２０１４年（平成２６年）

●祖母，母ともに活躍馬だったエグランティエのデビュー戦。姉ムードティアラも現役で目下ＪＲＡ３勝，兄の２歳馬オールデフィートも現役で目下ＪＲＡ１勝と活躍しているように、エグランティエにも期待がかかるが、人気はかなり低い。１番人気は、ダンスインザダーク産駒のダイワダーウィンで単勝3.6倍。２番人気は、バゴ産駒のブラックバゴで単勝3.9倍。叔母のマイニングレディは、Ｇ３関東オークスの勝ち馬。エグランティエは、単勝45.1倍の１１番人気。評価は低くても、競馬センスのあるところを見せてほしい。

　 レースでは、エグランティエはスタートはまずまずで、前の方につけて行く。持ったままで先頭に出て来たのは人気のダイワダーウィン，3/4馬身差でカノンブルー，エグランティエ，コヌルコピアの２番手争い。これに3/4馬身差でブラックバゴで、ゆったりとしたペースで一団の展開。今度は内からカノンブルーが先頭に立って、半馬身差でダイワダーウィンは２番手に控える。１馬身差で内エグランティエが３番手だが、３角では、今度は外からマイネルラヴィーンが３番手に押し上げる。３〜４角の中間では、ダイワダーウィンがまた先頭を取り返す。エグランティエは包まれた感じになって中団に順位を下げているが、先頭までは２馬身半と差はない。４角では、エグランティエは内々を回って、先頭から２馬身差の３，４番手あたりにじわっと順位を上げて直線へ。

　 直線に向くと、先頭ダイワダーウィンは追い出しを待つ余裕がある。半馬身差で内バロネットが２番手だが、残り500ｍでは更に内からエグランティエがかわして２番手に。残り400ｍでは、エグランティエ，ダイワダーウィンの先頭争いとなるが、ここから満を持して追い出しにかかったダイワダーウィンは、残り300ｍでは１馬身リード。２番手エグランティエに、外から１馬身差に詰め寄るポトマックリバー。更に１馬身半差の大外からはブラックバゴが追い込んでくる。ダイワダーウィンが一頭抜け出したが、ラスト150ｍを切って、２番手エグランティエを外からかわしにかかるポトマックリバー。半馬身差で大外ブラックバゴも２番手争い。エグランティエは力尽きて、ラスト120ｍで外に２頭に突き放されてしまったが、更に後ろから差を詰めたコヌルコピアを首差しのいで４着でのゴール。最後は失速したものの、十分見せ場を作ったレース。鞍上の石橋脩騎手は、「もう少しパワーアップが必要ですが、スタートは上手でしたし、最後は内からうまく脚を使ってくれました。センスの良さが窺えました。」とコメント。素質のあるところは見せてくれただけに、経験を積んでの成長を楽しみにしたい。

●デビュー２戦目の前走で４着と上位に食い込んできたオールデフィート。少し差があって勝ち負けまではできなかったが、初ダートとなる今回は、更に新しい面を見せてくれるかもしれない。１番人気は、前走新馬デビュー戦で２着と好走しているアルディバインで単勝2.2倍。２番人気は、デビューからの全７戦で入着５回の堅実な走りを見せているウインネオルーラーで単勝4.8倍。２着が２回あるように、初勝利は間近と言っていい馬。オールデフィートは、単勝16.4倍の６番人気。前走より更なる進化を期待したい。

●初ダートとなった前走で更なる前進を見せたオールデフィート。一戦ごとに力をつけ、ダート適性も示して、今回はメンバー的にもチャンス到来。単勝1.5倍の断然人気に支持される。２番人気は、デビューからの２戦を６着，８着としているイエローストーンで単勝6.3倍。今回は半年ぶりのレースとなる。３番人気は、デビュー５戦目の今回が初ダートとなるオメガベントレーで単勝11.0倍。新馬戦では５着に入っている。実績面を比較するなら、明らかにオールデフィートが断然上位。この時期は大変身を遂げる馬などもいて油断はできないが、確実にこのチャンスをモノにしたい。

　レースでは、オールデフィートは出遅れというほどではないが、行き脚はもうひとつで中団あたり。手綱をしごいて徐々に好位グループに接近して行く。外からイエローストーンが先頭に立って、１馬身差でワールドタイム，シゲルシモウサなど４頭の２番手争い。その１馬身3/4差後ろにオールデフィート，半馬身外側にはオメガベントレーが仕掛けながらの追走。３角手前から、オールデフィートがじわっと動き始め、３〜４角の中間では好位まで取り付いてくる。４角では、イエローストーンが僅かに先頭だが、首差で外ディアキンカク，持ったままでシゲルシモウサの２頭。その3/4馬身差の大外４番手にオールデフィートが接近。オメガベントレーは、その１馬身半後ろから追撃態勢で直線へ。

　直線に向くと、前３頭の先頭争いから、シゲルシモウサが僅かに先頭。外からオールデフィートが差を詰めて、残り250ｍでは前を捉える態勢。しかしながら、外からオメガベントレーがぐいぐい脚を伸ばしてくる。オールデフィートが半馬身リードで先頭という態勢から、ラスト150ｍでシゲルシモウサももう一度差し返しを図る。押し切りを図るオールデフィートだったが、脚色でまさったのはオメガベントレーで、ラスト100ｍで外からかわしてあっさり先頭。オールデフィートは粘るシゲルシモウサをここから突き放したが、オメガベントレーに１馬身半差をつけられて２着でのゴール。断然の１番人気には応えられなかった。初ダートで大変身を遂げたオメガベントレーの前に屈したオールデフィート。メンバー的にも今回は大きなチャンスだったが、この馬も一応力は出していただけに致し方ない。鞍上の三浦騎手は、「前走で砂を被った経験が生きて、スムーズな競馬ができました。内容は良かったんですが、追ってからフワッとしてしまって…。距離も1400ｍくらいがいいです。」とコメント。安定感を増しており、引き続き勝利のチャンスが続くはずだ。

●ダートに替わって２戦連続２着を続けたオールデフィート。しかしながら、続く前走は３番人気で９着と伸びを欠いてしまう。期待に応えられなかっただけに、今回は巻き返しを期す一戦となる。１番人気は、近７戦で２着５回のディアポジションで単勝2.0倍。前走も２着に終わっており、今度こその意気込み。２番人気は、デビューからの全４戦を４着以内の堅実な走りを見せているアルディバインで単勝4.2倍。オールデフィートは、単勝7.4倍の３番人気。２着を続けた時の走りができれば、ここでも勝ち負けは十分可能。この馬の本来の実力を発揮してほしい。

　レースでは、オールデフィートはスタートは普通に出て、中団真ん中からの競馬。内からムチを飛ばしてカノープス、大外から手綱をしごいてヒシサブリナの２頭の競り合いから、絶対に譲らない構えのヒシサブリナが先頭。カノープスは１馬身差の２番手。半馬身差で中キャラメルソングが続いている。１馬身差でアルディバインが４番手，オールデフィートはその３馬身半後ろの中団。３角では、その２馬身半後ろの後方インに初出走のグラスワイルド。３〜４角にかけても、オールデフィートは中団で動かない。４角では、先頭ヒシサブリナ，１馬身差でキャラメルソング，3/4馬身差で外アルディバインが３番手。１馬身差で中から人気のディアポジションが４番手に上がって来ている。オールデフィートは中団のまま、先頭まで５馬身差の位置で直線へ。

　直線に向くと、ヒシサブリナが先頭だが、好位の外アルディバインが、手応えよくジリジリ伸びてきて、残り300ｍで先頭に１馬身差の２番手に。１馬身半差で中ジュガンティーヤが３番手。更に１馬身差で外トラストマティーニが４番手に上がってきて、内からはグラスワイルドも突っ込んで来る。オールデフィートは伸び脚ひと息で、トラストマティーニにかわされて既に２馬身遅れを取っている。ディアポジションは伸びを欠き、ラスト150ｍでオールデフィートがこれをかわして行くが、オールデフィートは先頭までまだ３馬身差がある。ここで今度はグラスワイルドがアルディバインをかわして先頭に立つと、そのまま押し切って初出走で勝利を飾る。ラスト100ｍの地点で、３番手争いはジュガンティーヤ，トラストマティーニの争いで、その後ろ３馬身開いてオールデフィートはまだ５番手争い。エンジンの掛かりが遅かったオールデフィートだが、ここからようやく力強く末脚を加速。最後は３着争いにまで加わったが、首，首差で５着でのゴール。直線はなかなか伸び切れない感じだったオールデフィート。１，２着の態勢が決した後でようやく脚を伸ばして来たが、いかにも遅過ぎた印象。３着は争いにまで持っては来たものの、５着という結果は決して満足できるものではない。鞍上の田中勝騎手は、「直線ではまた盛り返してくれた。距離に関しては、1200ｍよりはこのくらいが良さそうだよ。」とコメント。今回は物足りなかったが、一応力は見せてくれた。組み合わせと条件次第で、今後も初勝利の期待をかけていいはずだ。

●前走の東京戦では３着争いをするも５着だったオールデフィート。まだまだ本来の走りではなかったが、立て直しを図られてから２戦目で、上昇気配は感じられた。今回は更に上昇が見込めるだけに、そろそろ本来の走りを見せてくれるはず。１番人気は、全５戦して２着２回，３着１回，４着２回の堅実な走りを見せているアルディバインで単勝1.3倍の圧倒的人気。オールデフィートは２番人気で単勝7.9倍。３番人気は、３走前の中京戦で２着だったディアヴォーグで単勝15.1倍。ここ２戦は掲示板を逃している。オールデフィートにとっては、強力なライバルはアルディバイン一頭か。念願の初勝利を狙って行く。

　レースでは、人気のアルディバインがスタートで１馬身立ち遅れて後方から。オールデフィートは好スタートを切って、手綱を押して好位につける。ワイルドデショが積極的に先頭に出て来て、１馬身差で大外ナムラチーターが２番手。これに3/4馬身差で３頭並んだ真ん中にオールデフィートで、ダイワナッティーと並ぶ位置。アルディバインは、３馬身半後ろの中団から。３角では、オールデフィートは先頭から２馬身差の内々４番手で、その後ろは２馬身半と開いている。３〜４角の中間でも、オールデフィートは内々で、前のナムラチーターが壁になって動けない間に、人気のアルディバインがかわして行って前に接近。４角では、先頭ワイルドデショをダイワナッティーがかわして行く。２馬身半開いてアルディバインが３番手に押し上げる。１馬身半遅れたオールデフィートは、ナムラチーターの外側に出して４番手争いに上がって直線へ。

　直線は、ダイワナッティーが単独先頭に立って、すっと２馬身リード。残り400ｍでアルディバインが２番手に。１馬身半後ろの４番手オールデフィートは外に出すと、残り300ｍを切ってからジワジワ差を詰める。残り１ハロンでは、アルディバインの外にオールデフィートが並んで行くと、これをあっさりかわして今度は先頭ダイワナッティーに迫る。ラスト100ｍを切って、ダイワナッティーまで捉え切ったオールデフィートは、最後は１馬身1/4差抜けて快勝のゴール。一時期調子を崩していたが、完全に復調がなった。元々未勝利を勝って当然の力の持ち主。鞍上の田中勝騎手は、「雪の影響で順延があったので、そこで調子を落としていたんだけど、ここ２回順調に使って状態が戻っていた。直線は下がってくる馬がいて捌くのに手間取ったけど、却って脚が溜まったね。」とコメント。相手なりに走れそうなタイプだけに、昇級後の活躍も期待したい。

●姉に目下オープンで活躍中のメモリアルイヤーがいるグランドデザイン。姉同様のスピードを発揮できれば、十分活躍を期待していい。緒戦から動ける血統だけに、デビュー戦から期待がかかる。１番人気は、ダイワメジャー産駒のバチスタで単勝3.0倍。叔母のミクロコスモスは、Ｇ１阪神ジュベナイルＦ３着馬。２番人気は、これもダイワメジャー産駒のラクアミで単勝4.2倍。母レイズアンドコールは、Ｇ３アイビスサマーＤ３着という実績がある。グランドデザインは、単勝15.3倍の６人気。伏兵的扱いに留まっているが、持ち味のスピードを存分に発揮したい。

　レースでは、グランドデザインは断然の好スタートを決めて、一瞬にして１馬身半抜け出て先頭。素晴らしいスタートセンスを見せつける。内から押してナリタアネラが半馬身差に詰めてくると、グランドデザインはまたスピードを上げて１馬身半のリード。ナリタアネラが２番手で、２馬身差でバチスタが３番手。これに半馬身差で外ラクアミの態勢。このあたり、バラけた展開となっている。２番手ナリタアネラが一旦差を詰めにかかったが、グランドデザインは３角ではまた１馬身1/4差リード。２番手ナリタアネラの半馬身外にバチスタが取り付き、その後ろは１馬身半の差がある。３〜４角の中間では、４番手争いはラクアミなど４頭で、バチスタとの差を１馬身にじわっと詰めて行く。４角では、２番手ナリタアネラがまた半馬身差まで詰めてくるが、先頭グランドデザインは軽く手が動くと、またすっと１馬身リード。しかしながら、今度は手綱を持ったままでバチスタが２番手に上がって来て直線へ。

　 直線に向くと、グランドデザインが逃げ込みを図って１馬身のリード。２番手バチスタには余力があり、残り１ハロンでグランドデザインに外から並びかける。１馬身半差でラクアミが３番手から追ってくる。グランドデザインも渋太く食い下がっていたが、ラスト150ｍでバチスタがじわっとリードして先頭。グランドデザインは、ラスト100ｍでは半馬身遅れを取ると、今度は外からラクアミにかわされて３番手に。１馬身半後ろの４番手からはソラーナが差してくる。ラスト100ｍを切って力尽きた感じになったグランドデザインは、ゴール寸前でソラーナに並びかけられての３着争いのゴール。写真判定の結果、ソラーナに鼻差差されて４着に。それでも、非凡なスピードを見せて、潜在能力の高さは示してくれた。鞍上の小崎騎手は、「スピードがあるのは分かっていましたし、敏感なところがあるので丁寧に乗ることを心掛けていました。まだハミを取るところなどが分かっていない感じでしたが、能力はあるので、２，３戦目は違ってくると思います。」とコメント。今後の活躍が楽しみになった。

●'１１年１２月の小倉の500万下戦を優勝したクリスワールド。これで1000万クラスに昇級したが、昇級緒戦の平場戦をでは７着で、その後は１０カ月大きくレース間隔が開いてしまう。500万クラスに降級となり、平場戦７着の後、また５カ月間隔が開いてしまう。平場戦１４着の後、また４カ月間隔が開くといったように、一度レースを使ってはまた間隔が開くという連続で、なかなか波に乗れない。それでも、昨秋からは平場戦を７着，６着，１２着と、久しぶりに連続で競馬に使えるようになっているのは好材料。ここまで結果は出せていないが、今回は叩き４走目で、加えて距離短縮の1000ｍ戦とあって、そろそろ変わり身があっておかしくない。１番人気は、平場戦を２着，１３着，２着としているサンマルヴィグラスで単勝1.7倍の圧倒的人気。前走も頭差の惜敗で、３着以下に３馬身の差をつけている。２番人気は、平場戦を２着，６着，１０着としているハルズハッピーで単勝6.1倍。前走２番人気を裏切っただけに、今回は巻き返しを期しているが、着順が下降傾向ではある。クリスワールドは、単勝16.5倍の５番人気。テンのスピードには定評があるが、スタミナに弱点のある馬。それだけに、この距離はこの馬の持ち味を生かせる舞台。1000ｍ戦は 1-1-0-0 の成績からも、伏兵評価でも期待をかけていいはずだ。

　レースでは、クリスワールドはまずまずいいスタートで、二の脚がさすがに速く、無理することなく先頭に出てくる。これに内サンマルヴィグラス，外ヴェンセールの２頭が手綱をしごきながら並びかけて来るが、クリスワールドの方が明らかに手応えは楽。前３頭の3/4馬身外にサンライズトークの態勢。３角でも前３頭の競り合いが続き、４番手以下を２馬身離しているが、ここからサンマルヴィグラスの方が先頭に出る。3/4馬身外クリスワールドは２番手。その後ろは１馬身半差で、内にサンライズトーク，外に先頭争いから後退したヴェンセールの２頭。４角でもクリスワールドは持ったままで、先頭サンマルヴィグラスの3/4馬身外にぴったり取り付いているが、先頭は断然人気馬だけに、果たして捻じ伏せられるのか。１馬身1/4差でサンライズトークが３番手から追って来て直線へ。

　直線に向くと、内サンマルヴィグラスが押し切りを図るが、外クリスワールドがじわりと詰め寄って、残り１ハロンでは先頭に半馬身差。元々最後のスタミナに弱点のあったクリスワールドだが、1000ｍ戦だけに余力があり、ラスト150ｍを切ってサンマルヴィグラスを捉えて先頭。ここからじわじわ差を広げたクリスワールドは、最後は3/4馬身差をつけて快勝のゴール。サンライズトークが最後２番手に迫ったが、クリスワールドとは最後まで同じ脚色だった。ようやく本領を発揮し、500万クラス２勝目を挙げたクリスワールド。さすがに1000ｍ戦は、この馬にとって最高の舞台設定。自慢のスピードを存分に生かせた。鞍上の北村友騎手は、「スピードがあるし、この距離で勝っていますからね。いい条件の時に乗せてもらえました。」とコメント。1000万クラスに昇級しても、1000ｍの戦いなら面白い競馬を見せてくれるはずだ。

●小倉の500万下平場戦を優勝し、このクラス２勝目を挙げたクリスワールド。２年７月ぶりの1000万クラス昇級となる。かつての1000万クラスでの戦績は１戦してブービー１５着だっただけに、今回も昇級後は苦戦が予想された。実際、昇級緒戦の1200ｍの平場戦は１３着という結果。着順以上に頑張りは見せていたが、やはり厳しい結果ではあった。1200ｍでも１ハロン長い馬だけに、今回も1200ｍで苦戦を覚悟しなければならない。１番人気は、７カ月の休み明けの前走平場戦で半馬身差２着と実力を燃せたゴーイングパワーで単勝2.3倍。前年の夏の北海道開催では、安定して掲示板圏内に食い込んでいた馬。２番人気は、昇級後の平場２戦を４着，３着と好走しているヴィクタシアで単勝3.8倍。クリスワールドは、単勝164,6倍のブービー１５番人気。まったく注目されない存在となっているが、昇級２戦目の上積みがあれば、前走よりもっと粘りを見せてくれるはずだ。

　レースでは、クリスワールドはまずまず好スタート。外枠だったが、手綱を押して前に出てくる。人気のゴーイングパワーが先頭に立って、半馬身差で内ラシークが２番手。3/4馬身差でクリスワールド，マンリーの３番手争い。その後ろは２馬身差でシゲルシュサ以下。３角では、クリスワールドが２番手に押し上げて、先頭に3/4馬身差。３〜４角の中間でも２番手をキープするが、3/4馬身外にシゲルシュサ，マンリーの２頭が接近する。４角では、先頭ゴーイングパワーは余裕があるが、２番手クリスワールドは少し手が動き始めて、やはり厳しいのかという思いがよぎる。3/4馬身差でシゲルシュサが３番手。２番人気ヴィクタシアは、クリスワールドの３馬身後ろの５番手争い。クリスワールドの後ろは少しバラけた感じになっているだけに、何とかこのまま上位に粘り込めないかという態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭ゴーイングパワーが突き放しにかかって１馬身半のリード。クリスワールドが２番手で粘り、半馬身外からシゲルシュサが詰め寄ってくる。残り１ハロンでは、クリスワールドにシゲルシュサが首差まで並んで来て、もうここまでかと思われたが、クリスワールドは渋太く踏ん張っている。５番手ヴィクタシアが、クリスワールドに１馬身半差まで迫っている。ラスト100ｍで、先頭ゴーイングパワーは３馬身半リードで逃げ切り態勢。ヴィクタシアが脚を伸ばして、クリスワールドはラスト70ｍでかわされてしまう。それでもシゲルシュサに競り勝って３着は確保かと思われたが、、ヴィクタシアと同じような脚で伸びて来たフレンチトーストに、ゴール寸前で外から首差かわされて４着でのゴール。大外から最後に追い込んだジャマイカジョーは首差しのいだ。まったくの人気薄だったクリスワールドだが、1000万クラスでは通用しないとの下馬評を覆し、もうあとほんのひと息で３着もあったかという好走。しかも、１ハロン長いと思われたこの距離で上位に踏ん張ったのは、この馬のスタミナ強化の証し。鞍上の太宰騎手は、「ラスト50ｍで甘くなってしまったけど、いいスピードを持っています。平坦コースはいいですね。」とコメント。スタミナを増した今なら、1000万クラスでの活躍を今後も期待していいはずだ。

●前走京都の平場戦で４着に粘って見せたクリスワールド。しかも、もう少しで３着もあった内容で、1000万クラス昇級２戦目でメドを立てた。当初は1000万クラスで苦戦が予想されたが、ここにきてスタミナが強化されてきた。以前は1200ｍでも１ハロン長かったが、今では踏ん張りが最後まで利くようになっている。今回は準オープンからの降級組も加わるが、上位争いを期待。１番人気は、準オープンで近５走で２着３回のアメージングタクトで単勝2.2倍。1000万クラスなら当然首位争い。２番人気は、1000万下平場戦を優勝した後、前走準オープンでは９着だったメイショウロフウで単勝2.8倍。９着とは言え、４着馬から0.2秒差と大きく負けていない。1000万クラスでの力量上位は明らか。クリスワールドは、単勝101.5倍の１２番人気と評価は低い。先行タイプだけに、この外枠も割り引き材料。まだ信頼を得ていないが、今回も好走できれば、大きな自信を得られるはずだ。

　 レースでは、クリスワールドはスタートは五分に出て、外枠から押して好位の争い。エイシンゴージャスが先頭に出て、半馬身差で内にメイショウロフウ。その後ろは２馬身差で３番手グループが固まっているが、大外クリスワールドが僅かに出ている。中半馬身差でキタサンウンリューはムチが飛んでいる。３角では、今度はメイショウロフウが先頭に立って、半馬身差でエイシンゴージャスが２番手。２馬身1/4差と少し開いてクリスワールドが３番手だが、内からキタサンウンリューがかわして押し上げる。３〜４角の中間では、短距離戦にしては縦長の展開となっている。先頭メイショウロフウは２馬身半とリードを開く。２番手エイシンゴージャスに差のない位置に、キタサンウンリュー，クリスワールドの２頭が接近。その後ろはまた３馬身と開いている。４角では、キタサンウンリューはやや苦しくなって、エイシンゴージャス，クリスワールドが先頭に接近し、クリスワールドは先頭に3/4馬身差の大外３番手。人気のアメージングタクトは、更に２馬身半後ろの５番手で直線へ。

