１９６９年（昭和４４年）

 １９７６年（昭和５１年）

 １９７８年（昭和５３年）

 １９７９年（昭和５４年）

 １９８１年（昭和５６年）

 １９８４年（昭和５９年）

 １９８５年（昭和６０年）

 １９８６年（昭和６１年）

 １９８７年（昭和６２年）

●３歳の１月にデビューしたオーゴンクレスピン。 新馬戦は１３着，７着で、３戦目の未勝利戦でも７着と、デビュー３戦は全く見せ場なく終わっていた。しかし、デビュー４戦目の未勝利戦で２着に食い込んで、初勝利に向けて大いに期待が高まることとなる。しかし、初勝利を期待された前走の未勝利戦では、再び７着と敗退してしまう。デビュー６戦目となる今回、前々走の２着がフロックではなかったことを示すためにも、何とか巻き返しの勝利を期待したい。１番人気は、これまで５戦して入着３回のウエスタンオカメで単勝4.1倍。前走の未勝利戦は４着という成績。２番人気は、キャリア３戦で、近２走４着，３着と確実に上位争いをしているマチカネイッセイで単勝4.7倍。オーゴンクレスピンは、単勝8.4倍の６番人気。人気の割れた混戦ムードの一戦だけに、オーゴンクレスピンにも初勝利のチャンスは十分にあるはず。

●デビュー６戦目の未勝利戦を圧勝して初勝利を挙げたオーゴンクレスピン。 その勝ちっぷりの良さから、昇級後もそこそこ戦えるものと期待されたが、昇級緒戦のあざみ賞は９着，２戦目の平場戦は１１着と完敗。更に８月の平場戦では出走取り消しの憂き目に。この１０月、取り消しから２ヶ月ぶりに400万下平場戦で復帰したが、ここでも１０着と見せ場なく終わっていた。これで、昇級後３戦は全て完敗で、このクラスでは力不足との評価が固まりつつあった。しかし、決してこのまま終わる馬ではないと信じ、取り消し後にひと叩きされた今回、是非とも変わり身を見せてほしい。１番人気は、400万下平馬戦を近３走３着，５着，３着と、堅実に上位に食い込んでいるバンブトンルーラーで単勝1.6倍の断然人気。２番人気は、未勝利の身で挑んだ前走500万下平場戦で５着に頑張ったヒロノマツカゼで単勝9.6倍。キャリアが浅いという点で、上昇度に期待された形。オーゴンクレスピンは、単勝16.3倍の８番人気。決して人気は高くないが、人気のバンブトンルーラー以外はそれほど強力な馬のいない一戦で、、オーゴンクレスピンが勝負根性を発揮できれば、上位争いに食い込んでくる可能性も十分ありうるはず。なんとか400万クラスで戦えるきっかけを掴んでほしい。

　直線に向くと、先頭バンブトンルーラーが二の脚を繰り出して逃げ込みを図る。オーゴンクレスピンは、懸命にバンブトンルーラーを追い詰めようとするが、バンブトンルーラーも実に渋太く、なかなか差を詰められない。３番手の２番人気ヒロノマツカゼは、前２頭からぐんぐん突き放されてしまい、バンブトンルーラーとオーゴンクレスピンの２頭の勝負に絞られた。しかしながら、オーゴンクレスピンもよく伸びてはいたものの、どうしてもバンブトンルーラーを捉まえることができず、バンブトンルーラーが１馬身1/4差を保っての逃げ切り勝ち。オーゴンクレスピンは、ヒロノマツカゼ以下の３着争いを６馬身も引き離したものの２着でのゴール。しかしながら、今回大きな変わり身を見せてくれたオーゴンクレスピン。勝ったバンブトンルーラーが強過ぎただけに、今回のレース振りは十分に健闘と言えるもの。力強いレース内容から見て、今回の好走がフロックとは考え られず、これで浮上のきかっけを掴んだという確かな手応えを感じたのも事実。400万クラスでの勝利の期待も高まっただけに、次走での走りに注目したいところだ。

●前走400万クラス昇級４戦目で初連対を果たしたオーゴンクレスピン。これで400万クラスで戦える手応えを掴んだだけに、ここは勢いに乗って、このクラス初勝利を目指す。１番人気は、春から勝ち切れないものの、決して掲示板を外さない堅実さを発揮しているヤマサンメグミで単勝2.9倍。前走の平場戦では３着となっている。２番人気は、夏の北海道開催で特別戦連続２着しているユキノアイドルで単勝5.4倍。その後２戦は８着，６着に終わったが、３ヶ月の間隔を開けて立て直しを図ってきた。オーゴンクレスピンは、単勝5.6倍の３番人気。今回は牝馬限定戦で実力も拮抗しているだけに、オーゴンクレスピンが400万クラス初勝利を挙げるチャンスも十分にあるはず。大いに期待を持ってレースに臨む。

●タマモクロスの叔父にあたるオーゴンサンアロー。３歳９月の遅いデビューとなり、デビュー緒戦の未勝利戦こそ 既走馬相手に６着に終わったが、その後は２着，１着と、デビュー３戦目で早々に初勝利を挙げる。400万クラスに昇級してからも、特別戦，平場戦をともに４着と上位に食い込み、400万クラスでも通用する能力を示してくれた。今回は400万クラス昇級３戦目となるだけに、近２走以上に勝利に迫る好走を期待したい。１番人気は、 この春青葉賞３着の後、ダービーにも出走したメジロジェスターで単勝1.9倍。 ダービーでは１１着で、その後骨折で５ヶ月の休養に。休養明け２走はともに３着に終わっているが、休み明け３走目で更なる上昇が見込まれる。２番人気は、 骨膜炎の温泉治療で１０ヶ月の休養を余儀なくされたが、休み明け３走目の前走平場戦で２番手から抜け出して優勝しているクレナイハートで単勝5.0倍。オーゴンサンアローは、単勝5.6倍の３番人気。 上位人気馬は確かに手強いが、オーゴンサンアローも実力的にも決して差はなく、もう前進あるのみだけに、大きな期待を持ってレースに臨む。

　直線に向くと、先頭メジロジェスターが単独先頭に立って逃げ込みを図る。カツブラボーは一杯になって脱落し、その後ろの争いの中から一頭抜け出してきたのがオーゴンサンアロー。クレナイハートなどは伸びを欠き、メジロジェスターとこれを追うオーゴンサンアローも２頭が後続を突き放してのマッチレースに。オーゴンサンアローも良く伸びたが、先頭メジロジェスター も実に渋太く、なかなか差を詰められない。じわじわと差を詰めるオーゴンサンアローだったが、半馬身差まで詰めるのがやっとで、そのままメジロジェスターの押し切り勝ち。オーゴンサンアローは、３着以下を４馬身も引き離しながら、惜しくも２着に終わった。それでも、前走よりも更に前進した内容を見せてくれたオーゴンサンアロー。今回は ダービーにも出走したほどの勝ち馬が強過ぎたが、オーゴンサンアローも、400万クラスを勝ち 上がるのはもう時間の問題。次走ではもちろん勝利を狙う。

●昇級３戦目の前走長篠特別で２着と善戦し、400万クラスでの勝利はもはや目前のオーゴンサンアロー。明けて４歳となった年明け緒戦のこの一戦で、新年の幸先のいいスタート を勝利を飾りたい。３着以下を突き放した前走の内容が評価され、単勝1.6倍の断然人気に支持される。２番人気は、 地方から中央入りして８戦目で400万下平場戦を優勝し、その後の７戦も全て４着以内と堅実なレースを続けるのシジェードで単勝4.7倍。 地方時代は、南関東で羽田盃８着などの成績を残している馬。３番人気は、近５全て４着以内とこれも堅実なマルゼンカツラで、オッズは同じ単勝4.7倍。 ライバルたちも侮れないが、それを大きく上回る期待を集めるオーゴンサンアロー。その期待に応える勝利を期待したい。

　直線に向くと、先頭マルゼンカツラが、２番手シジェード，ゲイリーロック以下を突き放しにかかるが、直線満を持して追い出されたオーゴンサンアローは、ここからタメていた脚を一気に爆発させる。２番手争いの馬たちの中からあっという間に抜け出してきたオーゴンサンアローは、猛然と先頭マルゼンカツラに襲いかかる。オーゴンサンアローの切れ味の前に、マルゼンカツラもまったく抵抗できず、オーゴンサンアローがこれを並ぶ間もなくかわして先頭に躍り出る。勢いの違ったオーゴンサンアローは、ここからマルゼンカツラ断然突き放し、最後は３馬身もの差をつける圧勝のゴール。道中大きな不利を受けながら、力の違いをまざまざと見せつける勝利だった。これで400万クラスを卒業したオーゴンサンアロー。これからは900万クラスに昇級しての戦いとなるところだったが、この後は放牧で９ヶ月の休養に入ることとなる。

