１９９２年（平成４年）

 １９９３年（平成５年）

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●後々まで悲劇の馬として語り継がれることになるグロリークロス。２歳 ９月の阪神の新馬戦で、父タマモクロスと同じ南井騎手を鞍上にデビューする。そのデビュー戦は３馬身差の２着に終わったが、能力のあるところは見せてくれた。元々古馬になって本格化する晩成タイプだけに、この時期にこれだけの走りができれば悪くない。一度レースを使われた今回は、更に期待が高まって、単勝2.2倍の１番人気に支持される。２番人気は、前走新馬デビュー戦では、１番人気ながら後の最強馬ビワハヤヒデの４着だったニホンピロスコアーで単勝2.8倍。暮のＧ１朝日杯３歳Ｓでは、２番人気で５着となる馬。３番人気は、新馬２戦をともに１倍人気で２着としているタイチェスナットで単勝4.5倍。 期待の大きいグロリークロスだけに、ここは是非人気に応える勝利を飾り、大きく飛躍を遂げたいところだ。

３着

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　 直線に向くと、先頭タイチェスナットが内で逃げ込みを図る。グロリークロスは、ユニバーサルマシンなどの２番手争いの馬たちを抜き去ると、外から内に切れ込むように先頭タイチェスナットに襲いかかる。この２頭馬体が合うような形になって、ここからタイチェスナットも食い下がる構えを見せたが、脚色の違いは歴然。残り１ハロンで、タイチェスナットを突き放すようにグロリークロスが先頭に突き抜ける。力強く伸び切ったグロリークロスは、余力を残しながら２馬身差をつけて快勝のゴール。２着争いは４頭大接戦となったが、真ん中を伸びたニホンピロスコアーが最後に首差抜けて２着を確保した。力強い末脚で一頭突き抜けたグロリークロス。一度レースを使われて、更に大幅にパワーアップした感。晩成型を思わせる馬だけに、これからの成長が本当に楽しみになったと言っていい。鞍上の南井騎手は、「テンにズブいね。気合を入れて３角で前に取り付いたが、離されてまた４角で取り付くレースぶり。それでも追い出すとしっかりしていたものね。少し内にモタれ気味ではあったが、気にするほどじゃない。末脚がいいタイプなので、距離が延びればもっと持ち味が出せるんじゃないかな。」とコメント。500万クラスでも勝ち負けの競馬を見せてくれるのは間違いない。

●デビュー２戦目の新馬戦で期待通りの勝利を挙げたグロリークロス。500万クラスなら当然勝ち負けの競馬ができるはずだったが、昇級後は福寿草特別８着，梅花賞６着と伸び切れずに終わっていた。なかなかこの馬の持ち味を生かせない競馬が続いたが、今回は昇級３戦目となるだけに、そろそろ本領発揮を期待したい。１番人気は、前走梅花賞で４着だったタマモクロス産駒のタマモハイウェイで単勝2.3倍。後にＧ２の京都大賞典で女傑ヒシアマゾンの２着，Ｇ１の菊花賞でも５着となるなど重賞でも活躍することになる馬。２番人気は、前走梅花賞では１番人気で３着だったテスコガリバーで単勝3.0倍。グロリークロスは、単勝9.8倍の４番人気。梅花賞の再戦のようなメンバーだが、前走先着を許した馬たちに借りを返し、ここから大きく飛躍していきたいところだ。