　 直線に向くと、メイショウロフウ，エイシンゴージャス，クリスワールドの３頭ほぼ並んでの争いから、エイシンゴージャスが3/4馬身出て先頭。残り250ｍで、メイショウロフウ，クリスワールドの２番手争いに、２馬身半後ろからアメージングタクトが急追してくる。ラスト150ｍでは２馬身1/4差抜けたエイシンゴージャス。クリスワールドが単独２番手に上がって粘っているが、１馬身1/4差まで迫るアメージングタクト。クリスワールドも少し甘くなって、ラスト80ｍでアメージングタクトにあっさりかわされて３番手。それでも３着には粘り込めそうな態勢。最後はヒラボクダッシュ，つれてカリスマサンスカイの２頭が差を詰めてきたが、クリスワールドはこれを3/4馬身差しのいで３着確保のゴール。前走でも見せ場があったが、更にメンバーが強くなった今回もこれだけ走れれば、これはもう本物と言っていい。鞍上の鮫島良騎手は、「具合がいいのもあるでしょうが、よく頑張っていましたよ。京都から阪神に替わってどうかと思っていましたが、今日ぐらい走れればそのうちチャンスがあるでしょう。」とコメント。1000万クラスの勝利まで見えてきた。

●前走の宝塚市制６０周年記念で３着と好走したクリスワールド。２戦連続で上位に食い込んだことで、この馬への信頼度は一気に高まった。今回は距離短縮の1000ｍ戦で、更にチャンスが広がるはず。１番人気は、前走降級した500万下平場戦を順当に勝ち上がって来たリベルタドーレスで単勝2.8倍。前々走1000万特別で４着としているように、1000万クラスでも勝ち負けできる力がある。クリスワールドが、単勝4.9倍の２番人気。３番人気は、準オープン昇級後２戦を大敗して降級してきたシャッセロールで単勝6.1倍。３走前に現級勝ちしている力はやはり侮れない。今回は４カ月半間隔を開けて立て直してきた。今回はメンバー的に見ても、クリスワールドにもチャンス十分。是非とも1000万クラスでの勝利を勝ち取りたい。

　 レースでは、クリスワールドはスタートは五分に出るが、いつものこの馬のダッシュ力からすると物足りない感じ。外からビナスイートが好発を決めて先頭に立って、すぐに１馬身半のリード。内からクリスワールドが徐々に押し上げて２番手。半馬身差でスズノオオタカ，リベルタドーレスの２頭が続き、以下も１馬身差で固まって続いている。３角では、今度はスズノオオタカが２番手に上がって、先頭に3/4馬身差。半馬身差で内クリスワールド，外リベルタドーレスの３番手争い。このあたり、クリスワールドは前がやや壁になってタメている感じ。３〜４角の中間では、先頭ビナスイートがスピードに任せて、リードを１馬身半とじわっと開きにかかる。クリスワールドが持ったままで２番手に上がって来る。４角では、クリスワールドは先頭に１馬身差に取り付いて２番手。２馬身と開いてリベルタドーレスが３番手，半馬身差で内にスズノオオタカ。その後ろは更に２馬身1/4差とまた開いて、上位４頭までが争覇圏内という態勢で直線へ。

　 直線に向くと、先頭ビナスイートの逃げ脚は衰えず、ここから突き放しにかかって、残り１ハロンでは１馬身半のリード。２番手からクリスワールドが懸命に追って来るが、前との差を詰められない。ラスト150ｍでは、その後ろ３番手のリベルタドーレスは、更に３馬身半と差が開いている。上位２頭は早々と完全に態勢が決して、クリスワールドはそのまま２着でのゴール。優勝したビナスイートとの差は２馬身半。３着のリベルタドーレスには、最後は５馬身もの差をつけていた。今回に関しては、ビナスイートの勝ち時計は出色のもので、相手が悪かったとしか言いようがない。伏兵の予想外の激走だった。それでも、クリスワールドも３着以下を大きく引き離したように、1000万クラスでの勝利はもう手の届くところにある。鞍上の菱田騎手は、「絶好の手応えでしたし、形は良かったんですけどね。時計も速いし、相手が悪いですよ。でも後ろは離しているし、この馬もしっかりと走ってくれました。」とコメント。次走も大いに期待していいはずだ。

●前走の噴火湾特別では２着だったクリスワールド。勝ち馬が強過ぎた印象で、むしろ３着以下に５馬身もの差をつけた内容は評価が高い。今回はメンバー的にもそれほど強力ではなく、単勝1.6倍の圧倒的１番人気に支持される。２番人気は、近３走500万下平場戦を１着，４着，１着としているベルラインで単勝5.6倍。500万クラスでは断然力量上位を示しているが、今回は昇級戦となる。３番人気は、近４走特別戦で３〜４着が３回と安定して上位争いをしているヒラボクダッシュで単勝8.8倍。前々走の宝塚市政６０周年記念では、３着のクリスワールドに3/4馬身差の競馬をしている。クリスワールドにとって、1000ｍ戦のここは持ち味を存分に生かせる舞台。今度こそ勝利を決めたいところだ。

　 レースでは、クリスワールドは一番の好スタートを決めてすっと先頭。スタートから100ｍの地点では3/4馬身リード，内から押してヤマノグラスが２番手。１馬身半差でスーパースターなど３頭の３番手争い。先頭クリスワールドは１馬身半リードで軽快に逃げているが、３角過ぎではヤマノグラス，トーセンプリモの２頭が１馬身差に接近。３〜４角の中間では、ヤマノグラスが単独２番手で、先頭までは3/4馬身差。これに半馬身差で外トーセンプリモが３番手で、以下は２馬身半と開いている。４角では、先頭クリスワールドに、ヤマノグラスが半馬身差まで詰めてくる。３番手トーセンプリモは２馬身1/4差遅れを取って、以下もややバラけた展開で、前の２頭の勝負の形になって直線へ。

　 直線に向くと、先頭クリスワールドが二の脚を使って、残り１ハロンでは１馬身1/4差と２番手ヤマノグラスを突き放す。３番手以降からも、なかなか差を詰めてくる馬はいない。ラスト100ｍでクリスワールドは２馬身リードで楽勝態勢。２番手ヤマノグラスに、３馬身後ろからデリケートアーチなどが突っ込んで来たが、優勝争いからは完全に圏外。最後までスピードの衰えなかったクリスワールドが、そのまま２馬身半差をつけて完勝のゴール。ここではさすがにスピードが違った印象で、これで1000万クラスも勝ち上がった。鞍上の古川吉騎手は、「とにかくスタートが速かったね。あれでもう決まったようなものだった。この距離もベストだね。」とコメント。昇級後は準オープンで更に相手が強くなるが、今の充実ぶりなら好勝負は可能だ。

●新馬デビュー戦で４着と上位に食い込んだコウザンバニー。それでも、「１勝」を挙げるには、まだパワーアップが必要との印象はあった。そしてその後の２戦は９着，７着。大きくは負けていないものの、やはりパンチ力がやや足りなかっただけに、デビュー４戦目の今回は、上積みを見せてほしい。１番人気は、芝では苦戦を続けたものの、ダートに替わってから２戦連続４着と上位争いをしているサビーナクレスタで単勝3.7倍。２番人気は、前走５着のレモンティーで単勝5.3倍。コウザンバニーは、単勝9.7倍の６番人気。メンバー的にはそれほどレベルは高くないだけに、コウザンバニーも十分見せ場を作れる一戦だ。

　レースでは、コウザンバニーは外からスタートも良く、手綱を押して好位の争いの一角。スタートから１ハロンの地点でもウインネオルーラー，サウスセレクトなど４頭広がった先頭争い。その１馬身後ろの５番手争いにコウザンバニーで、３角では単独５番手で先頭まで２馬身差だが、３角過ぎでは５番手争いが固まってくる。３〜４角の中間では、ニーチェが手応えよく先頭で、半馬身外ウインネオルーラーが２番手。１馬身半後ろにシゲルオワリ，レモンティーの３番手争い。４角では、これに3/4馬身差で外サウスセレクトなど２頭。その２馬身後ろでコウザンバニーは７番手。このあたりで、ウインネオルーラーが僅かに先頭に出て直線へ。

　直線に向くと、先頭ウインネオルーラーに、外から半馬身差で追ってくるレモンティー。残り１ハロンでは、前２頭の叩き合いの態勢。更に１馬身半差で外からサウスセレクトが３番手。半馬身差でニーチェ，シゲルオワリの２頭が４番手争いで踏ん張っているが、これに3/4馬身差でイロリ，更に１馬身差でコウザンバニーが７番手争いから前を追う。ラスト100ｍでも、先頭２頭が一歩も譲らない叩き合いが続くが、コウザンバニーもじわじわ伸びて、先頭から３馬身半差の５番手争いまで上がって来ている。この時点で、内々４番手のシゲルオワリまで２馬身差。５番手争いからサビーナクレスタが抜けて単独５番手で、コウザンバニーは６番手で掲示板までは厳しいかと思われたが、最後まで渋太く脚を伸ばして、ゴール寸前でシゲルオワリをぎりぎり鼻差捉えて５着確保のゴール。優勝争いは、最後４頭接戦の勝負となったが、先に抜け出したウインネオルーラーが何とか凌ぎ切って初勝利を手にした。５着止まりだったコウザンバニーだが、最後までバテずに頑張りを見せた点は評価できる。鞍上の酒井騎手は、「調教の雰囲気が良くなっていましたし、外ワクでも置かれずに済みました。最後まで渋太く脚を使ってくれましたし、内目のワクならもっと際どかったと思います。」とコメント。今回はメンバー的にはやや軽かっただけに何とも言えないが、こういう渋太さを生かしていければ、もっと上位に迫るシーンがあってもおかしくない。

●２歳１０月、新潟の新馬デビュー戦を見事に快勝したサフランスカイ。その後は５か月レース間隔が開き、小倉の特別戦７着，出走取消を挟んで、阪神の平場戦１０着としてきた。ここまでは順調に使えていなかったが、今回は初めて順調な過程で臨めるだけに、上位争いを期待したい。１番人気は、デビューから２着，２着，１着として未勝利を勝ち上がった後、前走のＧ３フラワーＣでは９着だったリーサルウェポンで単勝2.7倍。ディープインパクト産駒の期待馬で、自己条件なら当然首位争い。２番人気は、前走の平場戦で半馬身差の２着だったコスモエルデストで単勝3.8倍。３走前の特別戦でも勝ち馬から3/4馬身差の４着と上位争いをしており、その時の勝ち馬がＧ１朝日杯フューチュリティＳで４着となっている比較から言っても、能力は高いものがあるはず。サフランスカイは、単勝10.7倍の５番人気。500万クラスではまだ結果を出せていないが、今回はしっかりメドを立てる走りを見せてくれるはずだ。

　レースでは、サフランスカイは好スタートで、先行グループに取り付く。ダイワジャストが先頭に出て来て、半馬身差で外サフランスカイが２番手。これに１馬身差でシャインシュラークなど。人気のリーサルウェポンは、先頭から６〜７馬身差の後方の内。３角でも、サフランスカイは１馬身差の２番手をキープする。３〜４角の中間でも隊列に変動はなく、平均ペースで流れている。４角では、先頭ダイワジャストに外からサフランスカイが並びかける。１馬身差でシャインシュラークだが、まったくの一団に。リーサルウェポンはまだ後方だが、先頭から３馬身半差の射程圏内で直線へ。

　直線に向くと、内のダイワジャストが首ほどリード。外のサフランスカイも先頭争い。１馬身くらいの差で３番手争いは横に広がってくるが、その中からじわじわコスモエルデストが伸びてくる。残り１ハロンでは、粘るダイワジャストが3/4馬身リード。サフランスカイが２番手で、3/4馬身差でウインイルソーレ，コスモエルデストの３番手争い。その１馬身1/4差後ろからリーサルウェポンが突っ込んでくる。ラスト150ｍを切ったところで、コスモエルデストがサフランスカイをかわして２番手に上がると、ラスト100ｍを切ったところで今度は先頭。しかしすぐさま外からリーサルウェポンが差し込んで、最後はリーサルウェポンが半馬身出て優勝。サフランスカイは、ラスト100ｍでの３番手ダイワジャストとの半馬身差を、最後は首差まで詰めたが４着でのゴール。ゴール寸前で大外から突っ込んだトルセドールは頭差しのいだ。直線ではこの馬なりに踏ん張っていたサフランスカイだが、勝ち切るまでにはまだパンチ力を欠く印象も。しかしながら、今回の走りは、500万クラスでの活躍にしっかりメドを立てるもの。鞍上の岩田騎手は、「スタートも良く、好位でスムーズにレースができたんですけどね。追ってからの反応がジリジリでした。」とコメント。確かに伸び切れない感じはあったが、今後も上位争いが期待できそうだ。

●500万クラス３戦目の平場戦で４着と上位争いをしたサフランスカイ。これでメドは立ったと確信したが、続く新潟のはやぶさ賞では、１番人気に支持されたものの１２着の大敗。1000ｍの直線競馬が合わなかった印象もあるだけに、今回は巻き返したい。１番人気は、４月の遅いデビューとなったが、２戦目の未勝利戦を２馬身差楽勝してきたキングナポレオンで単勝2.8倍。２番人気は、福島の特別戦，京都の平場戦と連続２着としているクリノコマチで単勝3.5倍。オープンの福島２歳Ｓでも５着に食い込んでいる。サフランスカイは、単勝46.9倍の１０番人気。前走の１番人気から人気急降下だが、実力さえ出せれば好勝負可能なはずだ。

　レースでは、サフランスカイはまずまずの好スタートを決めて、無理なく好位に取り付いて行く。ぐいぐい手綱をしごいてインヴォーグが先頭。スタートから１ハロンの地点で、外からフルールシチーも先頭に並んでくる。更に半馬身差で外ダイヤモンドハイが３番手。サフランスカイは、先頭から３馬身半差の６番手争い。その２馬身半後ろの中位に人気薄カシノタロン，更に２馬身半後ろに人気のキングナポレオンの態勢。３角では、サフランスカイは依然６番手争いで、先頭までは５馬身の差。３〜４角の中間でも、先頭争いはインヴォーグ，フルールシチーの２頭で、以下の隊列も大きく変わっていない。サフランスカイはじっと脚を温存している。このあたりで前の方は固まってくる。４角では、サフランスカイは５，６番手争いで、外に持ち出して先頭までは２馬身半差。その１馬身1/4差後ろにカシノタロンが取り付いて直線へ。

　直線に向くと、フルールシチーが先頭に出るが、残り250ｍで外からクリノコマチがかわしにかかる。しかしながら、横に広がっての激戦の様相。サフランスカイも脚を伸ばし、先頭まで１馬身差の３番手争いから、残り１ハロンを切って先頭フルールシチーに並びかける。しかしながら、そこへ更に外からカシノタロンが一気に襲いかかる。ラスト120ｍで、カシノタロンが抜け出して先頭。ラスト100ｍでサフランスカイが単独２番手かというところ、内目からトウシンムサシが並んできての叩き合い。サフランスカイは、並ばれてからもうひと伸びして、トウシンムサシを首差抑えて２着確保のゴール。最後の最後で大外プライマリーコードが追い込んだが、２着争いに食い込んだまでで４着。前走人気を裏切って大敗したサフランスカイだが、条件が合えばこれくらい走れて当然。鞍上の北村友騎手は、「道中リズム良く運べました。終いにもうひと押し利けば良かったんですが、最後まで頑張って走ってくれています。」とコメント。500万クラスを勝ち上がれるだけの能力は証明された。

●前走３歳５００万下平場戦で２着だったサフランスカイ。前々走の大敗から巻き返して、力のあることを改めて示して見せた。今回は古馬相手のレースとなるが、決して遜色はないはず。１番人気は、園田競馬から中央に再転入し、着順を上げながら転入３戦目で勝利を挙げたフギンで単勝2.3倍。勝ってなお同条件でのレース。以下は人気も拮抗して混戦模様。２番人気は、前走初めての古馬相手の特別戦で５着と上位争いをしたトウシンムサシで単勝7.7倍。前々走の３歳500万下平場戦では、２着のサフランスカイに首差の３着という競馬をしている。サフランスカイは、単勝8.8倍の５番人気。トウシンムサシとの比較から言っても、上位争いは十分可能だ。

　 レースでは、サフランスカイはスタートが若干甘く、中位から。それでもここから盛り返して、スタートから100ｍの地点では４番手に近い位置に。人気のフギンが先頭に立って、２馬身差でバルタザールが２番手だが、外からタイセイゼニスがかわして押し上げて、先頭に3/4馬身差に取り付く。２馬身差でバルタザールが３番手，3/4馬身差でフルールシチーが４番手。サフランスカイはその３馬身後ろで、このあたりは中団やや後ろの外目に下げている。３角では、サフランスカイは先頭から１０馬身近い位置だが、３〜４角の中間から、少し気合をつけて差を詰めにかかる。先頭は依然としてフギン，3/4馬身差でタイセイゼニスが２番手。４角では、２馬身差でフルールシチーが３番手，１馬身差でチェネレントラの順。サフランスカイは、先頭から５馬身差の中団大外で直線へ。

　 直線に向くと、フギンが余力十分の手応えで先頭。残り250ｍでは１馬身半とリードを開きにかかるが、今度はフルールシチーがタイセイゼニスをかわして２番手に上がって前を追う。その２馬身後ろの４番手にチェネレントラ。サフランスカイもじわじわ伸びて、残り１ハロンでチェネレントラをかわして４番手に押し上げる。ラスト150ｍでは、フギンが先頭，１馬身半差でフルールシチー，１馬身3/4差でタイセイゼニス，１馬身差でサフランスカイの順。その１馬身外からトウシンムサシが差し込んでくる。ラスト100ｍで、サフランスカイはタイセイゼニスをかわして３番手に上がるが、前の馬までは３馬身差があって届きそうにない。ゴール前でフルールシチーが先頭に詰め寄ったが、フギンは首差しのぎ切って優勝。サフランスカイは、トウシンムサシに詰め寄られることなく３着確保のゴール。勝ち負けまでは持ち込めなかったが、古馬相手でも上位争いできる力を示してくれた。鞍上の松若騎手は、「外目でスムーズなレースができました。しっかり伸びてくれましたが、前の２頭が止まりませんでしたね。でも、チャンスのある馬だと思います。」とコメント。500万クラスを勝ち上がるのも遠くはないはずだ。

●６月の阪神、古馬初対戦の500万下平場戦で３着と上位食い込みを果たしたサフランスカイ。続く小倉の平場戦は１番人気で７着とひと息伸びを欠き、続く前走はダートの平場戦で１２着惨敗。明らかにダート不向きの走りだっただけに、前走の敗戦は度外視できる。今回は穴馬評価に留まっているが、互角の勝負ができる力は既に証明されている。１番人気は、500万クラスに降級後５戦して入着４回のダノンルージュで単勝3.0倍。２番人気は、苦戦続きからここ２戦４着，３着と変わり身を見せて好走しているダンツキャノンで単勝5.9倍。サフランスカイは、単勝10.3倍の５番人気。展開次第で十分逆転可能な混戦模様の一戦。サフランスカイの勝負根性に期待したい。

　レースでは、サフランスカイはスタートは五分に出て、好位グループに取り付く。フラワーハートが先頭に立って、3/4馬身差でスピリットレイク，サクラヴィオーレの２頭。これに3/4馬身差で内シーロアが４番手。３角では、これに１馬身差で固まった５番手争いの一角にサフランスカイの態勢。３〜４角の中間では、前の方は一団となって、サフランスカイは先頭から２馬身差の位置。４角では、先頭は依然としてフラワーハート，半馬身差でサクラヴィオーレが２番手。その１馬身後ろの３番手にサフランスカイがじわっと押し上げるが、以下も差なく固まって続いて直線へ。

　 直線に向くと、残り300ｍを切って、先頭はフラワーハート，サクラヴィオーレの２頭が並んでくる。１馬身1/4差でサフランスカイが僅かに３番手か。ここからサクラヴィオーレが単独先頭に立って、残り１ハロンでは3/4馬身リード。２番手フラワーハートは失速気味。サフランスカイは先頭から２馬身差の３番手，内差なくシーロア。しかしながら、外からダノンルージュ，ダイヤモンドハイの２頭がぐんぐん伸びて、ラスト100ｍを切ってサフランスカイを抜き去って行く。つれて伸びてきたのがダンツキャノン。このあたりは固まって大混戦。サフランスカイもそれほど差のない位置で踏ん張っていたが、ゴール寸前でダンツキャノンに首差かわされて５着でのゴール。内側からじわじわスピリットレイクも差を詰めて来ていたが、半馬身差まで詰め寄ったところで脚色が同じになった。１着〜５着サフランスカイまで着差が全部首差で、サフランスカイも勝ち馬から１馬身差とそれほど負けていなかっただけに、もうあとひと踏ん張りあればという内容ではあった。鞍上の酒井騎手は、「スタートが良くていいポジションが取れました。最後は少しジリジリの感じになりましたが、久々が影響したと思います。間違いなく芝向きですよ。」とコメント。改めて力のあるところは示してくれただけに、今後もチャンスは十分あるはずだ。

●コンスタントに活躍馬を輩出しているヨドノサフランの系統のサフランスター。父サクラバクシンオー譲りのスピードで、デビュー戦から期待がかかる。１番人気は、トワイニング産駒のセカンドテーブルで単勝1.8倍。減量騎手を起用してデビュー勝ちを狙っている。２番人気は、シンボリクリスエス産駒のペプチドアルマで単勝2.9倍。サフランスターは、単勝7.0倍の３番人気。上位人気２頭から人気では一歩遅れを取っているが、スピードではヒケを取らないはずだ。

　レースでは、サフランスターはスタートは五分に出るが、テルヌーヴの方がスタートは速い。それでもサフランスターは内から加速して先手を取って、スタートから150ｍの地点で半馬身のリード。人気のセカンドテーブルがすっと２番手，3/4馬身差で外セングウの順。先頭サフランスターは１馬身リードから、３角過ぎでは１馬身半のリードとなるが、セカンドテーブルは手応え十分に２番手をぴったり追走。３〜４角の中間では、１馬身3/4差でペプチドアルマ，外首差でビップチャーチャンの３番手争い。４角では、先頭サフランスターに外からセカンドテーブルが並びかけて、３番手以下には２馬身半の差をつけて直線へ。

　 直線に向くと、サフランスター，セカンドテーブルの先頭争いから、外のセカンドテーブルがあっさり先頭に抜け出して、残り１ハロンでは１馬身1/4差のリード。サフランスターも決して止まってはいないが、ラスト100ｍでは２馬身半と更に差が開いて勝負は決する。それでも３番手ペプチドアルマには２馬身半差があり、ここからペプチドアルマが少し差を詰めたものの、危なげなく１馬身半差を保って２着でゴール。優勝したセカンドテーブルには、最後は５馬身もの差をつけられてしまったものの、スピードを発揮してくれたサフランスター。期待通りの走りを見せてくれた。安定して走れそうなタイプで、初勝利の時もそう遠くないかも。鞍上の川須騎手は、「枠も良かったので、スンナリなら行こうと考えていました。いいレースができましたが、４角での勝ち馬との手応えが違い過ぎました。かわされてからもよく踏ん張っているんですけどね。」とコメント。引き続き期待をかけたい。

●小倉の新馬デビュー戦では勝ち馬から５馬身差があったものの２着と好走したサフランスター。勝ち馬のセカンドテーブルは、この後Ｇ２京王杯２歳Ｓを優勝するほどの実力馬だっただけに致し方なかった。サフランスターにとっては相手が悪かっただけに、今回は勝利を狙っていく。１番人気は、デビューからの全４戦を３着〜５着と大崩れのないナムラマミーで単勝3.2倍。サフランスターは、オッズは差がなく単勝3.5倍。３番人気は、新馬デビュー戦ではサフランスターに１馬身半差の３着だったペプチドアルマで単勝6.4倍。サフランスターが十分勝利を狙えるメンバーで、期待は大きく高まる。