●年明け緒戦の400万下平場戦を勝ち上がったオーゴンサンアロー。その後は放牧で９ヶ月のブランクが開いたが、１０月京都の藤森特別で400万クラスに再度降級して久々に出走し、ここでは７着に終わる。それでも勝ち馬から僅か２馬身差の見どころのある内容で、休み明けをひと叩きされた今回は、大きな変わり身で勝利さえ期待していいはず。１番人気は、この秋３戦して２着，３着，４着と大崩れのないダイゼンチカラで単勝5.4倍。２番人気は、前々走函館の平場戦を優勝しているビンゴワイスでオッズは同じ単勝5.4倍。前走京都の平場戦でも差のない３着と力を見せている。オーゴンサンアローは、単勝5.9倍の３番人気。上位人気６頭はほとんどオッズに差がない大混戦模様の一戦。それだけに、確実に立ち回れるオーゴンサンアローは、間違いなく勝ち負けの争いに食い込んでくるはずだ。

　直線は、予想どおりの大激戦となったが、先頭ビンゴワイスが渋太く粘る。４角でも手応えの良かったエイシンハリケーンが懸命に追ってくるが、なかなか差を詰められない。その中で、馬群の中から抜け出してきたのが人気のダイゼンチカラ。オーゴンサンアローも、ダイゼンチカラの直後の位置から追い上げてくるが、ダイゼンチカラと同じような脚色。ビンゴワイスもよく粘ったが、これをかわしてダイゼンチカラが単独先頭に抜け出して来る。オーゴンサンアローも、粘るビンゴワイスを追い詰めるが、オーゴンサンアローから半馬身差で同じような脚でオンリードーンも伸びて来ている。２着争いは大混戦となったが、最後まで力強く伸びたオーゴンサンアローが、ビンゴワイス以下を半馬身かわして２着は確保。しかしながら、優勝したダイゼンチカラからは１馬身半の差があった。それでも、休み明け２走目でしっかり力を示してくれたオーゴンサンアロー。末脚の確かさは安心して見ていられる。既に400万クラスを勝利している実績からも、400万クラス２勝目の勝ち鞍はもう目前だ。

●放牧明け２走目の前走平場戦で２着と実力を見せつけたオーゴンサンアロー。休み明け３戦目で更なる前進の見込める今回は、400万クラス２勝目の勝ち鞍の大いなるチャンスとなる。１番人気は、５歳になってからの８走で掲示板を外したのは僅か１回というダイエクスピーで単勝3.2倍。既に400万クラス勝ちの実績がある上に、前走京都の平場戦でも、半馬身差の２着と実力を見せている。オーゴンサンアローは、単勝4.2倍の２番人気。３番人気は、前走東京の本栖湖特別を１番人気に応えて優勝しているサカエクインヒメで単勝4.6倍。今回も人気の割れた実力拮抗の一戦だが、オーゴンサンアローの勝負根性に期待したい。

　直線に向くと、オーゴンサンアローがベルロッチを競り落として単独先頭に抜け出してくる。２番手ベルロッチも３番手以下を突き放すが、後続勢の中からやはり伸びて来たのがダイエクスピー。一気の伸び脚を発揮したダイエクスピーは、ベルロッチを並ぶ間もなく抜き去って、先頭オーゴンサンアローに襲いかかる。道中平均ペースで、オーゴンサンアローも脚を残してはいたが、それを上回る切れ味でダイエクスピーが詰め寄り、最後は２頭まったく並んでの写真判定のゴール。際どい勝負となったが、オーゴンサンアローは惜しくも鼻差捉えられて無念の２着惜敗。着差が着差だけに残念な結果だったが、オーゴンサンアローもほぼ勝ったかというシーンもあっただけに、十分実力は見せてくれた。勝利への期待は更に大きく高まった。

●犬山特別で鼻差２着と悔しい敗戦を喫したオーゴンサンアロー。その後、勝利への執念を燃やして、同じ中京開催の長篠特別に１番人気で出走したが、ここでは中団のまま末脚不発の６着に沈んでしまう。しかしながら、これまでの戦いぶりから、オーゴンサンアローの400万クラスでの力量上位は明らか。今回は小倉の特別戦となるが、必ずや巻き返してくれるはず。１番人気はオーゴンサンアローで単勝2.2倍。２番人気は、未勝利を勝ち上がってから400万特別を２戦し、ともに２着と実力を発揮しているヤマニンスイングで単勝5.2倍。前走の長篠特別も２着で、オーゴンサンアローに２馬身先着している。３番人気は、近７走で２着４回のマルブツグリーンで単勝5.5倍。なかなか勝ち切れない面はあるものの、前走の高山特別でも首差２着と、このクラスでは力量上位の馬。２，３番人気馬も実力があるだけに侮れないが、オーゴンサンアローは前走の汚名返上を期して勝負に挑む。

　直線に向くと、ベルロッチとマルブツグリーンの叩き合いとなるが、じわじわマルブツグリーンが単独先頭に抜け出して来る。３番手ヤマニンスイングは伸び脚なく失速し、かわって中団の争いから伏兵トクノグリーンが伸びて来る。４角ではトクノグリーンの直後まで取り付いたオーゴンサアローだったが、直線よく伸びてはいるものの、トクノグリーンと同じような脚色。先頭マルブツグリーンが懸命に粘っていたが、これを捻じ伏せるように先頭に 替わったのがトクノグリーン。ベルロッチをかわして単独３番手に上がったオーゴンサンアローは、ゴール前で粘るマルブツグリーンを際どく追い詰め、これをギリギリ首差捉えて２着は確保したが、関東から遠征してきたトクノグリーンには、最後まで１馬身半差及ばなかった。これで近４走で２着３回と惜敗を続けるオーゴンサンアロー。今回は当面のライバルと見られた馬を捻じ伏せながら、伏兵の台頭により勝利に手が届かず。それでも、ゴール前の伸び脚は展開に左右されず確実だけに、勝利はもう時間の問題だ。

●前走の紫川特別でも２着と惜敗を続けるオーゴンサンアロー。もうこれ以上惜敗は必要ない。今度こそ必勝の構えで勝負に挑む。１番人気はもちろんオーゴンサンアローで、単勝1.2倍で人気を独占。これで３走連続の１番人気となる。２番人気は、前走９ヵ月半の長期休養明けの平場戦で４着と健闘したダイタクユニバースで単勝7.5倍。休み明け２走目で大きな上積みが見込める。３番人気は、まだ未勝利の未勝利ながら、前走５ヶ月ぶりの実戦となった400万下平場戦で６着と悪くない競馬をしたムービングスターで単勝10.8倍。しかしながら、実績での比較であれば、ライバルたちはオーゴンサンアローの敵ではないはず。メンバー的にもかなり恵まれただけに、ここは絶対に勝利を譲れない戦いとなる。

　直線は、オーゴンサンアローが楽々と先頭に抜け出して、２番手ダイタクユニバースを突き放す。２番手ダイタクユニバースにはもはや巻き返す力はないが、３番手以下の馬たちにも余力はなく勝負は決する。ぐんぐん２番手以下を突き放したオーゴンサンアローは、これまでの惜敗続きの鬱憤を晴らすかのように、最後は５馬身もの差をつける圧勝。２着にはそのままダイタクユニバースが粘り込んだ。さすがにこのメンバーでは力が違ったオーゴンサンアロー。鮮やかな勝ちっぷりで通算３勝目の勝ち鞍を挙げることができた。これで900万クラスに昇級するが、この頃は同開催であれば勝ち上がっても同条件で出走できることから、中１週で再度400万クラスでの勝利を目指すこととなる。

●前走小倉の400万下平場戦を５馬身差圧勝したオーゴンサンアロー。形の上では900万クラスに昇級するが、同開催の同条件であれば再度出走が可能な時代だっただけに、中１週で再度400万クラスでの勝利を狙う。１番人気はオーゴンサンアローで単勝2.0倍の断然人気。既に同条件を勝ってることから58ｋｇの斤量を背負う点だけが気掛かりだが、ここは貫禄の勝利を期待したい。２番人気は、近３走２着，３着，２着のハリーダンカンで単勝7.4倍。３番人気は、前走小倉の400万下平場戦を快勝しているオーゴンダーシュで単勝7.6倍。オーゴンサンアローと同じオーナーの馬だが、近５走で400万クラス３勝と、まだ底を見せていない感もある。もう400万クラスでは負けていられないオーゴンサンアローだけに、前走の勢いを止めることなく、一気の２連勝を狙っていく。