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　直線に向くと、混戦の中からテスコガリバーが抜け出しを図り、内からはロイヤルフェローが差して来る。残り１ハロンで、グロリークロスは大外を回ったこともあって、先頭までの差が５馬身と広がっているが、ここから末脚の威力が徐々に増して来る。ロイヤルフェローが先頭に迫る勢いで伸びて来たが、それを上回る豪脚を繰り出して来たのがグロリークロス。ひと息伸びを欠いているタマモハイウェイを大外からかわし去り、豪快な切れ味で先頭争いに迫って来る。優勝争いは３頭が際どい態勢になってきたが、切れ味で断然まさったグロリークロスが、ゴール寸前でテスコガリバーを頭差捉えて、最後方のからの追い込みを決める鮮やかな勝利のゴール。最内ロイヤルフェローは３着まで。500万クラスの特別戦に過ぎないレースではあったが、短い直線で大外を回りながら最後方一気の強襲を決めたグロリークロスの勝ちっぷりを、未だに心に深く刻んでいる人も少なくない。タマモクロスにそっくりな風貌やそのレースぶり、鞍上が南井騎手という点で、父の姿をそこのオーバーラップさせた人も多かったに違いない。強い競馬を見せてくれたグロリークロス。これで意を強くした陣営は、この後皐月賞挑戦を目指したローテーションを組むことになる。是非ともクラシックロードに乗って行きたいところだったが…。

●つばき賞で最後方一気の追い込みを決めたグロリークロス。その鮮烈な勝ちっぷりから、そしてタマモクロスを彷彿とさせるレースぶりから、クラシック路線での活躍が期待されることとなる。そして陣営は、皐月賞の優先出走権の権利獲りを目指して若葉Ｓに駒を進める。ここで２着以内に入れば、皐月賞切符を手にすることになるが、最強クラスが出走するハイレベルのメンバーが揃うことになる。それだけに、権利獲りは容易ではないが、父タマモクロス譲りの勝負根性に期待。１番人気は、現３歳世代の最強馬とも評されているビワハヤヒデで単勝1.3倍の圧倒的な人気。１番人気のＧ１朝日杯３歳Ｓで鼻差２着，共同通信杯４歳Ｓでは伏兵に足元をすくわれて頭差２着と取りこぼしているが、その実力は桁違いで、秋には真の３歳最強馬の地位を不動のものとする。グロリークロスが単勝4.5倍の２番人気。３番人気は、500万特別を３着，２着，２着と惜敗を続けるケントニーオーで単勝8.3倍。その他、この後の皐月賞で首，頭差で３位入線しながら降着となるガレオンなど、なかなかのメンバーが顔を揃える。グロリークロスにとって、ビワハヤヒデは難敵だが、できればこの最強馬を打ち破って夢を膨らませたい。最低でも２着は守って皐月賞切符をゲットしたい。

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　 直線に向くと、ビワハヤヒデが手応え十分に単独先頭で１馬身のリード。グロリークロスとその外に並んで来たケントニーオーの２番手争いで、この２頭でビワハヤヒデを追う。ビワハヤヒデに詰め寄る構えを見せたグロリークロスだが、この時点でケントニーオーの方が脚色はまさっており、残り１ハロンを切ったところで、グロリークロスはケントニーオーに遅れを取って３番手に。余力を残していたビワハヤヒデは、ゴール前で２番手ケントニーオーをグーンと突き放して、最後はまだ余裕残しで２馬身差の快勝。グロリークロスは最後伸び切れず、ケントニーオーに１馬身半差の３着でのゴール。４着のガレオンには２馬身差を詰めさせなかったが、３着では皐月賞切符は手にできず。夢のＧ１挑戦は持ち越しとなった。それでも、この後の皐月賞では、ケントニーオーは出走できなかったものの上位入線３頭は大接戦で、２着がビワハヤヒデ，３位入線がガレオンという結果に。その比較からも、グロリークロスも相当な実力を持つと改めて期待を集めることに。そして、今度はダービー切符獲得を目指して、 運命のＮＨＫ杯に駒を進めることとなる。

