２００２年（平成１４年）

地方所属

２００３年（平成１５年）

●デビュー２戦目の新馬戦を順当に勝ち上がったウイングブライアン。ウイングアローの弟いう血統からも、先々は重賞級の活躍が期待されているだけに、この後は勇躍ラジオたんぱ杯２歳Ｓに勇躍挑戦するが、ここでは勝ち馬から５馬身差の８着。決して大きく負けているわけではないだけに、まだまだ今後に期待を持っていい。今回、年明け緒戦は再度の重賞挑戦でシンザン記念に駒を進める。今回も素質馬相手の一戦となるが、是非とも上位に食い込んで夢を広げていきたい。１番人気は、デビュー２戦目で休養明けの前走の未勝利戦で、衝撃的な強さで７馬身差圧勝を演じたタニノギムレットで単勝2.2倍。この春の日本ダービーを制し、引退後も種牡馬として成功を収めることになる馬。２番人気は、前走朝日杯フューチュリティＳで３着と実力を見せたスターエルドラードで単勝7.2倍。Ｇ３で２度連対をしているなど、現３歳世代の中でもかなりの実力馬と言っていい。 ウイングブライアンは、単勝45.0倍の６番人気。オッズは低いものの、十分重賞入着が狙える位置にいる。できれば３歳クラシック路線を突き進むのが陣営の望み。それだけに、このメンバーでも見せ場を作ってくれることを期待したい。

　レースでは、ウイングブライアンはスタートはまずまずだが、無理せずゆっくり中団につけて行く。まず、手綱を持ったままでアイアムツヨシとスターエルドラードの２頭が出てきて、ゆったりとしたペース。単独先頭に立ったのはアイアムツヨシで、１馬身半差でスターエルドラードが２番手。更に１馬身差で内タニノギムレット，外キーンランドスワンの３番手争いで、 ウイングブライアンも徐々に押し上げてタニノギムレットに並びかけて行くが、ここは無理せず先頭まで５馬身差の中団に少し下げ、このあたりではタニノギムレットの方が少し前に行っている。３角手前で、 中団ゼンノカルナックが、内チアズシュタルクと外ダンツジャッジの間に入っていくが、ここで 前の馬に乗っかかりそうになって大きく頭を上げる不利を受けて、３角では失速して中団後ろまで後退する。 一方ウイングブライアンは、タニノギムレットの１馬身直後で、先頭まで４馬身とそれほど差はない。３分３厘では、先頭は依然としてアイアムツヨシで２馬身のリード。スターエルドラードが２番手で、１馬身差でキーンランドスワンが３番手。その半馬身差の最内にタニノギムレットが４番手。 ウイングブライアンも、タニノギムレットの半馬身外に接近。４角にかけて馬群は更に凝縮されて、 少し手が動いたウイングブライアンは、先頭まで２馬身半差の好位グループの内々。この好位３番手グループは６頭が横に広がってくるが、ウイングブライアンは内から２頭目で、タニノギムレットの半馬身外の位置で直線へ。

　アイアムツヨシとスターエルドラードの２頭並んで直線に向いたが、アイアムツヨシが単独先頭で粘っている。１馬身差でタニノギムレットが２番手に上がって くるが、ウイングブライアンも半馬身差で食い下がって上位争いを演じている。懸命に２〜３番手争いで踏ん張っていたウイングブライアンだが、残り１ハロンで力尽きて遅れを取る。ここで、タニノギムレットがアイアムツヨシをかわしにかかる。ウイングブライアンは、先頭まで２馬身半差の５，６番手争い。しかしながら、同じ位置の大外でモタついていたオースミエルストがここからじわじわ伸び、ウイングブライアンは６番手に後退。先頭争いは、アイアムツヨシも踏ん張るが、残り120ｍでタニノギムレットが単独先頭に抜け出す。チアズシュタルク，大外オースミエルストが差を詰め、更にはゼンノカルナックも渋太く踏ん張って、上位争いは混戦となったが、先頭タニノギムレットがチアズシュタルクの追撃を半馬身退けて優勝。ウイングブライアンは、上位５頭に遅れを取ってしまったが、同じような脚色で離されることなく踏ん張って、後の菊花賞２着馬ファストタテヤマ以下の追撃を首差抑えて６着でのゴール。優勝したタニノギムレットからは２馬身半差だった。重賞入着こそ果たせなかったウイングブライアンだが、ハイレベルの一戦で差のない競馬を見せたのは、この馬の潜在能力の証。鞍上の松永幹騎手は、「最後は伸びを見せたんだけど、今日でも体に余裕がある感じでしたからね。これから良くなってくれば。」とコメント。血統的にダートではもっと戦えるはずで、芝でこれだけの競馬ができれば、先々も相当な活躍を期待していいはずだ。

●前走のシンザン記念で６着と入着は逃したものの、 優勝したあのタニノギムレットから２馬身3/4差の差のない競馬をしたウイングブライアン。オープンでもある程度戦えるとの手応えを掴んだだけに、自己条件に戻る今回は勝利のチャンス。人気は比較的割れて激戦ムードの一戦だが、そんな中でもウイングブライアンが単勝3.6倍の１番人気。２番人気は、北海道道営で楽勝 ばかりで３連勝し、今回が中央入り緒戦となるミュージシャンで単勝4.2倍。道営でも成長力を見せつけており、今回もいきなり勝利を狙う。３番人気は、500万クラス昇級緒戦の樅の木賞２着，続く前走の平場戦３着と確実に上位争いをしているコンバットブルボンで単勝6.4倍。血統的にも500万クラスで足踏みなどしていられない ウイングブライアンだけに、ここはあっさり勝利を決めてほしいところだ。

●前走500万下平場戦を順当に勝ち上がったウイングブライアン。これからいよいよオープンでの戦いとなるが、芝のシンザン記念でさえそれほど差のない競馬をしており、果たしてダートではどこまで強くなるのか。兄ウイングアローの姿がオーバーラップするだけに、オープン相手のここも楽しみな一戦。１番人気は、新馬戦を９馬身差圧勝してきたエストレーノで単勝2.8倍。500万クラスを飛び越えてのオープン挑戦だが、前走の鮮烈なパフォーマンスは、先々はオープン級の活躍を約束するほどのもの。２番人気は、500万特別を優勝し、更にオープン特別のシクラメンＳ，バイオレットＳと連勝し、目下３連勝と勢いに乗るインタータイヨウで単勝3.3倍。ダートでは４戦無敗と底を見せていない。後にはＧ１のジャパンダートダービーで２着となり、古馬になってから も重賞の常連として活躍することになる馬。ウイングブライアンは、単勝5.4倍の３番人気。１，２番人気馬は、３歳世代の最強候補とさえ目される馬。それでも、ウイングブライアンは逆転候補の一番手の高い評価。是非ともファンの期待に応える走りで、これからの活躍に夢を広げていきたいところだ。

　レースでは、ウイングブライアンはまずまずの好スタートで、先行争いの一角に加わって行く。すっと先頭に立ったのはインターコウキで１馬身のリード。２番手争いは固まっており、その真ん中にウイングブライアンも加わっているが、ここは無理することなく抑えて５番手あたりに下げていく。スタートから１ハロン目あたりで、エストレーノが抑え切れないという感じで掛かり気味に出てきて、インターコウキをかわして単独先頭に。２番手にはインターコウキで、オサメールも差なく続いているが、ウイングブライアンは２番手インターコウキから４馬身差の５番手からの競馬。３角手前では、先頭エストレーノは５馬身と更にリードを開いての単騎逃げとなっている。このあたりはかなりバラけた展開。３角では、先頭エストレーノはリードを７馬身と更に開いて いく。２番手には内インターコウキ，外オサメールの２頭で、その後ろも４馬身と差が開いてカイトヒルウインドが４番手の位置。３〜４角の中間で、ウイングブライアンはカイトヒルウインドの２馬身後ろの５番手の位置だが、４角では外からインタータイヨウが馬体を併せてくる。このあたり、先頭エストレーノのリードはじわっと詰まったものの、まだ５馬身のリードがある。ウイングブライアンはこのあたり押っつけながら楽な手応えではないが、４番手カイトヒルウインドの１馬身直後に取りついて、先頭までは８馬身差の位置で直線へ。

●ヒヤシンスＳでは相手が強く５着に終わったウイングブライアン。その後は皐月賞挑戦を夢見てスプリングＳに挑んだが、ここでは１４着惨敗を喫してしまう。結局、芝とダートを交互に戦うような感じで中途半端な感じで春シーズンの戦いを終える。その後は５ヶ月の休養を取って、北海道開催の芝の摩周湖特別で復帰するが、ここでも１０着と見せ場はなく、ウイングアローの弟として期待されたほどの走りを見せられずにいた。休み明けをひと叩きされた今回は、ダートで巻き返しを期す。１番人気は、近２走小倉の特別戦を２着，５着としているフェルメールブルーで単勝3.9倍。２番人気は、１年の長期休養の後、500万下平場，1000万下特別を連勝したウォーターリーグで単勝4.0倍。続く前走のＴＶＱ杯で１１着と沈んだが、前々走の走りを見せられれば当然首位争い。ウイングブライアンは、単勝6.2倍の３番人気。ファンもこの馬のダート適性を評価しており、休み明けを叩かれた今回は変わり身に期待している。現状を打開して飛躍を遂げるためにも、今度は内容の濃い走りを期待したい。

