２０１７年（平成２９年）

 ２０１８年（平成３０年）

 ２０１９年（平成３１年）

●２歳７月の福島の新馬デビュー戦では３着馬と接戦の４着としたヴァローレネロ。更なる成長が期待されたが、その後は１０着，７着。５カ月の休養を挟んで、１５着，６着，６着という着順。それでも、ここ２戦は内容的には悪くはなく、今回は久しぶりに掲示板まで期待していいはず。１番人気は、近４走を２着，４着，３着，５着と大崩れなく駆けているサンライズコロンで単勝2.8倍。今回で４戦連続１〜２番人気を続けている。２番人気は、３歳３月の遅いデビューでここまで２戦を３着，１０着としているトップダウンで単勝5.2倍。前走は１番人気で大敗してしまい、今回は巻き返しを期している。ヴァローレネロは、単勝19.5倍の７番人気。傑出した馬のいない実力伯仲のメンバーだけに、ヴァローレネロにもチャンスはあるかもしれない。

　レースでは、ヴァローレネロはスタートは五分で、６頭広がった先頭争いの一角。それでも無理はせず、先頭争いからは控える。ブルレジーナ，キミワテンマの先頭争い。１馬身差でスプレンジーナ，その半馬身外にヴァローレネロは４番手。半馬身差で内側にサンライズコロンの順。このあたり、ヴァローレネロはやや掛かっている。１〜２角で、キミワテンマが先手を取り切って１馬身半のリード。向正面に入ると２馬身1/4差に開く。ブルレジーナが２番手，１馬身差でヴァローレネロが３番手だが、このあたりはなだめながらの追走。向正面の中間では、キミワテンマのリードは１馬身1/4差に縮まり、更に３角では3/4馬身にじわっと縮まる。２番手ブルレジーナの外首差までヴァローレネロも接近。３角過ぎからヴァローレネロもじわっと動いて、３〜４角の中間では僅かに２番手に出る。４角では、先頭は依然としてキミワテンマだが、ブルレジーナ，ヴァローレネロの２頭が半馬身差に接近。その後ろは２馬身開いていたが、サンライズコロンが懸命にしごきながら１馬身1/4差まで詰めてくる。そこから５馬身後ろの大外最後方からスパートをかけるのがランパートエースで直線へ。

　直線に向くと、それまで手応えは悪くなかったヴァローレネロだが、追い出されてからの伸びはひと息。残り１ハロンでは、先頭キミワテンマがまた１馬身差にリードを開く。ヴァローレネロはブルレジーナに競り負けて、ラスト150ｍでは１馬身1/4差，ラスト100ｍでは１馬身3/4差遅れを取る。４番手サンライズコロンも、ヴァローレネロをかわす脚色。ラスト70ｍでヴァローレネロはかわされて４番手まで落ちたが、それでも４着は確保と思われた。しかしながら、最後方からランパートエースが猛襲し、ヴァローレネロはゴール前で大外から首差差されて５着でゴール。積極的な競馬は目を引いたが、最後は力尽きた感じ。鞍上の岩田騎手は、「自分のペースで運んだ方がいいのかもしれない。２，３番手で運んだが、ちょっと噛んでいた分甘くなってしまった。」とコメント。力負けの感もあったが、掛かっていたのも響いており、まだ上昇の余地はあるはずだ。

●前走の函館戦では５着とデビュー戦以来の掲示板を確保したヴァローレネロ。勝ち馬から７馬身近い差はあったものの、少しずつ力をつけている印象はある。今回は更なる前進を期待したい。１番人気は、ミスターシービーの曾孫でウイングアローの姪のシェパーズポーズで単勝2.3倍。デビュー以来全５戦で３着を外していない。２番人気は、近５戦で４着以内が４回というマトラッセで単勝5.0倍。前走１番人気で１０着に大敗した点をどう評価するか。ヴァローレネロは、単勝25.0倍の９番人気。まだまだ評価が低いのは致し方ないが、そろそろ変わり身を見せてほしいところだ。

　レースでは、ヴァローレネロは、スタートは若干甘かったが、手綱を押して中団後ろの位置に。サンシャイアン，ロードスターダストの２頭の先頭争い。人気のシェパーズポーズは、先頭から３馬身差の内々６番手争い。ヴァローレネロは、その１馬身半後ろから。１〜２角で、先頭２頭に１馬身差でマトラッセが３番手，１馬身差で内々ブケパロス。向正面では、シェパーズポーズはその２馬身半後ろ，その１馬身半後ろでヴァローレネロは揉まれずにいい感じで流れに乗れている。向正面の中間では、ヴァローレネロがシェパーズポーズの半馬身外に接近し、先頭までは４馬身差。３角手前では、キリンノツバサが一気に仕掛けて、ヴァローレネロなどをかわして好位まで接近。３角では、先頭はサンシャイアン，半馬身差でロードスターダスト。半馬身差でデンコウエルドラドが３番手だが、これに首差でキリンノツバサも差はない。３〜４角の中間では、ヴァローレネロがシェパーズポーズより半馬身前に出て、先頭までは４馬身差。４角では、内ブケパロス，外テーオーエンブレムの２頭が先行勢に接近し、先行グループは横に広がるような形に。ヴァローレネロは、シェパーズポーズより２馬身先に行き、先頭まで３馬身差の６番手まで順位を上げて直線へ。

　直線に向くと、先頭サンシャイアンが半馬身リードで渋太く粘るが、前５頭が固まっている。残り１ハロンでは、前５頭に１馬身差までヴァローレネロが詰め寄って、完全に射程圏内。シェパーズポーズは、ヴァローレネロに２馬身遅れているが、内から外に持ち出して追ってくる。ここからはヴァローレネロの伸び脚が際立ち、ラスト150ｍで３番手に上がると、１馬身前にいるロードスターダストをラスト70ｍでかわして２番手。先頭サンシャイアンは１馬身半前にいたが、これにグイグイ迫ったヴァローレネロは、ゴールの瞬間これを鼻差捕らえて優勝のゴール。これまでにないような素晴らしい末脚で初勝利を飾ったヴァローレネロ。見事にチャンスをモノにした感じ。鞍上の横山武騎手は、「なるべく前でと思っていたんですが、周りが速くて控える競馬に。砂を被っても我慢してくれましたし、ラストもしっかり伸びてくれましたね。」とコメント。これで本格化してきたなら、500万クラスに昇級しても、そこそこ戦える可能性はある。まだまだ成長途上であり、これからの伸びしろにも期待したい。

●前走京都の未勝利戦では３着だったウインイノベーター。これでデビューから３戦すべて入着の安定感を見せているが、勝ち切るにはワンパンチ足りない印象。今回はもっと接戦にまで持ち込みたい。１番人気は、祖母に歴史的名牝エアグルーヴを持つリシュブールで単勝1.3倍の断然人気。父，祖父ともに日本のトップサイアーという血統馬。新馬デビュー戦は１番人気で２着だった。２番人気は、デビューからの３戦を４着，３着，２着としているゴールドフラッグで単勝5.9倍。ここ２戦は１番人気となっており、安定して高い能力を見せている。ウインイノベーターは、単勝20.9倍の４番人気。リシュブールとはオッズに大きな差があるが、それほどまでの力量差があるのかどうか。好勝負に持ち込める可能性は、十分にありそうだ。

　 レースでは、ウインイノベーターはスタート良く、すっと前の方に出てくる。ケイティクレバー，エイシンヘラクレスの先頭争い。１馬身半差でウインイノベーターが３番手だが、内首差でニシノキントウン。ここからケイティクレバーが単独先頭に立って、１〜２角では１馬身半のリード。２番手にエイシンヘラクレス，１馬身差でウインイノベーター。更に１馬身半差でアルゴセイコウが４番手。人気のリシュブールは、更に３馬身後ろで後方３頭目から。向正面では、先頭ケイティクレバーは２馬身半とリードを広げるが、隊列は固まる。向正面の中間では、２番手エイシンヘラクレスが１馬身1/4差に詰めて行く。半馬身差でウインイノベーターは３番手だが、このあたりから手が動き始め、少し気合を入れられる。３角では、３番手ウインイノベーターは先頭に２馬身差だが、このあたりからかなり手が動き始める。３〜４角の中間では、前３頭がそれぞれ半馬身間隔となり、全馬が５馬身圏内に一団に固まる。４角では、３番手ウインイノベーターはムチが連打されている。先頭ケイティクレバーがまたスピードを上げて、１馬身3/4差とリードを開く。反応が悪いながらもウインイノベーターが２番手に上がり、半馬身外アルゴセイコウが３番手に。１馬身1/4差でニシノキントウン，ゴールドフラッグの４番手争い，更に１馬身差で外リシュブールの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、先頭ケイティクレバーは突き放しにかかって２馬身半のリード。２番手ウインイノベーターに、外からアルゴセイコウが並んで来て、残り250ｍではかわして２番手に。それでも、ウインイノベーターは残り１ハロンでも首差で食い下がっている。半馬身外にぐいぐい迫ってきたリシュブール，その半馬身内側からはゴールドフラッグ。２番手争いの混戦から、ラスト150ｍを切ってリシュブールが一気に伸びて単独２番手に。しかしながら、先頭ケイティクレバーはラスト100ｍで４馬身リードで圧勝態勢。２番手に突き抜けるかと思われたリシュブールも、ここから伸びが止まって、アルゴセイコウに食い下がられて、更に内首差でウインイノベーターもまだ２番手争いの一角に踏み止まる。ゴールドフラッグは１馬身1/4差遅れてまだ５番手。２着争いの３頭は最後まで同じような脚色で、これにゴール前でゴールドフラッグが詰め寄ってきたが、ウインイノベーターは２着リシュブールから頭，半馬身差の４着でゴール。５着のゴールドフラッグは首差しのいだ。道中の手応えでは苦戦を覚悟したが、最後まで２着争いに踏ん張ったウインイノベーター。内容的には悪くはなかった。鞍上の松山弘騎手は、「もう少し楽について行ければ良かったのですが、道中の行きっぷりが今イチでした。渋太く踏ん張っていますが、ノメッていた感じがあったし、馬場も多少影響していたかも。」とコメント。今回は道悪の影響もあったかも。少しずつではあるが、レースぶりにも進境が見られる感じだ。

●前走は２着争いに加わる４着だったウインイノベーター。これでデビュー以来４戦連続の掲示板となったが、やや決め手不足なのは否めない。今回はもうひと押しを利かせて、初勝利を是非手にしたい。１番人気は、近３戦を２着，２着，３着と惜しい競馬を続けているインスピレーションで単勝2.9倍。２番人気は、全４戦して２着２回，３着１回のスヴァルナで単勝4.4倍。ここ２戦は２着を続けている。メンバーも強力とあって、ウインイノベーターは単勝51.3倍の１０番人気。あまりにも評価が低いが、ある程度相手なりに走れるタイプだけに、好勝負できても不思議はない。

　 レースでは、ウインイノベーターがポンと好発を決めて、軽くしごく程度で４頭並んだ先頭争い。しかしながら、ウインイノベーターはここから控える形で後ろに下げる。スタートから１ハロンを過ぎて、ブルーウィングが先頭に出て来て、インスピレーションが半馬身差の２番手。これに3/4馬身差で大外ウインイノベーターなど３頭の３番手争い。隊列に動きはなく、ややゆったりした流れとなっている。３角でも、ウインイノベーターは内ブラックジルベルトと並んでの３番手争いで、先頭まで２馬身1/4差。３〜４角の中間でも各馬脚をタメたままで直線勝負の様相。４角でもどの馬も余力を残しているが、直線入口から各馬仕掛けて行く。３番手争いのウインイノベーターに、更に外からメイショウゴウリキが首差まで並んで来て直線へ。

　直線に向くと、インスピレーションが持ったままで僅かに先頭で、残り300ｍを切ってから追い出しにかかる。内半馬身差で食い下がるブルーウィング。半馬身差で中ウインイノベーターが３番手だが、これを外からかわしにかかるウスベニノキミ。更に3/4馬身差の大外からスヴァルナも差して来る。残り１ハロンでは、ウインイノベーターはウスベニノキミに１馬身遅れてしまう。ラスト150ｍを切ったところでは、スヴァルナにもかわされて４番手に。それでも、ここからスヴァルナに半馬身差で食い下がっている。ウインイノベーターは最後までスヴァルナに食い下がり、半馬身差はまったく変わらずそのまま４着でゴール。後続に４着を脅かされるシーンはなかった。今回もこれまでと同じような結果に終わったウインイノベーター。決め手は欠くが、実に安定して走ってくれる。鞍上の松山弘騎手は、「スタート良く、スッと先行できたけど、最後はジリッぽくなってしまいました。もう少し流れてくれた方が、この馬には良かったかもしれません。」とコメント。できればもう少し勝ち負けまで持ち込みたいが、今回はメンバーも強力だった。相手関係次第では、勝利のチャンスもあるはずだ。

●前走は１０番人気と評価は低かったものの３着から差のない４着だったウインイノベーター。これでデビュー以来５戦すべて掲示板を確保しているが、どうしても詰めが甘い。インパクトを欠くためか、今回も前走同様の低い評価となっている。１番人気は、新馬戦では１番人気で首差２着だったディープインパクト産駒のサトノグロワールで単勝1.9倍の断然人気。２番人気は、デビューからの２戦を連続２着としているストーミーバローズで単勝4.7倍。ウインイノベーターは、単勝35.4倍の１０番人気。信じられないほど人気にならない馬だが、今回も堅実な走りを見せてくれるはずだ。

　 レースでは、ウインイノベーターはまずまず好スタートで、手綱を押して先頭争いに出てくる。スタートから150ｍでは、中からウインイノベーターが僅かに先頭だが、内から首差でスマートモノリスも先行争い。大外ビットピークスも先頭争いに加わってくる。１〜２角で、スマートモノリス，ウインイノベーターの先頭争い。２馬身開いてビットピークスは３番手，１馬身差で内キングフォルテの順。向正面では、１馬身差でデクレアラーが５番手。人気のサトノグロワールは、更に２馬身半後ろの中団真ん中。徐々にスマートモノリスが先頭に出てきて、向正面の中間では１馬身リード。ウインイノベーターが２番手，１馬身差でビットピークスの態勢。このあたり、隊列に動きはない。３角では、更に１馬身差でデクレアラー，ヒロシゲセブンの４番手争い。３〜４角の中間では馬群が固まってきて、中団のサトノグロワールも先頭まで４馬身差と射程圏内に取り付く。ここから各馬仕掛けて行く。４角では、今度はウインイノベーターが頭ひとつ出て先頭。内スマートモノリスも差はない。3/4馬身差で大外ヒロシゲセブンが３番手。サトノグロワールは、先頭から２馬身半差の５〜７番手争い。これに3/4馬身差で中ジャックローズ。ほとんどの馬がチャンスのある位置にいて、激戦の様相で直線へ。

　 直線に向くと、内スマートモノリスが二の脚を繰り出して、ウインイノベーターは１馬身遅れを取ってしまう。ウインイノベーター，ヒロシゲセブンの２番手争いとなるが、残り１ハロンでウインイノベーターが競り勝って単独２番手。しかしながら、後続勢の中から素晴らしい伸び脚を見せたのがジャックローズで、ラスト120ｍでウインイノベーターをかわすと、ゴール前でスマートモノリスまできっちりｌ半馬身捕らえての差し切り勝利。３着以下の争いは激戦となり、３番手粘り込みを図るウインイノベーターを、ラスト100ｍで中から伸びたデクレアラーがかわす。それでも、ウインイノベーターはデクレアラーに半馬身かわされてからは、同じ脚色で食い下がる。懸命に４着を死守しようと踏ん張ったウインイノベーターだったが、ゴール前で一気に伸びたアフリカンゴールドにかわされて５着でゴール。３着のデクレアラーからは首，首差の惜しい競馬。それでも、最内キングフォルテなどには首差競り勝った。今回も善戦止まりに終わったウインイノベーター。大崩れはないが、あともうワンパンチを欠いてしまう。鞍上の松山弘騎手は、「うまく先行できました。最後はバテているわけではありませんが、ジリジリという感じでしたね。」とコメント。それでも内容は悪くなく、初勝利に向けて手応えを感じた一戦だった。

●前走は５着だったものの３着争いを演じたウインイノベーター。詰めは甘いものの、デビュー以来６戦連続入着の安定感のある走りを続けている。今回は何とか善戦止まりにピリオドを打ちたいところ。１番人気は、新馬デビュー戦では１番人気で３着だったグレートウォリアーで単勝1.2倍の圧倒的人気。父はディープインパクトという馬。２番人気は、デビューからの全４戦を４着，７着，４着としているポートフィリップで単勝8.3倍。ウインイノベーターは、単勝8.6倍の３番人気。１番人気馬は抜けていたとしても、それ以外の馬とは実力差はない。これまでの最高着順も期待できそうだ。

　 レースでは、ウインイノベーターはスタートはまずまずで、持ったままで前の方に出てくる。ウインイノベーターが僅かに先頭だが、内で差なくハイドラン，外からはトーホウアルテミスが並んでくる。首ほどハイドランが出るが、１馬身半程度の中に５頭が固まる形で１角へ。１〜２角で、ハイドランが先手を取り切って１馬身1/4差のリード。２番手にウインイノベーターで隊列は固まる。向正面で、半馬身内にブルベアトリュフ，半馬身外にトーホウアルテミス。その後ろは２馬身開いて、５番手に人気のグレートウォリアー。ウインイノベーターは２番手でじっと流れに乗り、３角では先頭に3/4馬身差。固まった隊列で流れている。３〜４角の中間では、ウインイノベーターは先頭に半馬身差だが、このあたりから仕掛け気味になる。２馬身後ろの４番手グレートウォリアーも、手綱をしごいて外から動いて行く。４角では、先頭は依然としてハイドラン，半馬身差でウインイノベーター，首差でトーホウアルテミス。これに１馬身差で外グレートウォリアーの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、先頭ハイドランが二の脚を使って、残り１ハロンで１馬身1/4差と突き放しにかかる。ウインイノベーターが２番手で粘るが、残り１ハロンを切って外からグレートウォリアー並ばれると、ラスト150ｍでかわされてしまう。それでもウインイノベーターは半馬身差で食い下がっていたが、外からトーホウアルテミスに並ばれる。グレートウォリアーは、ラスト50ｍから一気に伸びて、３番手争いの２頭を突き放すと、ゴールの瞬間ハイドランを鼻差捕らえて優勝。ウインイノベーターは、最後までトーホウアルテミスとの叩き合いが続いたが、惜しくも写真判定で鼻差遅れて４着でゴール。今回も堅実に駆けてくれたが、あともうひと押しがやはり足りず。それでも内容は悪くなかった。鞍上の和田騎手は、「いい感じだったし、手応えも良かったけど、ちょっとワンペースだった。」とコメント。詰めはどうしても甘いが、これからも引き続きいい競馬を見せてくれるはずだ。

●２月の小倉戦では４着となり、デビュー以来７戦連続の入着となったウインイノベーター。しかしながら、その後は９着，６着，１３着と、３戦連続で掲示板を外すことに。調子落ちなのかこの馬の走りができていないだけに、そろそろ本当の力を見せてほしい。１番人気は、近２走を２着，３着としているピボットポイントで単勝2.2倍。父はディープインパクトで、兄トリコロールブルーは重賞でも活躍中の馬。２番人気は、デビューからの２戦を３着，７着としているデサフィアンテで単勝5.6倍。ウインイノベーターは、単勝20.0倍の７番人気。本来であれば優勝圏内の一頭と評価されてもいい実力を持つ馬。未勝利戦も少なくなってきているだけに、何とか上位争いを演じてほしい。