●皐月賞の優先出走権獲得を目指した若葉Ｓでは３着に終わったグロリークロス。皐月賞出走は叶わなかったが、若葉Ｓの１，４着馬が出走した皐月賞では、この２頭がともに際どい勝ち負けの争いをししたことから、３着だったグロリークロスの評価もまた高まることとなる。この年の若葉Ｓは例年にないハイレベルの争いだったことから権利獲りができなかったが、今度こそダービー切符を獲得して晴れの舞台に臨みたい。１番人気は、若葉Ｓ４着の後、前走の皐月賞では僅差の勝負の３位入線をしたガレオンで単勝1.9倍。皐月賞は結局８着に降着になったが、ナリタタイシン，ビワハヤヒデに首，頭差の競馬を演じたのは評価が高い。そして、グロリークロスが単勝6.7倍の２番人気の支持を得る。３番人気は、新馬，ひいらぎ賞を連勝した後、今回が３歳になって初めてのレースとなるサクラチトセオーで単勝8.8倍。１週間前の青葉賞を出走取消となり、今回は仕切り直しの一戦。後に天皇賞・秋を制することになる素質馬。グロリークロスには、タマモクロスから受け継ぐ大いなる夢が託されているが、この時、まさかこの一戦がこれほどまでの悲劇の結末を迎えることになるとは、誰も想像だにしていなかった。

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　グロリークロスが競走中止した後の勝負は、トーヨーリファールが先頭，ガレオンが２番手の態勢となっていたが、この２頭をあっさりかわし去ったマイシンザンが残り250ｍで先頭に躍り出る。ガレオンが２番手に上がってきたが、マイシンザンは更にこれを突き放して３馬身半差の圧勝。サクラチトセオーもよく伸びてはいたが、３着が精一杯だった。一方、競走中止したグロリークロスは、すぐに鞍上の南井騎手が下馬。しかしながら、正確な診断結果を聞かなくとも、その状況が既に絶望的なものであることは誰の目にも明らかだった。グロリークロスの右前脚は、骨が見えて脚先が辛うじて体に繋がっているような状態で、振子のように揺れていた。テレビの中継の画面に悲しそうなグロリークロスの姿が映し出されると、そのあまりに凄惨な状況に、実況アナウンサーは「この映像をお茶の間にお届けするのは…。」と、すぐに映像を切り替えるように促すほどだった。競馬場にいなかったファンにとっては、それが最後に見たグロリークロスの姿となってしまった。グロリークロスには、タマモクロスの現役時代のあの颯爽とした姿がオーバーラップし、それだけに悲しみもより深いものとなった。あれからもうかなりの年月が過ぎ去ったが、今でもグロリークロスの姿は脳裏に焼きついている。もしあの悪夢がなかったら、一体どんな脚で追い込んできたのか，そしてその後どんな活躍を見せてくれたのか。タマモクロスの血を次代に繋ぐ成功ができたのではないか。多くの人たちに愛されて、幸せな馬生を送ることができたのではないか…。今でもタマモクロスファンの間には、”もしグロリークロスが無事だったら”と考える人も少なくない。色々な思いが湧き上がるが、私たちにできることは、天国でグロリークロスが幸せに駆け回っていることを願うこと、そしてグロリークロスのことをいつまでも忘れないこと。それしかできないことが、本当に残念でならない。

●この３月にデビューを迎えたスーパータマモ。しかしながら、新馬２戦は１０着，１２着と、後方のまままったく見せ場なく惨敗していた。最後方近くをついて回るだけのレース振りに、専門家のほとんどは今回もノーマークに。しかしながら、決して実力を出し切っての惨敗だったとは思われないだけに、レース経験を積んでの変わり身に期待したいところ。１番人気は、これまで全９戦して２着４回，３着４回，４着１回と一度として崩れたことのないネオフライトで単勝2.8倍。２番人気は、デビューからの３戦を２着，４着，２着としているイブキカミナリモンで単勝3.4倍。スーパータマモは、単勝105.8倍の１２番人気とまったく人気はない。ライバルたちもなかなか強敵だが、このあたりで低評価に奮起する走りで本当の力を見せつけてほしい。