　直線に向くと、先頭シュンサイにエスジーバーニングが並びかけての叩き合い。ゼンノキャスパーは２番手争いから脱落する。後続勢は大混戦だが、中団につけていたエイシン モモタローが、馬群を縫うように脚を伸ばしてくる。ウイングブライアンはじわじわとした伸び脚で、残り１ハロンで、フェルメールブルーをかわして６番手に押し上げると、残り150ｍで内ラチ沿いを後退してきたゼンノキャスパーをかわして５番手。更には２馬身近く前にいる４番手アイラジオーネを懸命に追撃する。シュンサイとエスジーバーニングはどちらも一歩も譲らない叩き合いとなったが、この先頭争いの２頭をゴール前70ｍで外から一気に抜き去ったのがエイシン モモタロー。先頭エイシンモモタローは、最後は１馬身1/4差突き抜けて快勝。シュンサイとエスジーバーニングの叩き合いはゴールまで続いたが、シュンサイが鼻差競り勝って２着。５番手のウイングブライアンは、ゴール前で４番手のアイラジオーネに外から馬体を併せに行ったが、惜しくも首差及ばず５着でのゴール。なんとか５着入着は果たしたウイングブライアン。４着争いには食い込んでくれたものの、やはりもうワンパンチが欲しかったというのが正直なと ころ。ただ、古馬相手の1000万クラスでも戦える手応えは掴むことができた。鞍上の佐藤哲騎手は、「まだ集中力に欠ける面があるから、その分良くなってきそうな馬。今日でもこの着差だから、成長すればもっと際どくなるんじゃないかな」とコメント。まだまだこれから成長していく馬だけに、いずれは1000万クラスでの勝利も手にできるはず。ただ、今はまだパワーアップを待つ時だ。

●前走の西脇特別でももどかしい走りで５着だったウイングブライアン。それでも、着差を考えれば逆転の可能性は十分で、叩き３走目の上積みと成長力で変わり身を見せられれば、十分勝ち負けの競馬に持ち込めるはず。１番人気は、近５走特別戦を１着，２着，２着，２着，３着と、このクラスでは確実に力量上位を示しているアイアンリアリティで単勝2.2倍。２番人気は、前走500万下平場戦を３馬身半差圧勝してきたアドマイヤジャックで単勝2.8倍。後にシリウスＳ４着などの活躍を見せる馬。ウイングブライアンは、単勝7.8倍の３番人気。上位人気２頭のマッチレースの様相だが、その二強を打ち破る一番手の評価を得ているだけに、なんとか奮起してほしいところだ。

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●２歳１１月にデビューしたサフランブリザード。新馬戦は５着，４着と掲示板を確保したが、その後の未勝利戦５戦は６着３回で一度も掲示板に上がれず。それでも、続く未勝利戦を８番人気ながら勝利して、これでいよいよ500万クラスに昇級となる。前走は伏兵評価での勝利で、勝ち方も地味な印象があっただけに、昇級してどこまで戦えるかは未知数だが、持ち前の渋太さでここでも上位に食い込みたい。１番人気は、名牝アグネスフローラを母に持つアグネスプロトンで単勝2.1倍。前走デビュー２戦目で勝利して、その血統的背景からも高い評価を得る。２番人気は、前走あずさ賞５着のジュピターシチーで単勝5.0倍。前々走は重賞で大敗しているが、３前走の特別戦では、強敵相手に３着と善戦している。サフランブリザードは、単勝12.9倍の５番人気。それほど実力差のない混戦模様だけに、サフランブリザードの上位食い込みは十分ありうるはずだ。

　直線に向くと、ジュピターシチーとサフランブリザードの２頭の先頭争いだが、その内側に入ってきたプラントヒロムが一気に差を詰めてくる。残り１ハロンでプラントヒロムがかわして先頭に立つと、ここからあっという間に後続を突き放す。ラスト150ｍで、サフランブリザードがジュピターシチーを競り落として２番手に上がるが、ラスト100ｍでは先頭プラントヒロムは２馬身半突き抜けて、この時点で勝負あったの感。しかしながら、ここからプラントヒロムは急に甘くなり、サフランブリザードの後ろの差し馬勢もドッと襲いかかって来る。サフランブリザードも先頭プラントヒロムとの差を詰めて行くが、ここから中ファンドリアサマ，大外マルブツアンセムが猛然と猛然と襲いかかる。一転大混戦の様相となり、それでもプラントヒロムがギリギリ粘り込めるかと思われたが、最後の最後でマルブツアンセムが鼻差捉えて差し切り勝ち。その後ろも首，半馬身，首と続く大激戦だった。サフランブリザードは、最後は先頭まで１馬身程度まで詰めて行ったが、プラントヒロムには及ばず、マルブツアンセムなど差し馬３頭に差し込まれて５着でのゴール。それでも、積極的な競馬を見せながら、昇級緒戦で見せ場十分の差のない競馬を演じて見せたのは、大いに評価したいところ。鞍上の 金折騎手は、「前に馬がいればよかったが、外ワクだったし、馬が気分よく行ってしまって…。今日は掛かってしまったのが全て。でも、胸前にいい筋肉がついてきたし、本当に力をつけてきているよ。」とコメント。 これだけの走りができれば、これからも500万クラスで十分勝ち負けの競馬ができるはずだ。

●昇級緒戦の前走平場戦で、見せ場十分の走りで僅差の５着と好走して見せたサフランブリザード。500万クラスで互角に走れる能力を示してくれただけに、今回も好勝負の可能性は十分。１番人気は、500万特別で４戦連続４着以内の堅実な走りを見せるモビーディックで単勝2.5倍。デビュー当時は高い評価を得た馬で、その期待にまでは十分応えられていないものの、このクラスでは力量上位の馬。２番人気は、デビュー戦となった前走未勝利戦を勝ち上がってきたナイトフライヤーで単勝4.3倍。サフランブリザードは、単勝27.6倍の９番人気。意外に評価が低い感もあるが、決して実力差は大きくないはず。前走以上の走りを期待したい。

　直線に向くと、内ラチ一杯を回ったストップザワールドが逃げ込みを図る。他馬は皆外目を回ったこともあって、コーナーワークの差でリードを２馬身と開いている。サフランブリザードが２番手に押し上げるが、残り１ハロンで外からロードグランディスが並びかける。更に半馬身外からモビーディックも差してくる。ストップザワールドは一杯になり、ここからは外の馬たちの勝負。サフランブリザードも懸命に頑張っていたが、ラスト150ｍでロードグランディスに競り負けてしまう。更には、ラスト80ｍでは外からモビーディックにもかわされて３番手に。それでも、突き放されることなく渋太く粘っていたサフランブリザードだったが、ゴール前では内から伸びたラタフィアにも差されて４着でのゴール。早目先頭のロードグランディスが、モビーディックの追撃を首差しのいで優勝した。４着だったサフランブリザードだが、内外から厳しく差し込まれながらも、勝ち馬からの着差は僅か１馬身1/4差。前走以上にメンバーが揃っていたことを考えれば、健闘と言っていい内容。鞍上の 金折騎手は、「いい感じでレースができたし、確実に力をつけています。前に馬を置いて運ぶ形が理想ですね。」とコメント。 ２戦連続の好走を見せただけに、これはもう間違いなく本物。500万クラスの勝利の可能性は大いに高まった。

●500万クラス昇級２戦目の白藤賞で、４着ながら差のない競馬をしたサフランブリザード。これですっかり自信を深めたが、夏場は４ヶ月の休養に。秋競馬からは古馬に混じっての戦いとなるが、ここまで平場戦を３戦して１６着，６着，５着。前走は勝ち馬から３馬身差で、叩かれつつ着実に上昇ムード。そろそろ100％の状態が期待できる頃で、今回は勝ち負けの競馬まで期待したい。１番人気は、近２走平場戦を連続３着としているアサカポリシーで単勝1.4倍の断然人気。前走は１番人気で勝利を逃しており、今度こそはの意気込みで臨んでくる。２番人気は、前走500万下平場戦を優勝しているマーベラスブレーヴで単勝9.2倍。今回は４ヶ月ぶりの実戦となる。サフランブリザードは、単勝9.6倍の３番人気。アサカポリシーの人気が抜けているが、サフランブリザードも実力を出し切れれば決して差はないはず。そろそろ本当の力を発揮できる頃だ。

　直線に向くと、サフランブリザードがリードを３馬身と開いて逃げ込みを図る。２番手争いは、エプソムトップにアサカポリシーが食い下がっての叩き合いとなるが、アサカポリシーは力尽きて脱落。まだ力を残しているエプソムトップが、ラスト１ハロンからサフランブリザードに迫っていく。サフランブリザードは徐々にその差を詰められたが、ゴールが近づくにつれてエプソムトップの脚色も徐々に鈍ってくる。外から先頭に馬体を合わせかかるところまで行ったエプソムトップだったが、ゴール前ではサフランブリザードと同じような脚色になってきて、サフランブリザードが半馬身しのぎ切って優勝のゴール。叩き４走目でキッチリ能力を発揮してくれたサフランブリザード。 鞍上の金折騎手は、「今日はスタートが良かった。それに行き切ってからも楽でしたからね。その分、最後までしっかりと伸びてくれました。」とコメント。 期待に応えて500万クラスを勝ち上がってくれた。これで1000万クラスに昇級するが、今はまだまだ力をつけている時期。昇級後も好勝負ができて不思議はないはずだ。

●前走の500万下戦で逃げ切り勝ちを演じたサフランブリザード。これでいよいよ1000万クラスに昇級となるが、今回はメンバーも揃っており、この強敵に混じって果たしてどこまで戦えるのか。１番人気は、前走1000万特別を７馬身差圧勝してきたタイムパラドックスで単勝1.8倍。後に交流Ｇ１を５勝するほどの馬。２番人気は、近３走特別戦を２着，２着，３着と確実に勝ち負けの競馬をしているロードプリヴェイルで単勝4.4倍。デビューからの全１３戦で１番人気が１０回という人気の高い馬。サフランブリザードは、単勝48.1倍の１０番人気。昇級戦でこのメンバーでは荷が重いと見られているが、相手なりに走れるタイプでもあり、差のない競馬ができて不思議はないはずだ。