　直線に向くと、逃げたアトミックダイナは一杯になって脱落し、内ハリーダンカン，中リバティガルー，外オーゴンサンアローの３頭の争いに。しかしながら、ここから抜け出してきたのはリバティガルーとオーゴンサンアローの２頭。２頭の叩き合いとなって、３番手以下を突き放してのマッチレースとなったが、最後の最後でオーゴンサンアローに１kg重い斤量差が響き、オーゴンサンアローはリバティガルーに頭差競り負けて２着惜敗。着差が着差だっただけに、残念な結果だったが、斤量を考えればいちばん強い競馬をしたのはオーゴンサンアローだった。このあと４ヶ月の間隔を取って900万下平場戦に出走したがここでは６着。悲観する内容ではなかったが、その後は不運にも骨折により長期休養を余儀なくされる。１年のブランクの後、６歳６月の中京開催で再度400万クラスに降級して復帰したが、休み明けでいきなり３着と実力を見せる。続く400万下平場戦では１番人気に支持されたが、２走目の反動か、ここでは６着に終わってしまう。それでも、まだまだ400万クラスなら十分勝ち負けできる力は持っていたが、結局その一戦がラストランとなってしまった。まだまだ活躍できたはずのオーゴンサンアローだったが、最後は故障の不運で力を出し切れずに終わったのは残念だった。

●陣営の期待馬のオーゴンタイコー。 １月から急ピッチに調整を積まれて今回デビューを迎えるが、やや重め残しの体ながら、素質の高さを買われて、単勝1.8倍の断然の１番人気に支持される。２番人気は、デビュー戦は不利もあって４着に終わったが、連闘策で挑んできたソロナパンチで単勝6.4倍。一度レースを経験している強みは大きいはず。３番人気は、当時ナンバーワン種牡馬だったテスコボーイの産駒ムラクモクインで単勝8.3倍。これも緒戦７着から連闘でここに出走してきた。全兄オーゴンタイテエがダービーでも一瞬見せ場を作ったほどのオーゴンタイコーだけに、当然陣営が寄せる期待は並みの物ではない。その期待を裏切らない走りを是非とも見せてほしい。

　直線に向くと、トウジンロイヤルは一杯になって脱落し、リゲルジョオーがあっさりと単独先頭に。２馬身遅れたブレックファーストが、単独３番手から２番手に上がろうかという態勢だが、先頭リゲルジョオーとは同じような脚色。しかし、ここから一気の伸び脚を繰り出してきたのはオーゴンタイコー。残り１ハロンからの伸び脚は桁違いで、先行勢に猛然と襲い掛かると、並ぶ間もなく先頭リゲルジョオーまで抜き去ってしまう。一気に突き抜けたオーゴンタイコーは、最後は２着のリゲルジョオーを２馬身半突き放してしまう完勝のゴール。まさに”豪快”という表現がピッタリの勝ちっぷりで、鮮やかにデビュー戦を勝利で飾った。この勝利で陣営は俄然色めき立ったが、続く春風賞では人気に応えられず６着に終わる。キャリアの浅さを露呈した形の敗戦であったが、オーゴンタイコーに対する陣営の期待は変わるものではなかった。しかしながら、オーゴンタイコーは、その後不運にも死亡してしまう。レースに出たのは僅か２戦で、その短過ぎる生涯を閉じてしまった。

●２歳暮にデビューしたタマモクロスの叔父のオーゴンタイテエ。デビュー時からの厩舎の期待馬だったが、新馬デビュー戦を２着とした後、２戦目の新馬戦をあっさり勝ち上がり、素質馬の片鱗を見せ付ける。年明け緒戦の前走若葉賞では、初ダートということもあって７着と精彩を欠いたが、今回は再び芝での戦いとなるだけに、前走のようなことはないはず。１番人気は、デビュー３戦目の未勝利戦を順当に勝ち上がった後、前走中京３歳Ｓで５着に食い込んだロングピーターで単勝2.9倍。オーゴンタイテエは、単勝3.2倍の２番人気に支持される。３番人気は、 前走の未勝利戦で単勝1.4倍の断然人気に応えて早め先頭押し切り勝ちを演じたインターファラオで単勝3.7倍。将来は重賞級の活躍が期待されるオーゴンタイテエだけに、400万クラスで停滞しているわけにはいかない。ここはあっさりクリアし、クラシック挑戦の夢さえ膨らませていきたい。

　直線に向くと、先頭マンジュデンサクラが懸命に粘っているが、これにじわじわ迫って来るのがオーゴンタイテエとマルブツソラリオ。オーゴンタイテエの後ろの位置から追い出されたロングピーターは、もひとつ伸び脚がない。直線半ばからは、オーゴンタイテエとマルブツソラリオの２頭が抜け出しての先頭争いと 替わったが、地力で勝るオーゴンタイテエが、マルブツソラリオを半馬身競り落として優勝。やはり芝でキッチリ変わり身を見せ、あっさり400万クラスを卒業したオーゴンタイテエ。これからは、クラシック挑戦を夢見て、より強い相手との勝負に挑んで行くこととなる。

●前走梅花賞を優勝し、400万クラスを難なく卒業したオーゴンタイテエ。クラシックへの夢を馳せて、今回早くも重賞レースにチャレンジする。西の期待馬が集まったこの毎日杯は、皐月賞への最終便でもある。クラシック戦線は、公営の雄ステイード，トドロキヒホウ，サンエイソロンなどが有力馬として名乗りを挙げているが、未だ確たる中心馬は不在の戦国ムード。それだけに、ここで重賞を制覇できれば、一気にクラシック戦線の有力馬の一頭に台頭できる。１番人気は、新馬，ひいらぎ賞と連勝し、シンザン記念ではリードワンダーを寄せ付けず３連勝を飾ったヒロノワカコマで単勝1.8倍の断然人気。前走のきさらぎ賞では、リードワンダーに雪辱されて２着と敗れて無敗の連勝はストップしてしまったが、西の最強クラスの一頭として単枠指定される。オーゴンタイテエは、今回が重賞初挑戦にもかかわらず、単勝4.8倍の２番人気の支持を受ける。３番人気は、新馬戦を２着，１着と順調に勝ち上がってきたダイタクバリアントで単勝5.2倍。このほか、この後皐月賞２着馬となるロングミラーなども出走してきていた。オーゴンタイテエにとって、最強クラスのヒロノワカコマは大きな壁となって立ちはだかるが、この強敵相手に互角の競馬ができるなら、クラシックへの夢が一気に膨らむこととなる。

　直線に向くと、ヒロノワカコマが先頭で逃げ込みを図るところ、外からタケファイターが突っ込んできて、オーゴンタイテエも内に入って差して来る。しかしながら、ヒロノワカコマがもう一度二の脚を繰り出して突き放しにかかる。タケファイターが２番手だが、外からロングミラーが突っ込んで来ての２番手争い。内々オーゴンタイテエも、渋太く２番手争いに加わろうとする。しかしながら、完全に２馬身抜け出したヒロノワカコマは逃げ切り態勢。ゴール前、タケファイターが２番手からもう一度差を詰めにかかるが、１馬身1/4差まで詰めるのが精一杯。ここでオーゴンタイテエは２着争いから後れを取り、ゴール寸前ロングミラーがタケファイターに際どく詰め寄ったが頭差まで。ヒロノワカコマが、単枠指定に応えて貫禄の逃げ切り勝ちのゴール。オーゴンタイテエは、２着争いから最後に１馬身1/4差後れての４着に終わった。このメンバーの中で、２着のタケファイター，３着のロングミラーの２頭が皐月賞に駒を進め、ロングミラーは皐月賞２着と大健闘することになるが、オーゴンタイテエは皐月賞挑戦の夢は叶わず。重賞初挑戦で初入着は果たしたものの、陣営にとっても残念な結果だった。これからはダービーを目標に、新たなる戦いに気持ちを切り替えていく。なお、優勝したヒロノワカコマは、屈腱炎のため、毎日杯の勝利を最後に再びターフに姿を見せることはなかった。

●重賞初挑戦の前走毎日杯では４着だったオーゴンタイテエ。差のない競馬ができた点では評価できるが、皐月賞に挑戦できなかったのは残念というほかない。ここは気持ちを切り替えて、ダービー挑戦を目標に仕切り直しの一戦。重賞４着の実績から見て、800万クラスであれば、当然勝ち負けを期待できるはず。１番人気は、前走400万クラスのわらび賞を４馬身差圧勝して昇級してきたシルクリキオーで単勝2.2倍。前走の鮮烈な勝ちっぷりが高く評価されているが、後に札幌記念２着，鳴尾記念３着など重賞でも活躍することとなる馬。オーゴンタイテエは単勝2.5倍の２番人気で、この人気２頭の一騎討ちムード。３番人気は、 前走桜花賞で１１着だったのノトマサコで単勝6.1倍。オーゴンタイテエにとって、シルクリキオーは底が知れない不気味な相手ではあるが、ダービーを目指すならここで負けてはいられない。気持ちよく勝利して、ダービーの夢舞台をぐっと引き寄せたい。