　レースでは、サフランスターは五分のスタート。グッドピアス，クリノスーアンコー，ペプチドアルマ，サフランスターの４頭の先頭争い。１馬身差でカシノサクセス，ナムラマミーの２頭が続く。先頭争いからクリノスーアンコーが１馬身抜け出る。サフランスターは、手綱を抑えて３番手となるが、馬は行きたがって引っ掛かった形に。３角手前では、先頭はクリノスーアンコー，半馬身差でペプチドアルマ，首差で外サフランスターが３番手の態勢。３角では、前の３頭が１馬身間隔となり、３番手サフランスターの内からグッドピアスが並んでくる。３〜４角の中間では、サフランスターが外からじわっと押し上げる。１馬身直後の外に人気のナムラマミーが取り付いている。４角では、先頭は依然としてクリノスーアンコー，3/4馬身差でペプチドアルマ。その外首差まで並んできたサフランスターが３番手。首差で内ラチ沿いにグッドピアス，これに半馬身差で大外ナムラマミーの態勢で直線へ。

　直線に向くと、３番手サフランスターを、すぐに外からナムラマミーがかわしにかかる。先頭クリノスーアンコーは、後続を突き放しにかかって残り１ハロンで２馬身リード。２番手にナムラマミー，半馬身差でサフランスターは３番手だが、ほとんど差のないところでペプチドアルマ，グッドピアスなども食い下がっている。ラスト100ｍで、先頭クリノスーアンコーは２馬身半リードで楽勝態勢。３番手で粘るサフランスターだが、内からグッドピアスが盛り返してくる。更に間から半馬身差でシゲルカゼノボンもグイグイ伸びる。サフランスターは粘りを発揮できず、ラスト70ｍでシゲルカゼノボン，グッドピアスの２頭にかわされて５着でゴール。５着以降も差はなかったが、掲示板は何とか死守した。期待ほどは走れなかったサフランスターだが、一応能力は見せてはくれていた。今後レースを使われての成長に期待したい。なお、優勝したクリノスーアンコーのセルビアのペロヴィッチ騎手は、これが来日初勝利で、「初勝利を挙げることが出来てとても嬉しいです。日本の競馬は世界で最も素晴らしいので、是非チャレンジしたいと思っていました。この素晴らしい競馬場で実際に素敵なレースが出来て最高の気分です。」と喜びを表現した。

●姉にＧ２阪神牝馬Ｓ４着などの活躍をしたサワヤカラスカルなどがいるサワヤカムスメのデビュー戦。新馬でいきなりというタイプではないが、素質のあるところを見せてほしい。１番人気は、キングヘイロー産駒のスルターナで単勝2.7倍。母ラヴァーズレーンは、ＪＲＡ５勝を挙げた馬。２番人気は、フレンチデピュティ産駒のタケデンアイガーで単勝4.0倍。サワヤカムスメは、単勝18.0倍の６番人気。伏兵評価ではあるが、好勝負を期待したい。

　 レースでは、サワヤカムスメは出遅れではないが、スタートはひと息の感じ。外枠から押して行くが、中団あたりから。４頭広がった先頭争いから、スルターナが出てきて先頭。3/4馬身差でタケデンタイガーが２番手，半馬身差でシーユーアゲン，ヘッドドレスの２頭。サワヤカムスメは、先頭から６馬身差の中団やや後ろの外を追走するが、３角から大外をスーッと進出して行く。３〜４角の中間では、サワヤカムスメは先頭から４馬身差の５番手争い。４角でも、先頭スルターナは手応え良く先頭。3/4馬身差の２番手タケデンタイガーは少し手が動く。3/4馬身差で外ヘッドドレス，半馬身内にシーユーアゲン。これに１馬身差で大外サワヤカムスメは５番手で、先頭までは３馬身差の位置で直線へ。

　 直線に向くと、先頭スルターナの逃げ脚は衰えず、残り１ハロンでも１馬身リード。タケデンタイガーが２番手で、その後ろは１馬身半と少し差が広がって、シーユーアゲン，ヘッドドレスの３番手争い。その3/4馬身外から追ってくるサワヤカムスメ。３着争いに加わりかけたサワヤカムスメだったが、シーユーアゲンには突き放されてしまう。それでも、４番手ヘッドドレスにじわじわ詰め寄ったが、ひと息伸び切れずに首差まで迫ったところがゴールで５着入線。見せ場がなかった訳ではなかったが、最後はややパンチ力を欠いた印象。鞍上の松岡騎手は、「行き出してからが良かったですし、センスを感じる内容でした。スタッフの方からもまだできていないと聞いていましたし、これからもっと良くなってきそうですね。」とコメント。元々晩成血統の馬だけに、デビュー戦でこれだけ走れればまずは及第点か。この先の成長に期待したい。

●前年１２月の中山の1000万下平場戦を、１番人気で２馬身半差楽勝を演じたサンマルデューク。その勝ちっぷりの良さもあり、準オープンに昇級してからの活躍も期待された。しかしながら、準オープンでは１０着，１０着，１２着，９着と着外続き。夏場は休養で立て直しが図られたが、秋２戦もともに１３着の惨敗で、ここまでまったく見せ場を作れていない。今回は関西に遠征しての一戦だが、現状では苦戦を覚悟しなければならない。１番人気は、前走1000万特別を１番人気で優勝して昇級してきたグレナディアーズで単勝2.8倍。まだキャリア６戦の馬で、ダートでは 2-0-2-0 と崩れたことがない。２番人気は、近２戦を５着，３着としているマイネルクロップで単勝4.1倍。特に前走は鼻，首差の惜敗だった。５走前に既に準オープンを勝っているように、ここでは格上の存在でもある。サンマルデュークは、単勝311.5倍の最下位１６番人気。断然人気のない存在だが、５３kgのハンデに魅力もある。精神的な弱さもある馬だけに、逆に本気になりさえすれば、あっと驚かせるシーンを演出する可能性もないとは言えない。

　レースでは、サンマルデュークはスタートを五分に近い感じで出たが、手綱を押して行くもののいつものように後方から。メイショウワコンが先頭に立って、半馬身差で外ダイヤノゲンセキ。その後ろは１馬身差で人気のグレナディアーズなどが広がっている。サンマルデュークは後方３頭目の位置で、先頭までは６馬身差。１〜２角で、３番手争いはスズカヴィグラス，ダヴィンチバローズの２頭となる。向正面で、１馬身半差でスピナッチ，その半馬身外に少し控えたグレナディアーズ。マイネルクロップはその１馬身直後。サンマルデュークは、更に５馬身後ろの後方３，４頭目で、内々でじっくり構えている。隊列は落ち着いて、３角ではサンマルデュークは先頭から７馬身差で、内々を悪くない手応えでじわっと進出。３〜４角の中間でも、メイショウワコンが依然先頭で、半馬身差でダイヤノゲンセキが２番手。半馬身差の大外３番手がダヴィンチバローズ。これに3/4馬身差でグレナディアーズは４番手争いから更に進出。サンマルデュークも内々を差を詰めてくる。４角では、グレナディアーズが大外から先頭に接近し、前４頭並んでの先頭争い。以下も差なく一団で、マイネルクロップは先頭から１馬身差で真ん中を突く構え。その１馬身後ろの中団後ろの位置にサンマルデュークだが、前に十分届く位置まで追い上げて直線へ。

　 直線に向くと、ダイヤノゲンセキが僅かに先頭に出るが、外からダヴィンチバローズ，グレナディアーズが並んでくる。残り250ｍでは、更に１馬身差の外からマイネルクロップが追って来る。これに3/4馬身差で馬群の中を突いて来たのがサンマルデューク。大激戦の様相となるが、残り１ハロンでグレナディアーズが僅かに先頭。これを追って、内側からサンマルデューク，外側からマイネルクロップが押し上げて、ラスト150ｍを切ったところでは、この２頭の２番手争いで先頭まで3/4馬身差。ここからググッと力強く伸びたのがサンマルデュークで、人気２頭を内側からスッと抜き去ってしまう。外からマイネルクロップが単独２番手から食い下がる構えを見せたが、サンマルデュークは危なげなく半馬身差を保って優勝のゴール。まったく人気がなかったが、あっと驚く激走に、ほとんどのファンが驚きを隠さなかった。ＷＩＮ５の馬券も、そのほとんどを一瞬にして紙屑に変えた。鞍上の岡田祥騎手は、「先週、東京戦を除外されたけど、いい状態だと聞いていました。ラストの脚を生かす競馬をしたが、道中は楽に追走できて、余裕がありましたね。直線ゴチャついたところを割って伸びてきたように、器用さがありますね。」とコメント。軽ハンデも味方したが、そもそもこれまでの惨敗がこの馬本来の姿ではなかった。これでオープンにまで昇級するとかなり厳しいが、今の勢いに乗って更に前進してほしい。

●準オープンの花園Ｓで、最低人気ながらあっと驚く激走で勝利を飾ったサンマルデューク。今回はオープンに昇級しての一戦となるが、前走がフロック視されている面もあって人気は低い。１番人気は、近３走オープン特別を４着，２着，７着としているマスクトヒーローで単勝2.4倍。２番人気は、準オープンを勝ち上がって前走Ｇ３武蔵野Ｓでも５着と好走したフィールザスマートで単勝4.0倍。統一Ｇ１ジャパンダートダービー３着という実績も持つ。サンマルデュークは、単勝48.9倍の１１番人気。前走の評価が低く、加えて昇級戦とあって人気はないが、ハンデ戦で斤量は恵まれている。前走勝利の勢いに乗って、何とか上位に食い込みたい。

　 レースでは、サンマルデュークは若干立ち遅れ。手綱を押して行くが後方からの競馬。内ラチ沿いをスッとノースショアビーチが先頭。１馬身半差でロングロウが２番手，半馬身差で大外マスクトヒーロー。サンマルデュークはそこから３馬身後ろの後方グループだが、少し仕掛けて中位あたりまで押し上げる。１〜２角で、先頭ノースショアビーチはリードを５馬身と開いていく。２番手ロングロウの後ろも８馬身と開いて、マスクトヒーローは３番手から。向正面に入って、１馬身半差で４番手争いは４頭が固まっているが、サンマルデュークもその一角で、この馬としてはかなり積極的な競馬。ここから大外カシュカシュが４番手となり、半馬身差でヒラボクマジック，サンマルデュークの５番手争い。３角では、先頭ノースショアビーチのリードは３馬身半，２番手ロングロウの後ろは９馬身の差がある。３番手は終始マスクトヒーローだが、ここから３番手以下が差を詰めにかかる。３角過ぎでサンマルデュークは少し後退加減になり、３〜４角の中間ではマスクトヒーローから３馬身半差の中団の位置。４角では、サンマルデュークはムチが入るが反応が悪く、後方４頭目まで順位を下げる苦しい競馬。先頭ノースショアビーチは２馬身半リードを保ち、２番手ロングロウにマスクトヒーローが一気に並んでくる。サンマルデュークは、更に５馬身後ろの後方真ん中で直線へ。

　 直線に向くと、マスクトヒーローが単独２番手からぐいぐい脚を伸ばし、残り１ハロンでは先頭ノースショアビーチに１馬身半差で、完全に捉える勢い。２馬身半後ろの３番手にフィールザスマートが上がってくる。ラスト150ｍで、サンマルデュークは更に３馬身後ろの９番手で、勝負どころでは後退気味だったが、ここからじわじわ盛り返して行く。ラスト100ｍでマスクトヒーローが先頭に立ち、首差でノースショアビーチが食い下がったが、最後はこれを１馬身半突き放して快勝。サンマルデュークは、ラスト100ｍで５番手のヒラボクマジックから２馬身差の９番手だったが、最後まで渋太くじわじわ差を詰めると、一杯になったロングロウをかわして８番手に上がり、３頭接戦の５着争いに3/4馬身差の８着でゴール。決して満足のいく着順ではないが、入着圏内からそれほど差はなく、オープンでもまったく歯が立たない訳ではなかった。そういう意味では、クラス慣れすれば上位食い込みの可能性もあるかも。ここにきて一段階パワーアップしているが、更にもうワンランクのパワーアップを期待したい。

●デビュー２戦目の前走では、前に行く競馬で３着と上位に食い込んだサンマルホウセキ。出遅れて直線だけで追い込んだデビュー戦と違って、正攻法の競馬ができたことは、この馬の器用さと柔軟性の証。もちろんここも勝利を狙う。１番人気は、デビューから３連続２着を続けているフライングスキップで単勝2.6倍。前走は３着のサンマルホウセキに１馬身1/4差先着している。兄マルカキセキは、Ｇ１スプリンターズＳ４着馬。２番人気は、デビューからの３戦を３着，２着，２着としているホクラニミサで単勝2.7倍。サンマルホウセキは、単勝14.4倍の５番人気。なかなかレベルの高い一戦だけに一筋縄ではいかないが、勝利のチャンスは十分にあるはずだ。

　レースでは、内ラチ沿いサンマルホウセキは、スタートで１馬身立ち遅れ。どうもスタートがもうひとつ巧くない。まずタカラジェニファが先頭に立って１馬身半のリード。しかし内からコスモナーダムが果敢に行ってかわして先頭。ホクラニミサは、先頭から３馬身差の４番手。後方から徐々に押し上げたサンマルホウセキが、その１馬身半後ろに取り付いてきて、ダークダイナミックなどと並ぶ形。隊列は固まって変動なくレースは進み、３角ではサンマルホウセキは先頭まで５馬身差。先頭コスモナーダムのリードは１馬身半。３〜４角の中間でも、サンマルホウセキは内ラチ沿いをじっくり構えている。４角にかけてじわっと馬群が詰まってくると、先頭コスモナーダムに、3/4馬身差でタカラジェニファが２番手。3/4馬身差でマイネルシェルト，ホクラニミサの２頭。その１馬身後ろの５番手争いにサンマルホウセキが押し上げて直線へ。

　直線に向くと、サンマルホウセキは前が壁になっている感じで、外側に持ち出そうとしているが、外側にも馬がいてスッとは持ち出せない。残り400ｍで、今度はタカラジェニファ，ホクラニミサの先頭争い。サンマルホウセキは４番手で、残り350ｍでようやくホクラニミサの外側に進路を確保し、ここから追い出しにかかる。残り１ハロンでは、ホクラニミサが先頭に出て、半馬身差で内タカラジェニファが２番手。更に3/4馬身差で外サンマルホウセキが３番手から追ってくる。その3/4馬身外からダークダイナミックも差して来る。ラスト150ｍで、サンマルホウセキが２番手に上がり、3/4馬身差で先頭ホクラニミサに追いすがる。サンマルホウセキもじわじわ伸びていたが、ラスト100ｍで半馬身差まで詰めたところで同じ脚色になってしまい、そのまま２着でのゴール。サンマルホウセキも力は見せていたが、あとひと息及ばず。着差を考えると、スタートで後手を踏んだことも痛かった。鞍上の四位騎手は、「スタートで内にヨレたけど、すぐにいい位置に取り付くことができた。追い出すとよく伸びたし、最後は勝ち馬も止まっていたが、この馬も体が浮いてきて伸び切れなかった。今日は落ち着いていたが、今後も落ち着きがカギになそう。」とコメント。安定感のある走りだっただけに、勝利の順番が巡ってくるのも遠くはないはずだ。

●前走の未勝利戦でも半馬身差の２着と好走したサンマルホウセキ。好位から安定感のある走りを見せており、今回も大崩れはないはず。当然勝ち負けの期待が高まる。１番人気は、デビューから３連続２着の後、前走では４着だったフライングスキップで単勝3.5倍。デビュー時からの期待馬ではあるが、前走はサンマルホウセキの方が１馬身3/4差先着している。２番人気は、デビューからの全３戦すべて僅差の２着としているアンジェリックで単勝3.9倍。この馬も未勝利を勝ち上がるのは、もう時間の問題。サンマルホウセキは、単勝4.8倍の３番人気。上位人気は拮抗しており、サンマルホウセキも当然争覇圏内。あとはこの馬の勝負根性に期待したい。

　レースでは、サンマルホウセキはそれほどいいスタートではなかったが、出遅れというほどではない。外からヤマニンキュルミネがすっと先頭に立って１馬身半のリード。２番手ナスタイザン，ドラゴンヘッドの間にサンマルホウセキが割って入ってくる。ここからドラゴンヘッドが２番手で、サンマルホウセキは３番手で、３角では先頭まで２馬身1/4差。その半馬身外にマイネルシェルト。３〜４角の中間でも、サンマルホウセキは持ったまま。前の方の隊列にはまったく動きはなく、淡々とレースは流れている。４角では、先頭ヤマニンキュルミネに、ドラゴンヘッドが半馬身差に接近。3/4馬身差で外マイネルシェルトが３番手。その半馬身内の４番手がサンマルホウセキ。人気のフライングスキップは、更に１馬身半後ろの中団真ん中。その１馬身半後ろにアンジェリックの態勢で直線へ。

　直線に向くと、サンマルホウセキは最内に入って追ってくる。ヤマニンキュルミネがもう一度１馬身1/4差リード。じわじわ伸びるサンマルホウセキが２番手争いに加わると、残り250ｍではヤマニンキュルミネまでかわして単独先頭の態勢。初勝利への期待が高まったが、半馬身差で内ナスタイザン，アースプレイの２頭も差して来る。ここからは、サンマルホウセキと、その内側首差でアースプレイの２頭の争いに。そして今度は、１馬身1/4差後ろの大外からアンジェリックの強襲。粘るサンマルホウセキに、アースプレイが首差，頭差と詰め寄るが、それでもサンマルホウセキが根性を発揮して踏ん張り切るかと思われたその瞬間、ゴール寸前で大外アンジェリックに首差かわされてサンマルホウセキは２着でのゴール。最後アースプレイが鼻差まで際どく詰め寄ったが、これは何とか凌いで見せた。今度こそ初勝利を手にできるかと思われたが、最後の最後でかわされたのは無念。鞍上の四位騎手は、「いいレースができたし、追い出しのタイミングもピッタリだと思いました。勝てたかなと思いましたが、決め手のある馬にかわされてしまって…。残念ですね。」とコメント。それでも、もう初勝利は時間の問題だ。

●東京の未勝利戦で連続２着としたサンマルホウセキ。もう初勝利は時間の問題かと思われたが、その後は中山戦で２番人気で７着。東京戦でも２番人気で９着と、この馬も本来の走りを見せられなかった。このまま停滞を続ける訳にはいかないだけに、今度こそ巻き返しを期す。１番人気は、全６戦で３着２回，４着２回のアンリキャトルで単勝4.6倍。２番人気は、デビュー４戦目の前走１１番人気で首差２着と大きな変わり身を見せてきたヤマニンマルキーザで単勝4.7倍。サンマルホウセキは、単勝6.8倍の４番人気。２着を続けた時の走りができるなら、当然勝機は十分だ。

　レースでは、サンマルホウセキは好発を決めて一瞬先頭に出るが、無理せず控える競馬。ラブシューぺが先頭に立って、１馬身差でヤマニンマルキーザが２番手だが、これに外から３頭が並んで来る。サンマルホウセキは中団後ろの位置まで下げて、先頭まで７馬身差の内々の位置。３角では、今度はトミケンファーマが先頭，3/4馬身差で外タケショウレーヴが２番手。３〜４角にかけて少し馬群が固まってくるが、依然中団後ろの内々サンマルホウセキは、先頭まで５〜６馬身差。４角では、今度はラブシューぺが僅かに先頭だが、ほぼ一団の態勢。中団内目のサンマルホウセキも、先頭まで３馬身差の射程圏内で直線へ。

　直線に向くと、サンマルホウセキは前が狭くなってすぐには追い出せなかったが、残り400ｍを切ったところで進路を確保し、ここから追い出しにかかる。残り300ｍでは激戦の様相で、外目サトノスティングが僅かに先頭だが、更には大外からコスモラパン。内からはヤマニンマルキーザ，サンマルホウセキも差して来て、この４頭の争い。ここから、残り250ｍを切ってサンマルホウセキが僅かに先頭。これに外から競りかけて来るコスモラパン。残り１ハロンを切ってからは、この２頭のマッチレース。ラスト150ｍを切って、１馬身半差でナスタイザンが３番手に上がったが、上位２頭との差は詰められない。前２頭の叩き合いから、ラスト70ｍでサンマルホウセキが僅かに競り勝つと、そのままコスモラパンを首差抑え切って優勝のゴール。ここ２戦はやや精彩を欠いていたが、今回はこの馬本来の走りを見せてくれた。鞍上の四位騎手は、「今日初めての芝のレースということもあって、内目の馬場もそんなに傷んでいなかったからね。ただ、それでも４角あたりではノメッていたが、よく頑張ってくれた。」とコメント。相手なりに走れそうなタイプだけに、復調した今なら、昇級後もいい勝負を期待していいかもしれない。

●前走の未勝利戦では巻き返しを見せて、接戦を制して優勝したサンマルホウセキ。馬自身も調子を上げているとともに成長しており、昇級緒戦のここでも期待をかけたい。１番人気は、近５走平場戦を２着，２着，２着、特別戦を５着、平場戦を３着と堅実なレースを続けているコスモエルデストで単勝3.6倍。２番人気は、1000万クラスから降級した前走平場戦で２番人気で３着だったテンシンランマンで単勝4.3倍。サンマルホウセキは、単勝23.0倍の１０番人気。人気は高くないものの、上昇カーブを描く現状なら、好勝負は可能だ。

　 レースでは、サンマルホウセキはスタートで少し立ち遅れて後方から。モエレベローチェが先頭に出てきて、半馬身差でアラカメジョウが２番手。１馬身差でテンシンランマン，ドリームマックスの３番手争いで、このあたりは固まっている。先頭から２馬身半差の５番手争いの馬群の中に人気のコスモエルデスト。ここから１馬身半差の中団内ラチ沿いにサンマルホウセキで、やや掛かり気味ながらも鞍上が宥めている。３角では、サンマルホウセキは先頭から４馬身差の内々で、完全に包まれた位置。３〜４角の中間でも、先頭は依然としてモエレベローチェ，3/4馬身差でアラカメジョウが２番手。４角では、１馬身差でボブキャット，テンシンランマンの３番手争い。その１馬身半後ろに、内々サンマルホウセキ，中にコスモエルデストの５番手争いで直線へ。

　 直線に向くと、サンマルホウセキは内から中に持ち出そうとするが、残り300ｍでは前にテンシンランマン，外にコスモエルデストがいて、外に出させてもらえずに狭いところで厳しい態勢に。しかしながら、残り250ｍでは狭いところをこじ開けて、モエレベローチェ，テンシンランマン，サンマルホウセキ，コスモエルデストの３番手争いで、先頭からもう差はない。ボブキャット，アラカメジョウの先頭争いとなっていたが、進路の開けたサンマルホウセキは、ここから一気の伸び脚で、残り１ハロンで先頭に突き抜ける。ラスト150ｍでは既に１馬身1/4差リードして、コスモエルデストが２番手に上がって来たが、これを更にグイッと２馬身突き放して完勝のゴール。うまくレースを立ち回ったが、昇級初戦でこれだけの勝ちっぷりを見せるのは、この馬の急成長の証し。鞍上の田中勝騎手は、「初めてレースで乗ったが、前走は道悪で勝っているように、この馬場が得意なんだね。それに力もつけているような感じもする。いいフットワークで走る馬だし、今日のレースで内容なら上のクラスで十分やれると思うよ。」とコメント。もっと上のレベルでの活躍に、大きく期待が膨らんだ一戦となった。