　直線に向くと、サフランブリザードが頭ひとつリードして先頭だが、これに懸命に食い下がるロビンナカヤマ。その１馬身1/4差後ろの４番手にタイムパラドックスだが、前が壁にになっており、外に持ち出して進路を確保してから追い出しにかかる。残り１ハロンで、タイムパラドックスは先頭から２馬身差の４番手の位置。ラスト150ｍで、内からロビンナカヤマがもう一度盛り返し、サフランブリザードは首差差し返されて２番手に。ラスト100ｍから、タイムパラドックスがオジジアンスズカをかわして３番手に押し上げると、ここから一気の伸び脚を発揮。ここからサフランブリザードは力尽きた感じで失速気味になり、ラスト70ｍでタイムパラドックスに並ぶ間もなくかわされてしまう。一気に伸びたタイムパラドックスは、ラスト30ｍでロビンナカヤマも抜き去って鮮やかな差し切り勝ち。サフランブリザードは、最後甘くなりながらも、ロンリーウルフ以下の追い込みをなんとかく首差しのいで３着死守のゴール。それでも、昇級緒戦で直線一旦抜け出しかかる場面を作ったのは立派。なかなかメンバーも手強かっただけに、その中での３着は評価していいはず。 鞍上の金折騎手は、「４角では一旦手応えに余裕があったぐらい。勝ちパターンでよく伸びてはいるんだけど、今日は勝ち馬が強過ぎましたよ。」とコメント。 これで1000万クラスでも互角に戦える手応えを掴むことができた。

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●900万クラスの金峰山特別優勝から７カ月半ぶりの前走平場戦で５着と掲示板を確保したサンライトキセキ。決して本調子とは言えない中で、勝ち馬からの差は僅か0.4秒で、力のあるところは見せてくれた。叩き２走目となる今回は、更なる上昇を期待。１番人気は、昇級緒戦の前走グッドラックＨでも３着と力を見せたライクリーラッドで単勝3.0倍。２番人気は、昇級緒戦の前走鳴海特別では１番人気で５着だったトリックスターで単勝3.5倍。サンライトキセキは、単勝10.7倍の５番人気。決して実力的に遜色はないと思われるだけに、力を発揮できさえすれば、勝ち負けの競馬は十分可能なはずだ。

　 直線に向くと、脚色でまさったのはライクリーラッドで、あっさりと先頭に抜け出してくる。中団の内から脚を伸ばすトリックスターが２番手に上がってくる。サンライトキセキは、トリックスターの直後の位置から追い出されるが、他馬にぶつけられる不利もあって、トリックスターには突き放されてしまう。じわじわ順位を上げて行くサンライトキセキだが、伸びかけたところで脚が鈍ってくる。ライクリーラッドが押し切り態勢で、トリックスターが２番手。この２頭が後続を突き放して勝負は決する。サンライトキセキは決してバテてはいなかったが、５番手まで順位を上げるのが精一杯で５着でのゴール。優勝したライクリーラッドからは７馬身の差があり、内容的にはもうひとつ。それでも、掲示板を確保したあたり、 一応力は示してくれたが…。鞍上の小野騎手は、「この回りの方が全然いいね。今日は流れが不向きだったね。直線はよく伸びてくれたんだが…。」とコメント。もうそろそろ本当の力を発揮してほしいところだ。

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●３歳４月の遅いデビューとなったスピードアレックス。未出走，未勝利戦を６戦戦い、入着５回の安定した走りを見せたものの、最高着順は２着で勝利には手が届かず。その後は500万下戦に一度出走したが、ここでも８着に終わり、未勝利のまま地方に転出することに。地方では、高崎，旭川，大井と渡り歩き、通算９勝で４連勝の勢いを持って、再びＪＲＡにの舞台に戻ってくる。もう６歳の春になっていたが、レベルの高い大井で連勝してきただけに、中央の500万クラスなら十分戦えるはず。そして、転入緒戦の平場戦を逃げて２着として、悲願のＪＲＡ初勝利の夢が現実のものとなってきた。１番人気は、近２走平場戦を２着，４着としているシラオキスターで単勝2.6倍。前走は１番人気に応えられなかっただけに、巻き返しを期している。スピードアレックスは、単勝2.8倍の２番人気。３番人気は、前走平場戦６着のワッキーツイスターで単勝8.0倍。500万下勝ちの実績のある馬。上位人気２頭の対決ムードの一戦だが、あと地方を渡り歩いて培ったスピードアレックスの勝負根性に期待するほかない。

　直線に向くと、残り250ｍでシラオキスターが単独戦先頭に抜け出してくる。スピードアレックスは、外目に持ち出して進路を確保すると、ここから一杯に追い出され、大外ケイアイジャパンと２頭で先頭シラオキスターを追う。しかしながら、ここからの伸び脚はスピードアレックスが圧倒的！残り１ハロンでシラオキスターを抜き去り、ケイアイジャパンも突き放して、完全に抜け出して先頭。ここから更にグングン差を広げるスピードアレックス。シラオキスターは一杯になって脱落。ゴールまで力強く伸び切ったスピードアレックスは、最後は４馬身差をつける圧勝のゴール。３着以下は更に３馬身半の差が開き、スピードアレックスの強さが際立った一戦となった。シラオキスターは直線失速の４着に終わった。ついに念願のＪＲＡ初勝利を挙げたスピードアレックス。ＪＲＡのレースを久しぶりに使われて、今回は実力を存分に発揮した印象。 鞍上の藤田騎手は、「先生からは、”抑えてレースを”という指示。スタートが良過ぎてハナを切る勢いだったが、内から行ってくれたので、好位で流れに乗れた。走る馬だね。完勝だったよ。」とコメント。 これだけの勝ちっぷりだっだけに、1000万クラスでの活躍も期待されたが、昇級後は３戦して６着止まり。差のない競馬をしており、決して通用しないわけではなかったが、秋以降は南関東に移籍。南関東では上位争いを続けながらも２０戦１勝。それでも８歳の春に再び中央に戻り、障害レースを３戦したが、全て見せ場なく終わり、現役登録を抹消された。

●グレードレースでも活躍したスピードアイリスの産駒スピードブライアン。２歳７月の新潟開催でデビューして緒戦は５着。その後の未勝利戦は６着，１２着，３着という成績だが、前走の３着で力をつけてきている兆しが伺えた。更なる前進の見込める今回は、勝利への期待が高まる。１番人気は、前走未勝利の身で挑戦したオープンのコスモス賞で、１番人気に支持されて６着だったコウチバイパーで単勝1.9倍。オープン特別で１番人気になるほどの馬だけに、未勝利では素質上位か。スピードブライアンは、単勝2.9倍の２番人気。３番人気は、全４戦して３着２回のゲイリーチャクルで単勝8.1倍。上位人気２頭の対決ムードではあるが、どちらも不確定な要素を含んではいる。そんな中でも、スピードブライアンが堅実さを発揮して初勝利を勝ち取ってくれることを期待したい。

　直線に向くと、先頭スピードブライアンが１馬身半リードで逃げ込みを図る。２番手の２頭も懸命に食い下がろうとしたが、残り１ハロンを切ってからは、スピードブライアンが逆にじわじわリードを開きにかかる。ラスト100ｍでは、スピードブライアンは２馬身リードで勝負あり。２番手にエンゲルクラフト，更に２馬身差と離されてゲイリーチャクルが３番手で態勢は決した。楽勝態勢のスピードブライアンは、最後は２馬身差をつけて嬉しい初勝利のゴール。レース経験を積みながら力をつけて、期待以上の強さを見せてくれた。 鞍上の後藤騎手は、「前走が重目だったので、馬体が絞れたのを見て期待が持てました。マイペースで行けましたし、直線の脚取りもしっかりしていました。」とコメント。これだけの走りができるなら、500万クラスに昇級しても好勝負できて不思議はない。ちょうど１年前に悲運の死を遂げた兄スピードアトラスの分まで、今後の活躍が期待されることとなった。

●デビュー５戦目の前走未勝利戦で、鮮やかな逃げ切り楽勝を演じたスピードブライアン。その勝ちっぷりの良さから、500万クラスでの好勝負にも期待がかかる。今回は昇級緒戦となるが、今後の活躍を占う試金石となる一戦。１番人気は、前走デビュー３戦目の未勝利戦を６馬身差逃げ切り圧勝してきたエイシンマーティンで単勝2.2倍。２番人気は、前走オープンのシクラメンＳ３着のブイロッキーで単勝3.8倍。後に、交流Ｇ１のジャパンダートダービー４着，ダービーグランプリ５着など、交流重賞で活躍することになる馬。スピードブライアンは、単勝39.8倍の９番人気。メンバーは強くなるが、上位争いは十分可能だ。

　 直線に向くと、スピードブライアンが僅かに先頭だが、内首差で食い下がるエイシンマーティン。残り１ハロンでは、その外半馬身差に迫ってくるコスモブレーン，更に半馬身差で大外ブイロッキーも、道中の手応えに反して渋太く詰め寄って来る。ラスト150ｍで、エイシンマーティンは力尽きて脱落し、スピードブライアンにコスモブレーンが並びかけての叩き合い。更に外からブイロッキーも差し込んで３頭の争いとなるが、スピードブライアンは僅かに遅れを取る。ラスト100ｍまでは、先頭から首，首差で踏ん張っていたスピードブライアンだが、ここからは２頭に突き放されてしまう。それでも、最後まで踏ん張りを見せたスピードブライアンは、４番手以下を危なげなく抑え切って３着でのゴール。前の２頭からは２馬身差があった。優勝争いは、底力でまさるブイロッキーが、半馬身競り勝って レコードタイムで優勝した。３着に終わったスピードブライアンだが、見せ場は大いに作ってくれた。オープンでも実績を残している勝ち馬と五分に近いレースができただけに、500万クラスでの活躍に自信を深めることができた。 鞍上の芹沢騎手は、「軽いダートが良かったように思います。それに力もつけているんでしょう。この走りなら芝の方がいいかもしれません。」とコメント。これだけの走りができれば、今後の活躍も大いに楽しみだ。