　直線は、先頭シルクリキオーが先頭で逃げ込みを図るが、ノトマサコも渋太く食い下がる。末脚発揮が期待をされたオーゴンタイテエだが、もうひとつ伸びを欠いて、後ろの位置にいたフミノコジロウにあっさりかわされてしまう。オーゴンタイテエは、前３頭から完全に後れを取っての４番手で、勝利の希望は完全になくなる。シルクリキオーとノトマサコの争いが続く中、この２頭をあっさりかわして先頭に躍り出たのがフミノコジロウで、最後は完全に２馬身抜け出して完勝のゴール。２着にはシルクリキオーが粘り通したが、オーゴンタイテエは、３着のノトマサコからも４馬身突き放されての４着に完敗してしまった。あと１ヶ月余りに迫ったダービー挑戦の夢が、更に厳しいものとなってきたオーゴンタイテエ。今回はスタートでの出遅れも痛かったが、道悪もかなり影響が大きかったのかも。それでもダービー挑戦の夢を諦めることなく、これから最後の夢を懸けた戦いに挑んでいく。

●前走の矢車賞では、スタートの出遅れや道悪ため、不完全燃焼のまままさかの４着に終わったオーゴンタイテエ。既にダービーは２週間後に迫っており、ダービー出走の夢を叶えるには、この青葉賞で勝利する以外に道はない。夢を叶えるため、関東に遠征して勝負を懸ける。１番人気は、400万下特別を２着，１着と勝ち上がってきたマーベラスヒエンで単勝2.6倍。決して崩れることのない堅実さが評価されている。２番人気は、重賞の東京４歳Ｓ８着の後、800万下特別で４着，３着と上位争いをしているのマルゼンロスカで単勝4.0倍。オーゴンタイテエは、単勝4.7倍の３番人気。確かに前走の内容は不満が残るが、毎日杯４着の実績はここでは上位。ダービーの有力馬となっているロングミラーから差のない競馬をしていることから比較して、このメンバーなら十分に勝利を狙えるはず。ダービー出走を目指して、文字通りこれが最後の戦いとなる。

　直線は、逃げたメジロジュピターは一杯で、粘るサウンドターフとオーゴンタイテエの争いに、更に人気のマーベラスヒエンも加わってくる。サウンドターフは力尽き、オーゴンタイテエとマーベラスヒエンの２頭のマッチレースとなる。ダービー出走を確実にしたいオーゴンタイテエは、ここからの叩き合いで勝負根性を振り絞る。マーベラスヒエンも厳しく抵抗したが、地力でまさったのはオーゴンタイテエで、マーベラスヒエンを首差競り落として先頭でゴール。この勝利で、オーゴンタイテエは賞金的にもダービー出走をほぼ確実にした。ダービーがあと２週間後に迫った最後の最後の戦いで、念願のダービー切符を掴んだオーゴンタイテエ。ついに夢を叶えただけに、次なる本番のダービーでは、この夢を更に大きなものに実現させたい。

●ダービーを目前に控えた青葉賞を根性で優勝し、ついに夢にまで見たダービーの檜舞台に立つことになったオーゴンタイテエ。一世一代の晴れ舞台だけに、全力勝負で最強クラスの馬たちに勝負を挑む。晴天の良馬場で、文句のつけようがない実力勝負の一戦となる。１番人気は、 スプリングＳを圧勝しながら、有力視された皐月賞では無念の出走取消となったサンエイソロンで単勝4.1倍。 続く前走のＮＫＨ杯では、皐月賞馬のカツトップエースを１馬身半差あっさり差し切って優勝し、ダービーの主役の座にまで登りつめてきた。後々運がなく大レースを制覇することはできなかったが、古馬になってからも最強クラスで活躍し続ける馬。２番人気は、 皐月賞でカツトップエースに首差２着に迫ったロングミラーで単勝5.0倍。 続く前走の指定オープンでは４着に終わったが、距離2400ｍのこの舞台では実力を発揮してくるはず。３番人気は、皐月賞をブービー人気で優勝してあっと言わせたカツトップエースで単勝6.7倍。 この勝利はフロック視されたが、続く前走のＮＨＫ杯でも２着に踏ん張って、改めて皐月賞馬の底力を見せつけた。ただ、父イエローゴッドという典型的なスプリンター血統と言う点で不安視されている面もある。オーゴン タイテエは、単勝18.0倍の９番人気。追い切りでもすごい気合乗りで、ロングミラーとの併せ馬でも食い下がって、ほぼ完調と言える仕上がりで穴馬評価を得る。 ついに掴んだ夢舞台だけに、悔いの残らないような全力勝負で、ダービー制覇の大金星を密かに狙う。

　直線では、内外のコーナーワークの差もあって、内のカツトップエースが単独先頭に躍り出る。オーゴンタイテエは、これを１馬身差で追っての単独２番手の位置。残り400ｍで増沢騎手の右ムチが飛んで、先頭カツトップエースを懸命に追撃する。当時のテレビ中継の実況でも、「真ん中を通りましてオーゴンタイテエ，オーゴンタイテエが来ている！オーゴンタイテエが来ている！」とアナウンサーが叫んでいる。しかしながら、残り300ｍから伸びを欠いたオーゴンタイテエは、ここで外ハシノエース，大外コーラルシーにかわされてしまう。そしてサンエイソロンも、オーゴンタイテエの２馬身後ろまで追い上げて来ている。先頭カツトップエースは、スプリンター血統とは思えない粘り腰で、残り１ハロンでもコーラルシー，ハシノエースの追撃を１馬身差抑えて逃げ込みを図る。オーゴンタイテエは先頭まで３馬身差で、ここでサンエイソロンにもかわされて５番手まで下がると、その後ろのグループに徐々に飲み込まれていく。じりじりとした伸び脚の４番手サンエイソロンだったが、残り100ｍでは２番手コーラルシー１馬身後ろの大外４番手まで追い上げてきていおり、ラスト100ｍから切れ者らしい一気の末脚を繰り出してくる。先頭カツトップエースも、大崎騎手の懸命の右ムチの連打で最後の力を振り絞るが、最後の最後で末脚が爆発したサンエイソロンが、残り50ｍでコーラルシーを並ぶ間もなく抜き去ると、猛然と先頭カツトップエースを追い詰めていく。勢いは完全にサンエイソロンが上回り、みるみるその差は縮まったが、カツトップエースとサンエイソロンの２頭の鼻面が揃ったところがゴール。しかしながら、写真判定の結果、カツトップエースがぎりぎり鼻差粘り切って、見事二冠達成のゴール。無念の２着に終わったサンエイソロンは、秋には京都新聞杯まで制してクラシックのトライアルレースの全てに優勝しながら、菊花賞でも２着に敗れて結局クラシックのタイトルを手にすることはできなかった。

　オーゴンタイテエは、じわじわ順位を下げてしまい９着でのゴール。しかしレース後の増沢騎手は、「鞍ズレでまともに追えなかったのが致命傷。あれがなければ勝っていたかもしれない。」 と口惜しさをあらわにした。どのような形で鞍ズレが発生したのか、増沢騎手はオーゴンタイテエをしっかり追っていたように見えるだけに判然としないが、ゴール板を過ぎる時には、確かにバランスを崩しかけている増沢騎手の姿が映っていた。このアクシデントがなければ夢のダービー制覇のチャンスのあったのか。今となっては、そのことを証明する術はない。そして、オーゴンタイテエは、ダービー後は軽い屈腱炎を発症して放牧に出されていたが、カムバックの見通しがどんどん遅れて行き、結局そのまま再びターフに姿を現すことはなかった。 素質を発揮し切れないまま終わってしまったオーゴンタイテエだが、本当はとてつもない大物だったのかもしれない。

●前年１１月の京都競馬でデビューしたクインビー。 デビュー戦は６着に終わったが、続く前走デビュー２戦目の新馬戦では２着と、ひと叩きされての変わり身を見せてくれた。年が明けて３歳になったクインビーは、今回がデビュー３戦目。新年早々初勝利を挙げて、幸先のいいスタートを切りたいところ。 １番人気は、２着，２着，３着、３着と上位争いを続けた後、前走では断然人気で８着と崩れてしまったヒカリモンで単勝2.5倍。実力上位は証明済みで、今回は巻き返しを期している。クインビーは、単勝3.7倍の２番人気。３番人気は、前走３着のヒデクインで単勝8.9倍。ヒカリモンとの一騎討ちムードの一戦だが、レース経験を積んでの確かな成長が窺えるだけに、更に進化した走りで初勝利をもぎ取って欲しい。

