正面に入って、ワトソンクリックは依然中団内々で、先頭まで６馬身差で変わっていない。その４馬身後ろの後方プレーケストーレンが、向正面の中間を過ぎて進出を開始する。ワトソンクリックは、３角手前から手綱をしごいて行くと、３角では５番手まで順位を上げるが、前の方が少しバラけてきていて、先頭まで６馬身差は変わっていない。３〜４角の中間では、先頭ノースウィナーは２馬身リードの逃げ。パルパルパピヨンが２番手で、１馬身半差でミスエリカが３番手。その後ろは３馬身と開いているが、ワトソンクリックが４番手に上がってくる。つれて3/4馬身差でインからプレーケストーレンが取り付いてくる。４角では、内々を回ったコーナーワークの差もあって、プレーケストーレンが先頭に２馬身差の２番手。大外を回ったワトソンクリックは、3/4馬身差の３番手争いで直線へ。

　 直線に向くと、プレーケストーレンの伸び脚が良く、残り250ｍであっさり先頭に立って、残り１ハロンでは１馬身のリード。２番手ノースウィナーに、外3/4馬身差でワトソンクリックが伸びてくる。半馬身差で中ミスエリカは４番手。ラスト150ｍで、ワトソンクリックが２番手まで上がるが、先頭までは１馬身半差で捕まえ切れないか。プレーケストーレンと同じような脚色だったワトソンクリックだが、ラスト100ｍからようやく差を詰めにかかると、ぐいぐい脚を伸ばしてゴール前でプレーケストーレンを外から首差捉えて優勝のゴール。息の長い脚を渋太く使って差し切り勝ちを演じたワトソンクリック。この馬らしい勝ちっぷりだったと言える。２着馬には内々をうまく立ち回られたが、大外を回っても、最後は根性で勝利をもぎ取った印象。鞍上の原田和騎手は、「タメてもスッと動けるタイプではないと聞いていたので、どこかで早目にスパートしようと思っていました。地力があって、今日は馬の力で勝たせてもらいました。」とコメント。昇級後も渋太さを生かせる展開なら、好勝負は十分可能なはずだ。

●前走福島の未勝利戦で、デビュー４戦目での初勝利を飾ったワトソンクリック。この中間除外などもあって、今回が昇級緒戦のレースとなる。１番人気は、新馬デビュー戦を７馬身差で圧勝したペプチドウォヘッドで単勝1.2倍の断然人気。前走のパフォーマンスが高く評価されている。２番人気は、新馬デビュー戦を首差競り勝って勝利したアドマイヤスターで単勝10.9倍。前走は２着馬も力のある馬で僅差の勝利だったが、３着以下を更に７馬身引き離した内容が評価されている。ワトソンクリックは、単勝42.5倍の９番人気。確かにレース内容に派手さはないが、相手なりに渋太く走れるタイプだけに、ここでも善戦を期待。ただ、レース前に放馬があっただけに、その影響が大きな懸念材料ではある。

　レースでは、ワトソンクリックはスタートは五分に出て、最内から押して好位グループに取り付く。ヒルノデンハーグが先頭に立って、半馬身差で外メイショウカシュウ。１馬身1/4差で断然人気のペプチドウォヘッド，メイショウヒマワリの２頭。これに3/4馬身差で内々ワトソンクリックは５番手で１角へ。１〜２角で、先頭ヒルノデンハーグは３馬身とリードを開いて行く。メイショウカシュウが２番手で、更に３馬身差でペプチドウォヘッド，その外首差でメイショウヒマワリ。向正面で、１馬身半差でワトソンクリック，ナムラカモン，スマートボムシェルは５番手集団を形成する。その後ろは５馬身と間隔が開いてアドマイヤスター以下。先頭ヒルノデンハーグは、リードを８馬身と大きく開いて逃げている。３角でもそのリードは変わらず、メイショウカシュウが２番手。２馬身半差で３番手集団が固まってくるが、ワトソンクリックもその一角。３〜４角の中間では、ペプチドウォヘッドが単独３番手で、１馬身半差でワトソンクリックが４番手に。４角では、先頭ヒルノデンハーグのリードは３馬身に縮まる。内から手綱をしごいてペプチドウォヘッドが２番手に押し上げる。２馬身遅れてメイショウカシュウ，その１馬身後ろの４番手争いがワトソンクリック，スマートボムシェルで直線へ。