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●両賞でなかなかの追い込みを見せて４着と力を見せたセトノアケボノ。その強力な末脚は、オープンでも十分通用するものと思われたが、続く重賞のラジオたんぱ杯２歳Ｓでは１１着に完敗。年明け緒戦の500万クラスの福寿草特別は８着。それでも、前走は勝ち馬から僅か0.4秒差で、着順ほどは負けていない。今回はもちろん着順的にも巻き返していきたい。１番人気は、新馬戦を強靭な瞬発力で優勝した後、１番人気のエリカ賞では３着，続く前走重賞のラジオたんぱ杯２歳Ｓでも２番人気で５着と敗れているモビーディックで単勝1.3倍の断然人気。デビュー戦の桁違いの勝ちっぷりから、依然高い評価を得ているが、人気先行の感がない訳ではない。２番人気は、近２走500万特別を２着，４着としているロングユウシャで単勝6.7倍。セトノアケボノは、単勝23.9倍の６番人気。能力的には差があると思えず、ここも勝機はあるはずだ。

　メジロマイヤーとマチカネメニモミヨが並ぶような態勢で直線に向き、この２頭の叩き合いに。１馬身半差でファイトブライアンとモビーディックの３番手争いだが、前の２頭との差をなかなか詰められない。更に２馬身後ろの３頭並んだ５番手争いの大外がセトノアケボノ。ラスト100ｍで、メジロマイヤーが二の脚を発揮してグイッと首ほどリードして先頭。３番手以下から前に迫る馬はなく、行った行ったの競馬でメジロマイヤーが首差競り勝って優勝。セトノアケボノもじりじりとした脚で切れ味を発揮できず、ラスト50ｍで単独５番手に上がったものの、４番手のモビーディックとは同じ脚色のまま５着でのゴール。千両賞以来３走ぶりのの掲示板となったが、内容的には物足りないものだった。鞍上の 和田騎手は、「ペースが遅かったから、早目に動いて行った。最後は伸び切れなかったけど、内容は悪くなかった。」とコメント。今回は前残りの競馬で、追い込みのセトノアケボノには厳しい展開だったか。次走ではもっと上位に肉薄してほしい。

●白梅賞で５着入着を確保したセトノアケボノ。しかしながら、続く小倉のあすなろ賞では１３着と惨敗し、なかなか安定した成績を残せない。今回はまた巻き返しを期す。１番人気は、500万クラス昇級後、平場戦５着，特別戦３着と安定した走りを見せているウォーターゴーランで単勝3.4倍。２番人気は、近３走平場戦２着，特別戦５着，４着と確実に掲示板にまで食い込んでいるルスナイプリンスで単勝4.8倍。セトノアケボノは、単勝27.8倍の１１番人気。前走の大敗もあって大きく評価を下げているが、過去の好走時の走りができるようなら、決して実力差はないはず。力を出し切れる形になれば、勝利のチャンスもあるはずだ。

　直線に向くと、先頭ウォーターゴーランが、後続を２馬身半と突き放しにかかる。２番手争いはルスナイプリンスなど６頭ほどが横に広がっての激戦模様だが、先頭との差はなかなか詰められない。セトノアケボノは後方から、徐々に末脚を加速させてくる。残り１ハロンでは、ラタフイアが単独２番手の態勢だが、先頭ウォーターゴーランは、ラスト150ｍでも３馬身リードで逃げ切り濃厚。しかしながら、ここからセトノアケボノが豪脚を繰り出してくる。凄まじい瞬発力であっという間に差を詰めると、ラスト100ｍでラタフィアを並ぶ間もなく抜き去って単独２番手に。逃げ切り確実と思われたウォーターゴーランだったが、セトノアケボノがここから猛襲。ウォーターゴーランが最後で若干甘くなったこともあるが、３馬身のリードは一瞬にしてなくなる。セトノアケボノがウォーターゴーランを電光石火の脚で際どく追い詰めたが、惜しくも首差届かず無念の２着でのゴール。ゴール前の脚色は、セトノアケボノの方が圧倒的に上回っており、あとほんの僅かで捉え切っていたはず。勝利を逃したのは残念だったが、末脚の強靭さを強く印象づけた。鞍上の 小牧騎手は、「３角あたりで少しゴチャつくところがあったからなぁ。終いは凄い脚を使ってくれているんですが…。もう１回乗りたい馬だね。」とコメント。 今回の凄まじい切れ味は間違いなく本物。小牧騎手が新味を引き出し、500万クラスの勝利に確かな手応えを掴んだ。

●前走の雪割草特別では、直線強靭な追い込みを見せて２着だったセトノアケボノ。そのカミソリの切れ味は、今後の活躍に自信を深めるのに十分なもの。もちろん今回も勝ち負けの競馬を期待したい。１番人気は、500万特別を３着，３着，２着，２着と惜敗を続けるファイトブライアンで単勝1.8倍。２番人気は、新馬戦で強烈な末脚を発揮して優勝し、その後も毎回かなりの人気を集めているモビーディックで単勝3.7倍。前走の白梅賞では１番人気で４着となっている。セトノアケボノは、単勝9.4倍の３番人気。前走同様の追い込みが決まる展開になるようなら、上位人気２頭をゴール前でまとめてかわし去る可能性も十分だ。

　直線に向くと、ファイトブライアンとセトノアケボノの先頭争いから、ファイトブライアンが単独先頭に立ってリードを広げにかかり、ラスト150ｍでは３馬身リードで楽勝態勢。セトノアケボノはまだ２番手で粘ってはいたが、道中掛かり通しだったことが災いして、もうあまり脚が残っていない。ここからセトノアケボノをかわしにかかるモビーディック。更に１馬身差でジュピターシチーも追ってくる。セトノアケボノは、モビーディックにあっさり突き放され、更にはラスト100ｍでジュピターシチーにもかわされて４番手まで後退。完全に甘くなってしまったセトノアケボノは、結局勝ち馬から４馬身半差の４着でのゴール。早目先頭のファイトブライアンは、モビーディック以下の追撃を危なげなく１馬身半抑えて快勝した。前走の強烈な追い込みとは打って変わり、完全に折り合いを欠いて失速してしまったセトノアケボノ。このあたりは、気性的な難しさを露呈してしまった感。鞍上の鮫島克騎手は、「前半は何とか抑えられたんですが、途中から掛かってしまいましたから…。」とコメント。今回は想像できる範囲での最悪のパターンの競馬。前々走のように抑えが利けば、必ず巻き返してくれるはずだ。

●前走の君子蘭賞では、完全に折り合いを欠いて４着と失速してしまったセトノアケボノ。さすがにあれだけリズムを崩しては、苦しいと言わざるを得ない。前々走雪割草特別の豪脚は強烈なインパクトを残しており、あの時のように末脚が生かせるパターンになれば、当然巻き返しがあるはず。そして、ファンもセトノアケボノの実力発揮に期待して、単勝3.0倍の１番人気に支持される。２番人気は、前走平場戦で１位入線ながら１１着に降着となったステキプレゼントで単勝3.5倍。実質現級勝ちの実力は侮れない。３番人気は、デビュー６戦目の前走未勝利戦を４馬身差楽勝してきたダイタクカレラで単勝5.3倍。実力拮抗の一戦だけに、実力を１００％出し切るのが何より重要。本来の力さえ発揮できれば、セトノアケボノの勝利の可能性は相当に大きいはずだ。

　直線に向くと、先頭ステキプレゼントが１馬身半リードで逃げ込みを図る。２番手にダイタクカレラで、３番手以下は２馬身と差が開いてくる。前２頭が抜け出す格好になったが、セトノアケボノもエンジン全開でぐんぐん追い込んでくる。ラスト150ｍで３番手争いに大外から加わっててきたセトノアケボノは、ラスト100ｍでは単独３番手に上がるが、２番手ダイタクカレラまではまだ２馬身の差がある。先頭ステキプレゼントは１馬身リードでゴールを目指すが、これにじりじり詰め寄ってくるダイタクカレラ。３番手から前の２頭に襲いかかるセトノアケボノ。最後はこの３頭が際どい争いとなり、セトノアケボノが先頭争いに一気に加わったが、惜しくも前２頭を捉え切れず首，首差の３着でのゴール。もうあと少し距離があれば差し切っていたが、今回も惜しい結果に。それでも、やはり折り合いさえつけば強烈な脚を使ってくれることを証明してくれた。鞍上の 佐藤哲騎手は、「スタートして他馬が寄って来たんだ。掛かる面があると聞いていたので、勝負どころまでジッと。直線はうまく内を突いて伸びたが、前の２頭が止まらなかったものね。」とコメント。 こういう形の競馬ができれば、もうすぐにでも勝利を手にできるはずだ。

●前々走の平場戦では首，首差の３着だったセトノアケボノ。それでも、もう少しで前を差し切っていた内容で、折り合いをつけてしっかり巻き返してきた点は評価していいはず。前走はオープンの葵Ｓに挑戦して７着に終わったが、自己条件なら勝ち負けは必至。今回も不確定要素はあるものの、この馬の末脚が生きる展開なら、当然期待は大きい。今回は東京に遠征しての一戦となる。１番人気は、前走７ヶ月の休み明けの500万特別で２着だったハセノコンコルドで単勝2.1倍。休養前はオープン特別で４着，２着となっている馬で、ひと叩きで上積みの見込める今回は、当然優勝候補の筆頭格。２番人気は、近３走特別戦を３着，９着，５着としているダイタクソニックで単勝3.9倍。セトノアケボノは、単勝6.5倍の３番人気。ハセノコンコルドは確かに強敵だが、直線の長い府中はこの馬向きのコース。末脚を存分に発揮して、今度こそ勝利をモノにしたい。