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　直線に向くと、内ラチ沿いにネオフライトが先頭で頑張っているが、中からニホンピロポリーナが伸びてきて、この２頭が僅かに先頭。しかしながら、ここから後続も襲い掛かってきて、外から一気にスーパータマモが先頭２頭をかわしにかかる。イブキカミナリモンも盛り返してきて、内に入ったキャプテンハゼオーもこの争いに加わってくる。大混戦の争いとなったが、ラスト100ｍの伸び脚で断然まさったのはスーパータマモ。一気にネオフライト，ニホンピロポリーナをかわして先頭に躍り出ると、最後は１馬身半完全に抜け出しての快勝のゴール。混戦の２着争いは、ニホンピロポリーナがネオフライトに競り勝って２着に食い込んだ。鮮やかな大変身で波乱を演出したスーパータマモ。これまでの２戦の大敗が嘘のような力強い走りで、デビュー３戦目にしてやっと競馬ができた感。勝ちっぷりもなかなか良かっただけに、500万クラスに昇級しても好勝負を期待していいはずだ。

●前走デビュー３戦目の未勝利戦を勝ち上がったスーパータマモ。今回は、500万クラス昇級緒戦のレースとなるが、この馬の素質を考えると、いきなりの好勝負を期待したい。１番人気は、近２走３着を続けて初勝利は時間の問題のナムラキスイで単勝2.3倍。２番人気は、前走の平場戦で３着だったテンリチーターで単勝3.8倍。スーパータマモは、単勝14.1倍の６番人気。前走の勝利が超人気薄での勝利だっただけに、まだ信頼性が高くなく、ここは上位人気馬よりやや人気は低いが、前走の勝利は決してフロックではなく、ようやく実力を発揮し始めたに過ぎない。ここでも実力を発揮して、今後の活躍に大きく希望を膨らませていきたい。

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　直線は、カミノチェリーが内ラチ一杯に逃げ込みを図って２馬身のリードで、追い出しを待つほどの余裕がある。２番手には中テンリチーターだが、これに１馬身差で内マイネルアルファ，更に差なく外からベラアンも差を詰めてくる。その２馬身後ろの５番手争いに、徐々に外に持ち出したスーパータマモと大外ナムラキスイの２頭が突っ込んで来ている。先頭カミノチェリーが残り100ｍでも２馬身半リードでこのまま押し切るかと思われたが、カミノチェリーはここから末が甘くなる。２番手にはマイネルアルファ，テンリチーター，ベラアンの３頭が並んでいたが、これに大外からナムラキスイが襲いかかる。ナムラキスイから半馬身差で脚を伸ばしてきたスーパータマモは、この時点でナムラキスイから3/4馬身の後れを取っていたが、ここからもう一度渋太く差し返す根性を見せ、ナムラキスイに再度詰め寄って行く。勢いで断然まさっていたのはナムラキスイとスーパータマモの外の２頭で、ゴール前50ｍで２番手争いの馬たちを並ぶ間もなく抜き去ると、失速したカミノチェリーをゴール寸前でかわす。スーパータマモもナムラキスイによく追いすがったが、ナムラキスイにはまだ余力があって、スーパータマモは頭差及ばず２着でのゴール。２着に惜敗したスーパータマモだったが、500万クラス昇級緒戦だったことを考えれば上々の内容。将来は500万クラスよりも更に上のクラスで活躍できる手応えを掴んだ一戦だった。

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●前走京都の500万下平場戦で、勝ち馬から５馬身の差があったものの２着と巻き返してきたタマモハイウェイ。再び勢いを取り戻してきた感があるだけに、前走以上の走りで500万クラスでの勝利を目指す。１番人気は、タマモハイウェイで単勝2.2倍。２番人気は、デビュー戦となった前走の未勝利戦で、既走馬相手に２馬身半差し切り楽勝を演じたイブキクラッシュで単勝3.8倍。後に、当時まだＧ２だったフェブラリーＳで３着に食い込むなど、ダート重賞戦線で大活躍することになる馬。デビュー戦はダートで強さを見せつけたが、今回は芝での戦いとなる。３番人気は、500万クラスではこれまで４戦して６着３回のキンセンアラシで単勝7.0倍。タマモハイウェイにとって、強力なライバルは底が知れないイブキクラッシュ程度で、これさえ撃破すれば、勝利の可能性は相当に高いはず。