●未勝利戦に続いて、500万下平場戦を２馬身差快勝して２連勝を飾ったサンマルホウセキ。あっと言う間に1000万クラスまで昇級となるが、メンバーが強くなっても、この馬の今の勢いなら期待をかけていいはず。１番人気は、前々走特別戦２着のマンボネフューで単勝3.3倍。前走は２番人気で７着と期待に応えられなかっただけに、巻き返しを期している。Ｇ２スプリングＳで２番人気で５着になるなど、重賞でも上位食い込みの実績を持つ馬。２番人気は、近２走特別戦をともに差のない競馬で４着，２着としているアルマディヴァンで単勝3.5倍。特に前走は首差の惜敗で、今度こその意気込みで来ている。サンマルホウセキは、単勝8.2倍の５番人気。ここでいきなりメドを立てられれば、期待は更に膨らんでいくはずだ。

　 レースでは、スタートでキネオピューマが躓いて騎手が落馬。サンマルホウセキはあまりいいスタートではなく、先頭から５馬身差の中団後ろから。ヤサカオディールが先頭に立って、3/4馬身差でシーギリヤガールが２番手。半馬身内にマンボネフューが３番手。サンマルホウセキは、先頭から６馬身差の中団大外につけている。３角では、カラ馬のキネオピューマが大外を猛然と押し上げて、３〜４角の中間では、一気に先頭ヤサカオディールまでかわして行く。前の方の態勢は変わっていないが、サンマルホウセキは大外をじわっと進出し、４角では先頭から３馬身半差の中団大外で直線へ。

　 直線に向くと、外目にカラ馬がいて、１馬身差で内ヤサカオディールでこれが先頭。半馬身差で中シーギリヤガールが２番手で、これに外から並んでくるルミニズム。その１馬身半後ろの４番手争いが固まって来て、この争いの内目にマンボネフュー，外からはサンマルホウセキが加わってくる。残り300ｍを切って、それまで進路が狭かったマンボネフューが、ここで進路が開けて一杯に追い出されると、グーンと脚を伸ばす。残り１ハロンで、カラ馬の１馬身半後ろでヤサカオディール，ルミニズムの先頭争いに、マンボネフューが半馬身差に迫る。これに3/4馬身差で外からアルマディヴァインとサンマルホウセキ。ここからマンボネフューが一気に先頭。ラスト150ｍで、サンマルホウセキはアルマディヴァインに１馬身遅れて６番手だが、このあたりは混戦模様。ラスト100ｍで、アルマディヴァインが２番手に上がり、3/4馬身差で３頭いて、その3/4馬身外にサンマルホウセキ。更に半馬身差で中から突っ込んでくるリーサルウェポン。ゴール前でサンマルホウセキも３番手争いに加わって来たが、中からリーサルウェポンも伸びて、５頭横に広がった大激戦の３着争いのゴール。写真判定の結果、サンマルホウセキがリーサルウェポンを鼻差抑えて３着に。早目先頭のマンボネフューは、最後はカラ馬に鼻差及ばなかったものの１着ゴールで優勝した。昇級緒戦できっちりメドを立てる競馬をしたサンマルホウセキ。未勝利勝ちからここまでの成長ぶりは、目覚ましいものがある。鞍上の田中勝騎手は、「最後はよく伸びていました。力を出し切っていますし、昇級戦ということを考えれば、好内容のレースだったのではないでしょうか。」とコメント。まだまだ３歳で更に成長が期待できるだけに、先々の活躍が本当に楽しみになった。

●昇級緒戦の東京の1000万下平場戦で３着と好走したサンマルホウセキ。いきなりこのクラスでのメドを立てたが、続く国立特別はひと息伸び切れず８着。それでも勝ち馬からは0.4秒差で、展開次第で巻き返しは十分可能。１番人気は、特別戦，平場戦を連続２着としているアルマディヴァンで単勝4.1倍。今回で1000万クラスで４連続１番人気となるだけに、今度こそファンの期待に応えようと意気込んでいる。２番人気は、前走500万下平場戦を１番人気で勝ち上がって昇級してきたカフェブリリアントで単勝6.2倍。サンマルホウセキは、単勝17.2倍の７番人気。人気の大きく割れた激戦の様相だけに、あとはサンマルホウセキの勝負根性に期待したい。

　 レースでは、サンマルホウセキはスタート良く、それでも無理せず中位から。すっとノボリレジェンドが先頭に立って、１馬身差で外サンブルエミューズが２番手。１馬身差でニシノミチシルベ，半馬身差でコレクターアイテムと続いている。サンマルホウセキは、先頭から５馬身ほどの差の７，８番手争い。３角でも隊列にほとんど変動はなく、３〜４角の中間でも、サンマルホウセキは７番手でじっとしている。４角では、先頭ノボリレジェンドは１馬身半のリード，サンブルエミューズが２番手。3/4馬身差で内タガノスカイ，外ブルジュオンの３番手争い。その直後にコレクターアイテムがいる。サンマルホウセキは先頭まで４馬身差の内々で、大外を回ったアルマディヴァンとほぼ同じ位置で直線へ。

　 直線に向くと、サンマルホウセキは前が壁になっていて、外に進路を確保しようとするが、外側にも馬がいて厳しい。一杯に追い出せないまま、残り300ｍでも先頭まで４馬身差は変わらず。それでもここから内目に進路を見出して追い出しにかかる。残り250ｍでも、先頭ノボリレジェンドは１馬身1/4差リードで逃げ込みを図り、サンブルエミューズが２番手。１馬身半差で３番手は大外コレクターアイテムなど３頭の争い。その直後からアルマディヴァンも突っ込んで来る。サンマルホウセキは、アルマディヴァンに3/4馬身ほど遅れて馬群の中で、このあたりは何頭も固まってごった返している。残り１ハロンで、コレクターアイテムが単独３番手，これを追って４番手がアルマディヴァンで、この２頭で先頭，２番手の２頭に詰め寄って行く。ラスト150ｍで、サンマルホウセキも５番手まで押し上げて、アルマディヴァンとそれほど差はない。ここからもうひと伸びが期待されたサンマルホウセキだったが、ラスト50ｍから伸びを欠いてしまい、４番手アルマディヴァンに突き放されてしまう。最後は前４頭が接戦となったが、コレクターアイテムがゴール前で逃げたノボリレジェンドを首差捉えての差し切り勝ち。サンマルホウセキは、勝ち馬から２馬身差の５着でのゴール。５着以下も差のない争いとなったが、この争いには競り勝った。最後の最後で伸びを欠いたものの、一瞬見せ場を作ったサンマルホウセキ。鞍上の四位騎手は、「早目に囲まれたので、折り合いはつきました。もう少し早く外へ出すことができていたら、際どかったですね。」とコメント。1000万クラスを勝ち上がるにはひと息足りない感じだが、もう一段階のパワーアップがあれば、勝利も見えてくるはずだ。

●前走の鷹巣山特別では５着だったサンマルホウセキ。1000万クラスでは３戦して入着２回と、ある程度戦える確信は掴んだ。今回は更に前進して、勝ち負けまで期待したい。１番人気は、近２走特別戦を４着，２着としているアメリカンダイナーで単勝4.1倍。特に前走は３カ月間隔が開いていて連対を果たしているように、更なる前進が見込まれる。２番人気は、４カ月ぶりの実戦となった前走500万下平場戦で２番人気で１０着だったチョコレートバインで単勝4.8倍。今回は格上挑戦となるが、３歳オープンのエルフィンＳ３着という実績がある。この時は、後の秋華賞馬ショウナンパンドラに１馬身3/4差の競馬をしている。サンマルホウセキは、単勝4.9倍の３番人気。ライバルもそれほどまでには強力ではないだけに、サンマルホウセキにも勝機は十分だ。

　 レースでは、サンマルホウセキはスタートを五分に出る。中からコスモミレネールが先頭に立つが、サンマルホウセキもすっと加速して２番手争いに加わってくる。先頭コスモミレネールが２馬身のリード，ボブキャットが２番手で、これに首差で内サンマルホウセキ，外に人気のアメリカンダイナーの２頭だが、ここではサンマルホウセキは控える感じで４番手に。先頭コスモミレネールは２馬身半とリードしていたが、３角では２番手ボブキャットが１馬身差に接近。１馬身半差でサンマルホウセキ，アメリカンダイナーの３番手争い。３〜４角の中間では、サンマルホウセキは単独３番手となるが、２番手の馬からは２馬身1/4差でじっくり乗られている。４角でも、先頭コスモミレネールは２馬身半リードで軽快な逃げ。サンマルホウセキは２番手に並んできて、内ボブキャット，外チョコレートバインとほぼ並ぶような態勢で直線へ。

　 直線に向くと、先頭コスモミレネールは２馬身半リードで、脚色は鈍らない。サンマルホウセキが僅かに２番手に出てくるが、残り１ハロンでは内首差でボブキャットが食い下がっている。この時点でも、先頭コスモミレネールはまだ２馬身リードで逃げ込みを図るが、ラスト150ｍからサンマルホウセキがぐいぐい脚を伸ばし、ラスト100ｍでは半馬身差まで迫って捉える勢い。3/4馬身遅れて３番手ボブキャットは同じような脚色。先頭コスモミレネールは、詰め寄られてからもうひと伸びする勝負根性を見せたが、サンマルホウセキはこれを捻じ伏せるように力強く脚を伸ばし、ゴール前でコスモミレネールを首差競り落として優勝のゴール。接戦だったが、ついに1000万クラスまで勝ち上がった。鞍上の田中勝騎手は、「時折り出遅れたりとポカのある馬だけど、今日はゲートをうまく出て、内枠を生かす競馬ができたからね。こういう競馬ができれば中山の1600ｍでも大丈夫。今日はうまくいった。」とコメント。まだ３歳でこれから更に伸びていく馬。準オープンでも、クラス慣れすれば好勝負できておかしくないはずだ。

●Ｇ２阪神牝馬Ｓ４着などの活躍をしたサワヤカラスカルを姉に持つサンレイロッキー。姉の活躍からも期待されることとなるが、２歳９月の阪神でデビューしてから、ここまで８戦して最高着順は７着。二桁着順が５回と結果を残せていないが、何とか変わり身の期待をかけたい。１番人気は、５カ月の休み明けの前走で首差２着と能力を発揮したドラゴンストリートで単勝1.3倍の圧倒的人気。２番人気は、前走阪神戦で３着だったファイアーシチーで単勝5.2倍。６戦して入着３回という馬。サンレイロッキーは、単勝257.3倍の１４番人気と低い評価。確かに入着実績なしでは低評価もやむを得ないが、全体的にそれほどハイレベルのメンバーではないだけに、上位食い込みを狙っていきたい。

　レースでは、サンレイロッキーはスタートを五分に出ると、ゆっくり中団からの競馬。中からじわっとクロスドミナンスが出て来るが、これをかわしてディアメドゥーサが先頭。１馬身半差でクロスドミナンスが２番手，１馬身半差でフィリグラーナの順。人気のドラゴンストリートは、先頭まで８馬身差の６番手。その後ろは３馬身開いて、７番手以下は固まっているが、サンレイロッキーは７番手から２馬身差の外目を追走している。かなりバラけて縦長の展開で、先頭〜殿りまで２０馬身の差がある。３角では、先頭ディアメドゥーサが、リードを６〜７馬身と開いて行く。ここから更にその差を１０馬身と開いての大逃げに。２番手以下は徐々に差が詰まって来る。３〜４角の中間では、１２馬身と差が開いてドラゴンストリートなど３頭の２番手争いで、その後ろは２馬身半と少し開いている。サンレイロッキーは、まだ中団よりやや後ろの位置だが、今度は内目に入ってきている。４角では、先頭ディアメドゥーサのリードは７馬身に縮まって来るが、手応えにはまだ余裕がある。ドラゴンストリートが２番手で、サンレイロッキーは更に８馬身後ろの中団後ろの内々で直線へ。

　直線に向くと、先頭ディアメドゥーサが、残り300ｍでもまだ６馬身リード。２番手からこれを追うドラゴンストリート，３馬身開いてクロスドミナンスが３番手。サンレイロッキーもインからぐいぐい伸びて、残り１ハロンでは４番手争いの内に潜り込んで、３番手クロスドミナンスまで２馬身半差。この時点で、ドラゴンストリートは先頭に３馬身差まで迫り、前を捉える勢い。単独４番手に上がったサンレイロッキーは、ラスト100ｍでクロスドミナンスまでかわして単独３番手に。サンレイロッキーと同じような脚色で後ろから伸びてきた馬もいたが、サンレイロッキーはそのまま抑え切って３着確保のゴール。上位２頭とは少し差があったものの、勝ち馬と同じような脚色で伸びて、初めての掲示板を確保した。それも３着という着順は、今後に希望を繋ぐもの。そして、上がり３ハロン33.3秒という脚は出色のもの。長く苦戦が続いたが、経験を積んでようやく力を発揮してきた。鞍上の水口騎手は、「内を狙っていましたが、最後は思った以上に伸びてくれました。前回は坂の下りで動いて行ったのですが、今日はそこでも我慢して、とにかくジックリ構えたんです。こういう競馬が合っているんでしょう。今後も相手次第では面白いと思います。」とコメント。今回がフロックではないことを示して、次も健闘を期待したい。

●前走３着と、デビュー９戦目で初めて掲示板圏内に食い込んだサンレイロッキー。しかも上がり33.3秒という脚も素晴らしく、一気に素質が開花した印象。前走がフロックと言われないためにも、ここも好勝負を期待したい。１番人気は、高松宮記念２着，スプリンターズＳ３着など短距離Ｇ１で大活躍したビービーガルダンを兄に持つビービージンガで単勝3.3倍。父はディープインパクトという血統馬だが、今回が初出走という点で未知数な部分も大きい。２番人気は、前走デビュー３戦目で変わり身を見せて２着と好走したプレスアテンションで単勝4.2倍。サンレイロッキーはあまり評価は上がらず、単勝24.7倍の８番人気。素質が花開いた今なら、今回は勝利のチャンスと言っていいはずだ。

　レースでは、サンレイロッキーはスタートはまずまずで、内から掛かり気味に好位に取り付く。タトゥナが先頭に立って、１馬身差でエーティーペガサス，クロスドミナンスの２番手争い。半馬身差で間にカシマフェニックスがいて、これに１馬身差で内々サンレイロッキーは５番手争い。序盤は決してスローではなかったが、サンレイロッキーは明らかに引っ掛かっている。先頭タトゥナが２馬身半とリードを開き、スタートから３ハロンを過ぎてペースダウン。人気のビービージンガは、サンレイロッキーの６馬身後ろの後方から。３角では、サンレイロッキーは内々５番手をキープして、先頭までは６馬身差。先頭タトゥナ，２番手エーティーペガサス，そして３番手以下は一団だが、前２頭はそれぞれ２馬身半間隔で、ポツンポツンという感じのレース。３〜４角の中間でも、サンレイロッキーはがっちり手綱を抑えているが、徐々に舞前との差が縮まってくる。４角では、先頭タトゥナに、エーティーペガサスが外から並びかける。サンレイロッキーは手応え十分にグーンと差を詰めて、先頭から２馬身差の３番手で、内から中へ持ち出して行く。中団にいたオースミフブキが、前の馬に触れたのかバランスを崩して騎手が落馬するアクシデントがあって直線へ。

　直線に向くと、中から外目まで持ち出したサンレイロッキーが、あっと言う間に差を詰めて、残り300ｍを切ったところで前の２頭を抜き去って先頭。脚色があまりにも違い過ぎて、まさに並ぶ間もなくという感じで抜け出してくる。残り１ハロンでは１馬身1/4差リード。ラスト150ｍで、タトゥナをかわしてスカイラインが２番手に上がるが、先頭までは２馬身の差がある。つれて内ラテラルアーク，外ウィステリアメジロも差してくる。サンレイロッキーは後続にじわじわ差を詰められたが、脅かされる感じはなく、危なげなく3/4馬身押し切って初勝利のゴール。前走の好走がフロックでなかったことを証明。前走見せた上がり33.3秒の脚は本物だった。鞍上の水口騎手は、「ゲートを出てくれたので、いい位置で流れに乗って運べました。道中ハミを噛むところはありましたが、直線で外へ出してからの伸びはしっかり。昇級しても通じそうです。」とコメント。完全に素質開花したサンレイロッキー。この強さがあれば、昇級後の活躍も楽しみ。晩成タイプだけに、息の長い活躍が期待できるはずだ。

●１０月の東京戦で５着と上位争いをしたスワンボート。２戦連続の入着で、もうワンパンチで勝利に手が届くろころまで来た。しかしながら、その後は特別戦で９着，平場戦で１０着，６着と、掲示板圏内には食い込めず。それでも前走は、殿りに近い位置からよく追い込んでおり、メンバー的にも恵まれた今回の地方交流戦では、当然勝利を狙って行ける。そしてスワンボートが、単勝2.4倍の１番人気に支持される。２番人気は、近２走平場戦を９着，１２着という成績のＪＲＡキョウワアーサーで単勝3.3倍。ここ２戦は着順的にはひと息だが、勝ち馬からともに１秒程度の差で、決して大きく負けている分けではない。３番人気は、笠松の交流戦３着の後、平場戦を７着，１０着という成績のＪＲＡサチヒメで単勝4.7倍。ＪＲＡ勢が５頭出走しているが、１〜４番人気までの上位人気を独占。その中でも、スワンボートの実績が完全に上だけに、このチャンスは確実にモノにしたい。

　レースでは、スワンボートはスタートで１馬身立ち遅れ、他馬に先に前に入られて後方からの競馬。この不利は多少痛いが、このメンバーなら多少のビハインドがあっても捻じ伏せてほしい。コパノカチーノが先頭に立って、外首差でオンラインも先頭争い。１馬身差で内スリーアメニティ，外キョウワアーサーの３番手争い。スワンボートは、先頭から６馬身差の後方３頭目の位置。１〜２角で、先頭コパノカチーノは、リードを２馬身と開いて行く。向正面で、２番手にオンライン，更に１馬身半差でキョウワアーサーは３番手争い。スワンボートは、キョウワアーサーより更に５〜６馬身後ろにいたが、向正面の中間を過ぎて大外を一気に押し上げる。他馬も既に手が動き始めている中、スワンボートはここで勝ちに行く競馬。３角でも、先頭コパノカチーノは２馬身半リード。２番手オンラインに、半馬身差に接近するキョウワアーサー以下。しかし、３〜４角の中間で、スワンボートがあっと言う間に前の争いに加わって、キョウワアーサーの外に並びかける。そして４角では、手綱を押しながら大外スワンボートが先頭。3/4馬身差で内コパノカチーノが２番手，3/4馬身差で中キョウワアーサーが３番手の態勢。この時点で十分に余力を残している馬はなく、スワンボートはほぼ勝利を確信して直線へ。

　直線に向くと、スワンボートが先頭で残り１ハロン。一気に仕掛けて行った分、直線に向いてからはやや脚勢は鈍っていたが、それでもじわじわ差を開いて、ラスト100ｍでは１馬身のリード。キョウワアーサーがオンラインをかわして２番手に上がったが、もう態勢は決した。スワンボートは、ゴール前でもう一度グイッと差を開いて、最後は１馬身半差をつけて快勝のゴール。ゴール前３０ｍほどは軽く流す余裕があった。これが２勝目の勝ち鞍となった。昇級後1000万クラスでは苦戦も予想されるが、展開が向くようなら、上位食い込みのシーンがあってもおかしくはないはずだ。

●２月の笠松のＪＲＡ交流のうぐいす賞を優勝したスワンボート。これで1000万クラスに昇級となるが、1000万下平場戦では１０着に終わる。その後再び500万クラスに降級したが、500万下平場戦を２戦連続６着。それでも、もう少しで掲示板圏内という走りで、今のデキであれば今回も好勝負は可能なはず。１番人気は、３歳500万下平場戦２着の後、古馬相手の平場戦で７着，３着としているサウススターマンで単勝2.7倍。２番人気は、４戦連続４着以内と堅実な走りを見せた後、前走の平場戦では１番人気で６着に終わったニューハウンで単勝3.3倍。スワンボートは、単勝18.0倍の６番人気。決して調子は悪くないだけに、混戦ムードのここで何とか好勝負に持ち込みたい。

　レースでは、各馬揃ったスタートで、スワンボートも持ったままで好位集団に。すっと先頭に立ったのは人気のサウススターマン。１馬身半差でアイアムナチュラル，マコトグロズヌイの２番手争い。これに3/4馬身差で内アグネスオピニオン，外スワンボートの４番手争いで１角へ。１〜２角で、スワンボートは５番手となって、４番手アグネスオピニオンの２馬身半後ろの位置。やや行きたがる感じになっているが、なだめて折り合いをつける。向正面では、３番手争いがアグネスオピニオン，アイアムナチュラルの２頭で、スワンボートはその１馬身半後ろ。このあたりは淡々とした流れになっている。３角手前では、スワンボートは先頭まで３馬身差で、ここからじわっと進出を開始。３角で、スワンボートは３番手２頭の間の半馬身差のところに入って行くと、ここから少し手綱が動いて仕掛けて行く。３〜４角の中間では、先頭は依然としてサウススターマン，半馬身差でマコトグロズヌイが２番手，3/4馬身差でアイアムナチュラル。その後ろ１馬身1/4差で、アグネスオピニオンの外にスワンボートが並んで行く。４角では、スワンボートは単独４番手で、先頭まで２馬身差の射程圏内に取り付いて、外から一杯に追い出し態勢に入って直線へ。

　 直線に向くと、先頭サウススターマンが二の脚を発揮して、残り１ハロンでは１馬身リードで逃げ込みを図る。２番手にアイアムナチュラルが上がり、更に１馬身差でマコトグロズヌイが３番手だが、これを外からかわして行くスワンボート。スワンボートはここからグイグイ伸び脚を加速させ、ラスト150ｍを切ってアイアムナチュラルもかわして２番手に。サウススターマンが先頭で１馬身リードしていたが、スワンボートはラスト100ｍでこれも難なく抜き去ると、最後は１馬身3/4差をつけての完勝のゴール。チャンスはあるとは思っていたが、まさかここまで鮮やかに突き抜けるとは。これもこの馬の地力強化の証しか。鞍上の丹内騎手は、「この距離も２度目でしたから、慣れてきてうまく対応してくれました。体も増えていて体調が良かったですし、いい勝ち方をしてくれました。」とコメント。1000万クラスに昇級すると、果たしてどこまで戦えるか分からないが、今の状態を維持できれば、ある程度の勝負は可能なはずだ。