　直線に向くと、ハセノコンコルドが先頭に出てくるが、伸び脚はもうひとつの感じで、残り300ｍでナイキアヘッドが外からかわして先頭に。２番手から２馬身差で３番手争いは４頭が並んでいたが、大外から末脚を繰り出してきたセトノアケボノが、ラスト残り１ハロンで内のこの４頭をまとめて抜き去って単独３番手に上がり、２馬身前にいるハセノコンコルドに襲いかかる。勢いで断然まさるセトノアケボノは、ラスト130ｍでハセノコンコルドを抜き去って単独２番手に上がるが、先頭ナイキアヘッドは既に２馬身半抜け出してしまっている。その後ろからダイタクソニックも追ってくるが、末の切れはセトノアケボノの方が上。ここから猛然と先頭に襲いかかるセトノアケボノだったが、よく追い詰めたものの、ナイキアヘッドに半馬身差まで詰めたところがゴールで２着まで。今回も、もう少しで先頭に突き抜けていたが、あとひと押しが足りなかった。それでも、東京コースでその自慢の爆発力を存分に披露して見せた。西園調教師は、「もうちょっとだったね。東京向きの脚を持っている馬。これでメドは立ったと思うよ。今日は相手が上だった。」とコメント。 惜しいレースが続くが、今の体調を維持している間に、なんとか勝利を挙げておきたいところだ。

●　前年１１月の900万下の初夢賞で５着だったチアズシャウト。しかしながら、その後は８ヶ月の休養を余儀なくされ、秋には500万クラスに降級して復帰。500万クラスなら当然勝ち負けの期待は大きく、復帰緒戦の平場戦こそ７着に終わったが、その後は平場戦３着，特別戦４着，平場戦２着と、確実に上位争いに食い込む。しかしながら、その後はまた７ヵ月半の休養を余儀なくされ、なかなか順調に使い込めない。今回は休み明けの一戦だが、能力の違いで上位争いを期待したい。１番人気は、平場戦１着，特別戦１０着，４着としているマージナルグラマーで単勝1.9倍。前々走は崩れているが、このクラスでは力量上位の馬。２番人気は、前走の平場戦を３馬身差楽勝したジャングルビートで単勝4.6倍。堅実さが売り物の馬でもあり、今回も安定した走りで勝利を狙う。チアズシャウトは、単勝10.6倍の４番人気。仕上がり状態が問題となるが、９分まで力を発揮できるならチャンスはあるはずだ。

　直線に向くと、先頭はダイワルビアーノだが、単独２番手に上がったテンケイが先頭に迫ってくる。ジャングルビートは３番手で、これに大外からぐいぐいチアズシャウトが迫ってくる。残り１ハロンでは、追い込みにかけるグローリーティアラが、チアズシャウトより３馬身後ろの位置から突っ込んでくる。ラスト150ｍで、テンケイが内からダイワルビアーノをかわして先頭に抜け出してくる。チアズシャウトは３番手で、じわじわとした伸びではあるが、２番手ダイワルビアーノに迫っていく。しかしながら、ここから大外を桁違いの脚で伸びたのがグローリーティアラ。その勢いは圧倒的で、チアズシャウトも並ぶ間もなく抜き去られてしまう。楽勝態勢か見えたテンケイだったが、グローリーティアラがこれに猛然と襲いかかると、ゴール寸前で首差捉えて見事な追い込み勝ちを決める。チアズシャウトは、内で食い下がるトゥースペシャルを競り落とし、更にはゴール前でダイワルビアーノを首差捉えて３着でのゴール。なお、５位入線のトゥースペシャルは、進路妨害で１１着に降着に。人気のマージナルグラマーは、直線伸び切れずに７着に終わった。上位２頭とは２馬身の差があったが、最後で叩き合いに競り勝つ勝負根性を見せてくれたチアズシャウト。 鞍上の田中勝騎手は、「今日は久々で全体に重い感じがしたし、次はもっと良くなると思うよ。」とコメント。 休み明けということを考えれば、力のあるところは示してくれたと言っていいだろう。その後は平場戦で４連続１番人気に支持されたが、６着，３着，２着，４着と勝ち切れず。そして、翌年２月の京都の500万下平場戦で１０着と意外な大敗を喫したのを最後にターフを去った。

●前年佐賀の交流Ｇ３のサマーチャンピオンで５着に食い込み、交流グレードレースでの初入着を果たしたフジヤマデュラブ。その後は地元のＳ１特別で２着，２着，１着と安定した実力を見せた後、年明け１月にはＪＲＡの平安Ｓに挑戦したが、さすがにここでは荷が重く１２着。再び佐賀に遠征し、交流Ｇ３の佐賀記念に挑んだが、ここでは６着とグレードレース入着にはひと息届かず。そして、地元のＳ１特別３着を叩かれて、地元重賞の播磨賞に駒を進める。地方勢同士の戦いなら、当然勝利の可能性は大きい。１番人気は、近２走地方重賞の六甲盃３着，Ｓ１特別２着としているホワイトテンションで単勝1.6倍。ここ２戦は兵庫最強とも言われるロードバクシンの前に勝利を阻まれているが、ロードバクシンが名古屋の交流Ｇ３に回ったことで、この馬の地方重賞初制覇の可能性も高まっている。園田ダービー３着などの活躍をしている馬。２番人気は、Ｓ１特別３連勝の後、前走のＳ１特別は２着だったトサノライデンで単勝5.8倍。前走は、３着のフジヤマデュラブに１馬身半先着している。フジヤマデュラブは、単勝6.3倍の ３番人気。実力的には拮抗しているが、全国を渡り歩いてＪＲＡ勢相手に奮闘してきたフジヤマデュラブだけに、その経験の差は決して小さくはないはずだ。　

2.12.7R

　直線に向くと、先頭トサノライデンと半馬身差シュンエイゼネラルの２頭の争いに、単独３番手に上がったフジヤマデュラブが突っ込んで来る。ホワイトテンションには伸び脚がない。大外フジヤマデュラブは、ラスト150ｍでも先頭まで２馬身差があったが、ここから前の２頭に迫っていく。トサノライデンがそのまま押し切るかとも思われたが、フジヤマデュラブのゴール前の脚は際立ち、ゴール寸前で内ラチ一杯に粘り込みを図るトサノライデンと２番手シュンエイゼネラルの２頭を、最後は半馬身差差し切って優勝のゴール。ホワイトテンションは、前３頭から８馬身差をつけられて４着に終わった。これで地方重賞初制覇を果たしたフジヤマデュラブ。最後は激戦の様相となったが、レコードタイムで見事に勝利を決めた。今後も地方重賞，交流グレードレースで大いに活躍してくれるはずだ。

●播磨賞で嬉しい地方重賞初制覇を果たしたフジヤマデュラブ。地方重賞を制するのに十分過ぎる能力をこれまで示していただけに、当然の勝利とも言えた。その後はＪＲＡのＧ３アンタレスＳに挑戦するものの、さすがに荷が重く１３着。地元のオープン特別２着，Ｓ１特別１着，１着として地元での実力上位を見せつけ、ここから再び交流グレードレースに遠征。佐賀のサマーチャンピオンは６着，上山のさくらんぼ記念は７着と、掲示板には手が届かず。それでも、前走は５着に鼻，頭差の僅差のレース。ここ２戦の走りから見て、メンバーと展開次第でグレードレース入着も十分可能なはず。１番人気は、近３走ＪＲＡ，地方の交流グレードレース４戦を 2-1-1-0 と確実に勝ち負けの競馬を演じているＪＲＡのアルアランで単勝1.2倍。特に前走交流Ｇ２のブリーダーズゴールドＣでは９馬身差の圧巻の勝利を飾っている。２番人気は、Ｇ１の宝塚記念で１１着に終わった後、前走交流Ｇ２の日本テレビ盃では５着だった笠松のミツアキサイレンスで単勝6.7倍。ダービーグランプリ２着，帝王賞４着など、交流Ｇ１で４度の入着実績を持つ馬。フジヤマデュラブは、単勝109.5倍の８番人気。さすがに上位人気馬より実績面でかなり見劣るのは否めない。それでも、持ち前の渋太い走りで上位食い込みを狙う。

　直線に向くと、先頭スナークレイアースがあっさり後続を突き放して独走態勢。ミツアキサイレンスが２番手で、ゴールドプルーフは３番手に後退。前から差のあったブリリアントロードが、ここから伸び脚を発揮して差を詰めてくる。フジヤマデュラブは、単独６番手から前のレオスティークを懸命に追う。優勝争いの圏外ではあっても、フジヤマデュラブにとって５着と６着の差は大きい。最後まで諦めずにじわじわ伸びたフジヤマデュラブは、ゴール前でレオスティークを首差捉えて５着入着のゴール。先頭スナークレイアースは６馬身突き抜けての圧勝。ミツアキサイレンスが、ブリリアントロードの追撃を首差しのいで２着。アルアランはまさかの８着に沈んだ。勝ち馬から１２馬身の差があったものの、生涯２度目のグレードレース入着を果たしたフジヤマデュラブ。強敵揃いのメンバーの中で、よく頑張ったと言える走りだった。大いに賞賛していいだろう。