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　直線に向くと、ミリオンダイレクトは一杯になって、キンセンアラシとタマモハイウェイの２頭が抜け出しての叩き合い。これを追ってドラマチックチアズ，更にはミリオンブルボンも４番手から懸命に追ってくる。残り１ハロンでも、キンセンアラシとタマモハイウェイの叩き合いが続き、これを追撃してくるドラマチックチアズ。この３頭が後続を突き放しての争いとなったが、タマモハイウェイは、残り150ｍでキンセンアラシに競り負けて２番手に後退。そこへドラマチックチアズがぐいぐい脚を伸ばして、残り100ｍを切ったところでタマモハイウェイをかわして２番手に押し上げると、ここから一気に先頭キンセンアラシに並びかけたところがゴール。最後は際どい争いとなったが、キンセンアラシがぎりぎり頭差しのいでの押し切り勝ち。タマモハイウェイは、直線競り負けた形で、前２頭から１馬身3/4差の３着に終わった。展開的にも勝ちパターンで運べたタマモハイウェイだけに、直線の追い比べで見劣ったのは残念だったが、確実に上位争いができるようになってきただけに、勝利はもう間近のはずだ。

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●小倉の芝桜賞で２着と実力を見せたマヤノポセイドン。しかしながら、続く阪神の君子蘭賞では４番人気だったが、先行できずに１３着と完敗。揉まれ込むと全く力を発揮できない気性的な弱さがあるが、今回は未勝利勝ち以来のダートの競馬で巻き返しを期す。１番人気は、前走の平場戦で２着だったサンヨウワカタカで単勝1.9倍。ダートではこれまで３戦して、連対率１０割の安定性がある。２番人気は、前走の平場戦では２着のサンヨウワカタカに１馬身半差の３着だったシロキタアラシで単勝4.0倍。特別戦でも２着１回，３着２回と実力を見せている。マヤノポセイドンは、単勝5.9倍の３番人気。マヤノポセイドンも、先行できれば勝ち負けができて当然だけに、大いに期待を持って勝負に挑む。

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　直線は、先頭はマヤノポセンドンが粘っているが、これをかわしにかかるのがサンヨウワカタカ。その間を割るようにルイテンパレイも頑張っているが、大外からはシロキタアラシも追い込んできて、残り１ハロンではこの４頭が横に並ぶ。内でマヤノポセンドンも懸命に食い下がり、この４頭の叩き合いが続いたが、マヤノポセンドンは残り100ｍで力尽きて脱落。サンヨウワカタカと内ルイテンパレイ，外シロキタアラシの叩き合いは、ゴール前でぐいっと半馬身出たサンヨウワカタカが人気に応える勝利。２着争いは接戦だったが、僅かに鼻差シロキタアラシが出て２着。マヤノポセイドンは、前３頭の争いから２馬身半突き放されての４着に終わった。よく踏ん張ってはいたマヤノポセイドンだが、どうぢてもハナは譲れないだけに、序盤からかなりのハイペースで飛ばさなければならなかったのが痛い。結局は差し馬同士の決着となったが、マヤノポセイドンも能力的には差はないだけに、自分のペースで競馬ができれば勝機も巡ってくるはずだ。

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●前走京都の平場戦で、鼻差２着と無念の涙を呑んだマヤノポセイドン。口惜し過ぎる敗戦だっただけに、今度こそはの意気込みで勝利を目指す。１番人気は、前走デビュー２戦目の新馬戦を３馬身差圧勝してきたユキミザケで単勝4.1倍。生涯成績は１８戦７勝で、オープン特別２勝を挙げることになる素質馬。今回は昇級緒戦となるが、素質の高さを評価されている。２番人気は、前走の平場戦で首差２着に踏ん張っているミョウエイリボンで単勝4.8倍。マヤノポセイドンは、単勝7.4倍の４番人気。人気の割れた混戦模様の一戦だが、それだけにマヤノポセイドンにももちろん勝機あり。この馬のゴール前の勝負根性に期待したいところ。