●年明け緒戦の未勝利戦を４馬身差圧勝し、デビュー３戦目で見事初勝利を挙げたクインビー。 その勝ちっぷりの良さから、当然昇級してからの活躍も期待されることとなる。しかしながら、続く前走昇級緒戦の100万下平場戦では、７着と着外に沈んでしまう。まだキャリアの浅い３歳牝馬だけにやむを得ない面があるが、100万下を一度経験した今回中京の100万下平場戦では、是非とも巻き返しを期待したいところ。 １番人気は、白梅賞４着の後、100万下平場戦を連続３着と安定した走りを見せるワカニシキで単勝2.6倍。クインビーは、２番人気で単勝3.4倍。３番人気は、 オープン平場戦３着の後、続く前走重賞のきさらぎ賞では、優勝したタカツバキから２８馬身差のブービー８着に終わったパレードスタンで3.9倍。自己条件に戻れば上位争いは必至。 前走の走りがクインビーの本当の走りではないはずだけに、今度こそ前走の汚名返上の勝利を期待したい。

阪神４歳牝馬特別（重賞）

●100万下２戦目の前走平場戦で、５馬身差圧勝の強さで素質の高さを示したクインビー。 桜花賞出走の夢を託して、桜花賞トライアルのこの一戦に挑む。前走の圧勝から、まだ底が知れないクインビーだが、果たして一流牝馬相手にどこまで戦えるのか。 １番人気は、 新馬勝ちの後デイリー杯３歳Ｓを６馬身差圧勝，阪神３歳Ｓこそ３着に終わったが、３歳になってからもシンザン記念，オープン平場戦を連勝し、桜花賞の最有力候補の一頭となっているファインハピーで単勝1.1倍の一本かぶりの人気。２番人気は、阪神３歳Ｓで後の天皇賞馬リキエイカンの２着となり、年明け緒戦の前走紅梅賞でセブンダブル以下に快勝、ここまで６戦３勝で４着以下なしのヒデコトブキで単勝8.5倍。クインビーは、単勝77.9倍の８番人気と、 前走圧勝したとはいえ、さすがに桜花賞候補が揃ったこのメンバーに入ってはかなり人気は低かった。しかしながら、桜花賞挑戦への夢を叶えるため、真っ向実力勝負を挑んでいく。

　直線に向くと、先頭ファインハピーが２馬身半リードをキープしてゴールを目指す。残り250ｍでは、ヒデコトブキがセブンダブルをかわして２番手に押し上げると、先頭ファインハピーにぐいぐい襲い掛かってくる。セブンダブルの後ろは２馬身半の差があって、内から順にマジョルカ，ライトパレー，クインビー，セプターシローの４頭の４番手争い。じわじわファインハピーを追い詰めるヒデコトブキ。残り150ｍでは１馬身半差，残り100ｍでは半馬身差で、この時点で完全に捉えた感。ラスト80ｍでファインハピーをかわしたヒデコトブキは、最後はこれを１馬身1/4差完全に競り落として優勝し、桜花賞の最有力候補の一頭に名乗りを挙げた。。ファインハピーは２着に敗れた。その後ろは３馬身と差が開いたが、最後に末脚を伸ばしたセプターシローが３着に食い込む。クインビーは、５着争いの一角で頑張っていたが、中団待機のグランドサリーに差され、競り合っていたマジョルカにも首差競り負けて７着でのゴール。８着，９着馬も頭差，首差で続く接戦の５着以下の争いだったが、クインビーも５着馬から１馬身とそれほど差がなかっただけに、５着に食い込んで桜花賞切符を手にできなかったのが何とも無念。このレースがクインビーの生涯唯一の重賞挑戦となった。

　桜花賞本番は、３番人気のヒデコトブキと１番人気の名牝トウメイが、桜花賞史上に残る名勝負を演じ、ラスト１ハロンの壮絶な叩き合いの末、ヒデコトブキが半馬身トウメイを競り落として見事桜花賞制覇を達成。２番人気のファインハピーは、ヒデコトブキから７馬身差の６着に終わった。桜花賞の後、故障したヒデコトブキは、その後４戦するも再び勝利を挙げることができ ず、一方オークスも３着に惜敗したトウメイは、５歳秋に天皇賞・秋、有馬記念を制してその年の年度代表馬となり、今でも史上に残る名牝の一頭として語り継がれている。

●桜花賞トライアルの阪神４歳牝馬特別では７着に終わったのクインビー。 桜花賞挑戦の夢は叶わず、結局その後桜花賞当日の４歳牝馬特別に出走するも、ここでも８着と着外に終わり、春シーズンはこれを最後に休養に入る。３ヶ月間じっくり馬体を立て直し、今回が復帰緒戦となる。今回は古馬相手の一戦だけに、３歳牝馬がどこまで戦えるのか。１番人気は、100万下平場戦を快勝した後、前走200万下のあじさい賞では１０着だったインターヒカリで単勝3.5倍。２番人気は、この秋セントライト記念１着，京都杯２着の後、４馬身差の圧勝で菊花賞を制覇、続く有馬記念でもスピードシンボリにハナ差の２着となるアカネテンリュウで単勝3.7倍。前走90万下平場戦を快勝し、ここから本格化への急上昇カーブを描いていく。クインビーは、単勝6.0倍の４番人気で、人気の割れた実力伯仲の下馬評。素質では決してヒケを取らないクインビーだけに、馬体を立て直しての巻き返しを期す。

●前走の250万下平場戦で、後の名馬アカネテンリュウ相手に１馬身差２着の好勝負を見せてくれたクインビー。250万クラスの勝利に向け、確信に近い手応えを掴んだだけに、この勢いで一気に勝利を勝ち取りたい。１番人気は、前走の内容が高く評価されたクインビーで、単勝1.5倍の断然人気。負担重量51kgのところ、超過重量で51.5kgの負担となったが、全く意に介さない。２番人気は、 近２走400万下平場戦３着，200万下平場６着としているユートピアシローで単勝5.2倍。３番人気は、100万下平場戦を優勝した後、300万下の白藤賞７着，250万下平場戦５着としているクリスティリガーで単勝5.6倍。前走は２着のクインビーに先着されている。前走あのアカネテンリュウに食い下がったほどのクインビーだけに、このメンバーで負けてはいられない。３勝目の勝ち鞍はもう目前だ。

●芦毛時代の扉を開けた名馬タマモクロスの母となるグリーンシャトーのデビュー戦。デビューは、２歳秋の京都開催のこの新馬戦となる。１番人気に推されたのは、後にＣＢＣ賞を２回，中日新聞杯，スワンＳの４重賞を制する名スプリンターのリキタイコーで単勝2.1倍。グリーンシャトーは、オッズでは少し差があって単勝6.2倍の２番人気。３番人気は、 ベルバリー産駒のアヤデンコウで単勝8.5倍。２カ月半半前の小倉の新馬戦を左前球節炎のため出走取消となり、今回は出直しのデビュー戦となる。１７頭の多頭数競馬となったが、グリーンシャトーにとっては、是非とも華やかにデビュー戦を飾りたいところ。

●デビュー戦では大物リキタイコーの前に２着に終わったグリーンシャトー。 しかし、今回はデビュー２戦目となるだけに、きっちり初勝利をものにしたいところ。１番人気は、前走新馬デビュー戦４着のサイコーリュウで単勝1.8倍。２番人気は、単勝2.0倍のグリーンシャトーで、この１，２番人気２頭ががっぷり人気を分け合う形。３番人気は、 前走新馬デビュー戦で後の重賞ウイナーのスリーファイヤーから約１１馬身差の１０着に終わったアラートスターで単勝18.5倍。前走の新馬戦は、４着に後の天皇賞馬テンメイの名前もあった。３番人気以下は、上位２頭とは人気で大きな差があり、サイコーリュウとグリーンシャトーの対決ムードのレースとなった。

●３歳牝馬特別９着の後、故障で１年１ヶ月もの長期休養となってしまったグリーンシャトー。 結局、３歳時には一走もできないまま、ようやく復帰したのは４歳１月中京の４歳上300万下平場戦。さすがに休み明けではいきなりは厳しく８着に沈んでしまったが、続く休み明け２走目の阪神の平場戦では、勝ち馬から２馬身差の４着と、早くもその実力の片鱗を見せ始める。休み明け３走目となる今回は小倉遠征となったが、更なる躍進が期待できるだけに、もう勝利を狙っていけるはず。１番人気は、もちろんグリーンシャトーで単勝3.0倍。２番人気は、300万下平場戦を連続２着してきているキーエイカンで単勝3.5倍。３番人気は、300万下の犬山特別２着の後、障害未勝利戦で５着，９着だったマイセリーで単勝5.2倍。今回は再び平地に戻っての一戦となる。元々、もっともっと上のクラスでの活躍を嘱望されていたグリーンシャトーだけに、もうこれ以上このクラスで足踏みはしていられない。