　 直線に向くと、２番手ペプチドウォヘッドがグイグイ伸びてきて、残り１ハロンでは先頭ヒルノデンハーグに１馬身差。その後ろは４馬身開いて、ワトソンクリック，スマートボムシェルの３番手争いだが、その外からナムラカモン，ラブミークンの差し馬２頭が並んで来る。ラスト150ｍを切って、３番手で争いはナムラカモン，ラブミークンの２頭。差し馬２頭に遅れたワトソンクリックは、スマートボムシェルとの５番手争いとなったが、ラスト50ｍで競り負けてしまって半馬身遅れの６着でのゴール。人気のペプチドウォヘッドは、最後はあっさり３馬身抜けての完勝だった。掲示板までは食い込めなかったワトソンクリックだが、ゲート前の放馬の影響がなければ、もう少し着順を上げられた可能性はある。鞍上の菱田騎手は、「本当はもっと早く動くレースをしたかったんですが、内ワクで行けなかったので、腹を括って末脚を生かしました。ワンペースだけど、バテずに渋太い脚を使う馬ですね。」とコメント。500万クラスでもある程度戦える手応えを掴んだのは収穫だった。

●昇級緒戦のもちの木賞では６着であとひと息で掲示板を逃したワトソンクリック。それでも、500万クラスである程度戦える手応えを掴んだのは事実。しかしながら、続く中山戦でも７着と少し足りない内容。今回はこのクラス３戦目となるだけに、もう一歩上の走りができていい頃。１番人気は、500万クラス昇級後の４戦をすべて４着以内にまとめているフクノグリュックで単勝3.6倍。２番人気は、デビュー３戦目の未勝利戦を勝ち上がった後、500万クラスでも特別戦３着，平場戦４着としているダイワインパルスで単勝4.1倍。ワトソンクリックは、単勝27.8倍の１０番人気。兄たちも息の長い活躍をした馬だけに、伸びしろは大いにあるはずだ。

　 レースでは、ワトソンクリックはスタートは五分に出て、中団のインから。ダイワインパルス，ランディングバースの先頭争いで、これに大外からルールソヴァールが接近。ワトソンクリックは、先頭から４馬身差の位置で、少し手綱を抑えながらの感じ。外には人気のフクノグリュックの態勢で１角へ、１〜２角で、ダイワインパルスが単独先頭で、リードをすっと３馬身と開いて行く。ランディングバースが２番手で、3/4馬身差で内にバンペイユ，外にルールソヴァールの２頭。向正面で、ワトソンクリックはここから２馬身差の６番手争いの内々で、このあたりまでが前の集団を形成している。向正面の中間では、ワトソンクリックの外にいたコスモバーダンが手綱をぐいぐいしごいてマクりをかける。３角では、手綱を押しながらコスモバーダンがあっと言う間に先頭。１馬身差で２番手ダイワインパルスとなり、一気にペースアップ。先頭から５馬身差のワトソンクリックも、かなり手綱をしごいていて、３〜４角の中間では外へ出して追い上げ態勢に入る。４角では、ワトソンクリックは中団から好位集団にじわっと接近。先頭コスモバーダンに、半馬身外ダイワインパルス。１馬身差でルールソヴァールが３番手で、その１馬身後ろの４番手争いがバンペイユ，タマノブリュネット，ワトソンクリックの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、ダイワインパルスがじわっと先頭に出るが、外からタマノブリュネット，ルールソヴァールが並んでくる。ワトソンクリックは、タマノブリュネットには先に行かれてしまったが、残り１ハロンでは先頭まで２馬身半差の５番手からじわじわ脚を伸ばす。ラスト150ｍで今度はタマノブリュネットが先頭に出るが。半馬身差でルールソヴァール，１馬身1/4差でコスモバーダン，ダイワインパルスの先行した２頭の３番手争い。ここから力強く伸びたワトソンクリックは、ラスト80ｍでこの先行２頭を外からかわして３番手に上がるが、ここからは２番手ルールソヴァールとの差を少し詰めた程度で３着でゴール。勝ち負けまでの競馬はできなかったが、３角から追い通しでも直線また伸びる息の長い脚を見せてくれた。鞍上の原田和騎手は、「馬体が絞れていたし、気合も乗ってゲートを出てくれましたからね。折り合いに不安もないので、流れに乗れました。ただ、仕掛けてからの反応が良くないので、外を回る形になりました。競馬の形は良くなっていますよ。」とコメント。巡り合わせ次第では、500万クラスを勝ち上がる可能性のあるレベルにまできていることは間違いない。