　レースでは、ウインイノベーターは、いいスタートとは言えなかったが、それも五分に近い感じで出る。無理することなく好位に取り付いて行く。内からゼットジガンテが先頭，半馬身差でイッツパーフェクト，サツマノクロジョカの２頭。これに１馬身1/4差でムーンライトクーラ，ウインイノベーターの４番手争い。１〜２角で、ゼットジガンテが先手を取り切って１馬身1/4差のリード。隊列は固まってきて、向正面でウインイノベーターは５番手争いで、先頭までは４馬身あまり。その６馬身後ろの中団後ろの位置にタイセイグランツ。更に４馬身後ろの後方に人気のピボットポイント。このあたり、縦長の展開となっている。３角で、逃げていたゼットジガンテが故障で競走中止の不運。イッツパーフェクトが先頭に代わり、3/4馬身差でムーンライトクーラ以下。３〜４角の中間では、先団は数頭が固まって、ウインイノベーターも先頭から１馬身半〜２馬身と差のない位置。４角では、先頭イッツパーフェクトが１馬身リード。サツマノクロジョカが２番手，首差で内ムーンライトクーラ，半馬身差で大外アクシス。これに半馬身差で、中ウインイノベーター，外ソーグレアの５番手争いで、激戦の様相で直線へ。

　直線に向くと、好位置ウインイノベーターがじわじわ伸びてきての大混戦。残り１ハロン近くでは、先頭イッツパーフェクトが１馬身半抜けているが、２番手争いはウインイノベーターなど５頭が横に広がる。ラスト150ｍで、アクシスが僅かに２番手だが、これに首差でウインイノベーター，ソーグレアも懸命に追っている。先頭イッツパーフェクトも甘くなり、ラスト100ｍでは先頭争いはウインイノベーターなど４頭の争い。これに3/4馬身差まで大外から迫ってきているタイセイグランツ。接戦の勝負から、ラスト70ｍでウインイノベーターが頭ほどリード。初勝利の期待が高まったが、大外からタイセイグランツが伸びてきて、ウインイノベーターはゴール寸前首差かわされて２着でゴール。最後人気のピボットポイントも伸びて来たが、これは４着止まり。６着まで首×２＋鼻×３という激戦を一瞬制したかに見えたウインイノベーターだったが、着差が着差だけに残念無念。初勝利の大きなチャンスを、惜しいところで逃してしまった。鞍上の川田騎手は、「スムーズなレースができました。現状の力は精一杯出してくれてます。」とコメント。惜敗だったが、デビュー以来もっとも好内容のレース。このところ精彩を欠き気味だったが、ようやく立ち直ってきた感じだ。

●不振が３戦続いたものの、前走は首差２着と巻き返したウインイノベーター。着差が着差だっただけに惜しかったが、ここにきて再び勝利への期待が高まる。１番人気は、デビュー３戦目の前走で２着と好走したイダエンペエラーで単勝2.1倍。２番人気は、近２走２着，３着と実力を見せているソーグレアで単勝4.2倍。ウインイノベーターは、単勝8.4倍の４番人気。ライバルも手強いが、実力的には拮抗。是非とも初勝利を決めたいところだ。

　レースでは、ウインイノベーターは大外からスタートは五分に出て、無理なく中位から。積極的に行こうという馬うはなく、イダエンペラーがじわっと先頭，首差で外フォロミーバゴ。半馬身差で内ヘブンリーデイズ，これに半馬身差で大外ウインイノベーターも４番手まで押し上げる。１〜２角で、イダエンペラーが先手を取り切って１馬身半のリード。ウインイノベーターは４番手で、先頭までは３馬身差。落ち着いた流れとなって向正面へ。４番手争いはウインイノベーターなど４頭が並んできて、前の方は一団の展開となっている。３角では、先頭イダエンペラーのリードは3/4馬身。３〜４角の中間では、４番手争いの大外のウインイノベーターは手が動き始める。このあたり、先頭までは２馬身1/4差。４角では、先頭イダエンペラーに、内からヘブンリーデイズが並んでくる。3/4馬身差で内ミルコメダが３番手に。3/4馬身差でフォロミーバゴ，その１馬身1/4差後ろの３頭並んだ５番手争いの大外がウインイノベーターで直線へ。

　直線に向くと、先頭はヘブンリーデイズ，イダエンペラーの２頭の叩き合いだが、ヘブンリーデイズの方がじわっと出る。残り250ｍで、１馬身半差でミルコメダが３番手。２馬身差でフォロミーバゴだが、これを3/4馬身差でウインイノベーターがかわして４番手に。ラスト150ｍで、内ラチ沿いの３番手ミルコメダを、１馬身差でウインイノベーターがじわじわ追い詰める。先頭２頭には迫れなかったウインイノベーターだが、ラスト30ｍでミルコメダを捉えて３着でゴール。勝ち負けまでは加われなかったが、今回も３着と好走したウインイノベーター。もう完全復調と言い切っていいはず。鞍上の荻野極騎手は、「自分のリズムでスムーズに運べました。最後もジリジリと伸びていたし、安定して走るようになっています。」とコメント。メンバー次第ではあるが、十分に初勝利に手が届くはずだ。

●前走では勝ち負けの競馬はできなかったものの３着は確保したウインイノベーター。２着，３着を続けたことで、以前の安定性は完全に取り戻した。今回は初勝利の絶好のチャンスとなる。そして、ウインイノベーターが単勝2.4倍の１番人気に支持される。２番人気は、２着１回，３着１回，５着２回の実績があるキングポセイドンで単勝5.5倍。ここ２戦は連続９着に終わっている。３番人気は、近３戦３〜５着を続けているソルフェージュで単勝5.6倍。２，３番人気馬は、ともにオルフェーヴル産駒。ライバルも侮れないとはいえ、それほどまでに強敵とも言えない。ここは確実に初勝利を決めたい。

　レースでは、ウインイノベーターはスタートは五分に出ると、無理することなく先行争いの一角に取り付く。外からヘヴンリープライドが先頭に出てきて２馬身リード。内キラーチューン，外ヴェスティージの２番手争い。これに１馬身半差でウインイノベーター，フォロミーバゴが４番手争いで１角へ。１〜２角で、ヴェスティージが単独２番手に。向正面では、フォロミーバゴが２番手に接近。3/4馬身差でキラーチューン，ウインイノベーターの４番手争い。隊列にはほとんど動きはなくってレースは流れる。しかしながら、３角にかかると外からはポジティブスタンド，キングポセイドンなどが押し上げて、ウインイノベーターは少し順位を下げる形に。３〜４角の中間では、ウインイノベーターは少し離され加減になり、ここから手を動かして盛り返して、先頭から１馬身半差の位置まで挽回。混戦の様相となるが、４角ではフォロミーバゴが僅かに先頭。半馬身差で内ヘヴンリープライド。ウインイノベーターは、先頭から１馬身半差の５番手で、真ん中を突く形で直線へ。

　直線に向くと、フォロミーバゴが先頭だが、２番手争いは差なく横に広がるが、残り250ｍで中を突いてウインイノベーターが２番手争いに加わってくる。残り１ハロンでは、ウインイノベーターが先頭に3/4馬身差の２番手で、大外ポジティブスタンドと並ぶ態勢。ラスト150ｍでは、この上位３頭の叩き合いで、ウインイノベーターは先頭まで首差，そしてラスト100ｍではかわして先頭に。ここから更に力強く伸びたウインイノベーターは、じわじわリードを広げて、最後は１馬身1/4差抜け出して快勝のゴール。ゴール寸前で真ん中を追い込んだリリーマイスターが激戦の２着争いを制したもののそこまで。ついに念願の未勝利を勝ち上がったウインイノベーター。何度も善戦を重ねてきただけに、この喜びは格別。鞍上のアヴドゥラ騎手は、「本当は２，３番手につけたかったのですが、前が速くて行けませんでした。馬込みに入りたがらないところもありましたが、前に壁を作ってうまくタメを利かすことができました。今日は馬がよく頑張ってくれました。」とコメント。これで500万クラスに昇級するが、相手なりに走れるタイプだけに、健闘を期待したい。

●前年５月にデビュー５戦目で未勝利を勝ち上がったウインストラグル。その勢いでオープンの白百合Ｓに果敢に挑戦したが、７頭立ての６着で見せ場のない完敗だった。その後は８か月半の休養となり、この２月に復帰したが、休み明け２戦は最下位１６着，ブービー１５着の惨敗。まったく見せ場がなく前途に不安を感じたが、３戦目の前走は７着とレースぶりに大きな進境が見られた。今回は更に前進が期待されるだけに、人気はなくとも上位食い込みの可能性は十分にあるはず。１番人気は、前走の平場戦で２番人気で２着だったナタリーバローズで単勝3.0倍。２番人気は、近２走を特別戦３着，平場戦３着と好勝負しているアポロリュウセイで単勝4.1倍。500万クラス勝ちの実績がある。ウインストラグルは、単勝36.8倍の１２番人気。500万クラスで実績を残せていないだけに、この人気もやむを得ないが、上昇度を考えれえば面白い存在のはずだ。

　レースでは、ウインストラグルはゲートの出は五分だったが、一歩目からすっと加速して前に出てくる。アポロリュウセイが先頭に出て3/4馬身リード。内ザベストエバーが２番手，首差で外クラウンスカイ。これに半馬身差で大外ウインストラグルなど３頭が並んでいる。しかしながら、３角ではウインストラグルは少し控える格好で、先頭から３馬身差の７番手に。最内オトコギマサムネが差のない位置に取り付く。３〜４角の中間では、ウインストラグルは先頭まで５馬身差となっている。先頭アポロリュウセイに、２番手に上がったツヅクが首差に接近。４角では、内ラチ沿いをオトコギマサムネが押し上げて、先頭まで２馬身差の５番手に。ウインストラグルはこれに１馬身差でかなり外を回るが、このあたりは広がった態勢。大外からはトウカイクローネが並んで来て直線へ。

　 直線に向くと、逃げたアポロリュウセイには脚がなく、今度はツヅクが抜け出して１馬身半リード。残り１ハロンでは、２番手争いが３頭が並んでいたが、これを最内からオトコギマサムネがかわしにかかる。これに１馬身差でウインストラグルが６番手だが、このあたりは大混戦。２番手オトコギマサムネが先頭に迫り、ラスト120ｍではウインストラグルも脚を伸ばして３番手に上がる。ラスト100ｍでは、先頭はまだツヅク，半馬身差で内オトコギマサムネ。これを3/4馬身差で追うウインストラグル。大外半馬身差でジェスロが一気に４番手まで追い込んで来ている。前は大接戦で、ラスト20ｍでウインストラグルがツヅクをかわして２番手に上がり、先頭オトコギマサムネにも迫ったが、ゴール寸前で大外ジェスロにかわされて３着でゴール。首，首の３着と惜敗に終わったウインストラグルだが、やっと本領を発揮してくれた。休み明けすぐには惨敗が続いて心配したが、それもまったくの杞憂で、叩かれて着実に上昇。500万クラスで勝ち負けできるメドもついた。鞍上の丸山元騎手は、「気難しさがあります。やれる力はあるので、ゲートなどもう少し落ち着きが出てくるといいですね。」とコメント。４歳馬でまだまだ伸びしろも大きいはず。２勝目を上げるのも決して遠くはないはずだ。

●休み明け４戦目の医王寺特別で３着と変わり身を見せたウインストラグル。しかも僅差の惜しい競馬で、今回は更なる前進を期待。1000ｍの直線競馬がどう出るかがポイントとなる。１番人気は、前走1000ｍ直線競馬で首差２着だったヤマニンベルベーヌで単勝5.2倍。1000ｍ直線競馬に良績を残している馬。２番人気は、前走1000ｍ直線競馬の特別戦で４着だったミキノドラマーで単勝5.9倍。1000ｍ直線競馬は、３走前に首差２着，そして500万クラスで勝利を挙げているなど、高い適性を示している。ウインストラグルは、単勝17.2倍の８番人気。1000ｍ直線競馬を得意としている馬たちが相手だが、人気は低過ぎる印象で、十分好勝負になるはずだ。

　 レースでは、ウインストラグルはスタートが若干甘く、それでもすぐに控えて脚をタメる作戦。抑えたままで前の集団から置かれた形になるが、1000ｍの電撃戦で、この作戦が果たしてどうなのか。ガーシュウィンが先頭に立って、半馬身差で外スマートダフネが２番手。半馬身差で内ニシノアンジュなども押し上げて行く。先頭〜後方まで４馬身圏内だが、ウインストラグルはその集団から３馬身置かれている。残り600ｍから、ウインストラグルにもムチが入って追い出される。中間の残り500ｍで、先頭はガーシュウィン，3/4馬身差で内サンタアズライト。ニシノアンジュは後退する。更に内からミッキードラマーが押し上げて、先頭まで２馬身差。ウインストラグルは、ミッキードラマーの１馬身半後ろで、最内から徐々に押し上げる。残り１ハロンで、先頭ガーシュウィンに、ミッキードラマーが半馬身差まで詰め寄る。3/4馬身差で中サンタアズライト。１馬身1/4差でアリエスムーンなど３頭の４番手争い。１馬身差で最内ウインストラグル。ここからミッキードラマーがグイッと伸びて、ラスト100ｍでは１馬身半抜ける。ガーシュウィンが２番手，１馬身3/4差でウインストラグル，アリエスムーンなどの３番手争い。この３番手争いの真ん中を割るようにペイシャゲラン，つれてマナザシも突っ込んでくる。２着争いは、粘るガーシュウィンを巡って、ウインストラグルなど全部で５頭が横に広がる大接戦に。しかしながら、ウインストラグルは、ペイシャゲランとマッタナシに首，首差差されて４着。それでも、前走に続いての好走で、更に自信を深めたのは間違いない。鞍上の丸山元騎手は、「直線1000ｍが凄く向いているという感じではありませんが、それなりに脚を使って伸びてくれました。ゲートはあまり良くないので、そのあたりが課題でしょうか。」とコメント。500万クラスの勝利にまた一歩近づいた感じだ。

●キタノナシラを兄に持つキタノシャンシャンのデビュー戦。キタノナシラは前日に待望の初勝利を挙げている。その勢いを引き継いで、ここも好結果を出したいが、調教が足りていない点はマイナス要因。１番人気は、叔父にＧ２デイリー杯２歳Ｓ優勝，皐月賞４着，ダービー６着のシェーンヴァルトを持つディアンドルで単勝2.2倍。２番人気は、ロードカナロア産駒のファンタジストで単勝3.2倍。キタノシャンシャンは４番人気ではあるが、オッズは上位とは差がある21.1倍。勝つまでは難しいと見られているが、勝ち負けの競馬まで期待したい。

　レースでは、キタノシャンシャンはスタートは五分に出るが、他馬の方が速い。オーパキャマラード，ファンタジストの先頭争い。半馬身差でサルース，これに首差で内キタノシャンシャンの態勢で、一団の展開となっている。キタノシャンシャンは少し間隔の狭いところに入って、手綱を抑えながら先頭に3/4馬身差の３番手争い。３角では、オーパキャマラードが先頭で、半馬身差でファンタジスト。3/4馬身差でキタノシャンシャン以下だが、３〜４角の中間では、キタノシャンシャンは前との差が２馬身と開いてくる。４角では、先頭オーパキャマラードが半馬身リードをキープ。２番手にファンタジスト。２馬身差で内からディアンドルが３番手に上がり、3/4馬身差でキタノシャンシャンは４番手。１馬身1/4差で外サルースに、大外からスタークォーツが並んできて直線へ。

　直線に向くと、キタノシャンシャンはディアンドルに突き放されて、前の３頭から遅れを取る。残り300ｍで、オーパキャマラード，ファンタジストの先頭争い，１馬身差で内からディアンドル。２馬身開いて、４番手キタノシャンシャンを外からかわしにかかるスタークォーツ。１馬身半差でサルースが６番手。キタノシャンシャンは、残り１ハロンでもスタークォーツに首差で食い下がり、ラスト100ｍまで粘っていたが、ここから突き放されてしまって、スタークォーツに１馬身3/4差の５着でゴール。優勝争いは、ラスト150ｍで先頭ファンタジストにディアンドルが首差まで詰め寄ったが、ここからファンタジストは抜かさせずに同じ脚色のまま首差競り勝ってデビュー戦を飾った。５着で掲示板は確保したキタノシャンシャンだが、見せ場という点ではもうひとつ。上位馬からは差があったが、まだ十分仕上がり切っていない中での着順ではあった。鞍上の鮫島駿騎手は、「稽古本数が少ない中でこれだけ走れましたし、新馬戦としては時計も悪くなかったですね。まだ上積みもあるでしょうし、平坦コースも良さそうです。」とコメント。一度競馬を使っての上積みも見込めるだけに、次走に期待したい。なお、優勝したファンタジストは、この後Ｇ３小倉２歳Ｓを制して小倉２歳チャンピオンとなる。

●新馬デビュー戦は直線力尽きて５着だったキタノシャンシャン。それでも上昇度が見込まれる状態だっただけに、今回は前進が期待できる。１番人気は、前走新馬戦ではキタノシャンシャンに４馬身1/4差先着して３着とだったオーパキャマラードで単勝2.3倍。２番人気は、新馬戦では８番人気ながら３着と好走したヴァニラアイスで単勝3.1倍。キタノシャンシャンは、単勝25.7倍の５番人気。前走一緒に走った面々との差をどこまで詰められるかに注目だ。

　レースでは、キタノシャンシャンはいいスタートを切り、手綱を押して先頭争いに。じわじわと先頭に出て来たキタノシャンシャンは、3/4馬身のリード。スタークォーツが２番手，半馬身内にヴァニラアイス，これに3/4馬身差でオーパキャマラードが４番手の順。キタノシャンシャンは、少し手綱を引き気味にしながら半馬身リードしているが、３角では内からヴァニラアイスがかわして先頭へ。半馬身差でキタノシャンシャン，スタークォーツの２番手争い。１馬身差でオーパキャマラード，パープルヌーンの２頭。少し遅れていたカシノラウトも、前の集団の後ろに取り付く。３〜４角の中間では、キタノシャンシャンは首差の２番手だが、前５頭が２馬身1/4差の圏内に固まっている。４角では、先頭争いはヴァニラアイス，スタークォーツの２頭。間首差でキタノシャンシャンも先頭争い。3/4馬身差で内にオーパキャマラード，3/4馬身差で中カシノラウトの順。１馬身1/4差でパープルヌーンが最後方で直線へ。

　直線に向くと、キタノシャンシャンも懸命に粘りを見せようとするが、先頭２頭から徐々に遅れる感じになる。残り１ハロンでは１馬身差の３番手だが、内からオーパキャマラードにかわされる。１馬身差で５番手からカシノラウトも追ってくる。先頭２頭の争いはヴァニラアイスが競り勝ったが、これに内からオーパキャマラードがかわしにかかって残り100ｍ。脚色ではオーパキャマラードがまさっており、最後は１馬身1/4差抜け出して快勝。キタノシャンシャンは、ラスト100ｍではスタークォーツに１馬身差の４番手だったが、ここからスタークォーツに突き放されて、ラスト50ｍを切ってカシノラウトもかわされて５着でゴール。最後は競り合いから力尽きた格好で終わった。走り自体は悪くなかったが、直線の粘りは前走同様もうひとつだった。鞍上の鮫島駿騎手は、「２戦目でスピードを見せたし、レースぶりは良くなっています。これからの馬ですね。」とコメント。それなりの能力は示しており、兄姉もじわじわ力をつけていったことを考えると、これからの成長に期待をかけたい。