●前 走休み明け３走目の300万下平場戦で、１年４ヶ月ぶりの勝利を飾ったグリーンシャトー。長く厳しい休養生活を経ての勝利だっただけに、その嬉しさも格別だった。今回は600万クラスに昇級しての一戦となるが、いよいよエンジンを全開し始めたグリーンシャトーだけに、600万クラスもあっさり突破してほしいところ。１番人気は、近走４走特別戦を３着，３着，２着，４着と、確実に上位争いを演じているアイネフレシアで単勝2.3倍。このクラスでの勝利は目前という実力を持っている。２番人気は、前走の平尾台特別でアイネフレシアに先着の３着に善戦したミスユキコで単勝3.8倍。安定性ではアイネフレシアに譲るものの、前走現実にアイネフレシアに先着している実績は軽視できない。そして、グリーンシャトーは単勝4.6倍の３番人気。とにかく、グリーンシャトーにとっては、このクラスでの活躍にメドをつけるために、重要なレースとなる。

●前 走600万クラスに昇級した桜島特別では５着に終わったグリーンシャトー。 この小倉開催初日に300万下クラスを勝ったグリーンシャトーだが、この時代は同じ開催の間であれば、たとえ昇級してもその開催に勝ったクラスと同条件のレースに出走できる規定となっていた。そのため、グリーンシャトーも、600万クラスの身ではあっても、この小倉開催の間であれば再度300万下のレースに出走が可能となっていた。そのため、今回は連闘となるものの、あえて強行日程を承知の上で、この300万下特別の響灘特別に駒を進める。しかし、ここには、この時点ではその実力がまだ明らかではなかったが、重賞級の素質を持つヤマニンゴローも出走してきており、これはかなりの難敵となる。１番人気は、障害未勝利戦で競走中止となった後、再び平地に戻った前走300万下平場戦を勝ってきたハーディスターで単勝3.0倍。２番人気はそのヤマニンゴローで、ハーディスターより票数が僅かに少ないが同オッズの単勝3.0倍。２歳時には、野路菊賞２着，萩特別４着と好走してその活躍が期待されたが、その後１年４ヶ月もの長期休養を余儀なくされたあたり、その境遇はグリーンシャトーに酷似。この２月に復帰すると、強気に臨んだ緒戦の600万下戦こそ最下位に沈んだが、その後自己条件の300万下平場戦を２戦してともに差のない２着となってここに臨んでくる。休み明け４走目となる今回は、いよいよ本当の実力を見せてくるはず。グリーンシャトーは、単勝7.5倍の４番人気。前走の敗戦と連闘というローテーションでやや人気を下げたグリーンシャトーだが、実力を出し切れれば当然勝ち負けの競馬ができるはず。

●前 走響灘特別では、ヤマニンゴローが余りにも強過ぎて２着に終わったグリーンシャトー。 しかし、この３戦の小倉遠征では勝利も得ることができただけに、大いに収穫があったと言える。そして今回、自己条件の600万クラスでのレースとなるが、600万クラスも２走目となるだけに、今度は勝ち負けのレースを期待したい。そして、グリーンシャトーは、単勝3.2倍の１番人気に支持される。２番人気は、600万クラス昇級３戦目の前走伊丹特別で２着に健闘したマイオーダーで単勝4.6倍。３番人気は、桜島特別でグリーンシャトーに先着の３着だったアイネフレシアで単勝6.4倍。その後、前走の朱雀特別では７着と崩れている。実力的には接近している一戦だが、グリーンシャトーがその素質の高さを発揮できれば、あっさり勝利を決めるシーンがあっても不思議ない。

●前 走600万下の嵯峨特別を楽勝したグリーンシャトー。今回は、1000万クラス昇級緒戦となるが、前走の勝ちっぷりから見ても、このクラスでも好勝負を期待していいはず。１番人気は、近４走４着，４着，２着，５着と確実に上位入線を果たしているニチドウライザーで単勝2.4倍。２番人気は、前走ニチドウライザーが５着だった花園特別で３着に健闘しているレークシチーで単勝2.9倍。グリーンシャトーは、さすがに1000万クラスとあっては評価が低く、単勝40.0倍のブービー人気。1000万クラスの強敵相手では苦戦必至との評価であるが、グリーンシャトーの渋太い勝負根性で、このメンバーでも見せ場を作ってくれると信じたい。

●1000万クラス昇級緒戦の灘特別で、４着とまずまずの好勝負を見せてくれたグリーンシャトー。 しかし、続く中京の木曽川特別では、１番人気の支持を受けたものの、中団から鋭く伸びて優勝したウラカワチェリーの前に、勝ち馬から１１馬身差の６着と精彩を欠く敗戦を喫してしまう。確かに、ウラカワチェリーは、この年北九州記念，阪神牝馬特別と、２つの重賞を制することになる強力馬だが、それにしてもグリーンシャトーのレース振りは、”凡走”と言っていいもの。それだけに、今回の平場戦では、何としても巻き返したいところ。�T番人気は、グリーンシャトーで単勝2.7倍。２番人気は、前走1000万下平場戦では６着だったワイエムカチドキで単勝6.6倍。３番人気は、この年緒戦となった前走濃尾特別では６頭立ての最下位だったケイパンチで単勝8.3倍。ライバルたちにそれほどの強敵は見当たらないだけに、グリーンシャトーに1000万クラスの勝利の大いなるチャンス到来。そして、特に今回は、後にエイシンプレストンなどの一流馬を育てる北橋調教師が厩舎開業し、グリーンシャトーは北橋厩舎に移籍。今回のレースが、北橋厩舎の馬のデビュー戦ともなるだけに、北橋厩舎の初陣をグリーンシャトーが勝利で飾ってくれることを期待したい。

●夏の中京戦で1000万クラス初勝利を飾ったグリーンシャトー。 秋はこのレースから始動する。夏のクラス再編で再び700万クラスに降級したが、このクラスのレースであれば、当然勝利を期待できる。１番人気は、前走700万下平場戦で３着だったウエスタンパレスで単勝4.1倍。この秋既に使われている強みが評価された形。２番人気は、この年１月に1000万下平場戦を勝っているニホンピロシーマで単勝6.7倍。その後、準オープンに昇級してからは着外続きで、前走は障害にまで挑戦しているが、夏場はじっくり充電して立て直しを図り、しかも700万クラスに降級しての一戦となれば、実力的にも軽視はできない。グリーンシャトーは、単勝8.2倍の４番人気。仕上がり状態はまだ十分ではないが、底力を見せられれば、当然勝ち負け以上の競馬ができるはず。

●前走秋緒戦の兵庫特別では４着 に終わったグリーンシャトー。 しかし、休み明けをひと叩きされた今回は、いよいよ実力発揮の時となるだけに、もう700万クラスで脚踏みはしていられない。１番人気は、１月にオープン戦で５着となった後７ヵ月半の休養を余儀なくされたが、休み明けの前走短距離特別５着を叩かれて今回は大いに上昇 が見込まれるケイシルバーで単勝3.1倍。２番人気は、前走700万下の短距離特別で頭差の２着と実力を発揮したパールカラー で単勝3.1倍。グリーンシャトーは、単勝5.9倍の３番人気。そのほか、この秋エリザベス女王杯を制することになる３歳馬リードスワローも出走してきている。人気の割れた実力伯仲の一戦ではあるが、1000万クラス勝ちのあるグリーンシャトーが、貫禄を見せてくれると信じたい。

●前走宇治川特別を快勝し、1100万クラスに昇級したグリーンシャトー。 しかし、前年夏に1000万下平場戦勝ちの実績があるように、このクラスでも格下感は全くない。そして、２ヵ月半の間隔を取って出走した前走下鴨特別では、ダート戦ということもあり、１２頭立ての１０着と大惨敗を喫してしまう。しかし今回は、ひと叩きされた効果と、得意の芝でのレースということもあり、必ずや巻き返してくれるはず。１番人気は、昨暮のウインターＳ２着，ディセンバーＳ１着と上位の実力を発揮しているウラカワスターで単勝2.6倍。前走若水特別では６着に敗れているが、ここでは力量上位の存在。２番人気がグリーンシャトーで単勝3.3倍。３番人気は、近２走は着外に終わっているが、３前走の重賞阪神牝馬特別で５着と頑張ったスナージィで単勝6.0倍。ハンデ戦で、グリーンシャトーはウラカワスターよりも3kg斤量が軽いだけに、十分逆転勝利を期待していいはず。

●前走松籟Ｓで２着に食い込み、さすがの実力を見せ付けたグリーンシャトー。 1100万クラスの勝利に向けて、もう前進あるのみ。今回ももちろん、狙うは勝利しかない。１番人気は、前走２着の実績が評価されたグリーンシャトーで単勝3.1倍。２番人気は、 松籟Ｓでグリーンシャトーに首差の３着だったスナージィで単勝5.2倍。 前走はグリーンシャトーと３kgの斤量差があったが、今回は１kg差となった点でも、グリーンシャトーの方に分があるはず。３番人気は、松籟Ｓで１番人気で８着に敗れたウラカワスターで単勝5.3倍。 前走はトップハンデが応えただけに、今度は当然巻き返しを期している。前走松籟Ｓの再戦のようなメンバーだけに、 グリーンシャトーにとっては、何としても勝利を決めたいところ。