●昇級３戦目の前走平場戦で３着と、昇級後初めての入着を果たしたワトソンクリック。今回は人気にもなってきて、更なる前進を期待。１番人気は、新馬デビュー戦を７馬身差圧勝してきたセンチュリオンで単勝2.8倍。非凡な素質を秘めた馬。ワトソンクリックは、単勝4.7倍の２番人気。３番人気は、新馬戦３着の後、未勝利戦を４馬身差楽勝してきたパッショネイトランで単勝5.6倍。ワトソンクリックのライバルは昇級組となるが、経験の差を生かして勝利を勝ち取りたい。

　 レースでは、ワトソンクリックはスタートで１馬身立ち遅れてしまう。手綱を押して行くものの中団後ろの位置。ソルプレーサが先頭に立って、半馬身差でアイファーラブオーがすっと２番手。3/4馬身差で外にキングノヨアケが３番手。人気のセンチュリオンは、先頭から３馬身半差の５番手の外。ワトソンクリックは更に１馬身半後ろで、内目をじわっと押し上げて１角へ。１〜２角で、先頭に立ったのはアイファーラブオーで２馬身のリード。２番手にソルプレーサ，キングノヨアケの２頭。向正面に入って、１馬身半差でトウカイバレット，２馬身1/4差でセンチュリオン。これに１馬身半差でワトソンクリックなどが追走。隊列は固まるが、ワトソンクリックは少し押っつけながらの追走。３角では、キングノヨアケが単独２番手に。３〜４角の中間では、人気のセンチュリオンは、先頭から５〜６馬身差。これに3/4馬身差で外に持ち出したワトソンクリック，更に大外バルビエール。４角では、ワトソンクリックはまた内に入ってきてムチが入る。先頭アイファーラブオーは依然２馬身リードをキープ。キングノヨアケが２番手で、１馬身半差の３番手に押し上げるセンチュリオン。ワトソンクリックはセンチュリオンに置いていかれる感じで、先頭から５〜６馬身差の６番手で直線へ。

　 直線に向くと、先頭アイファーラブオーにじわじわキングノヨアケが詰め寄るが、更にこれに襲いかかるセンチュリオン。残り１ハロンでは前３頭が並んでくるが、脚色でまさるのはセンチュリオン。２馬身半開いてトウカイバレット，バルビエールの４番手争いで、更に１馬身差で中６番手のワトソンクリックがようやくじわじわ脚を伸ばしてくる。ラスト150ｍで、先頭センチュリオンがあっさり抜ける。４番手にまで上がったワトソンクリックが、一杯になったアイファーラブオーをラスト50ｍでかわして３番手に。しかしながら、２番手キングノヨアケまでは３馬身差があって届かない。それでも最後はその差を１馬身1/4差まで詰めて３着でのゴール。勝ち負けにまでは持ち込めなかったが、道中かなり押し通しでも更にまた伸びる渋太い脚を発揮した。鞍上の内田博騎手は、「今日は脚抜きのいダートで、タイムが速かったですからね。ワンペースの馬なので、タイムがかかった方がいい。」とコメント。今回はスタートが悪かったのも痛かった。メンバー次第では500万クラスを勝ち上がれる手応えを掴んだ。