●デビュー２戦目の未勝利戦では６頭立ての５着だったキタノシャンシャン。着順的には不満だが、メンバーが軽かったわけではない。今回は頭数は多くなるが、上位争いは十分可能。１番人気は、新馬デビュー戦では１番人気で２着だったトウカイオラージュで単勝1.2倍の断然人気。３着以下に７馬身の差をつけた内容が評価されている。２番人気は、新馬戦で鼻差の２着だったビーチハピネスで単勝9.1倍。キタノシャンシャンは、単勝27.0倍の６番人気。１番人気馬が圧倒的な評価だけに、勝ち負けまでは難しいと見られているが、安定した走りは大きな武器だ。

　レースでは、キタノシャンシャンは一頭だけポンと好スタートを決めて、一瞬で１馬身リードする。人気のトウカイオラージュが２番手，3/4馬身差でビーチハピネス，ハナノオンリーワンの２頭だが、以下も差はない。３角でも、キタノシャンシャンは3/4馬身リードの逃げ。３〜４角の中間では、そのリードは首差まで縮まるが、キタノシャンシャンの手応え自体は悪くない。２番手はトウカイオラージュ。４角では、２番手に頭差で、間からビーチハピネスも先頭争いに加わってくる。これに１馬身差でマイネルエイブが４番手で直線へ。

直　線に向くと、先頭キタノシャンシャンも渋太く粘って、人気のトウカイオラージュに首差を詰めさせない。それでも残り１ハロンでは、先頭２頭が並ぶ態勢に。半馬身差でマイネルエイブ，3/4馬身差でビーチハピネス，更に１馬身1/4差で外メイショウオトワと各馬が差し込んでくる。ラスト100ｍでは、キタノシャンシャンはマイネルエイブにもかわされて３番手，更にメイショウオトワが強烈な脚で追い込んできて、キタノシャンシャンはラスト30ｍでかわされて、最後は前と少し差が開いて４着でゴール。どうしても最後は甘くなってしまうが、頭数が多い中でもこれまでの最高着順となった。着順だけでなく、レースぶりにも見どころがあった。鞍上の鮫島駿騎手は、「初戦，２戦目と左に張る面がありましたが、今日は大丈夫でした。息を入れて走れていましたし、スピードがあるので、小回り平坦もぴったりですね。」とコメント。スピードを生かす競馬ができれば、勝利を挙げるチャンスもありそうだ。

●前走も直線粘り切れずに４着だったキタノシャンシャン。デビューから３戦連続の入着も、同じような結果の競馬が続く。それでも前走はレースぶりに進境が感じられただけに、更なる前進を期待。１番人気は、新馬デビュー戦では２番人気で４着だったブルベアイリーデで単勝2.9倍。２番人気は、デビューからの２戦を４着，３着とし、ともにキタノシャンシャンに先着しているスタークォーツで単勝4.3倍。キタノシャンシャンは、単勝4.5倍の３番人気。ローテーション的にはキツくなっているが、是非ともスタークォーツとの差を詰めて、できるなら逆転勝利まで期待したい。

　レースでは、キタノシャンシャンはいつものように好スタートで先頭争い。手綱をしごいて先頭に立とうとするが、内から人気のブルベアイリーデが、何が何でもの譲らない構えで、スタートか100ｍで先頭に立つ。キタノシャンシャンは無理な競り合いは避けて、控える形で１馬身差の２番手。１馬身1/4差でスタークォーツが３番手。その後ろは２馬身開いている。このあたり、人気の３頭がスピードの違いを見せている。３角でも、キタノシャンシャンは１馬身差の２番手。３番手スタークォーツは、前とは１馬身3/4差と少し開いているが、３〜４角の中間では、前３頭の間隔がそれぞれ3/4馬身差にじわっと詰まってくる。４番手以下は３馬身開いて、やはり上位３頭の勝負か。４角では、キタノシャンシャン，スタークォーツは手が動き始める。ブルベアイリーデが１馬身リードを保ったまま先頭。キタノシャンシャンにスタークォーツが並びかけての２番手争いで直線へ。

　直線に向くと、キタノシャンシャンはスタークォーツにすぐに遅れを取って３番手に。残り１ハロンでは、スタークォーツに3/4馬身遅れて、１，２着の勝負はもう難しくなる。それでも、ラスト100ｍでは４番手デンコウハピネスとは５馬身の大きな差があって、３着確保は確実な態勢。しかしながら、２番手のスタークォーツからは２馬身と完全に遅れる。優勝争いは、ゴールの瞬間、スタークォーツがブルベアイリーデを頭差差して優勝。キタノシャンシャンは、前２頭から３馬身半差でそのまま３着でゴール。４着以下には３馬身差があった。対スタークォーツでは、今回も同じような着差で、現状ではやはり力の差があったか。鞍上の鮫島駿騎手は、「小倉も３戦目でしたが、滞在の効果で落ち着きがありましたし、いい状態で臨めたと思います。口向きも良くなって、スムーズなレースができるようになっています。」とコメント。これまでの勝ち馬との着差を考えると、現状では勝ち負けまではやや足りない感もあるが、展開とメンバー次第ではチャンスもあるに違いない。

●前走はこれまでで最高の３着だったキタノシャンシャン。レースぶりに進境も窺え、これまでは勝ち負けの競馬までは持ち込めていないものの期待がかかる。１番人気は、デビューからの２戦を４着，２着としているブルベアイリーデで単勝1.5倍の断然人気。前走は、３着のキタノシャンシャンに３馬身半先着している。２番人気は、前走１番人気で２着だったロードカナロア産駒のスマートレグルスで単勝3.8倍。キタノシャンシャンは、単勝10.4倍の３番人気。前走のブルベアイリーデとの着差は決して小さくないが、逆転を狙っていきたい。

　レースでは、キタノシャンシャンはゲート一歩目の出は良かったが、すぐに躓いてしまってダッシュがつかず。手綱を押してゴルヴァが先頭だが、半馬身差で２番手争いが５頭ほど並んでいる。キタノシャンシャンは、先頭まで３馬身差の９，１０番手あたり。テンのスピードを効かせて逃げるこれまでのパターンとは明らかに違う形になってしまっている。それでもここからじわっと押し上げて行く。ブルベアイリーデ，ゴルヴァの２頭の先頭争い。１馬身半差でスマートレグルス。その１〜１馬身半後ろの４番手集団にキタノシャンシャンが加わってくる。３角では、キタノシャンシャンは４番手争いの３頭の１馬身後ろの７番手となる。３〜４角の中間では、先頭争いの２頭の争いが続くが、ブルベアイリーデの方が頭ひとつリード。この２頭が後続を引き離しにかかり、４角では３馬身半差がついてしまう。ミヤジアルフィー，スマートレグルスの３番手争い，3/4馬身差でデンコウハピネス。これに3/4馬身差でキタノシャンシャンは６番手争いで直線へ。

　直線に向くと、ブルベアイリーデ，ゴルヴァの先頭争いが続く。残り１ハロンで、３番手争いは、ミヤジアルフィー，デンコウハピネス，スマートレグルスの３頭が並んできて、これに半馬身差で大外キタノシャンシャン。ラスト150ｍでは、３番手争いはデンコウハピネスが頭ひとつリード。ミヤジアルフィーが４番手。１馬身差でキタノシャンシャンは、スマートレグルスをかわしたもののまだ５番手。キタノシャンシャンはここから伸び切れず、デンコウハピネスとの差は逆に開いてしまう。ラスト50ｍからミヤジアルフィーとの差をじわじわ詰めたものの、半馬身差までがやっとで５着でゴール。やはりスタートで後手を踏んだのが最後まで響いた格好。鞍上の鮫島駿騎手は、「この馬場ですし、外枠がキツかったですね。１歩目で躓いてしまいましたし…。でも、チャンスは近いと思います。」とコメント。小倉では結局勝利を挙げられなかったが、ダートの短距離では目の離せない存在だ。

●前年２歳６月の函館の新馬戦で２着と潜在能力の高さを見せつけたキタノナシラ。勝ち馬のモルトアレグロは、その後Ｇ１阪神ジュベナイルＦ５着，あとは結果こそ１０着だったがＧ２フィリーズレビューで１番人気になったほどの馬。その馬と１馬身1/4差の競馬なら、決してレベルは低くないはず。しかしながら、その後２戦はともに６着で、素質を生かし切れていない感じ。その後約７カ月の休養となったが、その間に去勢手術を受ける。今回は休み明けのビハインドはあるが、去勢手術の効果で変わり身を期待。１番人気は、デビューからの全３戦を２着，６着，４着としているサンライズフルメンで単勝2.9倍。兄ランウェイワルツは、重賞でも好走するなどオープンで活躍中。２番人気は、デビューからの全３戦を５着，１０着，３着としているコンコルドコンドルで単勝3.9倍。キタノナシラは、単勝28.8倍の９番人気。実力拮抗の一戦で、気性面の成長があれば、キタノナシラの上位食い込みのチャンスは十分ありそうだ。

　レースでは、キタノナシラはスタートで１馬身近く出遅れてしまい、中団後ろの位置取りになる。サンライズフルメンが先頭で１馬身リードするが、２番手争いは６頭ほど広がっている。その中からスマートアイビスが単独２番手に出て、3/4馬身差でスズノアリュール，ブラックピクシーの２頭。キタノナシラはその更に４馬身後ろで、後方に近い位置。３角では、先頭サンライズフルメンのリードは半馬身。キタノナシラは先頭から６馬身差で、中からじわっと押し上げる。３角過ぎで、先頭サンライズフルメンが１馬身1/4差にまた差を広げるが、３〜４角の中間では、スマートアイビスがまた半馬身差に接近。更に半馬身差で外ブラックピクシーも差はない。このあたりから、コンコルドコンドルが先団に接近する。４角では、キタノナシラは中団真ん中。先頭サンライズフルメンは、リードをまた１馬身半に開いて行く。キタノナシラは先頭まで６馬身差の６番手あたりで直線へ。

　 直線に向くと、キタノナシラはじわじわ脚を伸ばして押し上げてくる。３番手からコンコルドコンドルが２番手を窺う構えだが、先頭サンライズフルメンは後続を突き放して、残り１ハロンでは４馬身抜けている。２番手スマートアイビスをかわしにかかるコンコルドコンドル。２馬身1/4差で最内ブラックピクシーが４番手だが、これをキタノナシラが大外からかわしにかかる。スマートアイビス，コンコルドコンドルの２番手争いの叩き合いが続くが、ラスト100ｍでこれを２馬身1/4差後ろから懸命に追うキタノナシラ。キタノナシラは、最内ブラックピクシーを抜き去り、２番手争いの２頭に一歩一歩詰め寄ると、最後は３頭一線の２着争いに持ち込んだところがゴール。コンコルドコンドルには頭差及ばなかったが、スマートアイビスには写真判定で鼻差勝って３着に食い込んだ。優勝したサンライズフルメンは、７馬身もの差をつける圧勝だった。休み明けだったが、去勢手術の効果があったのか、久しぶりにこの馬の力を発揮してくれた。鞍上の国分恭騎手は、「まだ気の悪さが目立つ走りでしたけど、その中で潜在能力の高さを証明する走りでした。あとはもう少し気性面で成長してくればでしょうね。」とコメント。ようやく浮上のキッカケを掴んだ。このまま気の悪さをそれほど出さずに安定して走れるのであれば、勝利の順番が巡ってきてもおかしくないはずだ。

●去勢手術のため長期休養明けだった前走で３着と好走したキタノナシラ。しかもあと僅かで２着もあった内容で、ひと叩きされた今回は期待が更に膨らむ。１番人気は、目下２着を３回続けているダイメイギンガで単勝2.1倍。２番人気は、デビューしてから全７戦で４着を外したことがないブライトエンパイアで単勝3.2倍。ここ２戦は１番人気に支持されているが、勝ち切れていない。キタノナシラは、単勝23.9倍の６番人気。上位人気馬は相当に手強いが、虚勢手術の効果で気性面でも進境が見られ得るだけに、十分好勝負になるはずだ。

　レースでは、キタノナシラはスタート直後に挟まれて、２馬身立ち遅れ。殿りに近い位置だったが、ここから前が詰まって最後方となり、早くも厳しい競馬を強いられる。ラジオタイソウが先頭に出てくるが、芝とダートの切れ目でジャンプして少し失速し、６頭が広がった先頭争いとなる。一方キタノナシラは、スタートから１ハロンの地点で、先頭から１０馬身近い差の殿り。スタートから250ｍで、スマートアイビスが半馬身出て先頭。ラジオタイソウ，カワチノシャモが２番手。半馬身差でアメリカンドミンゴ，１馬身差でブライトエンパイアは控えて５番手に。その後ろは内から少し押っつけながら、ダイメイギンガが１馬身差に詰めてくる。３角では、キタノナシラは後方５頭目で、更にバラけた隊列になって先頭から１５馬身差。スマートアイビスが依然先頭，ラジオタイソウが２番手で、その後ろは４馬身開いている。３〜４角の中間では、キタノナシラがじわっと進出開始。３番手以下も差を詰めてきて、４角ではブライトエンパイアが２番手に上がり、先頭に１馬身半差。ダイメイギンガはその１馬身3/4差後ろの４番手。キタノナシラは更に５馬身後ろ、中団後ろの外目を回って直線へ。

　直線に向くと、ブライトエンパイアがぐいぐい伸びて、残り300ｍでスマートアイビスを楽々とかわして先頭へ。残り１ハロンでは、これを１馬身半差で追ってダイメイギンガがスマートアイビスをかわして２番手に。その後ろは４馬身開いてしまったが、中からレイデマーが４番手に上がってくる。これを１馬身半差で外から追うキタノナシラは６番手。ラスト120ｍで、キタノナシラは５番手に上がるが、前のレイデマーまでは２馬身差がある。レイデマーもよく伸びているだけに、これには差し届かないか。先頭争いは、ブライトエンパイアにダイメイギンガが並びかけて、２頭の激しい叩き合いに。レイデマーも先頭２頭との差を詰めて行ったが、キタノナシラの脚はそれを上回り、スマートアイビスをかわして４番手に上がると、最後は馬体を併せかかるところまで迫ったが、半馬身届かず４着でゴール。最後の伸びはキタノナシラがいちばん際立っていた。人気２頭の優勝争いからの差は２馬身1/4差。スタートで不利を受けて厳しい競馬を強いられたことを考えれば、スムーズだったら勝ち負けまであったのではと思わせるほど。鞍上の国分恭騎手は、「前回よりも落ち着きが窺えました。スタートで挟まれたため、スピードを乗せて行けませんでした。ラストはい脚。道中フワフワする面が解消してくれば、更にやれると思います。」とコメント。初勝利への期待が大きく高まったことは間違いない。

●前走は出遅れの影響も大きく４着止まりだったキタノナシラ。今回は好スタートを決めて巻き返したい。１番人気は、デビューからの２戦を連続２着としているワークアンドワークで単勝2.4倍。２番人気は、近４走を２着，５着，３着，２着と堅実に駆けているマースゴールドで単勝3.8倍。キタノナシラは、単勝13.0倍の６番人気。上位人気馬たちは手強いが、決して負かせない相手ではないはずだ。

　 レースでは、キタノナシラは前走に続いて２馬身出遅れ。出遅れ癖がついてしまった感じで、手綱を押して行くが後方の位置。スタートから100ｍで、先頭から４〜５馬身の差がつく。芝からダートに入って、イシュトヴァーンが先頭に出てきて、3/4馬身差でマースゴールド，デンコウエルドラドの２番手争い。これに3/4馬身差でワークアンドワークは４番手。キタノナシラは押しているが行けずに、先頭までは８馬身差。３角でも７馬身差で、あまり変わっていない。３〜４角の中間でも、先頭はイシュトヴァーンで、3/4馬身差でデンコウエルドラドが２番手。キタノナシラは終始押し通しだが、４角にかかってもなかなか順位を上げられない。２番手デンコウエルドラドに、マースゴールド，ワークアンドワークが内外から半馬身差にじわっと接近。それでもキタノナシラは少し順位を上げ、先頭から５〜６馬身差の７番手で直線へ。

　 直線に向くと、先頭イシュトヴァーンが突き放しにかかって、残り１ハロンでは２馬身1/4差のリード。７番手キタノナシラは、２番手争いの馬たちから４馬身あまりの差。ラスト100ｍで５番手争いのクレアシェンセンス，クリノヴィグラスの２頭を外からかわしにかかる。しかしながら、キタノナシラはじりじりとした伸びで、４番手の馬とは２馬身半差があって、５着争いが精一杯。ラスト30ｍで２頭に競り勝って単独５番手となったが、２着争いから脱落したデンコウエルドラドに１馬身半差の５着でゴール。今回はやはり出遅れが痛かった。鞍上の国分恭騎手は、「ゲートが良くないですね。最後は脚を使っているけど、前も止まりませんでした。」とコメント。前走に続いての出遅れで、ここにきて出遅れ癖がついてきた。何とかゲートを改善していきたい。

●前走の京都戦は５着止まりだったキタノナシラ。休養明け後３戦連続の入着となったが、出遅れ癖もあって、勝ち負けまで持ち込めていない。今回は課題のスタートをクリアできるか。１番人気は、デビューから４戦連続４着以内の堅実な競馬をしているキンショーヘニーで単勝2.4倍。２番人気は、目下５戦連続入着，近２走も連続２着としているマースゴールドで単勝4.2倍。キタノナシラは、単勝17.7倍の６番人気。前走は２着マースゴールドとの着差は２馬身3/4差。スタートさえ決まれば、決して逆転できない差ではないはずだ。

　 レースでは、キタノナシラはスタートでやはり立ち遅れ。それでも１馬身程度で、まだ悪くない方。後方から押して中位に取り付く。最内チャーチタウンが先頭に立って、１馬身半差ではローザヴァレンティが２番手だが、外からデンコウエルドラドが並んでくる。3/4馬身差ではマースゴールド，ナリタミニスターの２頭。その後ろは２馬身半開いて４頭が６番手争いだが、最内がキタノナシラ，大外がキンショーヘニーの態勢。この６番手集団の４頭が、３角手前で前との差を詰めて行く。特にキンショーヘニーが外からすーっと前に接近して行く。３角では、先頭はチャーチタウン，１馬身差でデンコウエルドラド，１馬身半差でマースゴールドの順。３〜４角の中間では、キンショーヘニーが押し上げるが、つれてキタノナシラも内から差を詰めて行く。４角では、キンショーヘニーは先頭から２馬身半差の外５番手，これに半馬身差で中キタノナシラの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、先頭チャーチタウンが１馬身半リードで逃げ込みを図る。２番手争いは３頭が並んでいるが、3/4馬身差で大外キンショーヘニーが伸びてくる。半馬身差で間少し狭いところにキタノナシラ。キタノナシラはキンショーヘニーに伸び負けて、残り１ハロンでは１馬身1/4差遅れを取る。ラスト150ｍでキンショーヘニーは、単独２番手に立っていたナリタミニスターをかわすと、１馬身半前で逃げ込みを図るチャーチタウンをゴール前できっちり捕らえて人気に応える勝利。キタノナシラは、ラスト150ｍでデンコウエルドラドをかわして５番手，更に２番手争いから遅れたマースゴールドをラスト30ｍでかわして４着でゴール。上位には食い込んだが、３着以内に入れそうな場面はなかった。前走よりスタートは悪くなかったが、まだ改善が必要。鞍上の国分恭騎手は、「内ワクは良かったんですが、前の馬を抜こうとしませんでした。まだ本気で走っていませんね。」とコメント。まだ本当の力を見せていないだけに、伸びしろは少なくないはずだ。