●前 走白鷺特別では１番人気で３着に終わったグリーンシャトー。これで1100万クラスに昇級してからは２着，３着と勝利を逃しているだけに、今度こそ３度目の正直で勝利を手にしたい。グリーンシャトーは、今回も１番人気に支持され単勝1.4倍の圧倒的な人気。２番人気は、白鷺特別では９着に沈んだスナージィで単勝4.5倍。前々走松籟Ｓでは軽量を味方に、グリーンシャトーに首差のレースをしている。３番人気は、松籟Ｓ，白鷺特別ともに５着のトーワアローで単勝6.3倍。ここ２戦、グリーンシャトーに連敗しているが、昨秋のエリザベス女王杯では６着と頑張っている馬。しかし、グリーンシャトーにとっては、ここ２戦の結果から見て、２，３番人気馬とは既に勝負付けは済んでいる感があるだけに、今度はもう勝利を譲るわけにはいかない。

●前 走鷹取特別では、断然人気に支持されながら半馬身差の２着と惜敗したグリーンシャトー。 これで３戦連続して２，３着を繰り返しただけに、４度目の今回は、是が非でも勝利を勝ち取る決意で臨む。今回もグリーンシャトーは１番人気で単勝1.5倍。前走同様の断然人気で、これで３走連続の１番人気。２番人気は、700万下平場戦を勝ち上がった後、前走播磨特別で３着だったトウシンサフランで単勝5.9倍。３番人気は、長期休養明け３走目の前走小倉の桜島特別を勝って昇級してきたロイヤルカントリーで単勝8.7倍。実績的にも力量上位は明らかなグリーンシャトーだが、ここ２戦は思わぬ相手に苦杯を喫しているだけに、もう取りこぼしは許されない。必勝の構えでレースに臨む。

●金沢競馬で２２戦１２勝 ，２着７回の実績を引っ提げて中央入りしたシャトーダンサー。金沢競馬でも上級クラスで活躍していたわけではないが、中央勢相手に雑草の逞しさで勝負を挑む。そして今回が中央入り緒戦のレースとなる。１番人気は、前走の平場戦で３番人気で４着だったジョリーフォコンで単勝2.2倍。シャトーダンサーは、中央入り緒戦ながら実績が買われて単勝3.6倍の２番人気。３番人気は、前走の平場戦で２番人気で７着と期待を裏切ったダイナアスカで単勝5.0倍。まだまだ未知の面はあるものの、不安よりも期待の方が大きい。その期待に応える走りを期待したい。

　 レースでは、まずシャトーダンサーが果敢に先手を取って１角へ。やや速いペースで１〜２角を回るシャトーダンサーだが、これにぴったり内ダイナモーニングと外カミノパンジイの２頭が追走。人気のジョリーフォコンは、先頭まで４馬身ほどの差で中団から。向正面でも、先頭シャトーダンサーはペースを緩めずに逃げを打つ。カミノパンジイが２番手で、アシカリビゼンが３番手に押し上げるが、各馬それほど差のない展開になっている。３角でも前の方の態勢は変わらないが、中団以降はぎゅっと馬群が凝縮されてくる。ジョリーフォコンも４番手争いの大外で、先頭までは３馬身ほどの差の射程圏内。 ３〜４角の中間でも、先頭シャトーダンサーが軽快に逃げを打つ。４角では、直後の単独２番手にアシカリビゼンが押し上げ、その後ろの３番手カミノパンジイの外にジョリーフォコンが並んできて直線へ。

　直線に向くと、先頭シャトーダンサーの逃げ脚は鈍らず、ジョリーフォコンが２番手から追ってくるが、シャトーダンサーは差を詰めさせない。勝負根性を発揮して逃げ込みを図るシャトーダンサーだが、追い込み勢がじわじわ差を詰めてくる。ヒロブレスト、後方２頭目から差を詰めてくるピムリカーナ，最後方待機のハーバーオルフェなど。しかしながら、それを上回る粘りを見せたシャトーダンサーは、最後に追い詰めて来たピムリカーナを半馬身抑えて見事な逃げ切り勝ちのゴール。２着以下は大混戦だったが、シャトーダンサーは最後までバテることなく、追い込み勢を封じて見せた。中央入り緒戦を見事に勝利で飾ったシャトーダンサー。初物づくしで勝利を飾ったことから見て、このクラスでは明らかに力量上位だったということだろう。900クラスに昇級しても、好勝負を期待していいはずだ。

●中央入り緒戦の前走400万下平場戦でいきなり勝利を飾ったシャトーダンサー。 見事な逃げ切り勝ちを演じて底力を見せつける。これで900万クラスに昇級するが、前走の昇級緒戦の早春特別では７着と、昇級の壁に阻まれた敗戦を喫する。しかしながら、今回は900万クラス２戦目で、中央の競馬にも徐々に慣れてきての上積みも見込めるだけに、今度は上位に肉薄する健闘を期待したい。１番人気は、オークス１０着以来９ヶ月ぶりの実戦となった前走900万下平場戦では７着に終わったアイランドゴッテスで単勝2.5倍。休み明けをひと叩きされ上積みに期待が集まった形。後に京王杯オータムＨを優勝するなど、短距離重賞で大活躍する馬。２番人気は、近２走平場戦３着，特別戦２着と上位争いをしているシャダイクインで単勝4.5倍。シャトーダンサーは、単勝16.9倍の７番人気。まだ900万クラスの実績がないだけに評価は高くないが、上昇する要素は大きいだけに、何とか変わり身を見せてほしい。

　直線に向くと、各馬ほとんど差のない大混戦。アイランドゴッテスが単独先頭に出るが、これにじわじわ詰め寄ろうとするシャトーダンサー。更にはシャダイクインも先頭争い。中団からはマイクシロー，つれてクインガーネットも追い込んでくる。この混戦を制したのはシャダイクインで、最後は一頭3/4馬身抜け切って優勝。シャトーダンサーは、２着争いから僅かに遅れを取り、マイクシロー，クインガーネットにも差されて５着でのゴール。それでも、勝ち馬からの差は僅か１馬身半差で、900万クラスでも通用する力を示してくれた。上昇ムードになって、これから揉まれながら経験を積んでいけば、勝ち負けの競馬は十分可能だ。

●前走900万クラス昇級２戦目の平場戦で差のない５着に善戦したシャトーダンサー。確実な上昇ぶりを示しており、今度は勝利さえ狙っていきたい。１番人気は、前走の平場戦ではシャトーダンサーに半馬身先着の３着だったアイランドゴッテスで単勝3.0倍。長期休養明けを叩かれつつ上昇を示しており、後に重賞ウイナーとなる底力に期待が集まる。２番人気は、前々走人気薄の若潮特別で現級勝ちしているヒロテンシで単勝4.9倍。前走の特別戦でも、それほど差のない５着に食い込んでいる。シャトーダンサーは、単勝22.0倍の１０番人気の人気薄。初めての芝での戦いということで評価は低くなったが、前走アイランドゴッテスと接戦を演じていることを考えると、決して実力ではヒケは取らないだけに、その実力と芝適性を是非ともレースで示して見せたい。

　直線に向くと、先頭シャトーダンサーが渋太い二の脚で逃げ込みを図る。しかしながら、アイランドゴッテスにも余力があり、シャトーダンサーを執拗に追い詰める。３番手争いのフジイーグル，ゲイリーポルカは前と同じような脚。粘るシャトーダンサーと追うアイランドゴッテスの激しい叩き合いが続いたが、最後の最後まで根性を発揮して粘り抜いたシャトーダンサーが、アイランドゴッテスの追撃を首差振り切っての見事な逃げ切り勝ち。この勝利は、決して展開に恵まれたものではなく、自らのスピードを遺憾なく発揮して押し切ったもので、シャトーダンサーの実力の証明でもあった。人気薄ながら、900万クラス昇級３戦目で見事に勝利したシャトーダンサー。徐々に中央の水にも慣れてきて、これからまだまだ上積みが期待できそうだ。

●隅田川特別で900万クラスを勝利したシャトーダンサー。人気薄での勝利ではあったが、芝適性を見せつける収穫の多い一戦でもあった。 勝ってなお900万クラスに留まることから、更なる勝利が期待されたが、続く前走新潟の悠久山特別では、惨敗と言えるブービー負けを喫してしまう。2200ｍの距離が長過ぎた感があるが、今回は守備範囲のマイル戦での競馬だけに、前々走同様の好走を期待していいはず。１番人気は、400万下平場，特別戦を連勝して昇級してきたグレートアミーで単勝2.0倍。まだ僅か４戦とキャリアが浅いだけに、その分素質の高さが買われている。２番人気は、シャトーダンサーで単勝4.6倍。３番人気は、前走の900万下平場戦では１番人気で２着だったグッドシチーで単勝8.1倍。今回はハンデ戦で、シャトーダンサーは２番目に重い55.5kgの斤量を背負う点が、勝負に微妙に影響してくる可能性はある。