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●２歳７月に高崎競馬でデビューしたホウヨウエルブ。新馬デビュー戦で勝利を挙げると、続く特別戦では９着に敗退。３戦目の条件戦 で１着と巻き返すと、地方重賞の二歳優駿に挑む。ここでは２番人気の高い評価を得たが、結果は６着と期待に応えられずに終わった。年が明けて３歳緒戦は再度の地方重賞挑戦の北関東クイーンＣ 。今回は牝馬同士の一戦でもあり、きっと実力を見せてくれるはず。１番人気は、デビューからの全６戦を 2-3-1-0 という絶対の安定性を見せているノンノンロードで単勝3.2倍。２番人気は、デビュー９戦目で待望の初勝利を挙げると、続く年明け緒戦の紅梅特別を３馬身差楽勝して勢いに乗っているシャディハンターで単勝4.1倍。ホウヨウエルブは、単勝4.4倍の３番人気。北関東の３歳牝馬の力関係はまったく未知。今回勝利した馬が「最強」の最有力候補にのし上がるという様相。それだけに、ホウヨウエルブはここで一頭抜けた強さを見せつけて、北関東の３歳女王に向けて驀進して行きたい。

３着

　直線に向くと、シャディハンターが後続を突き放して１馬身半のリード。ノンノンロードは一杯になって後退。後続勢の中から何が伸びて来るかという態勢だったが、そこへ外ラチすれすれを猛然と追い込んできたのがホウヨウエルブ。その脚色は桁違いで、「来た！」と思った次の瞬間、ラスト150ｍの地点では、先頭シャディハンターを並ぶ間もなく抜き去って単独先頭に突き抜ける。あとはもう差を開く一方で、そのままシャディハンターを突き放して３馬身差の圧勝のゴール。ゴール 前でクィーンビオラがじわじわ２番手に詰め寄って来たが、シャディハンターが3/4馬身差２着に粘り切った。人気のノンノンロードは最下位に惨敗した。ドン尻強襲を鮮やかに決めて、地方重賞初制覇を果たしたホウヨウエルブ。しかしながら、単に展開がはまっただけでなく、３馬身突き抜けた圧倒的な勝ちっぷりは この馬の実力の証。これからの地方重賞戦線でも活躍が期待されることに。続く古馬男馬相手のＢ級特別では５着に終わったが、３歳牝馬地方重賞の七夕賞では、１番人気でグランドレイルに鼻差２着に惜敗するが、３着以下を９馬身も引き離して底力を見せつける。更に北関東オークスでは１番人気で北関東の３歳牝馬の頂点を目指したが、グランドレイルなどには先着したが、伏兵ケイブスルーに１馬身半差の２着に敗れ、惜しいところで地方重賞２勝目のタイトルは奪取できず。それでも、一連の地方重賞での安定した戦いぶりからも、この年の北関東の３歳牝馬最強は、このホウヨウエルブと言っても過言ではないはず。その後は、夏のＪＲＡ新潟の1000万クラスの三面川特別に挑戦したが、初めての芝に戸惑ったということもあるのか、最下位１０着に終わってしまう。それでもまだまだこれから活躍できるはずだったが、結局これがラストランとなり、秋には現役登録を抹消されてしまった。素質を存分に発揮しきれなかったのは残念という他ない。

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●２歳６月に兵庫競馬でデビューしたマッキーエクセル。デビュー戦で早々に勝利を収めると、その後も堅実なレースを続けて、デビューからの全６戦の成績は 2-2-2-0。その後は交流Ｇ３の兵庫ジュニアグランプリに挑戦するも、ここでは６着。それでも、５着入着まであと半馬身と頑張って、能力のあるところを見せつけてくれた。その後は特別戦４着，地方重賞３着，特別戦２着，２着，１着と勝ち負けの競馬を続け、兵庫３歳ナンバーワンを決める園田ダービーでも２着と、兵庫の３歳ナンバー２の地位に就くこととなる。そして今回は、生涯２度目となる交流グレードレース挑戦。前回は入着に僅かに及ばなかっただけに、なんとか掲示板を狙って行きたい。１番人気は、新馬戦，オープンのヒヤシンス賞とダートで圧勝を演じた後、前走芝のニュージーランドＴでは２番人気で１２着と大敗してしまったエストレーノで単勝1.1倍。ダートではまだ底が知れない実力の持ち主。２番人気は、ダートで３連勝した後、前走ヒヤシンスＳでは６着と崩れてしまったインタータイヨウで単勝6.2倍。この後、Ｇ１のジャパンダートダービーでゴールドアリュールの２着となり、古馬になってからも重賞戦線で上位争いを続けることになる馬。ＪＲＡ勢が１，２番人気を占めており、マッキーエクセルは、単勝29.8倍の５番人気。確かにＪＲＡ勢は強力で、これを打ち破るのは容易ではないが、５着入着なら十分に狙えるはずだ。

　直線に向くと、先頭インタータイヨウに、１馬身差でエストレーノが懸命に食い下がる。３番手以下は差が開いてしまったが、クインキャストを外からかわしてミスイロンデルが３番手に。その後ろはまた４馬身と差が開いての５番手争いで、最内マッキーエクセル，中ザブラックヘイロー，外ダイワファルコンの３頭の争い。セトノウルトラは、この争いから僅かに遅れている。この接戦の５番手争いは、根性を発揮したマッキーエクセルが3/4馬身競り勝って５着入着のゴール。先頭インタータイヨウは、エストレーノに差を詰めさせないまま、１馬身半差をつけてグレードレース初制覇を成し遂げた。着差は開いてしまったが、グレードレース入着という勲章を手に入れたマッキーエクセル。地方馬最先着がならなかったのは残念ではあったが、よく頑張ったと言っていい内容だった。この後も、地方重賞に４度出走して２着１回，３着３回と活躍。地方のレースでは常に上位争いを続けたが、翌年１月のＳ１特別優勝を最後に早い引退。その後は繁殖牝馬として第２の馬生を送ることとなり、ＪＲＡ勝ち馬を排出する。なお、このレース２着のエストレーノは、これから間もない５月２７日に疝痛のために急逝してしまった。

●野望を胸に中央入りして望んだ'00年の菊花賞では15着と大敗、続く中日新聞杯でも13着に敗れたマッキーローレルは、再びデビューの地兵庫に戻る。兵庫のトップホースとして実績を残していたマッキーローレルだったが、中央から兵庫に戻ってからは、すぐに２連勝したものの、その後は順調にレースを使えなかったこともあり７戦して１勝と、兵庫の一線級ではあっても、かつての活躍からすると物足りなさも感じさせるレースが続くことに。それでも、続く前走のサントリーモルツＣを快勝して、ここにきてパワーを取り戻しつつある印象。今回は、それ以来３ヶ月半ぶりの実戦となったが、９月に能力検定を受けて乗り込まれ出走態勢は整う。とはいえ、今回はＪＲＡの一線級が相手だけに、苦戦を覚悟するしかない。１番人気は、前走ブリーダーズＧＣで強豪ディーエスサンダーに完勝、芝でもダイヤモンドＳ・日経賞勝ちの実績があるものの、それ以上のダート適性を見せつけたイングランディーレで単勝1.4倍の圧倒的人気。後に天皇賞・春を制することになる馬。２番人気は、２月のフェブラリーＳ５着の後仁川Ｓを快勝、それ以来７ヶ月ぶりのレースとなるものの、ダートの一線級として活躍を続けるハギノハイグレイドで単勝3.6倍。その他のＪＲＡ勢も実績のある馬たちで、マッキーローレルは単勝50.1倍の８番人気と評価は低かった。それでも、この馬もＪＲＡの重賞で上位争いをした実績のある馬。実力さえ発揮できれば、見せ場を作ってくれるチャンスはあるはずだ。

　直線では、イングランディーレが２番手ハギノハイグレイドをぐんぐん引き離す。２番手懸命に粘るハギノハイグレイドに外からじわじわ迫るマッキーローレル。大外からカシノオウサマも追ってきたが、マッキーローレルと同じ脚。残り50mでついにハギノハイグレイドと馬体が合ったマッキーローレル。ＪＲＡのダートの強豪を捻じ伏せるのかと思われたが、ハギノハイグレイドも流石に歴戦の強者。馬体が合ってから闘志をむき出しにして、何とか２着に粘り込もうとする。それでもマッキーローレルがぎりぎりかわせるのではないかと思われたが、ハギノハイグレイドも渋太く粘って、マッキーローレルとほとんど同時の写真判定のゴール。しかしながら、最後はハギノハイグレイドが鼻差しのぎ切って、マッキーローレルは惜しくも３着。先頭イングランディーレは、一頭格の違いを見せつける６馬身差の独壇場の勝利を飾った。さすがは後の天皇賞馬というところか。惜しくも２着を逃がしたマッキーローレルだったが、もう少し直線が長ければかわせていたと思える内容で、ＪＲＡの強豪と互角に渡り合った内容は立派の一語。人気は低かったが、改めてセントライト記念４着馬の底力を見せつけた。

●前年１１月の平場戦で、８番人気ながら２着と好走したムーンクラフト。自信の膨らむ走りだったが、その後の平場２戦は１０着，７着。なかなか確実に上位に食い込むことができないが、展開が向いて力を発揮できれば、もちろん上位食い込みのチャンスはあるはず。１番人気は、Ｇ３のユニコーンＳで１３着に終わった後、７ヶ月ぶりの前走平場戦で２着と実力を見せたコスモリバーサルで単勝3.5倍。京成杯５着の重賞実績を持つ。２番人気は、近２走平場戦を１３着，７着としているインターサクセスで単勝4.5倍。ニュージーランドＴ４歳Ｓ５着，ＮＨＫマイルＣ６着と重賞で上位に食い込んだ実績を持つ。後には、アイビスサマーＤで４着に食い込むことにもなる馬。ムーンクラフトは、単勝6.5倍の３番人気。実力的には拮抗しており、ムーンクラフトにも期待は膨らむ。