●前年１１月の福島の500万下平場戦を勝ち上がったタイセイローマン。長く惜敗を続けてきたが、勝つ時は１番人気で４馬身差の圧勝だった。その後はレース間隔を空けてリフレッシュされ、今回は昇級緒戦だが、前走の勝ちっぷりからもある程度期待していいはず。１番人気は、近６走平場，特別戦を２着の１回，３着４回，５着１回と堅実なレースを続けているゲルマンシチーで単勝3.3倍。２番人気は、近３走特別戦で２着２回と実力を見せているアテンファーストで単勝4.0倍。タイセイローマンは、単勝36.1倍の１０番人気。ここでは評価が低いが、いきなり1000万クラスのメドを立てたいところだ。

　レースでは、タイセイローマンは大外からスタートは五分に出て、スーッと前の方に出てくる。中からアテンファーストが先頭，１馬身差でマイネルハルカゼ，ゴールドブラザーの２番手争い。これに3/4馬身差でタイセイローマンは４番手につけ、人気のゲルマンシチーは後方から。１〜２角では、タイセイローマンは３番手にじわっと押し上げると、向正面ではゴールドブラザーの外に並んで行っての２番手争いで、先頭まで半馬身差。直後１馬身半差で４頭が続くが、その中にブルータンザナイト，エイコーンパスなどがいて、その後ろは３馬身と開いている。３角では、先頭アテンファーストが１馬身リードで、タイセイローマンは２番手争い。３〜４角の中間で、後方ゲルマンシチーもムチが入ってゴーサインが出されるが、反応は良くない。４角では、タイセイローマンは１馬身差の単独２番手で、手応えは悪くない。１馬身差でエイコーンパスが３番手で、以下も差なく続いて直線へ。

　直線に向くと、先頭アテンファーストを、１馬身差でタイセイローマンが追う。更に１馬身差でエイコーンパスが伸びて来て、その後ろからはブルータンザナイトも一気に差してくる。残り１ハロンで、先頭アテンファーストは２馬身リード。やや伸び切れない感じの２番手タイセイローマンに、外からエイコーンパスが並んでくるが、この２頭をブルータンザナイトがかわして行く。残り１ハロンを切って、タイセイローマンはエイコーンパスにじわじわ遅れて４番手に。ラスト100ｍで、ブルータンザナイトはエイコーンパスまで捉えて先頭に立つ。４番手タイセイローマンは、後続に１馬身3/4差をつけていて、４着はほぼ確保の態勢と思われたが、ゴール前でショーグン以下が差を詰めてくる。それでも、タイセイローマンは追撃を首差しのいで４着確保のゴール。前とは差があったものの、上位の着順を確保できたことで、このクラスに一応のメドは立った。鞍上の田中勝騎手は、「番手でリズム良く運べたし、最後までよく頑張ってくれた。久々のうえ昇級戦、メドは立ったと思う。」とコメント。今後このクラスで揉まれていけば、更に力をつけていけるはずだ。

●1000万クラス昇級緒戦の中京の伊勢特別で４着と上位に食い込んだタイセイローマン。これで早々と1000万クラスにメドを立てたかに思われたが、続く中山の特別戦は１４着の惨敗。揉まれ込むと脆さを見せてしまうが、気分よく走れるようなら、巻き返しがあって不思議はない。１番人気は、中山で平場戦４着，２着，特別戦８着としているロンギングエースで単勝3.5倍。２番人気は、昇級後の平場戦２着，特別戦５着としているトロワボヌールで単勝3.8倍。タイセイローマンは、前走の大敗で評価を下げて、単勝27.1倍の１０番人気。それでも実力拮抗の乱戦模様だけに、つけ込むチャンスは十分にあるはずだ。

　レースでは、タイセイローマンはそれほどいいスタートではないが、出遅れというほどではない。手綱を押して行くが中団から。外フォースフルが先頭に立って、3/4馬身差で内サンバムーン，更に半馬身差でレッドティムールの順。バラけた態勢になって、タイセイローマンは先頭から７馬身差の中団の外で、トロワボヌールと並んだ位置だが、３角手前からすーっと押し上げて、トロワボヌールより２馬身前に行く。人気のロンギングエースは、先頭から１０馬身差の後方２，３頭目の位置。３角では、先頭フォースフルは２馬身リード。タイセイローマンは先頭から５〜６馬身の位置だが、ここからグーンと押し上げて、３〜４角の中間では５番手争いの大外に。ここから前の方は更に詰まってきて、大外４番手のタイセイローマンも、先頭までは１馬身半差。脚をタメていたトロワボヌールは後方に近い位置で、タイセイローマンの４馬身後ろ。ロンギングエースは、トロワボヌールと同じ位置の大外。それでも一団に固まって、どの馬にもチャンスがある態勢で直線へ。

　直線に向くと、今度はショウナンマオが僅かに先頭。タイセイローマンは、先頭から２馬身差の４番手で、このあたりはやや伸び切れないのか。残り１ハロンで、3/4馬身差で、フォースフルが２番手。タイセイローマンは３番手サーランスロットの外に並びかけて、先頭まで１馬身半差だが、ここからようやく伸び脚を繰り出してくる。しかしながら、半馬身内側からトロワボヌールが一気に差してくる。ラスト80ｍで、タイセイローマンが、先頭に立っていたフォースフルを捉えて一瞬単独先頭に上がったが、すぐさま内側からトロワボヌールにかわされてしまう。３番手以下が差なく広がってタイセイローマンを追っている。タイセイローマンは、最後はトミケンユークアイ以下６頭に半馬身程度に迫られたが、これらをしのぎ切って２着確保のゴール。勝ち馬からもそれほど差はなく、1000万クラスに昇級してから一番の頑張りを見せてくれた。鞍上の武士沢騎手は、「ハナに行くことはできなかったんですが、自分の形で競馬をできましたからね。揉まれると脆い面はありますが、このクラスで上位の力はありますね。」とコメント。気分よく走れるようなら、1000万クラスでの勝利は十分可能だ。

●北海道競馬でデビューしたネガティヴ。叔父にはＧ２目黒記念優勝，Ｇ１宝塚記念４着，更にはドバイシーマクラシック５着などの活躍をしたゴーイングスズカを持つ。兄姉からは目立った活躍馬はまだ輩出されていないが、血統的にも期待をかけたい。新馬デビュー戦は７番人気と評価は低かったが、２馬身差をつけて快勝。オープン戦を出走取消となったが、続くルビー特別で２着とし、力のあるところを見せている。今回はＪＲＡへの挑戦で、芝も初めてとあって条件的には厳しいが、上位食い込みを期待したい。１番人気は、前走Ｇ３函館２歳Ｓでは４着だったトーセンラークで単勝3.1倍。前目に行った馬が残る展開の中で、一頭だけ直線猛然と追い込んで来た脚には見どころがあった。２番人気では、函館２歳Ｓでは３番人気で１０着だったスルターナで単勝3.8倍。巻き返しを期す一戦。出走１３頭中地方勢は６頭だが、上位５番人気までをＪＲＡ勢が占める中、ネガティヴは単勝126.8倍のブービー人気の１２番人気。芝適性が大きく着順を左右するが、ＪＲＡ勢の中に食い込んで見せ場を作ってほしい。

　 レースでは、ネガティヴは五分に近いスタートで、中団後ろの位置につけるが、ここで進路が狭くなって、立ち上がるような感じになる。後方３，４頭目の位置まで下がって、先頭からは５〜６馬身差で、この不利は痛い。ウチデノコヅチが先頭に立って、１馬身差でトーセンラークが２番手。3/4馬身差でスルターナ，外首差でノットフォーマル。３角では、ネガティヴは後方３頭目で、先頭までは８馬身差。３〜４角でも、先頭は依然としてウチデノコヅチで１馬身半リード。トーセンラークが２番手で、１馬身差でスルターナ，ノットフォーマルの２頭。ここからじわっと固まって来て、中団大外からウインバローラスが押し上げてくる。４角では、ネガティヴは後方内々で、先頭までは６馬身差。ここまで脚をタメて回ってきて、ここから追い出しにかかる。先頭ウチデノコヅチに、外からトーセンラークが持ったままで半馬身差に詰めて来て直線へ。

　 直線に向くと、残り１ハロンでトーセンラークがじわっと首ほどリードして先頭。内で食い下がるウチデノコヅチ。１馬身1/4差でスルターナ，ノットフォーマル，ウインバローラスの３頭が並んで追ってくる。ラスト150ｍを切って、その後ろ２馬身差で地元北海道のブライトギャルと中央の４番人気グランドポピーの６番手争い。その間3/4馬身差でネガティヴが懸命に追ってくる。ラスト100ｍで、グランドポピーが単独６番手で、半馬身差でネガティヴは７番手となり、ここからこの２頭は同じような脚色で４番手争いのウチデノコヅチ，スルターナに詰め寄ったが、ネガティヴは４着から１馬身1/4差の７着でのゴール。優勝争いは、早目先頭のトーセンラークが、半馬身後続を振り切って人気に応える勝利。地方馬最先着のネガティヴだったが、ＪＲＡ勢７頭のうち１頭に先着したのみ。それでも、ＪＲＡ勢の上位完全独占は阻止し、勝ち馬で函館２歳Ｓ４着のトーセンラークからの差も３馬身半程度と大きくなかった。初芝で道中挟まれる不利があったことを考えれば、ＪＲＡ勢相手に決してヒケは取っていなかった。不利がなければ、もう少し着順を上げていた可能性も高い。芝でもある程度適性のあることも示してくれた。今後の成長も期待したい。

●中央に挑戦したクローバー賞では７着だった北海道競馬のネガティヴ。掲示板には食い込めなかったが、それにあとひと息という競馬をして、芝適性も示すことができた。今回は岩手の地方重賞に遠征。芝も心配無用となれば、地方重賞制覇のチャンス。１番人気は、前走ＪＲＡのコスモス賞に挑戦して４着に食い込んだ北海道のパーティメーカーで単勝1.9倍の断然人気。芝に適性を示しているだけでなく、中央挑戦の成績もネガティヴを上回る。地元北海道でも 1-0-3-0 の安定した成績を残している。２番人気は、北海道競馬で４戦すべて４着以内と堅実な走りを見せているエクストリングランで単勝5.5倍。３番人気は、新馬デビュー戦を３馬身差楽勝してここに臨んでき大井のロゾヴァドリナで単勝5.8倍。ネガティヴは、単勝6.5倍の４番人気。２番人気以降はオッズも拮抗。まだ力関係の明確でない手合わせだけに、ネガティヴがあっさり勝利を飾るシーンがあっても不思議はない。

　レースでは、ネガティヴはまずまずのスタートを切ると、すーっと加速して先頭に立って行く。１馬身差で人気のパーティメーカーが２番手だが、内から差なくキモンイーグル，エクストリングランの２頭が続いて１角へ。１〜２角で、先頭ネガティヴに、3/4馬身外にぴったり取り付くパーティメーカー。その後ろは１馬身3/4差と少し開いてきて内キモンイーグル。向正面では、これに半馬身差の外にエクストリングラン。１馬身半差でブリリャントゥノア，半馬身外トーホクフェアリーの順。パーティメーカーは、終始先頭ネガティヴのすぐ後ろに取り付いていて、３角でも3/4馬身外の２番手。３〜４角の中間では、キモンイーグル，エクストリングランの２頭が、パーティメーカーとの差を3/4馬身まで詰めてくる。４角では、先頭ネガティヴは手応え十分のまま、リードを１馬身1/4差と少し開きにかかる。２番手争いは、パーティメーカーなどが横に広がってきて直線へ。

　 直線に向くと、先頭ネガティヴが粘り込みを図るが、内から3/4馬身差でキモンイーグル，更3/4馬身差で外からパーティメーカーが３番手で残り１ハロン。更に半馬身差の大外４番手からは、大井のロゾヴァドリアが突っ込んでくる。ここからパーティメーカーが力強く伸びて、ラスト100ｍでネガティヴをかわして先頭に抜けてくる。２番手ネガティヴに、内首差でキモンイーグル，更に半馬身差で外ロゾヴァドリア。この３頭が接戦の３着争いとなったが、ネガティヴはゴール寸前で外のロゾヴァドリアに捕まって３着でのゴール。それでも、内のキモンイーグルとの競り合いは首差競り勝った。地方重賞初挑戦で３着と入着を果たしたネガティヴ。勝利のチャンスもあっただけに残念だったが、力のあることは証明して見せた。今後も地方重賞での活躍に期待をかけたい。

●前走岩手の芝の地方重賞で３着と好走した北海道のネガティヴ。今回は交流グレードレースに挑戦するが、持ち前の渋太さで好勝負を演じたい。１番人気は、前走初ダートの未勝利戦で６馬身差の圧勝を演じたＪＲＡウィッシュハピネスで単勝2.4倍。２番人気は、オープンのクローバー賞で半馬身差の２着，500万特別のアスター賞４着の成績のＪＲＡノットフォーマルで単勝3.0倍。初めてのダートという点がカギ。３番人気は、リリーＣ，フローラルＣの地方重賞を含めて目下４連勝中の地元北海道ステファニーランで単勝6.9倍。これまで接戦を制して連勝を重ねてきている。ネガティヴは、単勝267.5倍のブービー１５番人気。あまりにも低過ぎる評価だが、まだまだ真の力を見せておらず、持ち前の渋太さを生かせる競馬になれば、見せ場を作れて不思議はないはずだ。

　 レースでは、ネガティヴはまずまずのスタート。人気のウィッシュハピネスがすっと先頭に立って１馬身1/4差のリード。ネガティヴは無理せず２番手に取り付くが、これに内から岩手のランデックハナコ，パシコペンネッタが並んでくる。ここからネガティヴがすっと動いて、先頭に半馬身差の単独２番手に。３角にかかると、ネガティヴは先頭ウィッシュハピネスに首差まで並んでくる。３〜４角の中間では、これに１馬身差で外押しながらマイファンファーレ，内手応え十分にジュエルクイーンの３番手争い。４角では、先頭は依然としてウィッシュハピネスで持ったまま。終始半馬身差の２番手ネガティヴも、余力残しの手応えで回ってくる。これに１馬身差で内々ジュエルクイーンが３番手で、以下も差なく続いて直線へ。

　 直線に向くと、先頭ウィッシュハピネスがじわじわリードを開いて、残り１ハロンでは２馬身半リードして地力を見せる。２番手ネガティヴに、内からジュエルクイーンが並んできて、２番手争いはこの２頭の争いに絞られた。ネガティヴが首ほどリードしていたが、ラスト80ｍではジュエルクイーンがほとんど並ぶ態勢。ここからはジュエルクイーンの方がじわっとリード。ゴール前でネガティヴももう一度盛り返そうという構えを見せたが、結局頭差競り負けて３着でのゴール。優勝したウィッシュハピネスは３馬身差の楽勝だったが、まだ余裕残しの勝利で、着差以上の強さを見せた。勝ち馬は強過ぎたが、最後まで渋太く２着争いに踏ん張ったネガティヴ。１５番人気で３着という健闘で、グレードレース入着を果たした。芝・ダート兼用というところを示し、今後も幅広い条件で活躍できるはず。今後の成長がますます楽しみになってきた。

●前走交流Ｇ３のエーデルワイス賞で３着と善戦したネガティヴ。しかも２着馬とも接戦を演じ、芝・ダート兼用の強さを見せつけた。今回は川崎に遠征しての一戦。レベルの高い南関東の地方重賞だが、実力的にも十分勝利を狙える。ただ、長距離輸送が応えたのか、当日は−１５kgの馬体重で、そのあたりが不安材料となる。１番人気は、前走新馬デビュー戦を６馬身差圧勝しているウイングオブスカイで単勝3.4倍。２番人気は、これも同じように新馬デビュー戦を６馬身差圧勝のビナファミリーで単勝4.6倍。ネガティヴは、前日は１番人気だったが、馬体減が不安視されたのか、最終的には３番人気となって単勝4.6倍。４番人気は、新馬勝ちの後、つばめ特別を２着と好走しているララベルで単勝4.8倍と、このあたりまでほとんど人気に差のない混戦模様。ネガティヴが輸送による影響を克服し、地方重賞のタイトルをここで奪取してほしい。

　 レースでは、ネガティヴはまずまずのスタートで、行き脚をつけてすっと先頭に立つ。１馬身差でミラクルフラワーが２番手，3/4馬身差で内ゼッタイリョウイキ。ララベルは更に４馬身後ろの中団やや後ろの位置取り。１〜２角で、先頭ネガティヴは１馬身1/4差リードで、悪くないペースの逃げ。２番手ミラクルフラワー以下も比較的固まって追走。向正面で、ララベルは先頭から４〜５馬身差。人気のウイングオブスカイは更に４馬身後ろで、前から少し離されて、行きっぷりも既に一杯一杯の感じ。３角でも、ネガティヴは手応え十分に逃げを打つ。２番手ミラクルフラワーが3/4馬身差にじわっと接近するが、３〜４角の中間ではネガティヴより先に手が動き始める。3/4馬身差で内ゼッタイリョウイキまでの３頭が先団を形成し、その後ろは２馬身半の差がある。４角では、先頭ネガティヴがまた１馬身1/4差のリード。ゼッタイリョウイキ，ミラクルフラワーの２番手争いに、２馬身差で外に出したララベル，大外リボンスティックなどが押し上げて直線へ。

　 直線に向くと、ここまでいい行きっぷりで逃げを打ったネガティヴだが、意外に粘りがない感じで、内ゼッタイリョウイキ，外にララベル，大外リボンスティックの３頭が差を詰めてくる。ネガティヴも踏ん張っていたが、ラスト150ｍでこの３頭に内外からあっさりかわされて４番手に後退。僅かに先頭に出たララベルが、内で食い下がるゼッタイリョウイキを首差抑えて優勝。ネガティヴは、３着リボンスティックに１馬身半差の４着でゴール。最後は甘くなってしまったが、５着以下には脅かされるところはなかった。人気のウイングオブスカイは、まったく見せ場のないまま１３着に惨敗した。上位は確保したものの満足のいく結果ではなかったネガティヴ。長距離輸送や初コースということもやはり影響があったはず。この馬の本当の力はもっと上のはず。それでも、今回は経験を積むという意味で、先々の活躍にプラスになったはずだ。

●Ｇ３小倉３歳Ｓの覇者リキセレナードの産駒ハクサンフレンチのデビュー戦。兄にはＧ２デイリー杯２歳Ｓ３着馬で非業の死を遂げたキングスレガリアもいて、ハクサンフレンチにかかる期待も大きい。デビュー戦から人気になる存在だけに、どんな競馬を見せてくれるか実に楽しみ。１番人気は、チチカステナンゴ産駒のブリクストで単勝4.2倍。母プロミストスパークは、ＪＲＡ４勝の実績がある。ハクサンフレンチは、単勝4.5倍の２番人気。３番人気は、ダイワメジャー産駒のミュゼバトラーで単勝4.8倍。上位人気馬はオッズにほとんど差がない実力拮抗の様相。ハクサンフレンチには、期待に応えてデビュー勝ちを決めてほしい。

　 レースでは、ハクサンフレンチはスタートの出はまずまずだったが、二の脚の加速はもうひとつで、手綱を押して徐々に押し上げて好位に取り付く。僅かにダンツメガヒットが先頭だが、横に広がった先行争いになって、この争いの大外がハクサンフレンチの態勢。ここから、ダンツメガヒット，バニスター，ハクサンフレンチの３頭が出てくるが、ハクサンフレンチは抑えて後ろに下げる。ダンツメガヒット，バニスターの先頭争いで、１馬身差でブラッククローバー，ハクサンフレンチの３番手争い。１馬身半差でノンリケット，半馬身差で人気のブリクストの順。３角では、ハクサンフレンチは先頭から１馬身半差の３番手だが、３〜４角の中間では、先行２頭の外に並んで行く。４角では、ダンツメガヒットが先頭で半馬身リード。バニスター，ハクサンフレンチの２番手争い。これに3/4馬身差でブラッククローバーが４番手。ブリクストは、先頭から３馬身半差の外７番手で直線へ。

　 直線に向くと、先頭ダンツメガヒットが逃げ込みを図って3/4馬身リード。内ラチ沿いに入ってきたブラッククローバー，外からはバニスター，ハクサンフレンチの３頭の２番手争いとなるが、残り１ハロンを切ってハクサンフレンチが単独２番手か。ラスト150ｍで、先頭ダンツメガヒットを半馬身差で追うハクサンフレンチ。しかしながら、更にその3/4馬身外まで追い上げて来たブリクストが、ここから一気の伸び脚。その２馬身後ろの６番手からピースオブジャパンも追い込んでくる。ラスト100ｍで、ブリクストが抜け出して先頭。ハクサンフレンチはここから甘くなり、ダンツメガヒットにも突き放されたところを、ゴール前で外からはピースオブジャパンに首差かわされて４着でのゴール。見せ場は十分にあったが、最後で力尽きた格好。鞍上の浜中騎手は、「一生懸命走ってくれましたね。道中は少し気の良過ぎるところがありましたし、追って苦しくなったのはまだ太かった分もあると思います。でも、いいスピードを持っていますし、良くなってくると思いますよ。」とコメント。まだまだ上昇の余地は大きく、将来性のある馬だけに、経験を積んでの成長を期待したい。

●前走新馬デビュー戦では２番人気で４着だったハクサンフレンチ。最後伸び切れなかったあたりは物足りなかったが、力のあるころは示してくれた。今回は一度レースを経験し、大きな前進を示したい。そして、ハクサンフレンチが単勝2.9倍の１番人気に支持される。２番人気は、新馬デビュー戦では頭差２着に逃げ粘ったタマモパステルで単勝3.3倍。３番人気は、新馬デビュー戦では２着だったダンツメガヒットで単勝5.2倍。前走は４着のハクサンフレンチに１馬身半先着している。ハクサンフレンチにとっては、ライバルたちも相当に手強いが、ここをあっさり決められるようなら、将来への期待は大きく膨らんでくる。

　 レースでは、ハクサンフレンチは若干甘いスタートで、中団からじわっと前へ。オルフィークが先頭に立って、3/4馬身差で内タマモパステルが２番手。１馬身半差で４頭が固まっているが、その中からハクサンフレンチ，ゲンキチハヤブサの２頭が２番手争いに並んで来る。差なくダンツメガヒットは７番手。３角では、オルフィークが先頭で１馬身半リードして、ハクサンフレンチ，ゲンキチハヤブサの２番手争い。１馬身差でタマモパステルが続く形。３〜４角の中間では、単独２番手となったハクサンフレンチが、先頭に3/4馬身差にじわっと接近。タマモパステルはその２馬身後ろの４番手。４角では、２番手ハクサンフレンチは手応えはいいが、先頭オルフィークは１馬身1/4差とまたリードを開きにかかる。ハクサンフレンチの後ろは3/4馬身差でゲンキチハヤブサ，その半馬身内にタマモパステル。更に3/4馬身差で外ダンツメガヒットで、人気どころは先頭からそれほど差のない位置をキープして直線へ。