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　直線に向くと、先頭ユキミザケが、２番手以下を３馬身，４馬身と引き離す。マルフレンドが２番手で粘っており、これにミョウエイリボンも食い下がっているが、その後ろからマヤノポセイドン，ニホンピロポリーナが脚を伸ばして来る。そして、大外からはウォーターベルーガが後方一気の強襲をかけてくる。残り１ハロンで、断然抜け出したユキミザケが勝負を決める。残り150ｍで、マルフレンドを外からかわしてウォーターベルーガが２番手に押し上げる。更にはマイネルアルファも突っ込んで来たが３番手まで。内を突いたマヤノポセンドンは、じわじわ脚を伸ばしてマルフレンドに詰め寄っての４着争い。これに、マヤノポセンドンと同じような脚でニホンピロポリーナ，更には後方から追い込んだニシノフジヒメも加わって、４頭並んでの４着争いのゴール。マヤノポセイドンは、マルフレンドに首差及ばなかったが、ニホンピロポリーナ以下は頭差，鼻差しのいでなんとか５着入着は確保した。スピードで圧倒したユキミザケは、レコードタイムを叩き出しての５馬身差圧勝だった。後にＧ１のスプリンターズＳにも出走するほどのユキミザケのスピードの前に、先手を取れずに力を出し切れなかったマヤノポセイドン。今回は相手が悪く、自分のパターンに持ち込めなかっただけに、この敗戦も致し方ない。それでも、先手を取れなくても以前ほどは大きく崩れなかった点では、気性的にも進境があったのかもしれない。

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●前走の平場戦でも３着と、確実に上位に食い込むものの勝ち切れないマヤノポセイドン。今回は、前走以上のパフォーマンスで勝利を狙う。１番人気は、マヤノポセイドンで単勝2.8倍。500万クラスに昇級して初めての１番人気に支持されただけに、是非ともファンの期待に応えたい。２番人気は、前走のこでまり賞では３番人気で６着だったアグネスゼウスで単勝4.5倍。６着とはいえ勝ち馬からの差は３馬身と大きく負けておらず、平場戦なら当然前走以上の走りを見せてくるはず。３番人気は、前々走の平場戦で首差２着と健闘しているミョウエイリボンで単勝5.0倍。ただ、前走の平場戦では、２番人気で１４着に沈んでいるように、安定性という点では一歩譲る感がある。1200ｍのダート戦なら、マヤノポセンドンが大きく崩れることは考えられないが、ゴール前のあとひと踏ん張りで勝利をモノにしてほしい。

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　直線に向くと、直線入口では苦しい手応えに映ったマヤノポセイドンだが、追い出されてからカムアロングを突き放して、先頭ランパールシチーとの差を詰めにかかる。追い出しを待っていたランパールシチーだが、直後にマヤノポセイドンの気配を感じ、残り250ｍから追い出し態勢に入る。１馬身半差にじわっと詰め寄ってきたマヤノポセイドンだが、ランパールシチーがスパートをかけてからは同じような脚色になってしまう。残り100ｍでは、更に２馬身半差の３番手がカムアロングで、その後ろは更に３馬身半と差があって態勢は決した。マヤノポセイドンは、ゴール前で先頭まで１馬身1/4差にじわっと詰めたものの、前を捉えるまでの勢いはなく２着でのゴール。これで500万クラスに昇級してから３度目の２着となってしまった。惜敗が続くマヤノポセイドンだが、500万クラスでの勝利はもう時間の問題のはず。次走こそ、惜敗続きの鬱憤を晴らす勝利を期待したい。

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