　直線に向くと、残り300ｍで中からシルクキャプテンが単独先頭に抜け出してくる。ムーンクラフトは追い出されてから末脚を繰り出して、徐々に順位を上げて好位集団の大外まで取りついて、先頭までは３馬身差だが、ここからはなかなか差を詰められない。残り１ハロンで、先頭シルクキャプテンに、内半馬身差でニシノフレイアが食い下がっていたが、ここからシルクキャプテンがじわじわ差を広げにかかる。ラスト150ｍで、ムーンクラフトが単独３番手に押し上げるが、先頭まではまだ２馬身半の差がある。しかしながら、ここからムーンクラフトはようやくエンジン全開．一気に前の２頭に襲いかかるムーンクラフトは、ラスト100ｍでニシノフレイアを抜き去ると、ゴール前40ｍで先頭シルクキャプテンを外から捉え、最後は半馬身差をつけての鮮やかな差し切り勝ちのゴール。ムーンクラフトの追い込みが見事に決まった一戦だった。鞍上の 田中勝騎手は、「いい位置につけちゃうとダメな馬だからね。今日は忙しい1200ｍで流れが向いたし、元々このクラスを勝っている馬ですから。」とコメント。 これでいよいよ準オープンに昇級したムーンクラフトだが、準オープンでの２戦は１５着，９着と見せ場なく終わり、乗馬に転向した。

●デビューからなかなか勝利を挙げられなかったメジロフォスター。３歳夏には３連続２着の惜敗もあったが、デビューから１６戦目の秋の福島開催で、ようやく嬉しい初勝利を挙げる。そして、500万クラス昇級緒戦の平場戦で４着と好走し、500万クラスでの戦いにもメドを立てる。しかしながら、その後は８ヵ月半の休養となって、再び出直しの形。復帰後は５戦連続で着外に終わったが、特別戦５着，平場戦を５着，３着と、叩かれつつ上昇ムードに。しかしながら、ここからまた６ヵ月半の休養と、勢いが乗ってきたところで頓挫を繰り返すことに。再び復帰後も、平場戦を１０着，９着と結果を出せず、今回が叩き３走目のレース。１番人気は、近２走平場戦を５着，２着としているダイワコジーンで単勝2.0倍。２番人気は、前走1000万下平場戦９着から降級してきたブライティアマリンで単勝4.9倍。メジロフォスターは、単勝13.8倍の５番人気。近走の不振にもかかわらずそこそこの人気になっているのは、この馬の潜在能力に期待されているからに他ならない。そろそろ本当の力を見せてほしいところだ。

　直線に向いても、先頭エイダイヒロインの逃げ脚はまったく鈍らない。メジロフォスターは満を持して追い出されると、馬群の真ん中を伸びて３番手争いに加わってくる。そして、ラスト150ｍでは、メジロフォスターがベストオブジュリーをかわして単独３番手に上がり、３馬身前にいるブライティアマリンに一気に詰め寄って行く。３番手争いから一頭だけ一気に抜けたメジロフォスターは、ぐんぐんとその差を詰めて、ゴール寸前でブライティアマリンを外から首差捉えて２着食い込みのゴール。逃げ切り勝ちのエイダイヒロインからは３馬身の差があったが、ようやくこの馬らしい強さを見せつけてくれた。鞍上の 中谷騎手は、「折り合いがうまくついたし、タメる競馬をしたのが良かったんでしょう。終いはよく伸びてくれました。」とコメント。 しかしながら、上げ潮ムードになったところでいつも頓挫してしまうメジロフォスター。この後も９ヶ月の休養を余儀なくされ、復帰後の平場戦は１０着，１４着，５着。ここからはまた１年２ヶ月の長期の戦線離脱。復帰後の平場戦は８着，１０着で、さすがにここがまでが限界だった。満足に実力を発揮することなく引退を余儀なくされてしまった。

●３歳１月にデビュー戦を迎えるメジロフリーマン。ミスターシービーの血を引く牝系の中でも、かなり活躍馬を輩出している血統だけに、この馬にも当然期待がかかる。１番人気は、後に準オープンまで昇級することになるゼンノフェニックスで単勝4.5倍。２番人気は、ブライアンズタイム産駒のタマモハイカラーで単勝4.9倍。メジロフリーマンは、単勝15.4倍の７番人気。今後の活躍に期待が膨らむ走りを期待したい。

　レースでは、メジロフリーマンは好位に取りつく。まず、オンワードモデストとトレアドルシチーの２頭並んでの先頭争い。その直後にゼンノフェニックスなどがつけている。メジロフリーマンは、先頭まで３馬身差の好位の外で、手綱を持ったまま、なかなかの行きっぷりで追走する。３角では、オンワードモデストが半馬身リードし、トレアドルシチーが２番手。１馬身差で内エプソムチャプター，外ゼンノフェニックスの２頭が併走。これに3/4馬身差で内エーピーカイラス，更に半馬身差で外メジロフリーマンの態勢。３〜４角の中間では、メジロフリーマンもじわっと押し上げて、４番手争いの外に並んできて先頭までは２馬身半差。４角では、先頭オンワードモデストにトレアドルシチーが並びかけ、その直後にゼンノフェニックスなど。メジロフリーマンも、十分余力を残しながら、前を射程圏内に置いた位置で直線へ。

　直線に向くと、オンワードモデスト，トレアドルシチーの先頭争いも続かず、外からゼンノフェニックスとメジロフリーマン、内からはエーピーカイラスの３頭が伸びて来て、あっという間にこの３頭の先頭争いに様相は変わる。残り400ｍで、早くもメジロフリーマンが抜け出しにかかり、内で食い下がるのがエーピーカイラス。ゼンノフェニックスは伸びがない。あっさり突き抜けたメジロフリーマンは、残り１ハロンでは２馬身リードで、もう既に勝負を決めている。２番手にエーピーカイラスで、１馬身差で食い下がっていた３番手ゼンノフェニックスも力尽きる。ラスト150ｍからエーピーカイラスが盛り返してきたが、メジロフリーマンは手綱を緩める余裕を見せた分、最後は半馬身差まで縮まったものの、着差以上に余裕十分のデビュー勝ちのゴール。人気は高くなかったものの、期待以上の走りでデビュー戦を飾ったメジロフリーマン。 鞍上の郷原司騎手は、「ゲートは出ないと聞いていたけど、うまくクリアできました。スローだから離されないようについて行ったが、橋本騎手の馬がフラフラしていたから、４角で外に出したんだ。直線でちょっと追ったら、反応よくビュッと伸びたので、これならと思いましたね。抜け出してからは遊んでしまって詰め寄られたが、まだ余裕がありました。折り合いはつくし、2000ｍ以上がいいと思うよ。時計は遅いけど、スローだから内容は文句なし。」とコメント。 なかなかの素質を感じさせる内容だった。これからの成長が本当に楽しみだ。

●７番人気だった新馬デビュー戦を見事に勝ち上がったメジロフリーマン。続く前走500万クラスに昇級したセントポーリア賞では６着。それでも、走り自体は決して悪くなく、500万クラスでもある程度戦える感触は掴むことができた。今回はこのクラス２走目となるだけに、更なる上積みがあるはず。１番人気は、新馬勝ちのあと、前走セントポーリア賞では２着だったシンボリクリスエスで単勝1.7倍の断然人気。後に日本最強馬の地位に就く馬。２番人気は、２戦目の新馬勝ちの後、前走Ｇ３京成杯でも５着入着を果たしているマイネルアムンゼンで単勝3.6倍。後に重賞３勝を挙げることになる馬。メジロフリーマンは、単勝24.9倍の７番人気。前走でのシンボリクリスエスとの差は５馬身弱。もちろん、前走以上に差のない競馬ができれば、ここでも好勝負が期待できる。

　直線に向くと、先頭トウカイアローに、外半馬身差にじわっと詰め寄るマイネルアムンゼン。更に半馬身差で外アルジャーノン。後続勢からは、内目メジロフリーマン，大外シンボリクリスエスが脚を伸ばす。残り250ｍでも先頭トウカイアローは渋太く踏ん張って3/4馬身のリード。２番手マイネルアムンゼンに、メジロフリーマン，シンボリクリスエスの２頭が１馬身差まで詰めてきての３番手争い。このあたり、メジロフリーマンは後の日本最強馬と互角の叩き合いに持ち込んでいる。しかしながら、スタミナでまさったのはシンボリクリスエスの方で、ラスト150ｍでメジロフリーマンは少しずつ遅れ始める。それでも、シンボリクリスエスもマイネルアムンゼンとの差を詰められず３番手まで。先頭トウカイアローは、逃げ切りかと思われたところ、最後で少し甘くなってマイネルアムンゼンに際どく並ばれたが、トウカイアローが鼻差しのいで優勝。メジロフリーマンは、シンボリクリスエスに徐々に遅れを取って、最後は１馬身1/4差の４着でのゴール。それでも、なかなかの粒揃いのメンバーの中で見せ場を作り、素質の高さを見せつけてくれた。柴田人調教師は、「終いは伸びているけど、今日はペースが遅くて、前残りの競馬だから仕方ない。」とコメント。４着とはいえ、今後の活躍に期待が膨らんだメジロフリーマンだったが、この後Ｇ３のフラワーＣに挑戦して、レース中骨折して競走中止。不運にも予後不良で安楽死となってしまった。これから大きく羽ばたこうとしていた矢先だっただけに、悲しくそして残念でならない。