　 直線に向くと、先頭オルフィークが１馬身半リード。２番手ハクサンフレンチに、１馬身差でタマモパステル，ゲンキチハヤブサの２頭が追って来る。ラスト１ハロンでは、更に外からダンツメガヒットが差して来て、３番手争いはこの３頭が並んで来る。その中から、ダンツメガヒット，つれてその内側タマモパステルの２頭がぐいぐい伸びて来て、ラスト100ｍでハクサンフレンチをかわし去る。４番手に下がったハクサンフレンチはもうひとつ伸びあぐねていたが、それでもじわじわ脚を伸ばして、ラスト30ｍでオルフィークを半馬身差捉えて３着でのゴール。上位２頭からは２馬身差をつけられていた。優勝争いは、ダンツメガヒットが頭ひとつ優勢の態勢から、ゴール前でタマモパステルが盛り返して同着に持ち込んだ。直線期待ほど伸び切れなかったハクサンフレンチ。内容的にはデビュー戦と同じような感じ。まだまだ身体に力がついていないという印象。鞍上の浜中騎手は、「頑張ってくれています。体が絞れていれば、尚良かったんですけどね。」とコメント。血統的にも期待の大きい馬だけに、経験を積んでこれから成長してくれるはずだ。

●前走の未勝利戦では１番人気に支持されたものの２馬身差の３着だったハクサンフレンチ。最後のパンチ力は欠いたが、堅実に走れるところは示してくれた。今回も実力は拮抗しており、もちろん勝機は十分にある。１番人気は、前走新馬デビュー戦で１番人気で３着だったハルマッタンで単勝2.4倍。２番人気は、前走中京の新馬デビュー戦では３番人気で２着だったラッフォルツァートで単勝5.4倍。ハクサンフレンチは、単勝6.1倍の４番人気。是非ともここで初勝利を決めて、次なる飛躍に繋げたい。

　 レースでは、ハクサンフレンチはスタートはほぼ五分に出る。大外からポンと好スタートを切ったのがニホンピロヘーラーで、3/4馬身差で内からハルマッタンが押し上げて２番手。半馬身外ブラッククローバーが３番手だが、これに内からハクサンフレンチなど３頭が並んできて３番手集団を形成。その後ろは３馬身近く差が開いている。３角では、先頭ニホンピロヘーラーのリードは４馬身で、３〜４角の中間では５馬身ほどに更に広がっている。ハルマッタンが２番手で、半馬身差でラッフォルツァート，ブラッククローバーの２頭。その後ろ２馬身開いてハクサンフレンチが５番手だが、ここから前との差を詰めて行く。４角では、ニホンピロヘーラーのリードはあっと言う間になくなって、直線入口ではハルマッタン，ブラッククローバーの先頭争い。１馬身半差でラッフォルツァート，ハクサンフレンチの３番手争いで直線へ。

　 直線に向くと、ブラッククローバーが単独先頭に抜け出して、残り１ハロンでは１馬身半のリード。内ラチ沿いに粘るハルマッタンを、外からハクサンフレンチがかわしにかかる。１馬身1/4差遅れてラッフォルツァートは４番手。ここからハクサンフレンチがあっさり単独２番手に上がったが、ラスト100ｍでも先頭までまだ１馬身半差。ラスト100ｍを切ってから、ハクサンフレンチはようやく差を詰めて、最後は際どいところまで持ち込んだものの、首差及ばず２着でのゴール。あと一歩というところだっただけに、残念という他ない。鞍上の浜中騎手は、「前が結構行ってくれたから、流れ的にはいい展開になったと思います。最後も脚は見せていましたよ。」とコメント。最後に伸びを見せたあたり、確かな成長が窺える。初勝利への手応えを掴んだ。

●前走の未勝利戦では首差２着と惜しい競馬だったハクサンフレンチ。それでも、これまででもっとも内容の濃い走りで、初勝利が見えてきた。今回は小倉開催の最終週で、なんとか今開催のうちに勝利を挙げようと陣営は勝ちに来ている。ただ、今回は初めてのダートでの一戦で、適性を発揮できるかどうかがカギ。そして、ハクサンフレンチが単勝1.9倍の１番人気に支持される。２番人気は、前走新馬デビュー戦で3/4馬身差の２着だった外国産馬デブリンで単勝2.9倍。この２頭が人気を分け合う形で、３番人気は、前走新馬デビュー戦では４着だったブラックショコラで単勝11.7倍。２着のデブリンからは３馬身半差があった。ハクサンフレンチに勝利のチャンスは大きいだけに、ここで確実に初勝利を決めたいところだ。

　レースでは、ハクサンフレンチはスタートで少し躓く感じ。大きな出遅れではなかったが、中位の位置取り。ポーンと好発を決めたのはブラックショコラで、一瞬にして１馬身半先頭に抜ける。これにグイグイ手綱をしごいて、アサケカペラが3/4馬身差に詰めてきて２番手。更に3/4馬身差で３番手争いが横に広がっているが、この争いの最内にハクサンフレンチが押し上げて来る。この３番手争いから、ハクサンフレンチ，デブリンの２頭が前に接近する。３角では、ハクサンフレンチはデブリンと並んで３番手争いで、先頭までは１馬身1/4差。その後ろも、差なく固まって追走している。３〜４角の中間では、ハクサンフレンチは前が壁になって動けず、デブリンに半馬身遅れて４番手の態勢。このあたり、先頭ブラックショコラに、外からアサケカペラが並んで来る。４角でもその態勢のまま、ハクサンフレンチは先頭から１馬身半差の内々４番手で直線へ。

　 直線に向くと、ブラックショコラがもう一度二の脚を伸ばして、半馬身リードで先頭。アサケカペラが２番手で、半馬身差でデブリンが３番手。その内半馬身差でハクサンフレンチは４番手で残り１ハロン。当然伸び脚を発揮して来るかと思われたハクサンフレンチだったが、デブリンの半馬身内の位置のまま伸び切れない。ラスト100ｍでは、先頭ブラックショコラとの差は３馬身と逆に開いてしまっている。ハクサンフレンチは、ラスト50ｍからは、ようやくエンジンがかかったデブリンにも一気に突き放され、３番手に下がったアサケカペラと同じ脚色のまま、流れ込んだ形の４着でのゴール。見せ場があったのは４角までで、不本意な内容の競馬に終わった。鞍上の浜中騎手は、「気持ちがかなり煮詰まっていて、ゲートで落ち着きがなく、あのポジションに。ダートの走りは良かったので、もう少し力が抜ければ違うでしょう。」とコメント。連戦の疲れもあったかもしれないし、ダート適性も果たしてどうだったのか。今回は残念だったが、当然巻き返してくれるはずだ。

●小倉の初ダートの未勝利戦で１番人気で４着だったハクサンフレンチ。崩れなかったものの、内容的には芝の方が向いているのではという印象だった。続く阪神戦では芝に戻ったが、１番人気で１８着というまさかの殿り負けを喫してしまう。明らかに疲れを感じる走りだったことから、今回は３カ月半レース間隔を開けて立て直しが図られた。１番人気は、デビューからの全３戦を２着，６着、３着としているテイクウォーニングで単勝3.0倍。２番人気は、デビューからの全３戦を３着，３着，４着としているポルボローネで単勝4.9倍。ハクサンフレンチは、単勝5.6倍の３番人気。休み明けという点が割り引き材料となっているが、能力的にはほとんど差はない。もちろん勝機は十分だ。

　 レースでは、ハクサンフレンチはまずまずのスタートで、好位グループの一角。ポンと先頭に立ったのは人気のテイクウォーニング，１馬身差で２番手争いは広がっている。スタートから１ハロンの地点で、外からメッサーウイングがかわして先頭に立って、テイクウォーニングは控えて１馬身半差の２番手。半馬身外にブラヴィッシモ，その半馬身内にポルボローネ。ハクサンフレンチは、更に１馬身半後ろの６番手から。３角では、ハクサンフレンチは行き過ぎないように抑えながらの追走で、先頭から４馬身差。３〜４角の中間では、先頭メッサーウイングは１馬身リード，テイクウォーニングは終始２番手で、以下のブラヴィッシモ，ポルボローネの態勢も変動はない。４角では、ハクサンフレンチは外からじわっと進出し、４番手ポルボローネの２馬身後ろの５番手に。前の４頭は3/4馬身圏内に固まってくるが、その中でもテイクウォーニングは手応えが怪しくなって直線へ。

　 直線に向くと、前４頭並んでの叩き合いから、ポルボローネが首ほど出て先頭。ブラヴィッシモが２番手で、テイクウォーニングは遅れる。ハクサンフレンチは、残り１ハロンで３番手争いのメッサーウイング，テイクウォーニングをかわしにかかる。ラスト150ｍを切って、ハクサンフレンチは食い下がるメッサーウイングを競り落としたが、前２頭までは２馬身の差がある。先頭争いは、ラスト100ｍでブラヴィッシモが首ほどリードしたが、ゴール前でポルボローネが逆に首差差し返して優勝。ハクサンフレンチは、前２頭の競り合いからは逆に３馬身半と突き放されてしまったが、後続の追撃は少し差を詰められた程度でそのまま抑え込んで３着確保のゴール。最後は１，２着馬に突き放されたものの３着は確保したハクサンフレンチ。今回は休み明けで、その分最後の粘りを欠いた印象。それでも前走の惨敗から巻き返してくれただけに、ほっとひと安心。鞍上の岩田騎手は、「1200ｍの方がレースがしやすいね。今日は１８kg増で若干重たい感じがあったから、次は上積みが大きそう。」とコメント。次走は勝利のチャンスが十分あるはずだ。

●ＪＲＡでは５着が最高着順だったスガノスペシャルの産駒フェアトレード。祖母ダイヤモンドラップの子孫には、これと言った活躍馬は輩出されていない。それだけに、このフェアトレードには少しでも上の活躍を期待したい。２歳夏に北海道競馬でデビューし、６戦目で初勝利を挙げる。その後２戦を１０着，４着とし、２歳１２月から高知競馬に移籍。高知では８戦１勝の成績だったが、Ｃ２クラスで安定して上位に食い込めるようになってきた。そして前走のＪＲＡ交流のつつじ賞から笠松に移籍。つつじ賞は８着と失速したが、積極的な競馬は目を引いた。今回は笠松２戦目で、ある程度の変わり身は見込めるはず。１番人気は、全６戦で最高着順は４着のＪＲＡトットコで単勝1.8倍。４着だった時以外の５戦は７〜９着という着順。２番人気は、全７戦して７〜８着が６回のＪＲＡフクイルで単勝5.0倍。勝ち馬から0.8秒差以内のレースが３回。決して大きく負けている訳ではない。フェアトレードは、単勝96.9倍のブービー９番人気。ＪＲＡ勢相手ではさすがに厳しいとの評価だが、何とか見せ場を作りたい。

　レースでは、フェアトレードはスタートは五分に出ると、ムチを飛ばして強引に先手を取って２馬身リード，ミスマリキータが２番手で、半馬身外にフクイルが３番手。１番人気のトットコは、先頭から７馬身差の６番手で１角へ。１〜２角で、先頭フェアトレードに、ミスマリキータが半馬身差に接近。向正面でも態勢は変わらず、フクイルは先頭まで１馬身差の３番手。６番手トットコは先頭まで４馬身差の位置だが、向正面の中間を過ぎてから進出開始。３角にかかると、先頭フェアトレードは手が動き始める。中団からトットコがムチを飛ばして押し上げて行く。３〜４角の中間で、ミスマリキータは完全に脱落し、今度はフクイルが先頭。フェアトレードが２番手で、３番手にトットコ。４角では、先頭フクイルに、3/4馬身差の２番手に取り付くトットコ。１馬身差でフェアトレードは３番手で踏ん張り、その後ろは２馬身差がついて、４番手以下は一団の態勢で直線へ。

　直線に向くと、フクイル，トットコの人気２頭の叩き合い。２馬身差でフェアトレードが３番手で頑張って、１馬身半差で４番手のＪＲＡスリーキーパーが追ってくる。後方リックゼンラもじわじわ脚を伸ばす。ラスト100ｍで、トットコが競り勝って先頭で3/4馬身リード。フクイルが２番手で、ここまでフェアトレードは２馬身差の３番手で粘っていたが、ここから上位２頭に突き放されてしまう。それでも、４番手スリーキーパーは同じような脚色で差を詰められない。フェアトレードは、積極的な逃げの競馬だったが、最後までバテることなく頑張って３着でのゴール。上位２頭から少し差はあったものの３着に踏ん張ったフェアトレード。まったく人気がなかったが、渋太い粘りを見せてくれた。地方勢最先着で存在感を示した。今後もこういう形の競馬ができれば、更に上の活躍も期待できそうだ。

●'12年の１２月、浦和の交流戦で勝利を飾ったヘイハチスカイ。これで1000万クラスに昇級するが、苦戦が予想された1000万クラスでは、５戦して７着が最高だった。それでも、当初懸念されたほどまったく歯が立たない内容ではなく、それほど差のない競馬もあり、この馬の地力強化は感じられた。前年秋からは500万クラスに降級。緒戦の芝のレースは１１着に終わったが、その後のダート４戦は６〜８着という着順。決して大きくは負けておらず、特に７着だった前走は勝ち馬から0.3秒差。展開次第では、掲示板圏内に食い込んで来る可能性も少なくない。１番人気は、近３走平場戦を２着，５着，２着としているジョバイロで単勝2.4倍。このクラスでは力量上位の馬。２番人気は、前走は５カ月の休み明けで９着に終わったカルブンクルスで単勝4.5倍。休養前は500万クラスで６戦連続で１〜５着と堅実な走りをしていた。現級勝ちの実績があり、変わり身の可能性は十分。ヘイハチスカイは、単勝36.8倍の９番人気。勝つまでは厳しいかもしれないが、上位食い込みを狙っている。

　レースでは、ヘイハチスカイはスタートは五分に出て、軽く仕掛けて好位グループの一角。ヒカリマサムネが出てくるが、大外からショウナンハヤブサが強気に出てきて、この２頭の先頭争い。3/4馬身差でカルブンクルス，パルトゥーラがこれに続く。その後ろは２馬身開いて一団に固まっているが、この中にヘイハチスカイ，人気のジョバイロなどがいる。３角では、ジョバイロなどがじわっと押し上げるが、ヘイハチスカイはここでは手綱を引くような形で脚をタメている。このあたり、先頭から５馬身差の中団の位置取り。３〜４角の中間でも、ヘイハチスカイは中団馬群の真ん中だが、手応えはなかなかいい。４角では、ヒカリマサムネが先頭で、3/4馬身差でカルブンクルス，ショウナンハヤブサの２番手争い。ジョバイロは、先頭から５馬身差の６番手争いの大外。その２馬身後ろから、ヘイハチスカイは外に出してスパート態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭ヒカリマサムネが、3/4馬身リードで渋太く粘っている。残り１ハロンで、ジョバイロは先頭から３馬身差の４番手争いの大外。その２馬身半後ろからはヘイハチスカイも差して来ている。ラスト100ｍで、逃げ粘るヒカリマサムネを、カルブンクルスがかわしにかかる。１馬身3/4差でジョバイロが３番手まで上がってくるが、このあたりは大混戦で、どっと固まったまま数頭が前に迫ってくる。ヘイハチスカイ，シュナップスも、ジョバイロの２馬身後ろから突っ込んでくる。ヘイハチスカイは、シュナップスに半馬身競り負けてしまったが、一団でどっと雪崩混む集団に加わって来たところがゴール。混戦を首差抜け出て優勝したジョバイロからの着差は１馬身1/4差だったが、６着で掲示板食い込みは逃した。それでも差のない競馬をして、あともうひと押しという内容だった。鞍上の藤岡康騎手は、「勝負どころで少し反応が悪くなってしまいました。そういうところが改善してくればいいですね。」とコメント。かなり差のない競馬ができるようになってきて、この次は掲示板圏内を目指したい。

●３月の中山の平場戦では６着だったヘイハチスカイ。あと首差で掲示板というところだっただけに残念だった。その後は、東京平場戦を0.6秒差の８着と、それほど負けてはいなかったが、続く前走東京の平場戦ではブービー１５着に大敗。それでもこれは不良馬場が向かなかった可能性もある。今回は９か月ぶりの芝での競馬となるが、以前の芝での走りも必ずしも悪くなかっただけに、新たな面を見せてくれることを期待。３歳秋以降、ＪＲＡでは１０戦して入着がないが、そろそろ掲示板圏内に食い込むシーンを作りたい。１番人気は、近４走平場戦を１３着，３着，１３着，２着という成績のダイヤモンドハイで単勝3.2倍。成績にムラのある馬だが、前走は首差２着としているように、実力さえ発揮できれば明らかに力量上位。２番人気は、近３走平場戦で５着を続けているグレイングロースで単勝4.3倍。特に前走は１番人気で期待ほどの着順ではなかっただけに、巻き返しを期している。ヘイハチスカイは、単勝126.8倍でブービー人気の１４番人気。評価は低くても、これまでそれほど差のない競馬ができているのも事実。展開次第では、上位食い込みのチャンスはあるはずだ。

　 レースでは、ヘイハチスカイはスタートは五分に出るが、手綱を押して行くものの後方の位置取り。手綱を押してすーっとオールパーパスが出てきて先頭。１馬身差でグレイングロース，ケイエスポーラ，ダイヤモンドハイの２番手争いで、以下も差なく追走。ヘイハチスカイは、先頭から１０馬身近い差の最後方の争いの中で、この一角にはスイートドーナッツもいる。３角でも、先頭オールパーパスが依然１馬身リード。テーオートマホークが僅かに２番手だが、内ケイエスポーラもほぼ並ぶ態勢。ヘイハチスカイはまだ最後方。３〜４角にかけて馬群が固まってきて、ヘイハチスカイもやや外目に出してこのあたりから仕掛けて行く。４角では、全馬４〜５馬身の圏内でまったくの一団に。後方にいたスイートドーナッツが一気に押し上げて、先頭から２馬身差の３番手争い。ヘイハチスカイは後方の大外で、先頭までは４馬身差の位置。どの馬にもチャンスがある形になって直線へ。

　 直線に向くと、先頭オールパーパスが１馬身リードで逃げ込みを図る。残り１ハロンではグレイングロースが２番手に上がり、更に１馬身差でスイートドーナッツがグイグイ伸びて来る。その２馬身半後ろの中団大外からヘイハチスカイも差して来る。ここからスイートドーナッツが先頭に抜け出したが、２着以下の争いは大激戦。ラスト50ｍで伸び脚のまさるサンライズテナンゴが３番手に上がると、２番手グレイングロースに際どく迫る。ヘイハチスカイは、ラスト150ｍではサンライズテナンゴとは２馬身半の差があったが、これを上回る脚で追い込むと、最後はサンライズテナンゴ，グレイングロースの２着争いに半馬身差の４着に食い込んでのゴール。最後の最後で内のエクスバーシヴ以下をまとめて抜き去った。実に久しぶりに掲示板を確保したヘイハチスカイ。展開さえ向けば上位に食い込める力を証明して見せた。鞍上の丸山元騎手は、「道中いい感じでハミを噛んでいました。勝ち馬が上がって行った時に一緒について行って、この馬も最後はいい脚を使ってくれました。」とコメント。芝適性も確認することができ、今後もチャンスは十分あるはずだ。

●函館の立待岬特別で４着と好走したヘイハチスカイ。続く札幌の小樽特別では７着だったが、５着争いには食い込んでいた。現状では、500万クラスで十分掲示板圏内に食い込めるだけの力は示している。今回は北海道競馬のＪＲＡ交流戦で、メンバー的にはぐっと楽になるが、ここ最近好走できている芝の競馬ではない点でどうなのか。出走７頭中、ＪＲＡ勢が６頭出走。１番人気に支持されたのは、唯一の地元馬エリモサプライズで単勝3.0倍。前々走のＪＲＡ交流戦を１番人気で３馬身差の圧勝。前走のＡ２特別でも３着と、安定した走りを見せている。前年秋の地方重賞の道営スプリント４着という実績もある。２番人気はヘイハチスカイで単勝3.2倍。３番人気は、前走５月の園田のＪＲＡ交流戦では１番人気で７着だったスマートロデムで単勝3.9倍。今回は４カ月ぶりのレースで、立て直しが図られてきた。３走前のＪＲＡ500万下平場戦でも４着と好走している。上位人気馬はオッズも均衡し、少頭数ながら混戦模様。ヘイハチスカイの勝負根性に期待したい。

　レースでは、ヘイハチスカイはスタートは五分に近い感じに出るが、他の馬たちの方が速くて遅れ気味になって、７頭立ての６番手の位置。押してオウケンハナミズキが先頭，半馬身差で内にウインエフォート。１馬身差でスマートロデムが３番手，3/4馬身差でスズカプリティーが４番手だが、これに内からスズカロードスター，ヘイハチスカイが並んで行っての４番手争い。４馬身離れてただ一頭の地元馬エリモサプライズが最後方で脚を温存。３角では、ヘイハチスカイは先頭から３馬身差の６番手で、このあたりから手が動く。最後方エリモサプライズが、２馬身後ろまで差を詰めて来ている。３〜４角の中間でも、先頭は依然としてオウケンハナミズキだが、全馬がほぼ一団に固まってくる。４角では、今度はスマートロデムが僅かに先頭。3/4馬身差で２番手争いが横に広がってくるが、この争いの大外にグーンと押し上げてきたのがエリモサプライズ。全馬が２馬身の圏内で、ヘイハチスカイは先頭から２馬身差の位置で直線へ。

　 直線に向くと、スマートロデムが先頭で3/4馬身リード。外からエリモサプライズが２番手に上がってくる。半馬身差で中スズカプリティー，更に半馬身差で内ヘイハチスカイが４番手で、この４頭が抜け出して残り１ハロン。ここから、スマートロデム，エリモサプライズの２頭が並んでの叩き合いとなったが、ラスト100ｍからスマートロデムが二の脚繰り出してグイッともうひと伸びして先頭。ヘイハチスカイは、３番手スズカプリティーの内側で懸命に追ったが、最後まで同じような脚色で逆転できず、首差遅れて４着でのゴール。優勝したスマートロデムからは１馬身3/4の差があった。最後もうひとつ伸び切れなかったヘイハチスカイ。着差は大きくなかったが、やはり芝の方がこの馬の持ち味が生きるのか。それでも、地方のＪＲＡ交流戦なら、今後もチャンスはあるはずだ。

●１つ上の兄にＪＲＡで既に１勝を挙げているロマンシーズを持つマニワプリンセス。６月の東京の新馬戦でデビューし、結果は７着だったが悲観するほど負けていなかった。それだけに、今回は２走目の上積みに期待したい。１番人気は、新馬デビュー戦では１番人気で５着に終わったパイナワレアで単勝3.4倍。今回は巻き返しを期しての一戦。２番人気は、新馬デビュー戦では３着だったアドマイヤムーン産駒のナイアガラモンローで単勝4.2倍。マニワプリンセスは、単勝20.0倍の７番人気。力の比較はなかなか難しいが、マニワプリンセスが素質の片鱗を見せつけて、今後に繋がる競馬をしてくれることを期待したい。

　 レースでは、マニワプリンセスが大外から好発を決めるが、中位からの競馬。キャプレットが先頭に立って、半馬身差でヒノキノカホリ。これに１馬身差でナイアガラモンローが３番手，半馬身差で内にパイナワレアの順。マニワプリンセスは、更に２馬身1/4差後ろの中団大外で、３角では先頭から４〜５馬身差の位置。３〜４角の中間でも、マニワプリンセスは動かない。先頭争いはキャプレット，ヒノキノカホリの２頭が並んでくる。3/4馬身差でナイアガラモンローが３番手，その内3/4馬身差でパイナワレアの態勢。４角では、マニワプリンセスも少し気合を入れて大外を進出。ここで今度はナイアガラモンローが先頭，3/4馬身差でパイナワレアが２番手。一団の態勢で、マニワプリンセスは先頭から３馬身差の中団大外で直線へ。