●中山の平場戦で３着を２度続けたワトソンクリック。続く東京の平場戦では６着と掲示板を逃したが、大崩れのない走りはできている。パンチ力をやや欠く印象もあるが、今回も渋太く見せ場を作ってくれるはず。１番人気は、デビュー７戦目の前走の未勝利戦を７馬身差圧勝で勝ち上がってきたブルールークで単勝2.8倍。ダートでは 1-1-0-0 と底を見せていない。２番人気は、未勝利戦を４馬身差楽勝の後、昇級緒戦の500万下平場戦でも４着と好勝負をしたドラゴンパイロで単勝4.3倍。ワトソンクリックは、単勝6.9倍の４番人気。ブルールークは底が知れないとしても、他の馬とはそれほど能力の差はないはず。この馬の渋太さが生きる形になれば、勝機も見えてくるに違いない。

●前走の東京の平場戦では見せ場を欠いて５着が精一杯だったワトソンクリック。もうひとつ力を出し切れていない印象もあったが、今回は古馬相手の競馬で巻き返しを期す。１番人気は、１月の新馬デビュー戦を９馬身差圧勝しているリーガルプレゼンスで単勝3.4倍。それ以来の休み明けの競馬となるが、潜在能力の違いを見せつけるか。２番人気は、500万下平場戦を勝ち上がった後、1000万クラスでは１０着，８着だったキネオフォルツァで単勝4.4倍。1000万クラスでは結果を出せなかったが、降級すれば力量は上位。ワトソンクリックは、単勝8.1倍の４番人気。うまく流れに乗れるようなら、当然互角の勝負になるはずだ。

●古馬との初対戦となった前走東京の平場戦で２着と好走したワトソンクリック。勝ち馬が強かっただけに致し方なかったが、この馬も力は示していた。それだけに今回も当然上位争い。１番人気は、デビュー７戦目の未勝利戦を勝ち上がってきたセルメールで単勝4.7倍。全７戦で入着５回の堅実馬。ワトソンクリックは、単勝4.9倍の２番人気。３番人気は、近４走２着，３着，２着，５着のカネータで単勝5.3倍。５着だった前走でも３着争いをしていた。人気の割れた混戦をムードの一戦だが、ワトソンクリックもじわじわ着実に成長を遂げており、何とか勝利を決めたいところだ。

●前走の福島の平場戦では３着争いをするものの５着に終わったワトソンクリック。毎回同じような結果に終わってしまうが、あとひと押しをなんとか利かせたい。それでも、ここまで休みなく使われているだけに、上積みという点はあまり見込めないのも事実。１番人気は、デビュー３戦目の前走未勝利戦を５馬身差圧勝してきたイダクァイマで単勝3.9倍。１戦毎に大幅な上昇カーブを描いている馬だが、昇級緒戦となるだけに、どこまで信頼して良いか。２番人気は、デビュー２戦目の未勝利戦を勝ち上がった後、３歳500万下平場戦を２着，４着、古馬相手の特別戦を４着としているルールソヴァールで単勝4.1倍。安定性という点ではこちらの方が信頼度は高い。ワトソンクリックは、単勝9.5倍の５番人気。実力的には決して遜色ないと思われるが、あとは突き抜けるだけの底力を発揮できるかどうかだ。