●前走の京都戦は４着だったキタノナシラ。これで４戦連続の入着だが、出遅れ癖が大きな課題。それでも前走はそれまでよりスタートは悪くなく、進境も見られる。１番人気は、近３走を２着，４着，２着としているスピリットワンベルで単勝1.5倍の断然人気。この３戦とも勝ち馬から僅差の勝負をしており、前走は３着以下に３馬身差をつけていた。キタノナシラが単勝6.9倍の２番人気。３番人気は、前走１０番人気で首差２着と変わり身を見せたアイランドクイーンで単勝9.2倍。前走は３着以下に２馬身半差をつけていた。１番人気馬は強力だが、キタノナシラには２着以上の着順を大いに期待できる一戦だ。

　レースでは、キタノナシラは１馬身近く立ち遅れるが、この馬としてはスタートは悪くない方。手綱を押して中団後ろにつける。手綱をしごいてライブリテックスが先頭に出てくるが、外から３頭が並びかけてくる。その中からアイランドクイーンが先頭に立って3/4馬身リード。ライブリテックス，ペイシャモンの２頭に、外首差でミルコメダも２番手争い。２馬身開いて人気のスピリットワンベルは５番手から。キタノナシラはその２馬身後ろで、７番手まで少し順位を上げて、外ミトノアミーゴと並ぶ態勢。３角手前では、先頭アイランドクイーンが２馬身リードで逃げているが、スピリットワンベルがすーっと押し上げて２番手に上がると、３角では一気に先頭に並びかける。２馬身1/4差でミルコメダが３番手。３〜４角の中間では、キタノナシラは先頭から５馬身差で、じっと脚をタメているが、４角にかかって追い出し開始。先頭に上がったスピリットワンベルに、２番手に上がったミトノアミーゴが１馬身差に詰めて行く。２馬身1/4差でリスペクタブル，その3/4馬身差内キタノナシラが４番手まで押し上げて直線へ。

　直線に向くと、先頭スピリットワンベルから４番手キタノナシラまで、４頭が同じような脚。残り１ハロンでは、先頭スピリットワンベルが3/4馬身リード，ミトノアミーゴが２番手。２馬身1/4差でリスペクタブル，これに内側からキタノナシラが首差まで詰め寄る。キタノナシラは、リスペクタブルに頭差ほどまで並んできて、ここから２頭で２番手ミトノアミーゴに迫ると、ラスト120ｍではミトノアミーゴに3/4馬身差でこれを捉える勢い。ラスト70ｍで、ミトノアミーゴは２頭にかわされて、キタノナシラは３番手に。リスペクタブルに食い下がるように伸びていたキタノナシラだったが、リスペクタブルは最後は先頭スピリットワンベルにも襲いかかり、キタノナシラはラスト30ｍで伸び切れずに、リスペクタブルに半馬身遅れの３着でゴール。優勝争いは、スピリットワンベルが頭差しのいでの押し切り勝ちだった。勝ち馬から半馬身差程度の好勝負を演じたキタノナシラ。スタートが決まれば勝っていたかもとさえ思えるが、それでもスタートに進境が見られているのは好材料。坂口則正調教師は、「気難しい馬だが、ブリンカー効果はあったんじゃないかな。いつも上位には来てくれているんだけどね。」とコメント。メンバーと展開次第では、初勝利の可能性も十分見えてきたと言っていいだろう。

●前走の阪神戦ではそれほど差のない３着だったキタノナシラ。これで５連続の入着で、メンバーと展開次第で十分初勝利に手が届く位置にいる。そろそろ勝利を決めたいというのが正直な気持ちではある。１番人気は、デビュー戦となった未勝利戦で既走馬相手に３着と素質のあるところを見せたクリストフォリで単勝2.4倍。２番人気は、デビュー２戦目の前走で首差２着と好走したクレアセンシェンスで単勝3.1倍。キタノナシラは、単勝5.0倍の３番人気。人気どころの馬たちは、キャリアが浅い分上昇度大きいと見込まれるが、キタノナシラにはレース経験があり、実力を出し切れれば勝ち負けの競馬は十分可能だ。

　レースでは、キタノナシラはスタートは五分に出る。このところ出遅れ癖がついていたが、久しぶりにスタートを決めて、期待は高まる。キタノナシラは、手綱を押して前の方に出てくると、出脚では１馬身ほど遅れていたものの、徐々に押し上げて広がった先頭争いの一角。スタートから150ｍで芝からダートに替わると、シンゼンアイルが僅かに先頭に出るが、首差でキタノナシラなど、前は５頭ほどが先団で固まる。その中から、キタノナシラが単独２番手となり、１馬身差でアルマーズ，クリストフォリ，タマモオテンバの３頭の３番手争い。３角では、先頭シンゼンアイルは１馬身1/4差と少しリードを開くが、３〜４角の中間でも、キタノナシラは手応えよく２番手をキープ。４角では、２馬身差でクリストフォリ，更に１馬身1/4差でメイショウマキシム以下。キタノナシラは先頭から１馬身差で、余力残しのまま前を射程圏内に置いて直線へ。

　直線に向くと、２番手キタノナシラは追い出しを待つ余裕がある。残り300ｍで、先頭シンゼンアイルのリードは3/4馬身だが、キタノナシラはゆっくり追い出しにかかる。残り１ハロンでは、３番手は３馬身と離されて、勝負は前２頭の一騎打ちか。追い出したキタノナシラだったが、先頭シンゼンアイルも渋太く粘って、残り１ハロンでも3/4馬身差は変わらない。一瞬不安もよぎったが、ここからキタノナシラがじわじわ差を詰めると、ラスト100ｍで先頭２頭が並ぶ。シンゼンアイルも渋太かったが、ここまでくれば勝負あり。ここからじわじわ競り勝ったキタノナシラは、最後は3/4馬身競り落として優勝のゴール。３着には１番人気のクリストフォリが入ったが、２着からも４馬身もの差があった。気性難が大きな課題だったキタノナシラだが、ようやく嬉しい初勝利。安定感が身についただけでなく、今回はスタートを決められたのが何より大きかった。鞍上の鮫島駿騎手は、「もう１列か２列後ろのポジションで競馬をしていたけど、今日は馬場も考えてポジションを取りに行きました。抜け出してまだ若さを見せたり、気性の難しいところは陣営も苦労しているようですが、レース慣れしてきていると思いますし、時計も速かったですからね。いい時に乗せてもらいました。」とコメント。まだまだ成長の余地があり、500万クラスでも好勝負を期待したい。

●７月の中京の未勝利戦で待望の初勝利を挙げたキタノナシラ。初勝利のチャンスを逃さなかった。その後は、昇級緒戦で古馬相手の500万下平場戦は９着だったが、２着馬から２馬身3/4差とそれほど負けていない。今回は昇級２戦目で、前走以上の結果を期待したい。１番人気は、ＪＲＡは未出走のまま園田競馬に転出したが、その園田で３戦全勝でまた中央に戻って来たユメノトビラで単勝2.3倍。園田ではＣ級の下級条件ではあるが、次元の違い過ぎるその勝ちっぷりは、中央でも間違いなく互角以上の走りができるもの。今回は半年ぶりのレースであるが、その分を割り引いても主力の存在。２番人気は、1000万クラスから降級後の平場２戦を９着，３着としているアシャカリアンで単勝2.9倍。前走は１番人気で３着と上昇ぶりを示しており、更に前進が見込まれ今回は、現級勝ちの実績馬の底力を見せるか。キタノナシラは、単勝13.2倍の５番人気。伏兵評価を得ているのは、ここでも通用するという評価をされていればこそ。500万クラスでのメドを立てたいところだ。

　レースでは、キタノナシラはスタートは五分に出て、手綱をしごいて先頭争いの一角。大外ヒルノケープタウン，内から持ったままユメノトビラの２頭が出てくる。この２頭が後続に２馬身半と徐々に差を開き、キタノナシラが３番手。１馬身差で内アントーニオ，半馬身差で仕掛けながらミスターシービーの近親パワーアッシュの順。ここからヒルノケープタウンが先頭に立って、１馬身1/4差でユメノトビラが２番手に。２馬身半差でキタノナシラが３番手キープ，その後ろは２馬身と少し開いてきて、その態勢のまま３角へ。ここから４番手以下も差を詰めてきて、３〜４角の中間では、キタノナシラの内にアントーニオが並んでくると、外からはカミノコがかわして前に接近する。４角にかかるとキタノナシラも手が動き始める。ユメノトビラが手応え十分のまま先頭に替わって、１馬身差でヒルノケープタウンを外からカミノコがかわしにかかる。3/4馬身差で４番手で食い下がるキタノナシラ。２馬身後ろにアシャカリアンもスパート態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭ユメノトビラが突き放しにかかって、２馬身，３馬身とリードを開く。２番手争いはヒルノケープタウン，カミノコの２頭，１馬身差でキタノナシラが４番手で、この３頭は同じような脚色だが、５番手から差して来たのがアシャカリアン。残り１ハロンでは、カミノコが競り勝って単独２番手。１馬身遅れたヒルノケープタウンを、外からかわしにかかるアシャカリアン。3/4馬身差で間キタノナシラは４番手に下がっている。それでも、ここから踏ん張りを見せるキタノナシラは、ラスト70ｍでヒルノケープタウンをかわすが、それと同時に外から追い込んだショウナンアンビルにかわされてしまい、そのまま流れ込んだ形で５着でゴール。ユメノトビラは５馬身差の圧勝だった。最後伸び切れなかったものの、渋太い踏ん張りを見せたキタノナシラ。500万クラス２戦目で掲示板を確保し、このクラスでもある程度勝負になる実力を証明。３歳馬で上昇の余地も大きいだけに、これからの活躍が楽しみになった。鞍上の鮫島駿騎手は、「早目に来られる形でも止まらなかったし、休み明けでもうひと追いほしい感じだったのを考えれば、よく頑張ってくれたと思います。」とコメント。勝ち負けの競馬ができるのも遠くはないはずだ。

●500万クラス昇級２戦目の平場戦で、着差はあったものの５着入着を果たしたキタノナシラ。500万クラスでもある程度戦える手応えを掴んだが、続く新潟の平場戦ではブービー１１着に終わる。今回は前走からの巻き返しを期す。１番人気は、半年の休み明けの未勝利戦を５馬身差圧勝した後、昇級緒戦の500万下平場戦でも首差２着と実力を見せたオーケストラで単勝2.7倍。２番人気は、１１番人気の人気薄で未勝利を勝利し、昇級緒戦の500万下平場戦でも頭，半馬身差の３着と好走しているネオテスタメントでオッズは同じ単勝2.7倍。キタノナシラは、単勝66.4倍の１１番人気と評価は低い。勝ち負けまでは厳しいかもしれないが、上位食い込みは期待したい。

　レースでは、キタノナシラは好スタートを決めて、広がった先頭争いの大外だが、積極的に行こうとはしていない。サンライズルーク，ダノンインパルスの２頭が出てくるが、半馬身差でオウケンスターダム。更に半馬身差で４頭の４番手争いとなって、この中にキタノナシラも加わる形だが、１角に入るところで後ろに控える。１〜２角で、キタノナシラは大外を回ったことで、９番手まで順位を下げて、先頭まで５馬身差。向正面では、ダノンインパルスが僅かに先頭，首差で内サンライズルーク，更に首差で外オウケンスターダムが３番手。１馬身1/4差でボールドスパルタン以下が固まっているが、この一群の内にテーオーフォースがつけている。一団の展開で、キタノナシラは中団後ろの位置だが、それでも先頭まで４馬身と差はない。残り1000ｍの標識から、キタノナシラの後ろにいたスズカフューラーが、大外一気のマクリで猛然と押し上げて行くと、あっと言う間に先頭に立って１馬身のリード。これを機に一気にペースアップ。３角手前で、キタノナシラは先頭まで７馬身と差が開いて、ここから手が動き始める。３〜４角の中間では、先頭はスズカフューラー，3/4馬身差でオウケンスターダム。１馬身1/4差で内からテーオーフォースが３番手に上がってくる。４角では、先頭争いの２頭が並ぶ態勢で、１馬身半差でテーオーフォース，ブタハの２頭。キタノナシラは更に５馬身後ろの外目８番手の位置で直線へ。

　直線に向くと、８番手キタノナシラは伸び脚はジリジリで、残り１ハロンでは４頭並んだ７番手争いの大外で、６番手ダノンインパルスに１馬身差。キタノナシラは単独７番手の態勢から、ラスト150ｍを切ってダノンインパルスをかわして６番手。ここでは、３番手から脚を伸ばしたテーオーフォースが先頭に抜けてくる。3/4馬身差でスズカフューラー，オウケンスターダムの２番手争い。２馬身半開いてブタハ，3/4馬身差で内エルメネジルドが５番手。キタノナシラはその２馬身半後ろだったが、ここから徐々に切れ味を発揮。ラスト50ｍでエルメネジルドをかわして５番手に上がる。３番手スズカフューラーに、ブタハが詰め寄るが、その更に後ろからキタノナシラの追い込み。最後は３着争いが３頭差がなくなってきたが、キタノナシラはスズカフューラーに首，首差の５着でゴール。１，２着馬からは少し差があったが、もう少しで３着もあったかという走りを見せてくれたキタノナシラ。500万クラスではこれまでで最も内容の濃い走り。鞍上の黛騎手は、「久しぶりに乗せていただきましたが、馬は凄く良くなっていました。距離についての適性はまだはっきり掴めていませんが、その点は先生と相談していきたいと思います。少し気難しい面はありますが、いつも真面目に走ってくれる馬です。」とコメント。経験を積んでいけば、メンバー次第では勝ち負けまで狙っていけそうだ。

●８月札幌の平場戦で５着となり、500万クラス昇級８戦目で初入着となったキタノユーリン。その後は１３着，９着，７着という結果だが、先行してゴールに近いところまで上位で踏ん張る走りは見せており、息が保つ展開になれば上位争いを期待できる。１番人気は、前走平場戦を９番人気で２着と好走したアユツリオヤジで単勝3.7倍。２番人気は、近３走平場戦を４着，３着，４着と堅実に走っているトウショウデュエルで単勝3.9倍。キタノユーリンも、単勝8.5倍の４番人気となかなかの評価。混戦模様の一戦だけに、持ち前の先行力で、好勝負に持ち込んでくれるに違いない。

　 レースでは、キタノユーリンはまずまず好スタートで、少し仕掛けて先頭争い。キタノユーリンが首だけ出て先頭。サイモンミラベル，レーヴドミカ，タイセイマルスの３頭が内外から２番手争い。１馬身差でトウショウデュエルが５番手，これに3/4馬身差で大外アユツリオヤジなどが並んでいる。先頭キタノユーリンは半馬身リードで、２番手レーヴドミカの態勢となるが、先頭〜後方まで５馬身圏内で固まっている。その後ろは３頭がバラけて、最後方の人気薄トップアドバンスは、前の集団から１０馬身も遅れて、誰もが圏外と考える位置。３角では、先頭キタノユーリンは3/4馬身リード。３〜４角の中間では、２番手レーヴドミカに、外からタイセイマルスが首差に接近。しかしながら、４角でもキタノユーリンは手応よく逃げており、１馬身のリード。タイセイマルスが僅かに２番手。最後方のトップアドバンスは、先頭から１０馬身差で外目に持ち出して直線へ。

　 直線に向くと、タイセイマルスがぐいぐい伸びて来て、残り300ｍでキタノユーリンを外からかわしにかかる。その後ろは２馬身開いてレーヴドミカが３番手。残り１ハロンでは、タイセイマルスが先頭だが、半馬身差でキタノユーリンも踏ん張っている。２馬身差で外からトウショウデュエルが３番手に押し上げる。その５馬身後ろの最後方からトップアドバンスが猛然と末脚を炸裂させてくる。ラスト100ｍでは、キタノユーリンは１馬身差の２番手，１馬身半差でトウショウデュエル，更に２馬身1/4差でトップアドバンスが４番手に。トップアドバンスの脚色は桁違いで、猛然と強襲すると、ゴール前で先頭タイセイマルスまで首差捉え切っての鮮やかな勝利。３着粘り込みを図ったキタノユーリンは、じわじわ詰め寄ったトウショウデュエルにゴール前で首差かわされて４着でゴール。それでも見せ場は十分あった競馬。1200ｍで自分のペースで行けるようなら、直線もかなり粘ってくれる。鞍上の丸山元騎手は、「楽にハナに行くことができましたし、距離に関しては短い方が安定して走れそうな感じがします。1200ｍでいいと思いますよ。」とコメント。今後も条件が合えば、好勝負を期待していいはずだ。

●前走の新潟の平場戦では４着となり、500万クラス２度目で最高着順の走りを見せてくれたキタノユーリン。ここにきて地力強化が窺え、今回は1150ｍで僅かでも距離短縮となるのはプラス材料。１番人気は、惜敗続きから７月に未勝利を勝ち上がり、前走昇級戦の500万下平場戦では５着だったロードコメットで単勝2.8倍。５着とは言え３着争いを演じており、クラス慣れの見込める今回は更に前進してくるはず。２番人気は、未勝利を勝ち上がった後、芝の500万特別を２着，５着，１２着という成績のポップシンガーで単勝6.7倍。成績が下降して、今回は３カ月半間隔を空けてリフレッシュ。初勝利がダートだったように、ダート替わりはかえってプラスになる可能性もある。キタノユーリンは、単勝7.7倍の４番人気。粘りを増している今なら、間違いなく見せ場を作れるはずだ。

●前走は500万クラスの最高着順の２着と好走したキタノユーリン。着実に力をつけて、今回も当然チャンスがあるはずだが、この大外枠は割り引き材料。ただ、好位からでも結果を出せるようになってきているだけに克服は可能なはず。１番人気は、京都の平場戦で２番人気で３着となった後、前走新潟の特別戦では９着だったスリーランディアで単勝2.7倍。前走からの巻き返しを期している。２番人気は、近３走を５着，３着，４着と堅実に駆けているメイショウマイカゼで単勝4.0倍。キタノユーリンは、単勝4.9倍の３番人気。人気は割れているが、それだけにキタノユーリンにも十分勝機はあるはずだ。

　 レースでは、キタノユーリンはまずまず好スタートを切るが、大外枠だけに先手を取るのは難しい。内からラスカルグレイ，スリーランディアの先頭争い。１馬身差でウェディングランだが、これを外からキタノユーリンがかわして３番手に。ここからラスカルグレイが単独先頭。キタノユーリンは、先頭から１馬身半差の３番手だが、３角ではまた内からウェディングランが並んでくる。しかしながら、隊列にほとんど動きはなく、落ち着いた流れとなっている。３〜４角の中間でもキタノユーリンは３番手争いで、先頭まで２馬身差。４角でもキタノユーリンは手応えがいいが、他の各馬も余力を十分残している。２番手スリーランディアの外にキタノユーリンが並んできて先頭まで3/4馬身差。半馬身内にウェディングランが４番手で、その後ろは１馬身半差があって直線へ。へ。