　 直線に向くと、先頭ナイアガラモンローがリードを開きにかかって、残り１ハロンでは１馬身1/4差のリード。２番手にパイナワレアで、１馬身差で最内ヒノキノカホリが３番手だが、これを大外からかわして行くマニワプリンセス。ラスト100ｍでは、先頭ナイアガラモンローは２馬身1/4差とリードを開いて押し切り態勢。マニワプリンセスがパイナワレアをかわして２番手に上がるが、3/4馬身差で中を突いてトーセンペンタゴンがスルスル伸びる。ラスト70ｍでトーセンペンタゴンが２番手に上がり、マニワプリンセスは３番手に。大外サークルワルツが3/4馬身差の４番手からじわじわ詰め寄る。マニワプリンセスは、最後は先頭との差をじわっと詰めてはいたものの、そのまま３着でのゴール。最後は伸び切れなかったが、勝ち馬からもそれほど差はなく、まずは及第点の内容。後続の追撃も抑え切った。鞍上の宮崎騎手は、「短いところが合っていますね。今日は外枠からで、内の馬に気を使い外へ張り気味でしたが、最後はしっかり脚を使ってくれましたね。」とコメント。素質の片鱗を見せてくれただけに、これからは更に素質を開花させてほしい。

●デビュー２戦目の未勝利戦で３着と好走したマニワプリンセス。これで勢いに乗りたかったが、その後は１６着，７着と見せ場なく、安定して力を発揮できていない。今回は初めてのダート戦で、新しい面を見せられるか。１番人気は、初ダートの前走で半馬身差の２着だったサンクタリリアスで単勝2.5倍。未勝利の身で500万特別に挑戦し、５着入着という成績もある。２番人気は、初ダートの前走で３着だったオージーアイドルで単勝3.7倍。マニワプリンセスは、単勝9.7倍の５番人気。実力の比較はつきにくいが、何とか上昇気運に乗っていきたい。

　 レースでは、マニワプリンセスはスタートは五分に近い感じで出たが、中団から後方へ下げてじっくり構える競馬。オージーアイドルが先頭に出てくるが、今度は内からパピプペポがかわして先頭。半馬身差で大外スイートアリッサムが２番手。これに差なくサンクタリリアス，オージーアイドルの２頭。マニワプリンセスは、先頭から８馬身差の後方真ん中から。３角でもマニワプリンセスは動かないが、前の方がバラけてきて、先頭との差は更に広がってきて、３〜４角の中間では、先頭までは１２馬身の差。パピプペポ，スイートアリッサムの先頭争いで、この２頭で後続を４馬身離している。サンクタリリアスが３番手だが、前の方はバラバラの態勢。４角では、３番手サンクタリリアスが２馬身半差に詰めてくる。１馬身1/4差でカンタベリーキッズ，その後ろは３馬身差でオージーアイドル。マニワプリンセスは中団後ろの大外で、先頭まではまだ１３馬身の差があり、優勝争いからは既に圏外と思われる位置直線へ。

　 直線に向くと、スイートアリッサムが先頭で、残り１ハロンでは半馬身差で内パピプペポが２番手。その１馬身1/4差後ろに差を詰めてきたサンクタリリアス。この時点で、マニワプリンセスは先頭までまだ１０馬身差の７番手争い。前にいるオージーアイドルからも３馬身半差がある。ラスト150ｍでサンクタリリアスが先頭に抜け出すが、これに外から迫るパパラヴズマンボの２頭の際どい勝負に。マニワプリンセスはここからようやく猛然と末脚を繰り出し、オージーアイドルを一気に抜き去ると、ゴール前で内ラチ沿いのパピプペポを首差捉えて５着食い込みのゴール。３着馬からの差は２馬身半差で、あの離れた位置からここまでよく追い込んできたという感じ。勝ち馬からは差があったものの、最後の追い込みの脚には見どころがあった。位置取りから見ても、４角で既に優勝争いの圏外と言える位置だっただけに、この着順も致し方ないか。鞍上の丸田騎手は、「もともとテンションの高いところがあるんですが、今日はゲート裏でも落ち着いて歩いていたし、精神面の成長が窺えますね。出たなりで運んで後ろからになりましたが、リズム良く走ってくれたことが、終いの伸びにつながりました。」とコメント。この次は、もっと上位に肉薄した競馬を見せてほしい。

●ＪＲＡ３勝の実績を挙げたミキノセレナーデの産駒ミキノハルモニー。祖母ムーンセレナードからは活躍馬が輩出されており、この馬にも期待がかかる。しかしながら、デビューはかなり遅く、３歳７月の中京の未勝利戦。１６頭立ての１４着で、後方追走のまま勝ち馬から3.0秒の差があった。今回は一度レースを経験しての変わり身に期待したい。１番人気は、２〜４着を４走続けた後、前走では７着と崩れてしまったスカイラインで単勝2.6倍。今回は巻き返しを期している。２番人気は、近５走で入着３回のウォルフラムで単勝4.7倍。母タンザナイトは素質馬と期待されて秋華賞にも出走経験のある馬だが、今回は５ヶ月ぶりのレースとなる。ミキノハルモニーは、単勝212.9倍のブービー人気の１３番人気。ここでは厳しいという評価だが、一走だけの内容で見限るのは早計。今後に繋がる競馬を見せてほしい。

　 レースでは、ミキノハルモニーはスタートで１馬身ほど立ち遅れ。このあたりは経験の浅さが出たのか。無理せずじっくり後方からの競馬。内から人気のスカイラインが好発を決めるが、手綱をしごいてセルリアンラッシュが先手を取り、3/4馬身差で外ミンネゼンガーが２番手。１馬身3/4差でタムロイレーネ，3/4馬身差で内スカイラインは４番手。大外からはすーっとアインプロジットが押し上げる。ミキノハルモニーは、先頭から７馬身差の中団後ろの位置で１角へ。１〜２角で、先頭はセルリアンラッシュ，3/4馬身差でミンネゼンガー，半馬身差でタムロイレーネの順。向正面で、首差で外アインプロジット，3/4馬身差で内スカイラインは５番手でじっとしている。隊列は落ち着いて、ミキノハルモニーは中団後ろの外で、先頭までは９馬身の差があって、前の馬とは３馬身の間隔が開いているが、３角手前からじわっと差を詰めにかかる。３角でも前の方の態勢は変わっていない。３〜４角の中間では、スカイラインは先頭まで３馬身差の４番手争いで、外のウォルフラムと並んでいる。ミキノハルモニーは少し手が動いて進出の構え。４角では、先頭セルリアンラッシュが１馬身半と少しリードを開きにかかる。ここでスカイラインが２番手に上がってくる。ミキノハルモニーは、先頭から５馬身差の中団やや後ろの大外まで差を詰めにかかって直線へ。

　 直線に向くと、残り350ｍを切ってスカイラインがあっさり先頭。先頭から２馬身半差の中団大外から一気に押し上げるアバンダンティアが、２番手争いに加わってくる。その１馬身半直後からこれを追うようにミキノハルモニーも伸びてくる。残り１ハロンで、先頭かスカイラインは3/4馬身リード。シャイニンシーザー，アバンダンティアの２番手争い。その１馬身半後ろからミキノハルモニーが４番手に上がってくる。その１馬身差の内からはエスケイオスカーの突っ込み。ラスト100ｍで、前の争いからシャイニンシーザーが遅れて、スカイライン，アバンダンティアの争いとなったが、スカイラインが首差振り切って優勝。ミキノハルモニーはラスト100ｍからもうひと伸び切れず、エスケイオスカーに内からかわされて、そのまま５着流れ込みのゴール。それでも、デビュー２戦目で大きな変わり身を見せてくれた。鞍上の義騎手は、「手応え良く運べましたが、途中から内にモタれる面がありました。まっすぐに走れれば、もっとやれそうです。」とコメント。まだまだ経験が浅いだけに、これから更に力をつけていくはず。成長次第では初勝利の可能性まで見えてくるはずだ。

●ＪＲＡ１勝のステラジアンの従弟ミスターローレンス。兄姉にはＪＲＡ所属だった馬が３頭いるが、通算１９戦して入着なし。それだけに、ミスターローレンスには兄姉とは違った活躍を期待したい。２歳８月の新馬戦でデビューして８着。その後は５カ月レース間隔が開いて、１月の未勝利戦では１３着。そこから今回また６カ月レース間隔が開いて、ここまで順調に使い込めていない。それでも、この先残されたチャンスは多くはないだけに、そろそろ浮上のきっかけを掴みたい。１番人気は、近３走を３着，２着，３着としているドリームエルダーで単勝1.8倍の断然人気。未勝利を勝ち上がるのはもう時間の問題。２番人気は、デビューからの２戦を連続３着とした後、半年ぶりの前走は２番人気で１２着に終わったハヤブサゴッドで単勝3.8倍。ひと叩きされた今回は変わり身を見せるはず。ミスターローレンスは、単勝40.3倍の１０番人気。実績も挙げていない上に休み明けとあって、評価が低いのはやむを得ないが、何とか素質のあるところを示してほしい。

　 レースでは、ミスターローレンスは若干甘いスタートで、じっくり中団後ろからの競馬。広がった先頭争いから、スタートから１ハロンの地点で、大外一気にコスモキングダムが先頭に立つ。１馬身差で内に人気のドリームエルダーが２番手，3/4馬身差でハヤブサゴッド，首差で大外アマクダリの態勢で、その後ろは２馬身開いている。ミスターローレンスは、先頭から７馬身差の中団やや後ろの内々につける。１〜２角ではかなりバラけてきて、先頭コスモキングダムが５馬身のリードとなるが、向正面ではその差は１馬身にまた縮まってくる。ハヤブサゴッドが２番手で、１馬身差でドリームエルダーは３番手。ミスターローレンスは中団後ろの内々のまま、先頭までは１０馬身の位置だが、３角手前で中へ持ち出して、じわっと差を詰めにかかる。３角過ぎでも、先頭コスモキングダムは手応え十分に２馬身リード。２番手にはハヤブサゴッドだが、３番手ドリームエルダーは手応えが怪しくなってきて、少し差が開き加減。３〜４角の中間では、３番手以下は一団になってきて、ミスターローレンスも進出して、４番手争いの一角に加わってくる。４角でも、先頭コスモキングダムは依然２馬身リード。ハヤブサゴッドが２番手で、その後ろは４馬身と開いてドリームエルダーが３番手。１馬身差で内マルヨグラス，3/4馬身差でミスターローレンスが５番手争いで直線へ。

　 直線に向くと、先頭コスモキングダムが１馬身1/4差リードで押し切りを図る。ハヤブサゴッドが２番手で、３馬身半開いてマルヨグラスが３番手。この時点で１，２着の態勢は決した感。残り１ハロンでは、３番手から半馬身差でドリームエルダーが４番手だが、これを半馬身差でミスターローレンス，大外ヘルツフロイントの２頭がかわしにかかる。ラスト150ｍでは、ドリームエルダーは脱落し、ヘルツフロイントが４番手から更にマルヨグラスをかわしにかかり、ミスターローレンスは５番手。ラスト100ｍで、ミスターローレンスは４番手のマルヨグラスとの差がまだ3/4馬身あったが、ここからじわじわ差を詰めて、最後の最後でほとんど並ぶ態勢の４着争いのゴール。写真判定の結果、ミスターローレンスがマルヨグラスを鼻差捉えて４着。今回も休み明けだったが、ダート適性を見せての上位食い込みとなった。鞍上の柴田善騎手は、「久々、初ダートだったけど、内容は良かったね。道中はいい感じで運べたし、走りからもダートが合っているんじゃないかな。次はもっと動けると思うよ。」とコメント。これまで順調に使えていなかっただけに、これから上昇の余地は大きいはずだ。

●前年１１月の平場戦で４着となったムードティアラ。これで２戦連続の４着で、確かな手応えを掴んだが、その後は方向を変えて芝を試す。しかしながら、芝の平場戦でブービー１４着に惨敗を喫し、今回は再びダートに戻っての競馬。当然、前走の結果は度外視できる。１番人気は、前走５カ月ぶりの実戦の500万下平場戦を５馬身差圧勝してきたラヴァンドゥーで単勝4.6倍。前走の勝ち方が鮮烈ではあったが、昇級戦だけに果たしてどうか。２番人気は、1000万クラスに昇級してからの２戦を、平場戦で２着，１１着という成績のバルダメンテで単勝5.4倍。前走１番人気で二桁着順に沈んだ内容をどう評価するか。ムードティアラは、単勝7.0倍の５番人気。中心馬不在の乱戦ムードだけに、ムードティアラがロスなく立ち回れるなら、きっと勝機を見出せるはずだ。

　レースでは、ムードティアラは大外からスタートはまずまず。それでもここは後方でじっくり構える自分のパターンに徹する。バイタルフォルム，バルダメンテ，ミルキーブロードの３頭の先頭争い。１馬身1/4差でフィオリアが続くが、ここから前の方の態勢はバラけてきて、５番手ラヴァンドゥーは先頭から３馬身差。ムードティアラは、後方２頭目で先頭までは１０馬身の差。３角では、バイタルフォルムが単独先頭に立って１馬身半のリード。バルダメンテが２番手だが、外からじわっとミルキーブロードが接近。３〜４角の中間でも、ムードティアラは後方２番手でじっと脚をタメている。４角では馬群が固まってきて、先頭バイタルフォルムのリードは半馬身。ムードティアラは依然後方２頭目ながら、先頭まで６馬身差に詰めてくる。更に１馬身半後ろのローレンルーナが最後方で直線へ。

　直線に向くと、バイタルフォルム，バルダメンテの先頭争いに、内ラチ沿いジョージジョージ，外ミルキーブロードが並んでくる。１馬身半後ろの広がった５番手争いの真ん中に人気のラヴァンドゥーだが、伸び脚はひと息。残り250ｍで、ムードティアラは５番手争いから２馬身半差の位置から脚を伸ばすが、更にその大外からローレンルーナが一気に伸びて来て、ムードティアラはかわされてしまう。ラスト150ｍで、ミルキーブロードが１馬身抜け出して先頭も、広がった２番手争いの大外まで押し上げるローレンルーナが、最後方待機策から先頭にまで襲いかかる。ムードティアラは、ローレンルーナに１馬身半遅れて伸びて来るが、今度は中から突っ込んだショウナンダイラにかわされる。それでもラスト100ｍでは先頭まで２馬身差で、４番手アップルハウスに3/4馬身差から更に差を詰めたが、アップルハウス，ミルキーブロードの３着争いに首差まで詰め寄ったところがゴール。結果は５着だったが、それほど差のない混戦の勝負だった。鞍上の田辺裕騎手は、「今日は流れ込んだ感じになってしまいました。まだ力で捻じ伏せるまではいきませんね。」とコメント。一応この馬の力は見せたが、展開と条件、立ち回り次第では、もっと上の着順を狙えるはずだ。

●芝からダートに戻った東京の1000万下平場戦では５着だったムードティアラ。掲示板は確保したが、やや物足りない内容だったのも事実。そして前走の平場戦は、まさかの１４着ブービー大敗を喫してしまう。それでも今回は500万クラスに降級してのレースだけに、上位争いの期待は高まる。１番人気は、南関東で５戦３勝の成績で中央に再転入し、500万下平場戦を２着，１着としているホワイトプラネットで単勝1.5倍の断然人気。前走は２馬身半差の楽勝で、勝ってなお同条件でのレース。そして、ムードティアラが単勝4.0倍の２番人気。ダートでは1000万クラスで近４走で３回入着の実力はやはり上位のはず。３番人気は、近２走平場戦を２着，４着としているラヴィーズバードで単勝8.6倍。ムードティアラにとっては、十分勝機のある一戦だ。

　 レースでは、ムードティアラはスタートは五分に出て中団から。広がった先頭争いから、ホワイトプラネット，ビッグダージリンの２頭が出てくるが、ホワイトプラネットの方が半馬身出て先頭。２番手ビッグダージリンの後ろは、１馬身半差でラヴィーズバード，シゲルトオトオミの２頭。ムードティアラは中団後ろの位置で、先頭までは８馬身の差があるが、３角でじわっと外から進出の構え。３〜４角の中間でも、先頭はホワイトプラネットで3/4馬身のリード。２番手にビッグダージリンで、半馬身外に接近するシゲルトオトオミ。４角では、ムードティアラは中団外目で、先頭までは５馬身差の位置で直線へ。

　 直線に向くと、ホワイトプラネットが先頭で１馬身リード。残り400ｍで、シゲルトオトオミをかわしてシャンパンルージュが２番手に。ムードティアラは中位から中を突いてじわじわ伸びる。残り250ｍでは、先頭ホワイトプラネットは１馬身3/4差で一頭抜け出している。２番手シャンパンルージュに、外から3/4馬身差に取り付くアンジュシュエット。ムードティアラは更に２馬身後ろの６番手あたり。残り１ハロンで、ムードティアラは４番手まで順位を上げてくるが、２番手争いの２頭まで３馬身差があって、これには届かないかという感じ。ラスト150ｍでアンジュシュエットが単独２番手に上がると、ホワイトプラネットも甘くなって、ラスト100ｍでアンジュシュエットがあっさりかわして先頭。ホワイトプラネットは何とか２着に粘り込む。４番手ムードティアラは、大外フランスギャルの追い込みにあったものの、危なげなく１馬身しのいで４着でのゴール。上位と差があった点では物足りなさが残ったが、堅実なところは見せてくれた。鞍上の戸崎圭騎手は、「うまく運べたのですが、直線では伸びが鈍ってしまいました。久々の分だと思うので、次は良くなるでしょう。」とコメント。展開とメンバー次第では、勝利の順番が巡ってくるはずだ。

●500万クラスに降級した前走は４着だったムードティアラ。優勝候補の一頭だったが、前から少し差のあった内容は、ひと息と言わざるを得なかった。それでもこのクラスでの力量上位は明らかだけに、今回は巻き返しを期す。１番人気は、ＪＲＡへ再転入してからの平場３戦を２着，１着，２着としているホワイトプラネットで単勝1.9倍の断然人気。前々走現級勝ちがあるうえ、前走は４着のムードティアラに２馬身半先着している。２番人気は、前走デビュー８戦目の未勝利戦を３馬身差圧勝したデルマアラレチャンで単勝6.9倍。前走まで４連続１番人気だった馬だが、昇級戦でいきなり好勝負できるかどうかがカギ。ムードティアラは、単勝8.0倍の３番人気。確かに前走はホワイトプラネットから少し差があったが、元々の能力を考えれば、互角の競馬ができて不思議はない。

　 大雨の中のレースとなるが、ムードティアラは若干甘いスタートだが、手綱をしごくと徐々に加速して好位集団に接近。内からすっとプランタンビジューが先頭に立って、１馬身1/4差でトウカイマインド，タニセンヴォイスの２番手争い。その１馬身半後ろの４番手集団から、大外ホワイトプラネットが前に接近。ムードティアラはその２馬身後ろの位置で、中団内ラチ沿いを追走している。このあたり、ムードティアラは先頭から５馬身差の７番手。３角でも隊列に変動はなく、ムードティアラはじっと脚を温存している。３〜４角の中間でも、先頭は依然としてプランタンビジューで、3/4馬身差でタニセンヴォイスが２番手。４角では前の２頭が並んできて、半馬身差の大外３番手にホワイトプラネットが接近。１馬身差で内にトウカイマインド。その２馬身後ろの５番手にムードティアラで、やや内目を通る形で直線へ。

　 直線に向くと、先頭２頭に残り400ｍでホワイトプラネットが持ったままで並んでくる。ムードティアラはその２馬身後ろの５番手で、内目から徐々に外に持ち出して、ここからじわじわ差を詰めて行く。残り300ｍでホワイトプラネットが楽々と先頭に抜け出してくるが、これに照準を絞って狙いすましたように襲いかかってきたのがムードティアラ。残り250ｍでは２番手に上がって、先頭ホワイトプラネットの3/4馬身外に取り付く。ここからは、ホワイトプラネット，ムードティアラのマッチレース。ムードティアラは、ラスト150ｍでは半馬身差，ラスト100ｍでは首差まで追い詰める。この時点で、前２頭で３番手以下を３馬身半突き放している。ホワイトプラネットも実に渋太かったが、ムードティアラはラスト50ｍでついにこれを捉えると、あとは捻じ伏せるように首差競り落として優勝のゴール。３着以下には６馬身もの差をつけていた。前走はホワイトプラネットに完敗したムードティアラだったが、今回はこの馬本来の走りで逆転して見せた。鞍上の伊藤工騎手は、「うまくこの距離にも対応できましたし、直線で外に出せました。そこからは内にササるのを修正しながら、前の馬に食らいついて行きました。デキの良さを感じさせられましたし、いい結果を出せたのはスタッフのおかげですね。」とコメント。元々1000万クラスでも上位争いをしていた馬だけに、昇級後ももちろん期待していいはずだ。

●降級２戦目の500万下平場戦を優勝したムードティアラ。さすがという所を見せたが、今回は1000万クラスに返り咲いての一戦。これまで1000万クラスではひと息足りない印象だったが、今回は勝利の余勢を駆って、ここでも好勝負に持ち込みたい。１番人気は、未勝利，500万下平場戦と連勝して昇級してきたベルプラージュで単勝3.7倍。前走500万クラス昇級緒戦で２馬身半差楽勝した内容から、まだ底を見せていない未知の魅力が買われている。２番人気は、降級した500万特別をあっさり２馬身半差楽勝した後、1000万特別を２戦してともに１番人気で２着，４着としているヒラボクプリンスで単勝5.0倍。このクラスでは力量上位の存在。ムードティアラは、単勝40.4倍の１１番人気。実績的には見劣るが、それでも展開が嵌まれば上位に肉薄できる力は持っているはずだ。

　 レースでは、ムードティアラはスタートで躓いてしまって、１馬身立ち遅れの形で中団後ろの位置。ここはじっくり脚をタメる競馬。ヒメサクラが先頭だが、内首差でグイグイしごいてトミケンユークアイも先頭争い。１馬身差でファイトユアソング，3/4馬身差で外ヒラボクプリンスが４番手。ムードティアラは、先頭から１２馬身差の後方３頭目で、前の馬からは少し離された位置につけている。１〜２角で、何が何でもの構えのトミケンユークアイが先頭を取り切って２馬身のリード。ヒメサクラが２番手で、その後ろは３馬身半と差が開いていたが、３番手シグナルプロシード以下が２馬身差まで詰めてきて向正面へ。その２馬身後ろの内々６番手にヒラボクプリンスがいて、半馬身外にベルプラージュ。ムードティアラは更に６馬身後ろで、内々殿りで脚をタメていて、３角で内からじわっと押し上げるが、先頭まではまだ１０馬身の差。先頭トミケンユークアイに、ヒメサクラが半馬身差に接近し、前の方は固まってくる。３〜４角の中間でも、ムードティアラは最後方の争いで、先頭までは８馬身差。４角では、ヒメサクラが半馬身リードして先頭。内トミケンユークアイが２番手で、半馬身差で外シグナルプロシードが３番手。これに１馬身差でヒラボクプリンスが４番手に上がってくる。ムードティアラは更に３馬身半後ろで、中団後ろの位置まですっと順位を上げてきて直線へ。