●前年６月の八王子特別を快勝し、これで500万クラスからの２連勝となったワトソンクリック。気が付けばあっと言う間に準オープンまで昇級していた。４カ月の休養の後に準オープンにチャレンジしたが、３戦連続二桁着順の惨敗を喫する。このあたりは大きな壁に阻まれた形になってしまう。更に５カ月間隔が開いて、前走も１１着に敗れたが、それでも休養明けの割には、それまでの３度の惨敗よりは内容はまだ悪くなかった。依然として厳しい状況は変わっていないが、何とかキッカケを掴みたいところ。１番人気は、準オープン昇級後３着，４着，６着，３着，２着と堅実なレースをしているウインユニファイドで単勝3.4倍。ここ２戦は僅差の惜敗をしている。２番人気は、これも準オープン昇級後の３戦を４着，５着，３着と安定した成績のシャイニービームで単勝4.1倍。前走は２着のウインユニファイドに鼻差の競馬。ワトソンクリックは、単勝36.9倍の最低人気の１０番人気。頭打ちの現状を、何とか打破してほしいところだ。

　レースでは、ワトソンクリックは無難なスタートで、前にも出て来ようかという感じもあったが、徐々に後ろに控えて行く。ケンベストカフェがすっと先頭だが、大外プリンシアコメータが並んでくる。ワトソンクリックは中団内々から。１〜２角で、ケンベストカフェが先手を取り切って１馬身のリード。プリンシアコメータが２番手，3/4馬身差で人気のウインユニファイド。3/4馬身差でシャイニービーム，更に3/4馬身差で内ワトソンクリックは５番手から。向正面では、先頭〜殿りまで、ほぼ3/4馬身間隔で均等に一列の展開。全馬が６馬身圏内で、流れも落ち着く。向正面の中間では、中団後ろにいたバイオンディップスが、一気に３番手争いの外に進出。更に３角手前では、後方にいたシホウが一気のマクリをかけて、すーっと好位に取り付いてくる。３角では、先頭ケンベストカフェに、シホウが首差まで並んでくる。ペースが上がる中、ワトソンクリックは後方に近い位置に順位を下げて、先頭まで７馬身差。このあたり、隊列がバラけてくる。３〜４角の中間では、ワトソンクリックは後方２，３頭目に下がっている。４角では、先頭は依然としてケンベストカフェ，半馬身差でシホウ。3/4馬身差で内プリンシアコメータが３番手。その後ろは２馬身開いて、４番手争いは広がっている。ワトソンクリックは後方２頭目で、先頭までは６〜７馬身差で中を突く形で直線へ。

　 直線に向くと、ワトソンクリックは伸び脚ひと息で最後方に下がっている。残り400ｍでプリンシアコメータが先頭に抜け出してくる。残り300ｍでも、内半馬身差で食い下がるケンベストカフェ。２馬身開いて３番手争いはシャイニービームなどが広がっていて、この３番手集団は６頭が１馬身半圏内。その後ろは３馬身開いてしまってマイネルビクトリー，これに半馬身差で中から徐々に外に出しながらワトソンクリックは最後方。残り１ハロンでも、ワトソンクリックは先頭から差は広がっていないものの、同じような脚。それでも、ここからマイネルビクトリーとともにじわじわ伸びてくる。残り１ハロンで、先頭プリンシアコメータに、内からすーっと首差に詰め寄るシャイニービーム。これに１馬身1/4差の３番手に上がったスリータイタンが外から迫る。この３頭の勝負となったが、最後はプリンシアコメータ，スリータイタンの争いとなり、ゴール寸前でスリータイタンがプリンシアコメータを頭差差し切って優勝。ワトソンクリックは、マイネルビクトリーの内側半馬身差で同じような脚で伸びて、一杯になった最内シホウを抜き去って、ゴール前で人気のウインユニファイドなど３頭をまとめてかわして６着でゴール。５着のマイネルビクトリーとは、半馬身差が結局変わらなかったが、最後は４着のバイオンディップスから3/4馬身差のところまできていた。準オープンではほとんど勝負にならない競馬が続いていたが、休み明けをひと叩きされた今回は、僅かに光が見えた感もある。それでも勝ち馬からは６馬身ほどの差があって壁はまだ厚いが、更に前進があるなら、掲示板圏内食い込みの可能性も出てきた感じだ。