　 直線に向くと、スリーランディア，キタノユーリンの２頭が外から先頭ラスカルグレイに接近。キタノユーリンは追い出しを少し待つ余裕があったが、追い比べになってスリーランディアがグイッと伸びて、残り300ｍで１馬身抜けて先頭。残り１ハロンではその差が１馬身半と更に開いている。２番手はラスカルグレイ，キタノユーリンの叩き合いが続くが、これを大外から一気に伸びたビバラビダがあっさりかわしてしまう。ラスト150ｍを切って、キタノユーリンはようやくラスカルグレイを僅かに競り落として単独３番手も、じりじりとした脚色。ラスト100ｍでは今度はラタンドレスに首まで迫られると、ラスト50ｍで僅かに競り負け。そこへ後方からメイショウマイカゼが猛襲して、キタノユーリンとの４着争いのゴール。写真判定の結果は、メイショウマイカゼに鼻差かわされて５着に。１，２着馬からは差があったが、３着からは僅かに首差で、外枠でも力は見せていた。鞍上の丸山元騎手は、「いつも頑張って、一生懸命走ってくれるけどね。展開次第なんですが。」とコメント。次走はいい枠順で競馬をしたいところだ。

●前走の中京戦では５着だったキタノユーリン。それでも、３着馬からは首，鼻差の接戦で、力は見せていた。今回も展開次第で当然勝ち負けまで期待。１番人気は、未勝利を勝ち上がった後、地方の交流戦４着，500万下平場戦３着としているリガスで単勝3.0倍。２番人気は、前走500万下平場戦を８番人気で３着と好走したカズマペッピーノで単勝5.0倍。キタノユーリンは、単勝8.1倍の４番人気。実力拮抗のメンバーだけに、キタノユーリンの勝利の可能性も十分にある一戦だ。

　レースでは、キタノユーリンの出は悪くないものの、他馬の方が速い。人気のリガスがじわっと出てくるが、６〜７頭広がった先頭争い。キタノユーリンは、先頭から１馬身差の７番手あたり。先頭リガスの内にセイシュプリームが並んできて、半馬身差でブレーヴブラッド，フィネスの２頭が差なく続く。3/4馬身差でミラクルローカス，これに頭差で外キタノユーリンの態勢。３角では、内々３番手のブレーヴブラッドが、狭くなって頭を上げて少し後退。キタノユーリンは手応えは悪くなく、大外をじわっと押し上げる。３〜４角の中間では、先頭争いはセイシュプリーム，フィネス，リガスの３頭。１馬身半差で内ブレーヴブラッド，キタノユーリン，ミラクルローカスの３頭の４番手争い。４角では、リガスが半馬身出て先頭。キタノユーリンは、先頭から１馬身半差の優勝圏内で直線へ。

　 直線に向くと、先頭リガスが抜け出しを図って、ラスト150ｍを切って１馬身のリード。セイシュプリーム，フィネスの２番手争いの間にブレーヴブラッドが割って入る。１馬身半後ろの５番手にキタノユーリンだが、もうひとつ伸び切れない感じ。逆に外から伸びて来たタイキラメール，カズマペッピーノにかわされてしまう。それでもキタノユーリンは、この２頭にかわされてからは食い下がるように伸び脚を見せ、ラスト50ｍでセイシュプリーム，フィネスをかわして５着でゴール。掲示板は確保したものの、内容的にはやや物足りなかった。鞍上の丸山元騎手は、「休み明けだったし、気持ちの面かな。それでもこれだけ走れたのだから、力はありますね。」とコメント。ここを使われての上昇度に期待したい。

●２月の小倉の平場戦で５着となり、これで４戦連続の入着となったキタノユーリン。勝利までは足りない感じだが、好調を持続していた。しかしながら、その後は７着，９着，１１着と徐々に着順が下降線。そして前走の阪神戦は、ついに最下位１６着に惨敗。本調子を欠いた走りで、今回も苦戦が予想される。１番人気は、1000万クラスから降級した平場２戦を２着，３着としているコマノレジェンドで単勝2.1倍。前走も、１番人気で首，首差の接戦だった。２番人気は、前走の平場戦では７番人気ながら２着と好走したウイナーズロードで単勝4.6倍。500万クラスでは６戦して２着３回という馬だが、力を発揮できる時とそうでない時の差がある馬。キタノユーリンは、単勝59.8倍の１０番人気。かなり人気が下がってしまったが、本調子を取り戻しさえすば、上位食い込みがあって当然の力はある。

　レースでは、キタノユーリンはスタートはまずまずで、手綱を押して出て行くが、８頭ほどの多くの馬が横に広がっている。コマノレジェンド，イクゾ，チェリースプリングの３頭がぐいぐい手綱をしごいての先頭争い。１馬身差でキャラメルフレンチと外ムチが入ってキタノユーリンの２頭。３角にかかると、イクゾは先頭に争いから脱落。キタノユーリンが外からすーっと差を詰めて行くと、３〜４角の中間では、先頭争いの２頭に１馬身差の３番手に。４番手以下は３馬身半とかなり差が開く。ここからキタノユーリンは先頭２頭に並びかけて行き、４角では先頭争いは３頭が並ぶ態勢に。４番手以下は５馬身と更に差が開く。キタノユーリンは手応え十分のまま、3/4馬身リードで先頭に。コマノレジェンドが２番手，半馬身差で中チェリースプリング。この時点で、手応えでは断然キタノユーリンがまさっているが、前走が殿り負けだったこともあり、まさか勝ってしまうのではと半信半疑な気持ちを残しながら直線へ。

　直線に向くと、キタノユーリンが先頭で、じわじわリードを開きにかかって、残り１ハロンでは3/4馬身のリード。内ラチ沿いコマノレジェンドが２番手で、２馬身半遅れたチェリースプリングは優勝争いの圏外。その後ろはまた２馬身半と開いている。ラスト150ｍからは、キタノユーリンが突き放しにかかって、半信半疑から勝利への確信へと変わる。ラスト100ｍでは１馬身1/4差のリード。２番手にコマノレジェンド，その後ろは３馬身開いて、３番手争いは４頭が広がっている。ここから一気に突き放したキタノユーリンは、最後は３馬身半差をつける圧勝のゴール。３番手以下がゴール前で一気に２着争いに加わってきて、差し馬勢が追い込んできたようにも見えたが、２番手のコマノレジェンドが甘くなっただけで、差し馬勢もキタノユーリンとは最後まで同じような脚色だった。前走の殿り負けから鮮やかな変身を遂げたキタノユーリン。しかも３馬身半差の圧勝のとは、ここまでの勝ちっぷりは本当に驚き。鞍上の国分恭騎手は、「少し硬さのある馬ですが、いつも乗ってコンタクトを取っていたので、状態がいいのは分かっていましたからね。流れに乗れれば、と思っていました。枠が良く内を見ながら運べましたし、この形なら強いですね。今後は行けなかった時がどうかですね。」とコメント。これまでは500万クラスを勝ち上がった場合は厳しくなると考えられていたが、これだけの勝ち方ができるのであれば、1000万クラスでも展開が向けば好勝負できるかもしれない。そんな期待を抱かせる走りだった。

●近親にＪＲＡで５勝を挙げてオープン特別でも４着などの活躍をしたレジェンドブルーを持つグランサージュ。母，祖母ともＪＲＡでは未勝利だったが、特に祖母は最高着順２着で初勝利に手が届かず。それだけに、グランサージュにはまずは１勝を挙げてほしい。１番人気は、ワイルドラッシュ産駒のモズノーブルギフトで単勝1.8倍の断然人気。２番人気は、兄にＧ３エルムＳ優勝，Ｇ１フェブラリーＳ５着などの活躍をしたマチカネニホンバレを持つウェルカムゴールドで単勝6.0倍。グランサージュは、単勝16.4倍の６番人気。伏兵人気に留まっているが、今後に期待の膨らむ走りを見せてほしい。

　 レースでは、グランサージュはスタートはもっさりして１馬身遅れてしまい、中団内々からの競馬。セイリスペクトが出るが、内からモズノーブルギフトが競りかけてくる。更には外からファストフラッシュも先頭争いに接近。グランサージュは、先頭から４馬身差の６番手から。１〜２角で、モズノーブルギフトが先頭に立って、3/4馬身差でセイリスペクトだが、外からファストフラッシュがすーっと押し上げてかわして先頭に立って向正面へ。１馬身半差でモズノーブルギフトが２番手。１馬身1/4差でセイリスペクト，首差で内アフラマズダー。半馬身外にタガノメビウス。その後ろは３馬身開いてグランサージュで、以下はバラバラの展開。向正面の中間では、グランサージュが少し気合をつけて前の集団の後ろに取り付いて、先頭まで３馬身半差になるが、ここからは仕掛けながらの追走。３馬身開いて２番人気ウェルカムゴールド，更に３馬身差で後方２頭目にウイントラゲット。３角では、２番手モズノーブルギフトが先頭に半馬身差に接近。３〜４角の中間では首差まで並んでくる。3/4馬身差でセイリスペクトが３番手。このあたりからペースが上がり、グランサージュは５番手。その１馬身半後ろにウェルカムゴールドが押し上げる。４角にかかると、グランサージュは内から外に持ち出して追撃態勢。今度はモズノーブルギフトが手応え十分に先頭に立って１馬身半のリード。ファストフラッシュが２番手だが、その半馬身外にグランサージュ，ウェルカムゴールドが接近。セイリスペクトまでの前の５頭が２馬身半圏内で固まり、２馬身半開いてウイントラゲットが６番手。先団の中でもウェルカムゴールドの脚勢が目立っていて直線へ。

　 直線に向くと、先頭モズノーブルギフトに、外からすっと並びかけるウェルカムゴールド。残り250ｍからウェルカムゴールドが先頭に出て、残り１ハロンでもモズノーブルギフトが食い下がるが、半馬身遅れを取っている。その後ろは２馬身半開いてグランサージュが３番手で、伸びる感じはないが、渋太く３着粘り込みを図る。ラスト100ｍで、２馬身開いてセイリスペクトが４番手だが、内アフラマズダー，外ウイントラゲットもほとんど差はない。ここからグランサージュは少し甘くなり、４番手争いの３頭が固まったまま詰め寄ってきたが、最後外からグイッと伸びたウイントラゲットを、何とか頭差しのいで３着確保のゴール。優勝したウェルカムゴールドは４馬身差の圧勝。グランサージュは、勝ち馬から９馬身差があって、やや物足りない面はあったが、上位着順を確保したことは評価したい。鞍上の池添騎手は、「ゲートをバタッとしましたが、今日はそれぐらいですね。砂を被って嫌がりましたが、使えばそのあたりも良くなりそうですよ。」とコメント。まだ成長が必要だが、その期待にきっと応えてくれるはずだ。

●新馬デビュー戦では３着と上位に食い込んだグランサージュ。ただ見せ場があった訳ではないだけに、インパクトはもうひとつ。そして、２戦目の未勝利戦では、勝ち馬から約２０馬身差の１１着と大敗。今回はすっかり評価を落としている。１番人気は、デビューから６着，３着，２着と着実に確実に着順を上げてきている外国産馬のベストマイウェイで単勝1.4倍の断然人気。前走２着は、半馬身差の惜しい競馬。２番人気は、ダートの近２戦を２着，６着としているライブリテックスで単勝5.8倍。グランサージュは、単勝42.5倍の６番人気。今回は是非とも巻き返しを見せてほしい。

　 レースでは、グランサージュは最内枠で若干甘いスタート。手綱を押して人気のベストマイウェイが先頭に出てくるが、首差でキタサンタイドーが外から競りかけてくる。１馬身差でライブリテックスが３番手。グランサージュは更に３馬身後ろ，中団後ろの内々につける。１〜２角で、ベストマイウェイが先手を取り切って１馬身リードする。向正面では、グランサージュは後方２頭目まで順位を下げて、先頭までは６馬身差。更に２馬身半開いてセンスオブワンダーが最後方。向正面の中間を過ぎると、今度は内からビストオブバーデンがスーッと先頭に替わって１馬身半リードする。２番手となったベストマイウェイは手が動き始め、３角にかかるとムチも飛んでいる。ベストマイウェイの外にキタサンタイドーが並んでくる。グランサージュは、先頭まで依然６馬身差があって、このあたりでは手綱をしごいている。３〜４角の中間では、ベストマイウェイがまた盛り返してきて、外のキタサンタイドーとともに先頭にじわっと接近。この２番手争いの２頭の後ろは、２馬身半と少し差が開いてくる。ペースが上がったことで、グランサージュは先頭から７〜８馬身と少し差が広がっている。４角では、ベストマイウェイがムチを飛ばしながら僅かに先頭に出る。首差で内ビストオブバーデン，外キタサンタイドーも先頭争い。その後ろは３馬身開いてドゥリトル，ライブリテックスの４番手争い。グランサージュは、その２馬身後ろの６番手まで順位を上げてきて直線へ。

　 直線に向くと、前３頭が並んで競り合っているが、残り１ハロンでは、ベストマイウェイ，キタサンタイドーの先頭争い。ビストオブバーデンは１馬身遅れる。その後ろ４馬身開いてドゥリトル，ライブリテックスの４番手争い。２馬身開いてくグランサージュが６番手から追ってくる。ラスト100ｍからベストマイウェイがリードして、一旦は3/4馬身完全に出たが、ゴール前でキタサンタイドーがまた盛り返してくる。しかしながら、ベストマイウェイが首差押し切って優勝。ラスト100ｍではドゥリトルが単独４番手に立って、１馬身差でライブリテックス，１馬身3/4差でグランサージュ、これを１馬身差で大外から差して来るセンスオブワンダーの順。グランサージュは、センスオブワンダーにあっさりかわされる勢いだったが、並ばれてから一歩も譲らず勝負根性を見せて伸び、２頭でゴール前でライブリテックスをかわし、３番手に上がっていたドゥリトルにも詰め寄ったところがゴール。しかしながら、グランサージュはドゥリトルに半馬身及ばず、センスオブワンダーとの写真判定にも鼻差負けて５着。それでも、前走の大敗から巻き返して、力のあるところを見せてくれた。鞍上の岩崎騎手は、「砂を被ると嫌がると聞いていたのですが、大分、慣れてきましたね。使いつつ良くなってくると思います。」とコメント。この先安定性が増してくるようなら、そのうち初勝利のチャンスも見えてくるかもしれない。

●前走は４着に鼻差の５着と巻き返してきたグランサージュ。安心させる結果ではあったが、もう少しパンチ力がほしいのが正直なところ。それでも、今回のメンバーなら、チャンスもないとは言えない。１番人気は、近２走を４着，２着としているセンスオブワンダーで単勝3.0倍。２番人気は、前走は１番人気で３着だったオウケンキングで単勝3.3倍。デビューから全４戦掲示板を外していない安定感がある。グランサージュは、単勝12.4倍の５番人気。前走は４着のセンスオブワンダーに鼻差の僅差。その比較から考えても、今回は楽しみな一戦となる。

　 レースでは、グランサージュはまずまずのスタートで、手綱をぐいぐいしごいて行く。スタートから１ハロン目で、中から押しながらキクノゼファーが先頭に出てくる。半馬身差でグランサージュや大外センスオブワンダーなど、２番手争いは横に広がっているが、グランサージュはやや控える形に。１〜２角で、今度はトーセンブレイヴが先頭に立って１馬身半のリード。キクノゼファーが２番手，3/4馬身差でクリノエリザベッタ。グランサージュは更に２馬身後ろで６番手の位置。向こ正面では、グランサージュはセンスオブワンダーの3/4馬身後ろの５番手。このあたりから、２番手キクノゼファーの後ろは２馬身半と開いてくる。向正面の中間では、グランサージュは中団で先頭まで７馬身差。３角では、３番手にエリーエスパーが上がってくるが、前とは３馬身半の差がついている。３〜４角の中間では、２番手キクノゼファーは手が動き始める。後続勢からは、ナムラムツゴロー，つれてオウケンキング，更には内目からセンスオブワンダーと進出を開始する。グランサージュも、その後ろの位置から差を詰めにかかる。４角では、グランサージュはムチが飛んでいる。先頭トーセンブレイヴは２馬身半とリードを開き、ナムラムツゴローが２番手。3/4馬身差でセンスオブワンダー，１馬身1/4差でキクノゼファーの順。グランサージュは、更に２馬身後ろの７番手あたりで直線へ。

　 直線に向くと、４番手キクノゼファーを、外からマトラッセ，内からオウケンキングの２頭がかわして行く。少し遅れて最内からグランサージュも伸びてくる。残り１ハロンでは、先頭トーセンブレイヴは５馬身リードで圧勝態勢。グランサージュは、オウケンキングの半馬身内の６番手。ラスト150ｍで、グランサージュがオウケンキングに競り勝って５番手まで上がるが、４番手マトラッセとは最後まで同じような脚色で、そのまま５着でゴール。上位には食い込んだが、流れ込んだような感じの内容。それでも、２着馬からは大きな差はなかった。鞍上の岩崎翼騎手は、「大分、前向きさが出ていますし、成長してますね。砂を被らず競馬ができれば、もっとやれていいですよ。」とコメント。勝ち切るまでのパンチ力をやや欠いているが、今後も安定して頑張ってくれるはずだ。

●前走の京都戦では勝ち馬から差はあったものの５着となり、２走連続の掲示板となったグランサージュ。もう一段階のパワーアップが望まれるが、今回も上位食い込みを狙う。１番人気は、近４走を３着，２着，２着，５着と堅実に駆けているヨキニハカラエで単勝3.3倍。２番人気は、近３戦を３着，３着，２着と上位争いを続けているヤマカツケンザンで単勝4.1倍。グランサージュは、単勝19.4倍の７番人気。上位に肉薄した勝負を見せてほしい。

　 レースでは、グランサージュはまずまず好スタートで、軽く押した程度で好位に取り付くが、先頭争いからは控える。アトスがすっと先頭に立って１馬身1/4差のリード。内ヨキニハカラエが２番手，半馬身差で中ヤマカツケンザン。これに3/4馬身差で最内グランサージュなどが４番手争いで広がる。１〜２角では、ヤマカツケンザンが外から押し上げて、先頭に首差まで並んで行く。向正面で、半馬身差で中ヨキニハカラエが３番手，半馬身差で外フィアットルクス，１馬身差で最内グランサージュは５番手だが、これに外からグーテンタークが並んで来る。向正面の中間では、先団４頭が固まって、その後ろは２馬身半開いてグランサージュ，グーテンタークの２頭。３〜４角の中間では、グーテンタークが先団との差を詰めて行くが、グランサージュは差を詰められずに遅れを取って、手綱を押している。４角では、今度はヨキニハカラエが先頭，半馬身内にアトス。１馬身1/4差でヤマカツケンザンが３番手，これに１馬身差でグーテンターク。一杯になったフィアットルクスは、２馬身遅れて５番手で、１馬身差で最内グランサージュは６番手。これに3/4馬身差で中クレスコセイランの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、ヨキニハカラエが先頭だが、内首差でアトスも渋太く食い下がっている。残り１ハロンで、２馬身1/4差開いてグーテンタークが３番手に上がり、ヤマカツケンザンは１馬身かわされて４番手。２馬身差でクレスコセイランが５番手，半馬身かわされた内グランサージュは６番手の態勢。グランサージュはここから渋太さを見せて、クレスコセイランとともに伸びて、ラスト150ｍでヤマカツケンザンをかわして５番手に。しかしながら、結局クレスコセイランには突き放されてしまう。グランサージュは、最後は４番手にひとつ順位を下げたグーテンタークとの差を少し詰めてはいたものの、そのまま流れ込むような感じで５着でゴール。これで３戦連続の５着となった。パンチ力はやや欠いているが、堅実には走ってくれている印象。鞍上の大野騎手は、「良くなってきたので流れに乗って運んだ。３〜４角も余裕はあったんだけどね。でもこの競馬を続けていけば、チャンスは来ると思うよ。」とコメント。メンバー次第では、初勝利のチャンスもないとは言えないはずだ。