　 直線に向くと、ヒメサクラが先頭に立って、半馬身差で外シグナルプロシード。内に入ったヒラボクプリンスが半馬身差の３番手。１馬身差でトミケンユークアイは後退。２馬身後ろの５番手からベルプラージュが追ってくる。残り１ハロンで、ムードティアラは更に２馬身後ろの真ん中９番手あたりだが、ここからぐいぐい脚を伸ばしてくる。ラスト100ｍで、シグナルプロシードが僅かに先頭だが、内首差でヒラボクプリンスが迫ってくる。間ヒメサクラも首差３番手で食い下がり、前３頭の争いが続く。３馬身開いてベルプラージュは４番手で伸び切れないが、これに半馬身差に迫るムードティアラ。４番手争いは混戦の様相となっている。更には後方から大外一気にニットウビクトリーの追い込み。ムードティアラは、ラスト60ｍでベルプラージュをかわして４番手に上がりかけたが、ここで大外ニットウビクトリーに抜き去られる。それでも、４番手に後退してきたヒメサクラに一気に詰め寄ったが、惜しくも半馬身届かず５着でのゴール。３着に上がったニットウビクトリーからもそれほど差はなかった。優勝争いは、ラスト50ｍでヒラボクプリンスが競り勝った。頑張りを見せて５着に食い込んできたムードティアラ。スタートでの躓きがあって位置取りが悪くなってのものだけに評価していい。鞍上の伊藤工騎手は、「躓いてしまったけど、終いの脚をうまく生かす競馬ができました。」とコメント。馬の調子も上がってきており、今後も1000万クラスで健闘を期待していいはずだ。

●昇級緒戦の前走柏崎特別では５着と入着を確保したムードティアラ。しかも３着から差のない競馬で、勝ち切るところまではなかなかいかないが、このクラスでも上位争いができる力を改めて示した。今回は２番人気以下は人気の割れた一戦で、ムードティアラも上位争いの可能性は十分。１番人気は、初ダートの未勝利戦を７馬身差圧勝した後、500万下平場戦も２馬身差快勝してきたアンナミルトで単勝1.7倍の断然人気。素質を高く買われた形だが、昇級緒戦ではある。２番人気は、近４走特別戦を４着，６着，２着，４着としているヒメサクラで単勝7.2倍。既に1000万特別勝ちがあり、ここでは実績上位の馬。ムードティアラは、単勝10.9倍の４番人気。この馬の末脚が生きる展開を期待したい。

　レースでは、全馬揃ったスタートで、ムードティアラはじっくり後方２頭目の位置から。内からヒメサクラが先頭に出てくるが、首差で外ダンシングミッシーなども差はなく、前の方は固まっている。人気のアンナミルトは、先頭から３馬身差の中団外目。ムードティアラは、更に５馬身後ろで最後方となっていて、３角では先頭まで７馬身差の位置。３〜４角の中間でも、ムードティアラはじっくり構えて最後方のまま。先頭ヒメサクラのリードは首差で、前の方の態勢は変わっていないが、４角ではヒメサクラのリードは3/4馬身にじわっと広がる。ダンシングミッシーが２番手で、１馬身半差で３番手以下の集団。ムードティアラは先頭まで８馬身差で、後方から真ん中を突いて追い込みに全てを懸けて直線へ。

　 直線に向くと、先頭ヒメサクラが二の脚で突き放しにかかって２馬身半のリード。２番手ダンシングミッシーに、２馬身差でマレーナ，パーティードレスの３番手争い。残り300ｍで、中からサトノジョリーが３番手争いに加わってきて、つれて大外アンナミルトも脚を伸ばす。ムードティアラはその２馬身半後ろで、やや外目に持ち出して追い込んでくる。残り１ハロンで、先頭ヒメサクラは５馬身リードで圧勝態勢。ムードティアラは、４番手アンナミルトから２馬身1/4差の７番手争いの一角で、外のラブリースターとともに差を詰めてくるが、ラスト100ｍではまだ９番手の態勢。ムードティアラは末脚を鈍らせることなくじわじわ伸びて、ラブリースターにはやや伸び負けたものの、これに食い下がるように同じ脚色で伸びて、ゴール前で内ラチ沿いのアンナミルトなど３頭横一線の５着争いに持ち込んでのゴール。際どい５着争いは、鼻，鼻差でムードティアラが先着で５着食い込み。前走に続いて掲示板を確保した。鞍上の田辺裕騎手は、「この距離は少し忙しかったですね。クラスが上がったこともありますが、この距離は短距離馬が集まってくるし、もう少し距離があった方がいいと思います。」とコメント。1000万クラスではまだ勝ち負けまでは食い込めていないが、いずれは更に肉薄した勝負に持ち込んでほしい。

●前走の平場戦では勝ち馬から差があったものの５着で掲示板は確保したムードティアラ。２戦連続の掲示板で安定感は見せたものの、勝ち負けまではパンチ力をやや欠いている。それだけに、今回は前走以上の前進を見せたいところ。１番人気は、前走東京の500万下平場戦を１番人気で２馬身差快勝して昇級してきたサウンドトゥルーで単勝3.4倍。目下１６戦連続入着という堅実馬。２番人気は、これも前走東京の500万下平場戦を２馬身半差快勝して昇級してきたワイルドコットンで単勝4.2倍。ムードティアラは、単勝28.2倍の９番人気。500万クラスからの昇級組が人気を集めるなら、ムードティアラも差のない競馬ができて不思議ないはずだ。

　 レースでは、ムードティアラはまずまず好スタートで、無理なく好位グループに取り付く。ノウレッジが先頭に立って１馬身のリード。２番争いは横に広がって、ムードティアラもその一角。今度は最内から手綱をしごいてフォースフルがかわして先頭，半馬身差でノウレッジが２番手。3/4馬身差でワイルドコットン，ホワイトプラネットの３番手争い。その後ろ１馬身半差でゲマインシャフト，ムードティアラの２頭。１馬身差で内ビッグリバティが中団の位置で続いている。人気のサウンドトゥルーは更に３馬身後ろの後方内々で追い込み策。３角では、ムードティアラは先頭から４〜５馬身差の位置で流れに乗る。先頭から順にフォースフル，ノウレッジ，ホワイトプラネットの態勢で、それぞれ１馬身半間隔。ムードティアラはこの先行勢の動きを見ながら、持ったままで追走している。４角では、ノウレッジが先頭フォースフルに外から並びかけるが、以下もまったくの一団に。ムードティアラは、先頭から２馬身半差の中団馬群の真っ只中で直線へ。

　 直線に向くと、ノウレッジが持ったままで先頭。残り400ｍで、ムードティアラは前が壁になっていたが、ここからやや内目に進路を取って追ってくる。残り１ハロンでは、先頭ノウレッジに、内からゲマインシャフト，ビッグリバティの２頭が並んでくる。１馬身半差でワイルドコットンが４番手だが、これに3/4馬身差で内側ムードティアラ，外側からはミヤジマッキーの２頭が追ってくる。その２馬身後ろからはサウンドトゥルーがようやく追い込んでくる。ラスト150ｍで、ビッグリバティが僅かに先頭に出て、内側から首差で食い下がるゲマインシャフトとの争い。ムードティアラは単独４番手の態勢で、１馬身1/4差前にいるノウレッジを追撃する。ラスト50ｍで、ムードティアラがノウレッジをかわしにかかったところで、外からサウンドトゥルーに抜き去られてしまう。それでも４着には上がれる態勢だったが、ここから前が詰まって手綱を引く形でブレーキがかかってしまい、ノウレッジに首差遅れて５着でのゴール。間違いなく４着はあった態勢だっただけに、最後の不利は残念な思いが残った。鞍上の田辺裕騎手は、「今日はスタートが決まって、道中の手応えも良かったのですが、直線で前が詰まってしまって…。」とコメント。それでも勝ち馬からの差は１馬身ちょっと。1000万クラスでも互角に戦える確かな手応えを掴んだ。

●１２月の中山の平場戦で３着と上位に食い込んだメイショウスミトモ。続く前走小倉のくすのき賞では６着に終わるが、勝ち馬からは２馬身とそれほど差はなく、今回も上位争いの期待。ただ今回は評判馬が駒を進めてきただけに、この強敵相手に果たしてどんな戦いができるのか。１番人気は、新馬デビュー戦で約１３馬身差の圧勝で初陣を飾ったサクセスグローリーで単勝1.1倍の断然人気。フェブラリーＳなどＧ１を３勝したあのサクセスブロッケンの弟として、大きな注目を浴びる存在。僅か１戦だけで、将来のダート界を担う存在との声さえある。２番人気は、デビューからの２戦を２着，１着として順当に勝ち上がってきたレッドロンメルで単勝オッズは大きく離されて18.1倍。メイショウスミトモは、単勝43.3倍の７番人気。勝つまでは果たしてどうかと思われるが、２着争いなら十分可能だ。

●前走阪神の平場戦では５着だったメイショウスミトモ。なかなか勝ち負けにまでは加われないが、掲示板圏内もしくはそれに近い着順には安定して走れるようになってきた。今回は中山に遠征しての一戦。１番人気は、初ダートの前走未勝利戦を快勝してきたファドーグで単勝2.5倍。２着には２馬身差をつけ、３着は更に８馬身も差が開いていたように、前走の勝ちっぷりが評価されている。２番人気は、デビューからの３戦をすべて１番人気で、２着，２着，１着として未勝利を勝ち上がってきたドラゴンキングダムで単勝4.2倍。前走は頭差の僅差の勝利ではあったが、３着以下は更に１０馬身もの差ばついていた。メイショウスミトモは、単勝10.6倍の６番人気。未勝利を勝ち上がって来た面々が上位人気となっているが、実力の差はほとんどないはずだ。

　レースでは、各馬揃ったスタート。メイショウスミトモはじっくり行って、好位グループの後ろに取り付く。ホルボッシュ，トーセンセラヴィの先頭争いとなり、これに半馬身差で外テスティコ。その後ろ１馬身半差で３頭が並んでいるが、いちばん大外がファドーグ。更に１馬身半後ろにメイショウスミトモなどが追走する。１〜２角で、ホルボッシュが半馬身リードで先頭に立ち、テスティコが２番手。１馬身差でトーセンセラヴィは３番手。向正面で、２馬身差でファドーグは４番手。更に１馬身半後ろのツクバホシノオーに、外からすーっとメイショウスミトモが並んで行く。向正面の中間で、２番人気のドラゴンキングダムが、大きくつんのめるような感じになって競走中止。結局「異常歩様」とのことで大事には至らず。メイショウスミトモは５番手につけて、先頭までは５馬身差。３角では、先頭〜４番手ファドーグまでは、それぞれ１馬身ほどの間隔だが、３〜４角の中間では、それがそれぞれ半馬身間隔に詰まってくる。４番手ファドーグの２馬身後ろでメイショウスミトモは５番手をキープするが、手応えは悪くない。４角では、前４頭がほぼ並ぶ態勢だが、大外ファドーグの勢いがまさっている。２馬身差で中メイショウスミトモなど３頭の５番手争いで、内のフィールザスマートも余力残しの感じで直線へ。

　直線に向くと、外ファドーグが単独先頭に抜け出してきて、残り１ハロンでは１馬身リード。メイショウスミトモは５番手争いで、先頭までは２馬身半差。ラスト150ｍで、２番手トーセンセラヴィが踏ん張っているが、ファドーグには徐々に差を広げられる。テスティコが３番手で、１馬身差でフィールザスマート，メイショウスミトモの２頭がこれを追う。メイショウスミトモは、フィールザスマートには競り負けてしまったが、ゴール前でテスティコを捉えて４着でのゴール。最後に大外パッシングブリーズが追い込んできたが、これは首差しのいだ。頑張りは見せたメイショウスミトモだが、いつも同じような結果に終わった。鞍上の戸崎圭騎手は、「１角で力み加減だったんですが、その後はスムーズでした。まだトモが緩いんですが、力をつけてパンとしてくればもっと走れるようになるでしょう。」とコメント。これからは、善戦からもう一歩上の活躍を期待したい。

●前走の中山戦では４着だったメイショウスミトモ。昇級後はまだ勝ち負けの競馬はできていないが、安定して上位に食い込めるようになってきている。ややパンチ力は欠くものの、今回も上位争いを期待。１番人気は、前走の平場戦で頭，鼻差の３と着惜敗だったテーオーイージスで単勝4.4倍。芝では大敗しているが、ダートでは５戦して３着を外したことがない。２番人気は、新馬勝ちの後、500万特別を１１着，１０着と大敗しているエイシンフランキーで単勝4.5倍。今回初ダートで変わり身が期待されているが、実績がない点で果たして信頼できるのか。メイショウスミトモは、単勝8.1倍の６番人気。人気が大きく割れた実力拮抗の大混戦の様相だが、メイショウスミトモは渋太く上位争いをしてくれるはずだ。

　レースでは、メイショウスミトモはややスタートが甘く、後方に近い位置。ローレルストームが先頭に立って、半馬身差で外タガノゴールドが２番手。その後ろは１馬身半差で５頭が並んでいるが、その中に人気のテーオーイージス，アムールブリエなどがいる。メイショウスミトモはその２馬身後ろの８番手で、その後ろはまた２馬身半と開いて１角へ。１〜２角で、３番手争いはハナズリベンジ，アムールブリエの２頭の態勢に。半馬身差でテーオーイージスも５番手で差はない。向正面では、メイショウスミトモはテーオーイージスの１馬身1/4差の６番手。このあたりは、比較的固まった落ち着いた流れになっている。メイショウスミトモは中団外を追走し、先頭までは４馬身差で、３角手前からじわっと差を詰めにかかる。３角を過ぎて動いて行ったメイショウスミトモは、テーオーイージスをかわして行くが、先頭まで４馬身差は変わらない。３〜４角の中間でも、前の方の態勢は変わっていない。メイショウスミトモは仕掛けているが、３番手争いのハナズリベンジ，アムールブリエまで２馬身1/4差で差は詰まっていない。４角では、逃げたローレルストームに、外からタガノゴールドが馬体を併せて行く。１馬身差外に取り付いたアムールブリエが３番手。その後ろは１馬身3/4差で、やや後退したハナズリベンジに、外からメイショウスミトモが並びかけての４番手争いで直線へ。

　直線に向くと、外のタガノゴールドがじわっと首だけ出て先頭だが、内でローレルストームも食い下がる。更に外からアムールブリエが前に迫る。その後ろ２馬身差でメイショウスミトモは単独４番手だが、伸び脚はジリジリとした感じ。残り250ｍでローレルストームが一杯になって、ここからはタガノゴールドとこれを追うアムールブリエの争い。ラスト100ｍで、今度はアムールブリエがタガノゴールドをかわしにかかる。その後ろは３馬身半と差が開いてしまって、メイショウスミトモがローレルストームをかわして単独３番手に上がるが、態勢は決した。あっさり先頭に抜けたアムールブリエが、最後は１馬身3/4差をつけて快勝。メイショウスミトモは、タガノゴールドに３馬身差で、そのまま流れ込む感じで３着でのゴール。今回も勝ち負けまでは持ち込めなかったが、上位着順はしっかり確保した。鞍上の武豊騎手は、「スムーズに運べた。最後も手応え以上に渋太かったよ。」とコメント。パンチ力は物足りないが、安定して渋太く走れる内容は評価できる。もう一段階のパワーアップができれば、500万クラスでの勝利も見えてくるに違いない。

●前走阪神の平場戦で３着だったメイショウスミトモ。このクラスでまだ勝ち負けまでは持ち込めていないが、ひとつずつ順位を上げてきて、今回は勝利への期待も高まる。１番人気は、３戦連続１番人気で未勝利を６馬身差圧勝し、昇級緒戦の500万下平場戦では１馬身差の４着だったタガノエッヴィーバで単勝3.3倍。２番人気は、昇級後は６戦して入着５回のサトノバリアントで単勝3.6倍。前々走は２着と力を示している。メイショウスミトモは、単勝7.3倍の３番人気。大きな能力差はないメンバー構成だけに、メイショウスミトモにも勝機は十分だ。

　レースでは、メイショウスミトモはスタートはあまり良くなかったが、後方に近い位置から徐々に中団まで盛り返して行く。ゼンノスサノヲが先頭に立って、3/4馬身差で外ニシノマテンロウが２番手。メイショウスミトモは、先頭から３馬身差の中団の位置だが、このあたりは一団の態勢。人気のタガノエッヴィーバは、更に３馬身後ろの後方内ラチ沿いにつけて１角へ。１〜２角で、先頭ゼンノスサノヲが２馬身リードの逃げ。２番手にニシノマテンロウ，3/4馬身外にエイシンソニックの順で向正面へ。3/4馬身内にスペシャルギフトが４番手だが、これに外からメイショウスミトモが並んで行く。ここで後ろにいたサトノバリアントが大外をすーっと押し上げ、これに合わせてメイショウスミトモも進出開始。ゼンノスサノヲは一旦リードが縮まって、メイショウスミトモなどが差のない位置に取り付くが、ゼンノスサノヲがまたペースを上げて行って、３角ではメイショウスミトモは先頭から１馬身3/4差の３番手で、３角過ぎでは少し手が動く。サトノバリアントは早々と脱落。３〜４角の中間では、ゼンノスサノヲが２馬身とリードを開くと、メイショウスミトモは２番手を窺う態勢で、４角ではニシノマテンロウをかわして単独２番手で、先頭ゼンノスサノヲに１馬身差に取り付いて直線へ。

　直線に向くと、逃げるゼンノスサノヲに、外からメイショウスミトモが並びかけての叩き合い。残り１ハロンでもどちらも譲らず、２頭で後続を２馬身半と離して完全にマッチレース。ラスト150ｍからメイショウスミトモが頭ひとつ出るが、ゼンノスサノヲも渋太く食い下がる。２頭の激しいデッドヒートが続いたが、メイショウスミトモは最後まで頭差を譲らず押し切って優勝のゴール。最後は勝負根性でまさった形。善戦止まりにピリオドを打ち、500万クラスを勝ち上がったメイショウスミトモ。まだ兄ロングプライドには及ばないが、一歩一歩階段を昇って行っている印象。元々晩成タイプの血統だけに、先々の期待は大きい。鞍上の古川吉騎手は、「今日はあの位置で置かれずについて行けました。ペースが遅かったし、向正面でサトノバリアントがマクッてきたので、ビュッとした脚が使えるタイプでもないので動いて行きました。直線はちょうどいい併せ馬にになって、最後まで渋太かったです。」とコメント。これで更に上のクラスに昇級するが、交流グレードレース挑戦などの選択肢も見えてきた感じだ。

●５月の新潟のわらび賞を優勝したメイショウスミトモ。これで1000万クラス昇級となるが、その後は３カ月半の休養となり、今回は休み明けの一戦。昇級緒戦で初めての古馬相手の競馬と条件は厳しいが、この馬の将来性を考えた時、ここでもある程度の好勝負はできるはず。１番人気は、1000万下平場戦を３着，２着とした後、降級した500万下平場戦を順当に勝ち上がってきたハイパーチャージで単勝2.2倍。２番人気は、前走500万下平場戦を７馬身差圧勝して昇級してきたカーティスバローズで単勝2.9倍。元々1000万クラスでも安定して上位争いをしていた馬だけに、昇級戦というのは形だけ。メイショウスミトモは、単勝19.6倍の６番人気。今は成長期にあるだけに、今後に期待が膨らむ頑張りを期待したい。

　レースでは、メイショウスミトモはスタートで半馬身立ち遅れてしまい、更にはバランス悪く出て最後方から。コクリュウノマイが先頭に立って、半馬身差で内カーティスバローズが２番手。3/4馬身差で外アテンファーストが３番手で、その後ろは２馬身開いている。メイショウスミトモは中団やや後ろの大外に順位を上げて来て、先頭までは６馬身差。人気のハイパーチャージは、更に５馬身後ろの最後方から。１〜２角で、今度はカーティスバローズが先頭に立って、１馬身差でコクリュウノマイ，3/4馬身差でアテンファーストが３番手。向正面で、１馬身差でナンヨーカノン，スパークオンアイスの４番手争い。メイショウスミトモは更に２馬身半後ろの中団大外。その３馬身後ろの後方３頭目にハイパーチャージで、このあたりは流れは落ち着いている。３角では、先頭カーティスバローズに、外から半馬身差でコクリュウノマイ、更には首差でアテンファーストと、前３頭がやや固まってくる。メイショウスミトモは先頭から６馬身差で、３〜４角の中間から手を動かして差を詰めにかかり、５番手争いの大外に押し上げる。４角では、後方ハイパーチャージにもゴーサインが出される。先頭カーティスバローズは、手応え十分にまた１馬身とリードを開きにかかる。２番手コクリュウノマイに、内から持ったままでナンヨーカノンが並んでくる。その１馬身半後ろの４番手争いにメイショウスミトモが接近するが、大外からはハイパーチャージも並んで来て直線へ。

　 直線に向くと、先頭カーティスバローズが１馬身リードで逃げ込みを図る。内ナンヨーカノンが２番手で、残り１ハロンでは、３番手コクリュウノマイは２馬身遅れて、これを外からかわすハイパーチャージ。メイショウスミトモはハイパーチャージに競り合いで遅れを取ったものの、半馬身遅れで中から渋太く脚を伸ばすと、ラスト150ｍでコクリュウノマイをかわして４番手に。ラスト100ｍで、先頭カーティスバローズに、２番手ナンヨーカノンが3/4馬身差にじわじわ詰め寄ってくる。２馬身1/4差でハイパーチャージが３番手，半馬身差で食い下がるメイショウスミトモが４番手で、ここから３，４番手の２頭で前との差を詰めて行く。メイショウスミトモは、３番手ハイパーチャージにはじわっと差を広げられたが、先頭との差をじわじわ詰めての４着でゴール。優勝したカーティスバローズからの差は１馬身3/4差だった。やや伸び切れない感じはあったが、最後まで渋太く踏ん張っていたメイショウスミトモ。色々マイナス要因がある中での４着という着順は、先々に期待が膨らむもの。鞍上の古川吉騎手は、「外々を回る形になったけど、休み明けで最後までよく辛抱して走ってくれた。使って良くなるだろう。」とコメント。これから更に上昇カーブを描いて行くはずだけに、次走以降も大いに楽しみだ。

●前走休み明けのエアグルーヴＣで４着と上位争いをしたメイショウスミトモ。今回はひと叩きの上積みはもちろんのこと、レースを使われて成長していく馬だけに、前走以上の競馬ができるのは間違いない。１番人気は、500万下平場戦を連勝した後、昇級緒戦の1000万特別で首差２着と実力を発揮したワースムーンで単勝2.7倍。２番人気は、Ｇ２青葉賞１２着，Ｇ３レパードＳ９着と重賞では苦戦したが、前走1000万特別では２着だったナンヨーマークで単勝5.1倍。メイショウスミトモは、単勝27.6倍の１０番人気で、予想以上に評価が低い印象。将来はオープンでの活躍まで期待される馬だけに、最低限好勝負にまでは持ち込みたい。