●前走の丹沢Ｓでは５着馬に半馬身差の６着だったワトソンクリック。準オープンで初めての掲示板を惜しくも逃したが、ここにきてこのクラスでも戦えるようになってきた。今回は３年近く前の新馬デビュー戦以来の芝での競馬となるが、元々が芝向き血統の馬だけに、芝でも十分こなしてくれるはず。１番人気は、1000万特別，準オープンを連勝中のリッチーリッチーで単勝1.6倍の断然人気。クラス再編で勝ってなお同条件だけに実力的にも上位。デビューから全１２戦すべて入着の安定性があり、Ｇ２デイリー杯２歳Ｓ５着の重賞実績もある。２番人気は、近２走を1000万特別１着，準オープンで半馬身差の２着としているレイズアスピリットで単勝5.8倍。ワトソンクリックは、単勝115.3倍の最低の９番人気。実績面の評価と芝の競馬で人気はかなり低いが、芝適性はまったく分からない。芝適性を発揮できれば、５３kgの斤量を生かしての上位食い込みも、まったく可能性がない訳ではないはずだ。

　レースでは、ワトソンクリックはスタートは五分に出て、中団からじっくり構える。馬なりでセセリが先頭に出てくるが、外ウインスペクトルが首差に接近。１馬身差でシホウ，更に１馬身半差でクィーンチャームの順。ワトソンクリックはその３馬身後ろの７番手争いで、２番人気のレイズアスピリットと並ぶ形。１〜２角では、ワトソンクリックは後方２頭目の位置。３馬身離れてレイズアスピリットが殿りで、縦長の展開になってくる。向正面では、ウインスペクトルが先頭で、４馬身とリードを開く。セセリが２番手，１馬身半差でシホウ。４馬身開いてクィーンチャームが４番手。人気のリッチーリッチーはその５馬身後ろで後方３頭目。１馬身差でワトソンクリック，２馬身差でレイズアスピリットが依然最後方。バラバラの展開で隊列は変わらないが、３角手前でレイズアスピリットがワトソンクリックの外に並んでくる。３角でも、先頭ウインスペクトルはまだ３馬身リードを。ワトソンクリックは最後方となり、先頭まで８馬身差だが、このあたりから馬群が詰まってきて、３〜４角の中間では、ワトソンクリックはレイズアスピリットと最後方の争いで、先頭まで５〜６馬身差まで縮まってくる。このあたるで、リッチーリッチーが外から好位に押し上げる。４角ではまったくの一団となり、全馬が４馬身圏内に。先頭ウインスペクトルは１馬身半リード。２番手争いに外からリッチーリッチーが並んでくる。ワトソンクリックは最後方の争いだが、先頭まで４馬身とそれほど差はなく、内を突く形で直線へ。

　 直線の争いは、各馬同じような脚。残り300ｍでも、先頭ウインスペクトルは１馬身半リード。シホウ，リッチーリッチーの２番手争い。3/4馬身差で内スズカルパン，外からザトゥルーエアーの２頭。ワトソンクリックはその１馬身3/4差の最後方に近い位置で、なかなか差を詰められない。残り１ハロンでもほとんど態勢は変わらないが、ラスト150ｍからシホウ，つれて差なくリッチーリッチーの２頭が先頭に詰め寄ってくる。ラスト100ｍでシホウが先頭に出て、これを追ってリッチーリッチーが２番手に。ワトソンクリックはじわじわ伸びてはいるが５番手以下の争い。５番手クィーンチャームに、首差で外から追ってくるザトゥルーエアー。半馬身差でワトソンクリックは７番手。ワトソンクリックは５番手から差のない位置から懸命に前を追ったが、同じような脚色のまま、僅かに差を詰めたもののかわせず７着でゴール。５着のクィーンチャームからは首，首の僅差で、今回も惜しくも準オープンでの掲示板食い込みはならず。それでも、徐々に掲示板圏内が見えてきた感じ。５３kgのハンデだったとは言え、芝にも十分な適性を示してくれたのも収穫。揉まれながらじわじわ力をつけてきており、まだもう少し伸びしろはありそうだ。