●一族に活力を保ち続けているヨドノサフランの曾孫グランドメッシ。デビュー前から調教の動きが良く、かなり期待されて人気も集めたものの、デビュー２戦はともに８着。直線失速する競馬は期待外れと見られたが、今回は直線競馬でこの馬の持ち味を生かせるか。１番人気は、デビューからの２戦を連続３着としているシャウエンで単勝2.9倍。前走は首，頭差の惜敗だった。グランドメッシは、単勝4.7倍の２番人気。３番人気は、デビューからの２戦を２着，５着としているモメチョッタで単勝5.4倍。実力の比較が難しいが、グランドメッシが本来の力を出せるなら、勝ち負けは十分可能だ。

　レースでは、グランデメッシはスタート良く、スピードもあって無理なく先行争いに。テンモントムが先頭に出てきて、つれて内から半馬身差でグランデメッシ。今度は大外からスカイポートが押し上げて先頭へ。半馬身差でテンモントム，内１馬身差でグランデメッシは３番手。3/4馬身差で大外からはモメチョッタ。中間の残り500ｍでは、先頭争いはテンモントム，スカイポートの２頭が並んでくる。半馬身内のグランデメッシも手綱はまだ抑えている。

　残り400ｍからグランデメッシが追い出しにかかると、ここからはグランデメッシ，テンモントムの叩き合いに。暫く競り合いが続いたが、グランデメッシの脚色は力強く、残り250ｍで競り勝って単独先頭に立つ。残り１ハロンでは既に１馬身抜け出した。２番手テンモントムに、大外モメチョッタが3/4馬身差まで詰める。ラスト100ｍでは、グランデメッシは２馬身抜けて勝負を決める。２馬身半とリードを更に開いたところへ、ゴール前でモメチョッタが２番手に上がったが、グランデメッシは１馬身3/4差リードで完勝のゴール。スピードがここでは違っていた。デビュー時から人気になりながら結果を出せなかったが、1000ｍの直線競馬で調教での動きの良さが存分に発揮された。鞍上の津村騎手は、「返し馬の感触が今までで一番良かったので期待していました。いい位置で流れに乗れましたし、終いまでしっかりと伸びてくれました。雨が降ってソフトな馬場になったのも、この馬には良かったのでように思います。」とコメント。本当の力を示すのはまだこれから。経験を積むことで、更に進化を遂げるはずだ。

●準オープン入着などの活躍をしたシーキングフェイムの初産駒グローバルフェイムのデビュー戦。３歳４月とデビューは遅れ、既走馬相手の未勝利戦。それでも、潜在能力の高さを見せつけて、今後に繋がる競馬を期待。１番人気は、デビューからの２戦を３着，６着としているヒメベニサクラで単勝3.0倍。今回は６カ月半ぶりの競馬。２番人気は、５戦連続で２〜４着と堅実な走りを見せているラドルクスで単勝3.2倍。グローバルフェイムは、単勝35.4倍の９番人気。能力差さえあれば好勝負できるメンバー。グローバルフェイムにもチャンスはあるはずだ。

　レースでは、グローバルフェイムはスタートが若干甘いが、出遅れというほどではない。持ったまま出てきて中団につける。４〜５頭広がった先頭争い。グローバルフェイムは、先頭から３馬身差で１角へ。１〜２角で、内ペイシャモンが半馬身リードして先頭，アフラオカが２番手。3/4馬身差で外パチュリー，首差で内に人気のヒメベニサクラ。外グラスコマチなども差なく追走。向正面で、グローバルフェイムは先頭から３馬身半差で、内のビップベリンダなどと並んでいる。向正面の中間からは、グローバルフェイムは少し押っつけながらの手応えになってくる。３角でも、前の方は固まった態勢で変わっていないが、３角過ぎからは多くの馬が手綱を押して仕掛けて行く。３〜４角の中間では、先頭ペイシャモンの外にアフラオカが並びかける。これに半馬身差でパチュリーと手応え十分に外ラドルクスの２頭。グローバルフェイムは先頭から３馬身半差だが、内からビップベリンダが持ったままでかわして行く。４角では、グローバルフェイムはムチが飛んでいる。今度はアフラオカが先頭，3/4馬身差でグラスコマチが２番手。これに１馬身差でヒメベニサクラ。先頭から２馬身差の最内５番手争いにビップベリンダが押し上げる。グローバルフェイム楽な手応えでなく、先頭から４馬身差の中団で直線へ。

　直線に向くと、今度はラドルクスがかわして先頭。残り１ハロンで、半馬身差でアフラオカが２番手，半馬身内にヒメベニサクラ。これを１馬身差で外目に出したビップベリンダとグラスコマチの２頭が追ってくる。グローバルフェイムは更に２馬身半後ろでまだ中団。ビップベリンダの伸び脚が良く、ラスト120ｍで２番手に上がると、ラスト50ｍでラドルクスを差し切って快勝。グローバルフェイムはじりじりとした脚で、ラスト100ｍで６番手となり、先頭争いから脱落したアフラオカを２馬身半差で追う。グローバルフェイムは前との差を詰めたものの、アフラオカを首差で捉え切れず６着でゴール。惜しくも掲示板は逃してしまったが、初出走としては決して悪くない内容ではあった。鞍上の中井騎手は、「時計面で恵まれたところはありましたが、初戦としては悪くない内容でした。また調教からしっかり仕上げたいと思います。どこかで勝てる馬です。」とコメント。一度競馬を経験して、更なる成長が期待されることに。しかしながら、その後は７着，６着、７着，１１着とひと息上位争いには食い込めず。そして８月下旬の札幌戦、勝負どころから大外を回って先団に取り付いて行ったが、左前浅屈腱不全断裂を発症して直線競走中止に。幸い最悪のケースにはならずに、門別で繁殖生活を送ることになり、夢は子供たちに託すこととなった。

●Ｇ３小倉３歳Ｓ優勝などの活躍をしたリキセレナードを祖母に持つテイエムストーン。前走芝の新馬デビュー戦では１０頭立ての８着に終わったが、今回はダートに替わって違う面を見せてくれるか。１番人気は、芝の新馬戦は最下位１１着たったが、ダートに替わった前走で２着と大きく変わったスマートドレイクで単勝1.3倍の圧倒的人気。２番人気は、前走小倉の新馬デビュー戦では５着だったスマートレムリアで単勝5.6倍。テイエムストーンは、単勝25.1倍の６番人気。１番人気馬は手強そうだが、それ以外の馬となら、前走からの上積みがあれば、差のない競馬ができるかもしれない。

　レースでは、テイエムストーンはゲートの出は良かったが、二完歩目からは他馬の方が速い。スマートドレイクがすっと１馬身出て先頭。２番手グループは６頭ほど固まるが、テイエムストーンもその一角に加わり、２番手から3/4馬身差。先頭スマートドレイクに、内からメイショウアマギが半馬身差に接近。前の方は少しバラけてきて、１馬身差でキモンボーイ，ラフィティの３番手争い，１馬身1/4差でハイリミットゾーン。その内3/4馬身差でテイエムストーンが６番手。その首差外にアイファーメンバーが取り付く。３角では、アイファーメンバーが外から押し上げるが、テイエムストーンは動けない。先頭スマートドレイクは、リードを２馬身と開いている。３〜４角の中間では、テイエムストーンは中団やや後ろで、先頭まで６馬身差。４角では、先頭スマートドレイクは持ったまま。１馬身半差でラフィティ，１馬身1/4差でハイリミットゾーンが３番手。１馬身差で内キモンボーイ，更に１馬身差でアイファーメンバー。テイエムストーンはそこから２馬身半後ろの７番手で直線へ。

　直線に向くと、テイエムストーンは中から外に出してじわじわ脚を伸ばして、残り１ハロンで２番人気のスマートレムリアをかわして６番手。５番手キモンボーイまでは２馬身半差。ラスト150ｍで、先頭スマートドレイクは、３馬身半リードで楽勝態勢。テイエムストーンは、キモンボーイにじわじわ詰め寄るが、その更に前のアイファーメンバーまでは３馬身差がある。２着もハイリミットゾーンでほぼ決まりとなり、焦点は３着争いに。３着争いは接戦になり、ラフィティにアイファーメンバーが際どく並びかけ、キモンボーイをかわしたテイエムストーンが、３着争いの２頭に半馬身差まで詰め寄ったところがゴール。５着と掲示板を確保したテイエムストーン。今回は大きな変わり身を見せてくれた。鞍上の酒井騎手は、「トモを落とし気味のスタートで勢いがつきづらかったけど、馬込みで砂を被っても嫌がらず、４角で外へ行く面も前回よりかなりマシ。終いも伸びていましたし、ダートの方がいいですね。まだ良くなる余地があるので、次も楽しみです。」とコメント。新馬戦は振るわなかったが、今回の走りで期待が膨らんだのは間違いない。

●デビュー２戦目の前走で５着と変わり身を見せたテイエムストーン。今回は更に前進を期待したい。１番人気は、新馬デビュー戦では２番人気で４着だったアーズローヴァーで単勝2.5倍。２番人気は、Ｇ２青葉賞３着など重賞でも活躍したアドマアイヤウイナーを兄に持つソンリッサで単勝4.0倍。デビューからの３戦は４着，２着，８着。１番人気で崩れた前走からの巻き返しを期している。テイエエムストーンは、単勝8.9倍の４番人気。実力的には差はないメンバーで、テイエムストーンにも十分チャンスがあるはずだ。　　

　レースでは、テイエムストーンは最内からスタートは五分に出るが、二の脚は速くなくて、手綱を押して行くが後方から。すっと先頭に立ったのはスマートレグルスで、徐々にリードを２馬身1/4差と開いて行く。２番手にメイショウペルムだが、内からラヴィテスがかわして行く。テイエムストーンは、更に４馬身後ろの後方だが、内ラチ沿いをじわっと中団近くまで押し上げて行く。３角手前では、スマートレグルスのリードは3/4馬身で一団となってきて、テイエムストーンも先頭からは３馬身半程度の差に。３角にかかるとテイエムストーンは少し仕掛け気味になり、３〜４角の中間ではかなり押している。３番手グループにいたアースローヴァー，ハートビートダンスの２頭が、大外からスーッと押し上げる。４角でも、先頭スマートレグルスは3/4馬身リード。２番手メイショウペルムの外にアースローヴァーが並んで来る。内首差でラヴィテスも２番手争い。テイエムストーンは先頭まで３馬身近い差で５番手まで馬順を上げてくる。先頭スマートレグルスにアースローヴァーが並びかける。テイエムストーンは外に持ち出して直線へ。

　直線に向くと、スマートレグルス，アースローヴァーの叩き合い。２馬身1/4差でラヴィテスが３番手。残り250ｍで、その１馬身半後ろの４番手からテイエムストーンが追って来る。前２頭の競り合いは、ラスト150ｍでアースローヴァーが首ほどリード。テイエムストーンも末脚を伸ばしてきて、ラヴィテスをかわして３番手に上がるが、前２頭までは３馬身の差がある。２番手スマートレグルスも踏ん張っていたが、ラスト100ｍでアースローヴァーに突き放される。テイエムストーンは前までは２馬身半差があったが、ここからグイグイ末脚を伸ばして一気に差を詰める。最後は２着争いは際どくなったが、テイエムストーンが外からスマートレグルスに並びかけたところがゴール。しかしながら、惜しくも頭差及ばず３着。それでも、大いに見せ場のあった内容で、前走よりも更に前進。鞍上の戸崎騎手は、「上手に走れてはいたんですが、道中や直線でも少し右に頼っている感じでした。」とコメント。着実に力をつけているが、それだけ確実に初勝利に近づいている。

●京都の未勝利戦では、２着馬に頭差の３着と好走したテイエムストーン。続く前走は、１０馬身近い差の７着と見せ場を作れなかっただけに、今回は巻き返しを期す。１番人気は、デビューからの全３戦を５着，３着，３着としている外国産馬のスポーカンテソーロで単勝2.2倍。今回は初ダートで、ダート適性を発揮してくるか。２番人気は、デビューからの全３戦を３着，６着，４着としているサルトアトランテで単勝4.6倍。テイエムストーンは、単勝28.4倍の７番人気。実力拮抗のメンバーでもあり、テイエムストーンも前走のようなことはないはずだ。

　レースでは、テイエムストーンはまずまずのスタートで、７〜８頭広がった先頭争いの最内。無理せず出てくるが、１ハロン過ぎからは包まれるのを嫌って少し仕掛けて前の位置取りをキープ。スポーカンテソーロが先頭に出て来て、半馬身内でテイエムストーンが２番手だが、２番手争いは４頭が広がっている。ここからテイエムストーンが単独２番手となって、１馬身1/4差でハイロードシチー，トーセンアトランタ，サルトアトランテの３番手争い。３角では、先頭スポーカンテソーロのリードは１馬身半となっている。２番手テイエムストーンに、サルトアトランテが半馬身差に接近。３角過ぎで、後方にいたセイウンクロノスが、大外をスーッと押し上げる。３〜４角の中間では、サルトアトランテが２番手に上がり、半馬身内テイエムストーンは手が動き始める。４角では、先頭にスポーカンテソーロは１馬身半リード。サルトアトランテに半馬身差で内々テイエムストーンが３番手キープ。３馬身開いてトーセンアトランタ，セイカハルカゼの２頭，１馬身1/4差で大外セイウンクロノスと続いて直線へ。

　直線に向くと、先頭スポーカンテソーロは、リードを２馬身1/4差と開きにかかって残り300ｍ。サルトアトランテが２番手，１馬身差で内ラチ沿いにテイエムストーン。残り１ハロンで、テイエムストーンの２馬身後ろの大外４番手にセイウンクロノスが上がってくる。４番手以下は固まっていて、じわじわ前との差を詰めてくる。ラスト120ｍで、スポーカンテソーロは４馬身リードで楽勝態勢。２番手サルトアトランテに、半馬身差まで詰め寄るテイエムストーンだが、外からセイウンクロノスがかわして行く。１馬身1/4差でトーセンアトランタ，セイカハルカゼも伸びてきて、脚色からは差し馬勢に呑み込まれてしまいそうな勢い。ラスト100ｍでセイウンクロノスが２番手に上がるが、ここからテイエムストーンももうひと伸び。実に渋太い粘り腰で、ラスト30ｍで内ラチ沿いの狭いところをサルトアトランテを競り落とし、差のないところまで迫った差し馬勢も抑えて３着でゴール。３着以下は大接戦だっただけに、テイエムストーンの勝負根性でもぎ取った３着。鞍上の酒井騎手は、「馬を気にして逃げるところがあると聞いていましたし、攻め馬で跨がってそれを意識して調整しました。今日でも外からプレッシャーがあって、ラチに寄るところはあったんですが、真っすぐしっかり走ってくれたと思います。最後も盛り返してくれましたから、あとワンパンチですね。」とコメント。今後もメンバー次第で、初勝利のチャンスは十分あるはずだ。

●前走の中京戦では勝ち馬から少し差があったものの３着と上位に食い込んだテイエムストーン。今回は意外なほど評価が低いが、十分好勝負が可能なメンバー。１番人気は、阪神の新馬デビュー戦では１番人気で １馬身3/4差の３着だったマゼで単勝1.8倍の断然人気。素質を評価された形。２番人気は、近２走を連続３着としているイチバンヤリで単勝6.3倍。デビューから４戦して掲示板を外していない。テイエムストーンは、単勝39.8倍の９番人気。人気以上の着順はもちろん、勝利の可能性まであるはずだ。

　レースでは、各馬揃ったスタートで、大外テイエムストーンも好スタート。シルバークレインがすっと半馬身出て、内モズリスペクト，大外マゼが２番手。これに１馬身差で、テイエムストーンは固まった４番手争いの大外だが、ここから無理することなくスッと３番手に上がって行く。シルバークレイン，マゼの先頭争いで、3/4馬身差で外テイエムストーンの態勢。３角では、今度はマゼが先頭に出て、３角過ぎでは3/4馬身リード。シルバークレインが２番手，3/4馬身差でテイエムストーン。３〜４角の中間では、テイエムストーンはシルバークレインより前に出て２番手となり、更に４角ではマゼに半馬身差に接近。3/4馬身内の３番手シルバークレインもまだ余力を残している。直線入口では、マゼが１馬身1/4差にリードを開く。外テイエムストーンに、内シルバークレインが首差まで接近。１馬身半差でイチバンヤリが４番手から追って来て直線へ。

　直線に向くと、マゼが１馬身リードで押し切りを図る。２番手はシルバークレイン，テイエムストーンの２頭が並んでくる。イチバンヤリは、前とは２馬身1/4差に広がって、前３頭の勝負に絞られる。残り１ハロンで、２番手争いは、シルバークレインの方がじわっと出る。テイエムストーンも頑張っていたが、２番手シルバークレインからラスト150ｍでは半馬身，ラスト100ｍでは3/4馬身とじわじわ遅れを取る。先頭マゼはここからもうひと伸びして、最後は１馬身3/4差突き放して快勝。テイエムストーンはもう一度巻き返して、シルバークレインに半馬身差まで詰めたものの、最後はまた同じ脚色になってしまって、そのまま３着でゴール。力のあるところは見せてくれたが、今回は勝ち馬が強かった印象。大外ワクでなかったら、あるいは２着はあったかも。鞍上の酒井騎手は、「スタートはうまく出てくれているし、勝ち馬が行き切ってくれたので、うまく番手が取れました。少し気難しい面があるのか、いきなり切れ込んだり外へ逃げたりするので、今日のようなスムーズな競馬の方が良さそうです。」とコメント。メンバー次第では、これからも勝利のチャンスはあるはあずだ。

●オープン特別３着，Ｇ１に２度挑戦などの活躍をした九州産の星メモリアルイヤーの産駒ドウドウキリシマ。新馬デビュー戦は3.0秒差のブービー１２着に惨敗し、今回はほとんど人気がない。１番人気は、未勝利の身でフェニックス賞４着，続く未勝利戦は１番人気で半馬身差の２着だったハクサンウェーブで単勝1.7倍の断然人気。前走でも、３着馬に５馬身差をつけている。２番人気は、デビューからの２戦を５着，７着としているゴールドパッキャオで単勝7.6倍。２番人気以下の馬たちは、ハクサンウェーブとは実績面でかなり差がある。ドウドウキリシマは、単勝149.1倍の最低１０番人気。ほとんど注目されていないが、一度レース経験を積んでの変わり身に期待したい。

　レースでは、ドウドウキリシマはスタートは五分で、前の方に出てくる。人気のハクサンウェーブが先頭に立って１馬身リード。２番手は４頭が並んでいるが、その中にドウドウキリシマも加わっている。ここからジョートラジャが単独２番手となって、先頭に半馬身差に接近していく。3/4馬身差で内にクリノベロニカ，半馬身差でドウドウキリシマ，アルマオプティの２頭が４番手争い。３角でも隊列は変わらず、ドウドウキリシマは先頭から２馬身半差の４番手争いで、このあたりは少し仕掛けながらの追走。３〜４角の中間では、かなり手綱をしごいている。馬群は固まって一団。４角にかかるとドウドウキリシマは手綱を抑えていて、まだ余力は残っている感じ。先頭ハクサンウェーが、手応え十分のまま１馬身3/4差にすっとリードを開いて、早くも勝利を確信か。ジョートラジャ，アルマオプティの２番手争い。１馬身半差でクリノベロニカ，ドウドウキリシマの４番手争いだが、その後ろは3/4馬身差で４頭ほど広がった態勢で直線へ。