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●前年５月の福島民報杯で、名マイラーのアドマイヤコジーンを首差抑えて優勝したラムジェットシチー。これで自信を深め、いよいよ一線級相手の勝負となるが、京王杯スプリングＣでは１４着惨敗。ＵＨＢ杯では差のない６着となったが、函館スプリントＳでは１３着と重賞では苦戦を続けることに。６ヵ月半の休養を取って、年が明けてから復帰したが、淀短距離Ｓ１３着，シルクロードＳで最下位１６着，阪急杯１１着，オーシャンＳ１０着と、ノド鳴りにも悩まされてなかなかトンネルを抜け出せない。厳しい戦いが続いているが、今回は賞近順でギリギリ滑り込みで、Ｇ１の高松宮記念に果敢にチャレンジ。ラムジェットシチーにとっても、それと鞍上の鈴来騎手にとっても、初めてのＧ１挑戦となる。１番人気は、前走休み明けのシルクロードＳでは、１番人気ながら59.5kgを背負って６着に終わったトロットスターで単勝2.6倍。前年、高松宮記念，スプリンターズＳの２つのＧ１を制した最強スプリンター。２番人気は、東京新聞杯，阪急杯と重賞２連勝中のアドマイヤコジーンで単勝3.6倍。特に前走は３馬身半差の圧勝で、完全に本物の域に達した。朝日杯３歳Ｓを制しているＧ１ホースでもある。３番人気は、準オープンの山城Ｓ，オープンのオーシャンＳを連勝しているショウナンカンプで単勝6.6倍。一線級と相まみえるのは初めてだが、急激に力をつけてここ２戦は圧勝。トップクラス相手でも通用すると高い評価を得ている。ラムジェットシチーは、単勝273.7倍の最低１８番人気。二桁着順が続く現状では、Ｇ１のトップクラス相手に苦戦は必至だが、休み明けを叩かれて徐々に体調も回復しつつあるはず。全力勝負でなんとか見せ場を作りたい。

　直線に向くと、ラムジェットシチーはもう歩くような感じになって完全に失速。ほんの少し前までは行きっぷりも悪くなかっただけに、この失速ぶりはあまりにも異常。先頭ショウナンカンプの逃げ脚はまったく衰えず、逆に後続を突き放す感じに二の脚を発揮。残り１ハロンで、アドマイヤコジーンが２番手だが、ここから更に６馬身差の後方から大外スティンガーの追い込み。ラスト150ｍで、先頭ショウナンカンプは、４馬身とリードを開いて楽勝態勢。アドマイヤコジーンが２番手で粘るが、後続勢も固まって押し寄せてくる。しかしながら、アドマイヤコジーンに馬体を併せるところまで行ったのはスティンガー一頭で、勢いではスティンガーの方が断然まさっていたが、アドマイヤコジーンが首差しのいで２着確保。ショウナンカンプは３馬身半差を保って優勝し、３連勝で一気にＧ１ホースまで登り詰めた。ラムジェットシチーは、16着の馬からも１５馬身の大差離されるブービー１７着でのゴール。明らかに異常な走りだったが、レース後の診断は鼻出血。Ｇ１挑戦は、力を発揮できない残念な結果に終わった。 鞍上の鈴来騎手は、「初めてのＧ１騎乗だったんですが、鼻血が出てしまって…。」とコメント。 しかも、ラムジェットシチーにとっては単なる鼻出血では終わらず、肺からも出血していて症状が重く、現役続行を断念せざるを得ない最悪の事態に。結局、このレースを最後にラムジェットシチーはターフを去った。せめて、Ｇ１の晴れ舞台だけは全力でゴールまで駆け抜けたかった。

●前年１２月中山の1000万下平場戦で、１１番人気の人気薄ながら３着と好走したロードセレナード。これが1000万クラスに昇級して５戦目での初入着だったが、更に勢いに乗って今回も上位争いを演じたい。１番人気は、500万クラスで惜敗を続けながら、前走の平場戦でようやく勝ち上がって1000万クラスに昇級してきたアグネスパートナーで単勝4.1倍。後に、地方の交流Ｇ２オグリキャップ記念で２着になるなどの活躍をする馬。２番人気は、前走500万下平場戦を勝ち上がってきたタイキスティングで単勝6.0倍。後に障害重賞などで活躍することになる馬。ロードセレナードは、単勝26.4倍の１１番人気。前走の好走でも評価は上がっていないが、それだけにこの馬の地力強化を自らの走りで証明してほしい。

　直線に向くと、残り250ｍで外からサンエムマジックが先頭に抜け出して来る。大外ロードセレナードも力強い伸び脚を発揮し、１馬身差の単独２番手に押し上げる。しかしながら、懸命に先頭を追うものの、なかなか差を詰められない。これに差なくアグネスパートナーが差して来て、残り１ハロンでロードセレナードの内に馬体を併せて来る。この２番手争いの叩き合いから、ラスト150ｍでアグネスパートナーが競り勝って単独２番手に。ロードセレナードは、ラスト100ｍでアグネスパートナーに3/4馬身遅れて、この時点でもうこれまでで３着確定かと思われたが、ここからもう一度勝負根性を発揮して盛り返しを図る。アグネスパートナーも先頭サンエムマジックに詰め寄り、最後は３頭が差のない態勢になってくる。凄まじい粘りを見せたロードセレナードだったが、残念ながら抜き返すところまではいかず、首，首差の３着でのゴール。それでも、人気薄ながら勝ち負けの競馬に食い込み、前走の３着がフロックではなかったことを証明して見せた。鞍上の 梶騎手は、「追わせる馬ですが、今日は折り合いがつかないくらいの行きっぷりでした。多少距離が長いから、追ってももうひとつの伸びでしたが、内容は上々でした。」とコメント。 今回の好走は、ロードセレナード自身にとっても大きな自信となるはず。1000万クラスでの勝利さえ、手の届くところにきた感じだ。

●前走の初咲賞で３着となり、これで２戦連続の３着と好レースを続けたロードセレナード。大いに自信を深める走りで、今回は勝利も狙っていきたい。１番人気は、近２走特別戦を１着，４着としているタヤスエトワールで単勝2.4倍。現級勝ちの実力はやはり侮れない。後に地方の交流Ｇ２のブリーダーズゴールドＣでも３かく３着という活躍をすることになる馬。２番人気は、休み明けの1000万特別１６着，オープン特別１３着とここ２戦は惨敗しているスプリームコートで単勝4.2倍。菊花賞出走の経験があり、休養前は準オープンで勝ち負けをしていた馬で、休み明け３戦目で実力を発揮してくるか。ロードセレナードは、単勝10.8倍の５番人気。決して実力差はないだけに、チャンスは十分あるはずだ。

　直線に向くと、残り300ｍでタヤスエトワールが先頭に抜け出してくる。ここからじわじわリードを開きにかかり、残り１ハロンでは１頭だけ２馬身半抜け出している。じりじり押し上げるロードセレナードは、エイシンウインダムを外から捉えて単独２番手に上がり、先頭タヤスエトワールとの差を詰めて行く。先頭タヤスエトワールを追い詰めるロードセレナードだが、残念ながらこれを捉えるところまでは厳しい。そして今度は、この２頭の間を突くようにリワードフォコンがゴール前で突っ込んでの２着争いに。結局、タヤスエトワールが半馬身振り切って優勝。ロードセレナードは、リワードフォコンに惜しくも首差差されて３着でのゴール。大外チアリーダーも差を詰めて来たが、最後はロードセレナードと同じ脚色だった。勝ち馬から僅か3/4馬身差の見せ場十分の走りを見せてくれたロードセレナード。 これで3戦連続の３着となり、1000万クラスででの勝利に確かな手応えを掴む一戦となった。高市調教師は、「最後もよく伸びているし、時計は詰めている。ジリジリと伸びるが、もうワンパンチほしいな。」とコメント。しかしながら、これからの戦いぶりが更に楽しみになってきた。

●前走の平場戦でも差のない３着で、これで３戦連続の３着となったロードセレナード。今は馬の状態もピークを迎えているだけに、この体調を維持している間に、なんとか勝利を挙げたいところ。１番人気は、前走初咲賞では１番人気で２着だったアグネスパートナーで単勝2.1倍。前走は３着のロードセレナードに首差先着している。後に交流Ｇ２のオグリキャップ記念で３着などの活躍をする馬。２番人気は、前走の平場戦で２着となり、３着のロードセレナードに首差先着しているリワードフォコンで単勝4.1倍。何と言っても日本ダービー５着という輝かしい実績を持つ馬。ロードセレナードは、単勝10.8倍の５番人気。人気どころとは、前走で僅差の勝負をしている。その比較から言っても、決して負かせない相手ではないはずだ。

　直線に向くと、先頭セイルオンザナイトが粘るが、これにアグネスパートナー，リワードフォコンが並んでくる。ロードセレナードも差はないものの脚色は劣勢。アグネスパートナーは、一旦リワードフォコンにかわされかける場面もあったが、ラスト１ハロンからまた力強く伸びて、単独先頭に抜け出してくる。ロードセレナードは、上位３頭からは遅れを取って４番手。そして、道中後方で脚をタメていたバンダムプレジャーが大外から突っ込むと、あっさりかわされて５番手に順位を下げる。しかしながら、大きく失速することなく踏ん張って、後方から突っ込んだシンコウシーザーを半馬身抑えて５着入着のゴール。アグネスパートナーは、ゴール前で２着に上がったバンダムプレジャーを１馬身1/4差抑えての快勝だった。今回はひと息伸び切れずに５着に終わったロードセレナード。道中も折り合っていたが、スローで上がりの競馬が向かなかったのか。鞍上の梶騎手は、「デキは悪くなかったし、内々で流れに乗れていたんですけどね。距離も長いとは思わないし、頑張っていますが…。」とコメント。しかしながら、ロードセレナードが活躍できたのはここまで。これを境に体長は下降線で、準オープン戦も含め４戦してすべて二桁着順で、宇都宮競馬に移籍した。移籍後は上級クラスだったが、７戦して３着が１回という成績で、結果を残せないまま引退した。