　直線に向くと、各馬同じような脚色だが、４番手争いのドウドウキリシマは、前との差が少し開き加減。残り250ｍでは、ハクサンウェーブが２馬身リードで逃げ込みを図る。ジョートラジャ，アルマオプティの２番手争いの叩き合いが続く。２馬身1/4差で４頭広がった４番手争いの中にドウドウキリシマ。残り１ハロンで、アルマオプティが単独２番手，デンコウミシオンが単独４番手に。ラスト100ｍで、ドウドウキリシマはデンコウミシオンに半馬身遅れて、外から並んできたアイファーメンバーとの５番手争いの叩き合いに。ここからドウドウキリシマは勝負根性を発揮し、ラスト50ｍでアイファーメンバーに差し返すように競り勝って、最後は首差先着して５着でゴール。なんとか掲示板を確保し、惨敗だった前走からは変わり身を見せてくれた。鞍上の松山弘騎手は、「まだ幼いところがありました。使っていって気性が成長すれば。」とコメント。これをきっかけに、更に成長してほしい。

●デビュー２戦目の未勝利戦で大きな変わり身を見せ２着と好走したパズルリンクス。降着による繰り上がりだったが、勝ち馬から半馬身差の内容のある競馬だった。今回はメンバーも強力だが、前走同様の好走を期待。１番人気は、デビューからの２戦を連続２着としているリードザウインドで単勝2.2倍。２番人気は、デビューからの２戦を３着，２着としているカラフルで単勝2.5倍。パズルリンクスは穴人気に留まっているが、単勝17.1倍の５番人気。ここで好勝負できるなら、前走で掴んだ自信は更に強くなって行く。

　レースでは、パズルリンクスはスタートは悪くない。ポンと好発を決めたのはグランカナーレで、すっと１馬身リード。内からパズルリンクスが押しながら、半馬身差に詰めて２番手争い。この２番手は、内外に４頭が並ぶ形。ここで、間からキョウエイソフィアが今度は先頭。3/4馬身差で内パズルリンクス，外グランカナーレの２番手争い。人気のリードザウインドは、更に１馬身3/4差後ろの外６，７番手争い。３角では、パズルリンクスは内々追走で、グランカナーレに首差で３番手。３〜４角の中間でも、先頭キョウエイソフィアは１馬身リードするが、馬順に大きな変動はなく、馬群が徐々に固まってくる。４角にかかると、内々パズルリンクスは少し手が動き始める。大外からカラフルが押し上げて、キョウエイソフィア，カラフルの先頭争いに、間グランカナーレも頭差と差はない。１馬身1/4差で外リードザウインドは手応え十分。その半馬身内にパズルリンクスが５番手で直線へ。

　直線に向くと、外からリードザウインドが伸びて先頭に並びかけ、先頭争いは４頭が並ぶ態勢。２馬身開いて内目パズルリンクスは５番手，半馬身差の最内からマイネルアンドゥミがじわじわ。残り400ｍでは、キョウエイソフィアがもうひと伸びして、半馬身リードで先頭。５番手争いは固まっていたが、残り300ｍではパズルリンクスが完全に単独５番手の態勢に。残り250ｍから大外リードザウインドがまた伸びてきて、先頭に替わって残り１ハロンでは半馬身リード。２番手に内キョウエイソフィア，１馬身1/4差でカラフルが３番手，半馬身差でグランカナーレ。これに１馬身1/4差でパズルリンクスが５番手の態勢だが、これに外からユメイチズが一気に迫ってくる。ラスト120ｍで、グランカナーレをパズルリンクス，ユメイチズが内外から抜き去ったが、パズルリンクスはユメイチズにはあっさり先に行かれてしまう。５番手パズルリンクスは、１馬身前にいるカラフルをラスト80ｍでかわして４番手に上がるが、１馬身外から今度はミスティカルが差して来て、パズルリンクスはゴール寸前で首差かわされて５着でゴール。掲示板は確保が精一杯だったが、パズルリンクスも力は出し切った感じで、今回は致し方ない結果。内容的には悪くなく、次に繋がる競馬ができた。鞍上のＣ.デムーロ騎手は、「いいスタートを切って、いい位置を取れました。ただ、まだ全体に非力な感じがします。それに距離はもう１ハロン延びてもいいかもしれません。」とコメント。安定した走りができいるだけに、メンバーと展開次第では、勝利にも手が届く可能性は十分にあるはずだ。

●前走の未勝利戦では５着だったパズルリンクス。前々走の２着から着順は下げたが、前々走の内容がフロックではなかったことを示した。今回もチャンスの十分ある一戦。１番人気は、デビューからの２戦を５着，２着としているウィンターパレスで単勝2.8倍。前走に続いての１番人気。２番人気は、デビューからの２戦を６着，２着としているキョウエイソフィアで単勝4.8倍。パズルリンクスは、単勝6.4倍の３番人気。実力拮抗で激戦が予想されるが、勝負根性に期待したい。

　【 レースでは、パズルリンクスは一番の好スタートで、すっと１馬身近くリード。しかしながら、先手を取りに行く構えは見せず、内から５頭がかわして行っての先頭争い。１馬身差で３頭並んだ６番手争いの大外がパズルリンクス。キョウエイソフィアが一旦先頭も、内からノボベイビーがかわして先頭。3/4馬身差でキョウエイソフィア，3/4馬身差でサマーシャドウ。これに半馬身差で内エルモアレッタ，外ロータスクイーンの４番手争い。ここまでが先団で、その後ろは３馬身開いてパズルリンクス以下。パズルリンクスは少し仕掛けながらの追走。３角にかかると、外からロマンスガッサンがパズルリンクスの外に並んでくると、ここから２頭並んで押し上げて行く。後方の人気ウィンターパレスも、その３馬身後ろから差を詰めにかかる。３〜４角の中間では、先頭争いは４頭が並んでくる。その２馬身後ろにパズルリンクスなど。４角でもパズルリンクスは手応えは悪くない。ノボベイビーが半馬身リードで先頭，キョウエイソフィアが２番手。外首差にロータスクイーンが３番手。その１馬身後ろに、中パズルリンクスなど３頭が続く形で直線へ。へ。

　 直線に向くと、パズルリンクスは一瞬前が壁になるが、外のロータスクイーンが脚を伸ばすと、パズルリンクスも外に持ち出して、その後を追うように脚を伸ばしてくる。残り１ハロンでは、ロータスクイーンが２番手に上がり、キョウエイソフィアは差はないものの３番手，首差で内エルモアレッタ。これを１馬身差で追うパズルリンクスは５番手だが、これに外からウィンターパレスがすっと伸びてかわしにかかる。完全にかわされる勢いだったが、ここからパズルリンクスも踏ん張って抜かさせない。ラスト100ｍでは、遅れを取った４番手キョウエイソフィアを、この２頭でかわして行く。パズルリンクスは、ウィンターパレスとの叩き合いのまま、３番手に下がったノボベイビーを追うが、ノボベイビーはもう一度伸びて差し返して２番手に上がり、パズルリンクスは捕まえられずに４着争いのゴール。４着争いは、ウィンターパレスとの壮絶な叩き合いが最後まで続いて際どい写真判定となったが、惜しくも鼻差で５着止まり。それでも、優勝したロータスクイーンからの差は１馬身半と僅か。鞍上の大野騎手は、「以前乗った時より馬が成長していました。上位とは差のない競馬でしたし、頑張ってくれました。」とコメント。着順こそひと息だったが、内容はなかなか良かった。メンバー次第では、初勝利も十分に可能だ。

●前走は勝ち馬から１馬身半差の５着だったパズルリンクス。これで３戦連続の掲示板で、安定して走れている上、前走の内容からもチャンスは十分。１番人気は、芝の新馬戦は１番人気で７着だったが、ダートに替わった前走は3/4馬身差の２着と実力を見せたファーマメントで単勝2.7倍。２番人気は、近６走で２着４回， ３着１回と惜しいレースが続いているウォルフスブルクで単勝4.6倍。ここ２戦も２着が続いている。パズルリンクスは、単勝5.3倍の３番人気。詰めが甘い感じはあるが、実力差は僅かなはず。是非とも勝利を飾って新年を迎えたいところだ。

　 レースでは、パズルリンクスはまずまずのスタートで、手綱を押して好位の一角につける。イッツマイターンが中から先頭に出て来て、１馬身差でウォルフスブルク，レインボーボニートの２番手争い。間半馬身差で人気のファーマメントも好位をキープ。パズルリンクスはその１馬身後ろで、内々５番手を仕掛けながら追走。ここから行きっぷりはもうひとつで、９番手まで順位を下げて、先頭まで５馬身差。３角でもパズルリンクスはかなり手が動いていて、先頭まで６馬身差とまた少し差が広がっている。３〜４角の中間では、先頭イッツマイターンに、レインボーボニートが首差まで並んで来て、前の方は固まってくる。４角にかかると、パズルリンクスはようやく盛り返す態勢になり、大外に持ち出して、依然中団ながら先頭まで５馬身差。パズルリンクスの3/4馬身前にシキシマがいて直線へ。

　 直線に向くと、イッツマイターン，レインボーボニートの２頭の叩き合いとなって残り１ハロン。１馬身差で３番手争いは４頭が並んでいるが、いちばん大外シキシマの伸びが一頭抜けている。これに１馬身遅れてパズルリンクスはまだ７番手争い。ラスト150ｍで、外からシキシマが先頭に抜けてくる。ラスト100ｍでは、半馬身差でイッツマイターン，ラインマッシモの２番手争い。これに3/4馬身差で中タイセイゴーディー，ウォルフスブルクの２頭。これを１馬身半差で追うパズルリンクス。パズルリンクスは、タイセイゴーディー，ウォルフスブルクとの差は僅かしか詰められなかったが、ゴール寸前でイッツマイターン，レインボーボニートを捉えて４着でゴール。満足できる結果とまでは言えないが、この馬の力は見せてくれた。鞍上の戸崎騎手は、「促し気味について行ったんですが、最後がもうちょっとでした。でも、安定して走ってくれます。」とコメント。巡り合わせ次第ではあるが、初勝利はもう十分に手の届くところにある。

●前走は勝ち馬から２馬身3/4差の４着だったパズルリンクス。これで４戦連続の掲示板と、安定感は見せているが、勝ち切るまでのパンチ力を欠いている。それでも、メンバーと展開次第で勝利に手が届く位置にいるのは間違いない。１番人気は、近３戦を５着，５着，２着としているビビッドプルメージで単勝2.3倍。前走の首差２着の内容が評価されている。２番人気は、これまで全８戦して２着１回，３着３回，５着１回のドリュウで単勝4.3倍。前走も３着と堅実な走りを見せている。パズルリンクスは、単勝8.1倍の３番人気。実力は比較的拮抗しており、付け入るチャンスはあるはずだ。

　 レースでは、パズルリンクスはまずまず好スタートで、押して前の方に取り付く。大外イッツマイターンが好発を決めて先頭に立つが、内からビビッドプルメージが押し上げて、スタートから１ハロンでかわして先頭へ。競り合いを避けたイッツマイターンは、１馬身差の２番手に控える。１馬身差でタカミツリリー，半馬身内にセグレートシチー。パズルリンクスはその１馬身3/4差後ろ、６番手あたりを追走。これに１馬身1/4差で外ドリュウなど。３角でも、先頭ビビッドプルメージは3/4馬身リードで、前の方の態勢は変わっていない。３〜４角の中間では、パズルリンクスは仕掛けてじわっと進出開始。４角では、先行した３頭がほぼ並ぶ態勢に。１馬身半差でブロンドキュート，パズルリンクスの４番手争い。その後ろは２馬身差で、大外ドリュウなど３頭が並んでいて直線へ。

　 直線に向くと、イッツマイターン，ビビッドプルメージの先頭争い。残り１ハロンで、２馬身開いて一杯になったタカミツリリーを、外からパズルリンクスがかわして行く。差なく内で粘るブロンドキュート。１馬身3/4差の大外からはドリュウの追い込み。ここからの伸びはドリュウが勝り、単独３番手のパズルリンクスは、ラスト100ｍで外から一気にかわされてしまう。ドリュウは、ゴール前で先頭争いの２頭まで半馬身捕らえて優勝。パズルリンクスは、ドリュウにかわされてからは、徐々に差を広げられながらもこの馬なりに伸び脚を見せて、ブロンドキュートをグイッと突き放すと、最後は３番手ビビッドプルメージにも首差まで迫って４着でゴール。勝ち馬からも１馬身程度とそれほど差はなく、内容の濃い走り。鞍上の戸崎騎手は、「前走よりもレースぶりは良くなっています。ただ、前を掴まえられず後ろに差されてしまったので、もう少し力がついてきてほしいですね。」とコメント。もう一段階のパワーアップが望まれるが、初勝利は手の届くところにある。

●前走は２着に首，首差の４着だったパズルリンクス。相変わらず詰めの甘い競馬が続くが、５戦連続入着の堅実さは評価できる。今回は単勝2.3倍の１番人気に支持され、初勝利の期待が高まる。２番人気は、近２走２着，６着としているブラウローゼットで単勝4.3倍。前々走首差２着の内容は良かった。３番人気は、前走１０番人気で３着と好走したヴィーダで単勝4.9倍。母アイーンベルは、タレントの志村けんさんの持ち馬だった。パズルリンクスにとっては、大きなチャンスの一戦であり、何としても勝利をモノにしたいところだ。

　レースでは、パズルリンクスはスタートはほぼ五分。外ブラウローゼットがポンと好発を決めるが、内からスガノインディがかわして先頭に。後ろは２馬身開いて、３番手以下は固まっている。パズルリンクスは、３番手から3/4馬身差の大外で、このあたりはごった返している。先頭スガノインディが１馬身半リード，ブラウローゼットが２番手。１馬身3/4差でコトブキハウンド，セグレートシチーの３番手争い。パズルリンクスはその１馬身半後ろのあたり。３角では、パズルリンクスは単独５番手にじわっと順位を上げるが、先頭までは５馬身差。３〜４角の中間では、その差は６馬身に少し開いて、このあたりでは懸命に押している。４角では、スガノインディが２馬身リード，ブラウローゼットが２番手。１馬身半差でコトブキハウンド，セグレートシチーの３番手争い。２馬身差で５番手パズルリンクスの態勢で直線へ。

　 直線に向くと、逃げたスガノインディには余力がなく、残り１ハロンでブラウローゼットがかわして先頭。１馬身3/4差でセグレートシチーが３番手，更に１馬身3/4差でコトブキハウンドだが、これをパズルリンクスがかわして４番手に。3/4馬身外からはヴィーダの追い込み。パズルリンクスもじわじわ伸びてはいるが、ラスト120ｍでヴィーダに並ばれる。ここからパズルリンクスは、ヴィーダに馬体を合わせて伸びてくるが、ラスト50ｍで競り負け。スガノインディをかわしたものの、３番手セグレートシチーとの3/4馬身差を首差まで詰めたところがゴールで４着まで。１番人気に支持されて、初勝利のビッグチャンスだっただけに、勝ち切れなかったのは無念。鞍上の戸崎騎手は、「いい形で進んで行けたんですが、３コーナーのところが忙しかったですね。止まってはいないんですが、ダラダラとした感じで走っていました。」とコメント。これまでと同じように善戦止まりに終わったが、いずれまたチャンスが巡ってくるはずだ。

●３月の中山戦では１番人気に支持されながら４着止まりだったパズルリンクス。勝ち切れないもどかしさはあるものの、６戦連続入着の安定感はあった。しかしながら、その後２戦は７着，１０着と大きく後退。体調も下降している感じだっただけに、今回は復調を図って巻き返しを期す。１番人気は、５月の未勝利戦でデビューして、ここまで２戦を走って連続３着としているホマレで単勝3.4倍。２番人気は、これまで全７戦で入着５回のトップフィリアで単勝4.0倍。パズルリンクスは、単勝13.7倍の６番人気。入着を続けていた時の内容は、２番人気トップフィリア以上と言ってもいい。それだけに、本来の力を発揮できれば、勝ち負けまで十分可能なはずだ。

　レースでは、パズルリンクスは好スタートを決めて好位につける。キーサンダーがポンと先頭，内半馬身差でホマレが２番手。これに半馬身〜3/4馬身の間に４頭が固まっていて、大外にいるのがパズルリンクスの態勢。ここからパズルリンクスが押し上げて、２番手ホマレの外に並んで行く。３角では、先頭はキーサンダーで１馬身のリード。２番手はホマレ，パズルリンクスの２頭。3/4馬身差で内クレバージェットが４番手。３〜４角の中間では、先頭キーサンダーのリードは半馬身に。４角では、２番手ホマレが首差まで迫り、更に首差で外パズルリンクスが僅かに遅れて３番手。これに１馬身差でサクラノハナビラ，クォータイモンの２頭が続いて直線へ。

　直線に向くと、先頭キーサンダーをホマレがかわしにかかって残り400ｍ。パズルリンクスは3/4馬身差の３番手。残り350ｍではホマレが先頭に抜け出してくる。残り300ｍでは、３番手パズルリンクスに外からクォータイモンが並びかけ、残り250ｍでは２頭でキーサンダーをかわしにかかる。残り１ハロンでは、先頭ホマレが１馬身3/4差抜け出している。パズルリンクスは、クォータイモンに遅れて３番手に。ここからクォータイモンが先頭ホマレに１馬身差まで詰めて行くが、これを見てホマレも伸び脚を見せてる。クォーターイモンが伸びる分だけホマレも伸びて、２頭の間の差は縮まらない。パズルリンクスは、２番手クォータイモンにグングン突き放されてしまい、最後は５馬身差をつけられて３着でゴール。４番手からグログランが差を詰めてきたが、最後はパズルリンクスと同じ脚色になった。ここ２戦着外から巻き返しを見せたパズルリンクス。前とは差が開いた点はひと息ではあったが、再び上昇に転じたことを評価したい。鞍上の荻野極騎手は、「テンのスピードはいいものがあります。スムーズにいい位置が取れましたし、最後まで渋太く辛抱してくれました。このくらいの距離が合っていますね。いい競馬ができました。」とコメント。また初勝利への期待が再び膨らんだ。

●前走の東京戦では３着と巻き返してきたパズルリンクス。２着馬から５馬身差をつけられてはいたが、再び上昇機運。更に前進があれば、初勝利のチャンスは十分にある。１番人気は、前走は首差の２着だったクレバージェットで単勝1.8倍の断然人気。デビュー以来５戦して掲示板を外していない。２番人気は、近１０戦で１番人気３回，入着７回の安定した走りを見せているタイセイゴーディーで単勝5.2倍。前走でも３着と力を見せている。パズルリンクスは、単勝7.3倍の３番人気。鞍上に藤田菜七子騎手を配して初勝利を目指す。

　レースでは、パズルリンクスは好スタートで、手綱を押して先行グループに。ポンと好発を決めたのはセレナライティアで、一瞬で１馬身リード。ジョーダンピースが２番手で、その後ろは１馬身〜１馬身1/4差の中に４頭が固まるが、その３番手争いの最内がパズルリンクス。パズルリンクスは、３番手から3/4馬身差の５番手となるが、３角手前では徐々に順位を下げて中団に。更に３角では中団後ろで、先頭までは６〜７馬身差。３〜４角の中間で、先頭セレナライティアは１馬身半リードの逃げ。ジョーダンピース，人気のクレバージェットの２番手争いで、その後ろは２馬身1/4差開いている。４角では、先頭セレナライティアは２馬身リードの軽快な逃げ。パズルリンクスは、先頭から７馬身差の８番手争い。中から外目に持ち出して直線へ。

　直線に向くと、先頭セレナライティアは２馬身リードで逃げ込みを図る。クレバージェットが２番手で、３馬身半開いて３番手争いは３頭。残り１ハロンで、パズルリンクスは更に３馬身後ろで、優勝争いからは既に圏外だが、何とか上位には食い込みたい。ラスト150ｍで、３番手争いはタイセイゴーディー，テンポディヴァルスの２頭。ラスト120ｍで、２馬身半開いて、大外パズルリンクスがようやく５番手争いに。パズルリンクスは伸び脚は見せて単独５番手に上がったが、既に大勢は決しており、４番手テンポディヴァルスに3/4馬身差まで詰めるのがやっとで５着でゴール。勝ち負けを考えるような見せ場も作れず、内容的には物足りなかったが、力で最後掲示板は確保。鞍上の藤田菜七子騎手は、「ゲートは速かったのですが、それ以上は行けませんでした。この距離だとちょっと忙しい感じがしましたが、それでも頑張ってくれました。」とコメント。もう少し距離を延ばせば、もっとこの馬の持ち味が生きるのかもしれない。

●兵庫競馬で活躍したディアースパークルの産駒ビルジキール。デビューからの芝２戦は１０着，９着と振るわず。初ダートの前走は７着だったが、３着馬からは１馬身1/4差とそれほど差はなかった。やはり母同様ダート適性があり、今回は掲示板を狙いたい。１番人気は、デビューからの全４戦すべて４着以内のトーセンアミで単勝1.4倍の圧倒的人気。近２戦は１番人気で２着を続けている。２番人気は、新馬デビュー戦で３番人気で８着だったシーシャープで単勝5.4倍。今回はダート替わりで変わり身を見せるか。ビルジキールは、単勝14.6倍の４番人気。トーセンアミはなかなか強力だが、それ以外の馬とならそれほど差はないはずだ。

　レースでは、ビルジキールはスタートはまずまずだが、手綱を押して行くが徐々に順位を下げて中団後ろの位置に。セイウンコービーが先頭に出て来て、3/4馬身差でシーシャープが２番手。１馬身差でトーセンアミ，外アスタードラゴン，リップグロスの３頭の３番手争い。ビルジキールはそこから２馬身半後ろで、後方グループの外。少し仕掛けながらの追走となっている。少し頭を上げるような走りとなっていて、３角では後方２，３頭目の位置となり、先頭までは８馬身差。そして３〜４角の中間では、ビルジキールにはムチが入って、殿りの争いになっている。先頭セイウンコービーは手応え十分の逃げで、１馬身差の２番手シーシャープにはムチが入って苦しくなってくる。これに１馬身差で内トーセンアミなどが３番手争い。４角にかかるとシーシャープは脱落。内からトーセンアミが２番手に。２馬身差でタキシードジャンクが３番手，１馬身半差でアスタードラゴンの順。ビルジキールはその３馬身後ろ，依然後方のまま外目から一杯に追い出されて直線へ。

　直線に向くと、トーセンアミが末脚を伸ばして、残り250ｍでセイウンコービーをかわして先頭に替わる。残り１ハロンでは、前２頭から４馬身開いてニューモニュメントが３番手に上がってくる。3/4馬身差でタキシードジャンクはかわされて４番手。そこから３馬身開いてアスタードラゴン，その２馬身半後ろでビルジキールはまだ８番手。先頭トーセンアミがじわじわリードを開いて勝負あったかと思われたが、ここからニューモニュメントが一気の伸び脚。ゴールの瞬間にトーセンアミを首差捉える鮮やかな勝利。ビルジキールはラスト150ｍでも８番手で、３頭固まった５番手争いに3/4馬身差まで取り付いて、この３頭を射程圏内に。ラスト100ｍを切ってビルジキールが内の３頭をまとめてかわして、６番手アスタードラゴンに１馬身3/4差をつけて５着でゴール。１，２着馬からは差があったが、掲示板圏内まで食い込んできた。鞍上の富田騎手は、「1400ｍの分、行き脚がつかず後ろからになりました。道中は砂を被って頭を上げていましたが、外に出してからはいい伸び。レースに慣れていけば。」とコメント。一戦ごとにじわじわ力をつけている。これからまだまだ伸びしろがありそうだ。

●前走の京都戦では５着と初入着を果たしたビルジキール。勝ち馬からは９馬身の差があったが、それでも一戦ごとに着実に力をつけてきており、今回は勝ち負けまで期待したいところ。１番人気は、ダートに替わってから３着，４着と確実に上位争いをしているケイアイビリジアンで単勝3.4倍。２番人気は、ダートに替わった前走で３着と好走したラインリンクス単勝3.5倍。ビルジキールは、単勝8.7倍の４番人気。実績的にはやや見劣るが、傑出した馬はなく、好勝負できて不思議はない。　

　レースでは、ビルジキールはまずまず好発を決めて、大外からじわっと前に出てくる。４〜５頭広がった争いから、ラインリンクスが先頭に出てきて、3/4馬身差でビルジキールは２番手争いの大外。１〜２角で、先頭ラインリンクスは１馬身半リード。ビルジキールが２番手で、半馬身内にリワードアンヴァルで向正面へ。半馬身外ケイアイビリジアンは４番手，半馬身外にシゲルヒスイの順。淡々とレースは流れるが、向正面の中間では、ビルジキールが先頭に首差まで接近すると、３角過ぎでは先頭に並ぶ態勢。３〜４角の中間では、ビルジキールは手応えよく頭ひとつリードで先頭。そして４角から仕掛けて手を動かして行くが、外からケイアイビリジアンが並んできて、直線入口ではビルジキールは頭ほど遅れる。１馬身差でキュアンが３番手に上がってきて直線へ。

　 直線に向くと、ビルジキールはまた差し返すように脚を伸ばして、内からケイアイビリジアンをかわして、残り１ハロンでは半馬身リード。外からはキュアンが２番手を窺う。１馬身差で内リワードアンヴァルは４番手。ここからじわじわリードを開きにかかるビルジキール。ラスト150ｍでは１馬身1/4差，100ｍでは１馬身半リードで押し切り態勢。キュアンと内リワードアンヴァルの２番手争いとなるが、ビルジキールは危なげなく１馬身3/4差をつけて快勝のゴール。前走は５着とは言えインパクトは低かったが、ここにきて更に力をつけている。鞍上の田中健騎手は、「外枠でしたから、ゲートを出てから好位につけようと思っていました。実際その通りの競馬はできたと思います。後続に早目に来られてしまいましたが、よく凌いでくれました。距離は1700ｍ〜1800ｍが合っています。」とコメント。昇級後の500万クラスでの戦いは楽ではないが、着実に成長を遂げており、いずれは好勝負できるようになるに違いない。

●１年前の東京の500万下平場戦で４着と好走したビレッジゴールド。その後は５戦して７着が最高で、年が明けてからは南関東に移籍してのレース。Ｂ級特別を３着，４着，１着とまずまずの好成績で、今回は古巣のＪＲＡ勢を迎え撃つ。１番人気は、近２走を２着，３着と好走しているダイワエクシードで単勝2.9倍。７走前には岩手の地方重賞の北上川大賞典を優勝，６走前には岩手のグランプリ桐花賞３着などの地方重賞好走実績を持つ。２番人気は、昨秋Ｇ２レディスプレリュード５着のグレードレース入着実績を持つティルヴィングで単勝4.4倍。Ｇ１ＪＢＣレディスクラシックでも、１５頭立ての７着だった。前走Ｂ級特別を勝ってここに駒を進める。ビレッジゴールドは、単勝8.5倍の５番人気。実力は拮抗しており、ビレッジゴールドにも勝機はあるはずだ。

　レースでは、ビレッジゴールドはスタートは五分に近い感じで出るが、手綱を押して行くものの中団後ろまで。デンコウイッセンがすっと先頭に立って、１馬身1/4差でティルヴィングが２番手。１馬身1/4差でダイワエクシードが３番手。ビレッジゴールドは更に３馬身半後ろで後方から。１〜２角では、ビレッジゴールドは先頭から８馬身差。向正面に入って、３番手ダイワエクシードの３馬身近く後ろにいた５番手争いのオペラハットなどが、手応えよく差を詰めにかかる。ビレッジゴールドは後方４頭目で動かない。半馬身遅れの内々にいるのがあエスティブレイド。３角にかかると、エスティブレイドの方が前に出て、ビレッジゴールドは手が動き始める。３〜４角の中間では、先頭は依然としてデンコウイッセン，半馬身差でティルヴィング。１馬身1/4差の３番手ダイワエクシードに、オペラハットが首差まで接近。４角にかかると、ポルトボナールも手応えよく前に押し上げる。大外に持ち出したビレッジゴールドは、順位を上げられないまま、先頭から７馬身差の後方５頭目の位置で直線へ。

　直線に向くと、先頭デンコウイッセンが振り切って２馬身半のリード。残り１ハロンでは、オペラハットが２番手に上がり、先頭に１馬身半差。その２馬身後ろでポルトボナールが３番手に上がってくる。後方大外のビレッジゴールドも、徐々に脚を伸ばしてくる。ラスト120ｍで、先頭争いはデンコウイッセン，オペラハットの２頭が並ぶ。２馬身半差の３番手ポルトボナールをかわしにかかるのが、ビレッジゴールドより先に脚を伸ばしてきたエスティブレイド。その２馬身半後ろでビレッジゴールドが５番手まで押し上げる。ここから徐々に競り勝ったオペラハットが、最後は3/4馬身差で優勝。ビレッジゴールドは、４番手に下がったポルトボナールをラスト50ｍでかわし、エスティブレイドを追うように伸びたが、１馬身半差まで詰めるのがやっとで４着でゴール。それでも、この馬としては健闘と言っていい内容。馬の状態も、南関東移籍前よりもすっと良くなって、実力を発揮できているいるようだ。

●園田競馬の活躍馬ディアースパークルの産駒フジノビューティ。２歳７月の新馬戦でデビューするも９着に終わり、その後は１１か月の長い休養に。復帰後は３戦して９着，１６着，８着。前走は８着とは言え１１頭立てで、７着馬から１０馬身差をつけられていた。今回もほとんど注目されない存在だが、−１８kgと大幅に馬体が絞れた点に期待をかける。１番人気は、前々走３着のエボニーマーブルで単勝3.9倍。２番人気は、全５戦して２着１回，５着２回のラブリーアゲンで単勝4.3倍。フジノビューティは、単勝134.7倍の１３番人気。それでも、１，２番人気馬も前走はともに８着に終わっているように、混戦ムードの一戦。加えて、フジノビューティが1000ｍの直線競馬の適性を見せられるなら、あっと言わせる大波乱を演出する可能性もないとは言えないはずだ。

　レースでは、フジノビューティはスタート良く、手綱を押して前の方に出てくる。しかしながら、グラスレガシー，ブショウの方が速く、この２頭の先頭争いに。これを大外からかわしてホウオウシックスが今度は先頭へ。２番手２頭から１馬身差の４番手争いに、内目フジノビューティも加わっていて、このあたりはこれまでにない行きっぷりを見せている。

　残り400ｍで、先頭はホウオウシックス，3/4馬身差でグラスレガシー，ブショウの２頭。更に3/4馬身差で内目フジノビューティ，外からはセレブレーションの２頭が４番手争いか。残り300ｍで、先頭ホウオウシックスに、ブショウが首まで迫ると、残り250ｍでかわして先頭。残り１ハロンでは、ブショウが１馬身抜け出す。２番手は、ホウオウシックスを内からかわすグラスレガシー。3/4馬身差でフジノビューティが僅かに４番手か。外首差でセレブレーション。ここからフジノビューティは、ホウオウシックスをかわして３番手に上がり、セレブレーションとの差もじわじわ開いて行く。しかしながら、上位２頭とは同じような脚色で差を詰められない。優勝争いは、先頭ブショウに、ラスト100ｍでグラスレガシーが首差まで詰め寄ったが、ゴール前でブショウがぐいっともう一度リードを開いて優勝。フジノビューティは、４番手以下には脅かされることなく、そのまま３着確保のゴール。馬体が絞れたことや、直線競馬で気持ち良く走れたなどの要因が考えられるが、これまでとは一変した走りを見せてくれた。鞍上の和田騎手は、「スタートが決まっていいポジションを取れました。追ってからもしっかり走ってくれましたが、前の２頭はかわせずに同じ脚になってしまいました。前で流れに乗れたのが良かったです。」とコメント。チャンスは残り少ないが、何とか初勝利へと繋げて行きたいところだった。続く９月初めの新潟戦は３番人気に支持されたが、スタートが甘くて包まれたところで、最後までほとんど追えないまま無念の８着。未勝利戦の再チャレンジの機会も失い、ＪＲＡ最終戦としてあまりにも残念過ぎる競馬となってしまった。

●ＪＲＡ現役500万クラスで活躍中のウインストラグルを兄に持つローズカラー。佐賀競馬でのデビューとなる。デビューから２着，１着と２戦目で初勝利。その後２戦は７着，５着と振るわなかったが、前走の特別戦は１馬身1/4差の２着。今回は地方重賞に挑戦となる。１番人気は、デビューからの全４戦すべて３着以内のスターオブジーンで単勝1.6倍の断然人気。目下２連勝中で、特に前走は６馬身差の圧勝と、一戦ごとにパワーアップを遂げている。２番人気は、デビューからの全５戦で１勝，２着３回の堅実な走りを見せているオールアウトで単勝3.3倍。ローズカラーは評価が低く、単勝72.8倍の６番人気。まだまだこれからの馬だけに、進化を見せてくれる可能性はあるはず。今後につながる健闘を期待したい。

　レースでは、ローズカラーは好スタートで、出ムチをくれてすっと先頭に立つ。今回は最初から逃げる作戦だったかのよう。２馬身差でダイリンフェロー，ムーンパスノキセキの２番手争い。１馬身差でスマートダッシュ，１馬身1/4差で人気のスターオブジーンは５番手から。１〜２角で、ローズカラーは１馬身半リードだが、向正面に入ると２馬身半差に開いて、スピードを落とさずハイペースで逃げを打つ。向正面の中間では、ダイリンフェローはもう一杯で、ムーンパスノキセキがかわして２番手，半馬身外にスマートダッシュ。その後ろは２馬身1/4差開いて、スターオブジーンはかなり手が動いている。３角では、２番手以下が２馬身差にじわっと詰めてくるが、手綱をしごいてかなり脚を使っている感じ。一方、ローズカラーはペースを緩めることなく、３〜４角の中間では３馬身近くに逆に差を開く。そんな中で進出してきたのがオールアウトで、内ラチ沿いを２番手に押し上げる。４角では、先頭は依然としてローズカラー，１馬身半差に詰めて来たオールアウト。１馬身3/4差でムーンパスノキセキが３番手，3/4馬身差の大外にスターオブジーン。果たしてローズカラーがこのまま押し切れるのか。

　直線に向くと、ローズカラーはハイペースで逃げたにもかかわらず、１馬身半リードを保って残り１ハロン。２番手オールアウトが懸命に追ってくる。３番手以降は伸びがひと息で、スターオブジーンも伸び切れず、勝負は前の２頭の争いに絞られる。懸命に逃げ込みを図るローズカラーに、じわりじわりと差を詰めてくるオールアウト。ラスト100ｍではその差は１馬身まで縮まるが、同じような脚色で少しずつしか詰まらない。ラスト50ｍでも3/4馬身リードで、ローズカラーが押し切り濃厚の態勢に。最後はその差は半馬身まで縮まったが、かわせるという感じではなく、ローズカラーが逃げ切り勝ちのゴール。断然人気スターオブジーンは５着に沈んだ。積極果敢な逃げを打ち、ハイペースでも最後まで止まらなかったローズカラー。人気薄だったが、見事に地方重賞制覇を成し遂げた。これから更に強い相手との戦いも待っているが、強力な逃げを武器に、更に重賞タイトル奪取を目指してほしい。

●地方重賞の九州ジュニアチャンピオンで逃げ切り勝ちを演じたローズカラー。ハイペースで逃げながら、大バテせずにそのまま押し切ってしまう渋太さは、この馬の大きな武器。続く２歳戦は、２着争いには踏みとどまったものの、６頭立ての５着と不本意な成績。今回は再度の地方重賞で巻き返しを期す。１番人気は、門別で 0-1-2-1 の成績で佐賀に移籍し、佐賀での２戦を９馬身，５馬身差の楽勝で２連勝中のニュールックで単勝1.5倍の断然人気。２番人気は、九州ジュニアチャンピオン２着の後、２歳特別戦を快勝しているオールアウトで単勝3.8倍。ローズカラーは、単勝46.2倍の７番人気。かなり評価は低くなっているが、前々走でオールアウトを負かしているのは紛れもない事実。少なくとも２着は十分狙えるはずだ。

　レースでは、内ニュールック，外ローズカラーの２頭が好スタート。２頭ともハナを取りに行く形で競り合うが、徐々にニュールックの方が出てくる。ローズカラーの方は頭を上げるような走りになっていて、もうひとつスピードが乗らない感じで、3/4馬身差の２番手で、ここで無理な競り合いは避ける。１周目３角〜４角では、ペースは落ちて隊列も固まる。ローズカラーに１馬身差で内ムーンパスノキセキ，3/4馬身差で外スマートダッシュが４番手で正面スタンド前へ。先頭ニュールックは、１馬身リードでマイペースの逃げ。２番手ローズカラーで変わらない。２番人気オールアウトは、ローズカラーの２馬身半後ろの５，６番手の位置。１〜２角で、ニュールックは持ったままだが、２番手ローズカラーは急に手が動き始める。向正面でも、ニュールックはペースを上げている感じはないが、ローズカラーは必死に１馬身差で食い下がっている感じ。１馬身1/4差でムーンパスノキセキ，スマートダッシュの２頭だが、３番手以下も手が動き始める。向正面の中間では、更に１馬身半後ろの５番手オールアウトにもムチが飛んでいる。３角では、先頭ニュールックは何もしていないが、リードが２馬身近くに広がる。２番手ローズカラーの後ろも２馬身半と少し差が広がっているが、３〜４角の中間では、３番手ムーンパスノキセキが差を詰めにかかる。ニュールックは３馬身とリードを開き、４角では５馬身リードで早くも楽勝態勢。ローズカラーが２番手で踏ん張り、１馬身半差で３番手ムーンパスノキセキは外へ出す。１馬身1/4差でオールアウトが４番手。その２馬身後ろの位置の中団大外からスターオブジーンが追い込み態勢。１角からずっと追いどおしのローズカラーだが、果たしてどこまで粘れるのか。

　直線に向くと、ニュールックは独走態勢で、ラスト150ｍでは６馬身リード。２番手ローズカラーに、ムーンパスノキセキが3/4馬身差まで詰め寄る。１馬身半差でガイノス，オールアウトの４番手争いだが、オールアウトは思いのほか伸びを欠いている。その3/4馬身外からスターオブジーンが差してくる。ローズカラーは、ニュールックに果敢に勝負を挑んだ分、さすがに苦しくなって、ラスト100ｍでムーンパスノキセキにかわされて３番手。２馬身1/4差で４番手争いは３頭。何とか３着は死守できるかと思われたローズカラーだが、スターオブジーンが後方で脚をタメていた分、最後の最後で大外からグイグイ伸びてきて、ローズカラーはゴール寸前で首差かわされて４着でゴール。それでも、５着のオールアウトは3/4馬身抑え切った。断然人気ニュールックは、７馬身差の圧勝だった。今回はローズカラーにとっては厳しい展開だっただけに、２着，３着馬とは決して実力差はない。展開次第で、十分逆転できるはず。しかしながら、北海道からやってきたニュールックは、今後も大きな壁となって立ちはだかりそう。同じ牝馬だけに、牝馬の地方重賞でもとんでもない難敵になるのは間違いない。