　直線に向くと、先頭で逃げ込みを図るネバービクトリーに、じわじわ迫っていくシャトーダンサー。しかしながら、ここからなかなか差を詰められずに伸びあぐねていると、人気のグレートアミーがあっさり先頭に抜け出し、これを追ってきたグッドシチーの１，３番人気馬の２頭のマッチレースに。この２頭が３番手以下をみるみる引き離しての激しい叩き合いが続いたが、追う者の強みでぐいっと頭ひとつリードしたグッドシチーが競り勝って優勝。シャトーダンサーは、直後の位置にいたベルブレゾンにかわされ、逃げたをネバービクトリーも捉まえ切れず５着でのゴール。３着馬からの差は大きくなかったが、上位２頭は３番手以下を７馬身も引き離しており、シャトーダンサーはもうひとつ見せ場のない結果に終わった。55.5kgのハンデも微妙に影響した感のあるシャトーダンサーだが、勝ち馬からの差が少し大き過ぎたのは否めない。２番人気という評価から見れば、凡走とも考えられる内容だっただけに、次走ではなんとか巻き返してほしいところだ。

●新潟の朝日岳特別では、５着入着は果たしたもののもうひとつの結果に終わったシャトーダンサー。続く前走府中特別でも１１着に沈み、なかなか波に乗り切れない。しかしながら、既に現級勝ちの実績があるだけに、実力さえ出し切れれば大きな変わり身があっても不思議はないはず。１番人気は、前走府中特別で５着だったコウテツレディで単勝2.5倍。前走ではシャトーダンサーに８馬身ほど先着している。２番人気は、前走東京の日吉特別で３着だったアイランドビーナスで単勝3.9倍。シャトーダンサーは、単勝6.4倍の３番人気。今回はそれほどの強豪は出走しておらず、実力拮抗の混戦模様の一戦だけに、シャトーダンサーが実力を発揮できる形になれば、あっさり勝利する可能性も十分にあるはず。

　直線に向くと、内アイランドビーナスと外シャトーダンサーの叩き合いとなるが、ここであっさりシャトーダンサーが先頭に抜け出して来る。コウテツレディもじわじわとした伸び脚で、もうひとつ切れ味がない。完全に先頭に抜け出したシャトーダンサーは、結局２着アイランドビーナスを２馬身半突き放す楽勝のゴール。コウテツレディは、アイランドビーナスに１馬身差まで詰め寄るのがやっとで３着に終わった。このメンバーでは実績上位だったシャトーダンサーだったが、ここは貫禄勝ちとも言える勝利だった。これで900万クラス２勝目の勝ち鞍を挙げたが、夏のクラス再編で再度900万クラスで競馬ができるだけに、更に勝利を狙っていけるはずだ。

●前走松島特別を快勝したシャトーダンサー。900万クラス２勝目の勝ち鞍を挙げ、改めて底力のあるところを示してくれた。今回は、900万クラス３勝目の勝利を目指すが、なかなかの強敵揃いの一戦で容易に勝てるメンバーではない。１番人気は、900万下特別，準オープン特別を連勝した後、前走オープンの吾妻小富士賞でも３着と善戦したアイランドゴッテスで単勝4.4倍。今回は900万クラスに降級しての戦いで、実力的にもここでは上位の存在。２番人気は、前走準オープンの阿武隈特別を逃げ切り勝ちしているキッポウシで単勝4.6倍。この秋には、カブトヤマ記念で重賞制覇を果たす馬。シャトーダンサーは、単勝15.9倍の８番人気。準オープンを勝ってきた馬が降級してくるなど、シャトーダンサーにとってはかなりの難敵揃い。しかしながら、逆にこのメンバーで好勝負できるようなら、今後の活躍が更に楽しみになってくるはず。

　直線に向くと、逃げたキッポウシをあっさりかわしてアイランドゴッテスが先頭に抜け出して来る。シャトーダンサーもじりじり伸びてはいるが、アイランドゴッテスには突き放されてしまい、キッポウシ，ホリサンフォーとともに２番手争い。この２番手争いの中から、シャトーダンサーがじわじわ抜けて単独２番手に押し上げるが、これに襲い掛かってきたのがオノデンモモコとアズマキングダム。序盤がハイペースだった分、早めに行ったシャトーダンサーは最後甘くなり、それでも懸命に渋太く粘ったが、オノデンモモコとアズマキングダムに一気に並ばれたところがゴール。しかしながら、勢いでまさったオノデンモモコ，アズマキングダムに首，頭差かわされて惜しくも４着に終わった。アイランドゴッテスは、スピードにまかせての３馬身半差の圧勝だった。２着争いは際どかっただけに、残念な結果に終わったシャトーダンサーだが、２着以下の着順はレース展開ひとつ。内容的には、アイランドゴッテスに次ぐ強さを見せてくれたといっていい。アイランドゴッテスは、次走 の関屋記念を逃げ切り勝ちしてしまうほどだっただけに、シャトーダンサーのこに結果もやむを得なかった。これからも引き続きチャンスは十分あるはずだ。

●前走弥彦特別では４着だったシャトーダンサー。優勝したアイランドゴッテスは強過ぎたが、２着争いに際どく食い込んだ内容は、十分評価できるものだった。今回は少し間隔を空けて態勢を整えただけに、実力発揮で好勝負を期す。１番人気は、前走現級の赤倉特別を快勝しているオノデンモモコで単勝2.3倍。準オープンでも３着に食い込んだことがあるように、このクラスでは力量上位の馬。２番人気は、シャトーダンサーで単勝7.6倍。３番人気は、前走のながつき特別では１番人気で６着だったステップアヘッドで単勝8.8倍。３走前にはオープンのカーネーションＣで鼻差２着の実績があるように、現３歳牝馬の中でも注目されている存在の馬。シャトーダンサーは、前走弥彦特別でオノデンモモコと僅差の勝負をしており、ここでも逆転のシーンがあっても不思議ではないはず

　直線に向くと、サユリを競り落とすようにじわじわシャトーダンサーが出てくるが、これをあっさりかわして単独先頭に抜け出してきたのがオノデンモモコ。これにスリードーターも食い下がって脚を伸ばすと、シャトーダンサーは３番手に後退。シャトーダンサーは、前２頭には完全に突き放されてしまったが、なんとか３着は確保しようとするところ、じわじわ差を詰めたホリサンフォーが並びかけてきて、シャトーダンサーは最後の最後で首差競り落とされて４着に終わった。優勝したオノデンモモコからも４馬身の差があり、前走のオノデンモモコとの着差が大きく広がってしまったのは残念だった。今回はもうひとつ粘りを欠いてしまったシャトーダンサーだが、メンバーと展開次第ではまだまだチャンスはあるはずだ。

●前走秋緒戦の上総特別で４着だったシャトーダンサー。ひと押し足りない印象も残したが、一度レースを使われての上積みも期待されることとなる。しかしながら、続く東京の平場戦で、１番人気で殿り負けを喫すると、その後のラジオ福島賞でも先行力を発揮できないまま６着に終わる。その後は５ヶ月の休養を取り、この年４月に復帰したが、ここまで３戦して７着，７着，６着とひと押し足りないレースが続く。しかしながら、徐々に勝ち馬との差が縮まってきているように、そろそろ久々の好走のチャンスが巡ってくるころ。１番人気は、前走５ヵ月半の休み明けの平場戦で３着に食い込んだメジロドームで単勝3.0倍。２番人気は、３走前に900万下平場戦勝ちのあるザウエルカムで単勝3.8倍。近２走も特別戦で３着，５着と実力を見せている。シャトーダンサーは、単勝4.6倍の４番人気。シャトーダンサーが実力さえ出し切れれば、十分に勝利を狙える組み合わせ。人気の割れた大混戦模様だがけに、シャトーダンサーの勝負根性に期待したい。

　直線に向くと、先頭シャトーダンサーが二の脚を繰り出して、後続を突き放しにかかる。しかしながら、２番手以下のグループの中から一頭だけ抜け出して来たのが３番人気のカツミエース。この２頭で３番手以下を突き放してのマッチレースとなり、懸命に粘るシャトーダンサーと、これをじわじわ追い詰めるカツミエース。シャトーダンサーも、最後まで力を振り絞って頑張ったが、最後の最後でカツミエースに頭差競り負けて無念の２着。久しぶりに見せたシャトーダンサーらしい走りだっただけに、口惜しい敗戦であった。それでも、９ヶ月ぶりに掲示板を確保し、しかもあと一歩で勝利を手にするところまで行った内容は、現状のシャトーダンサーとしては健闘と言えるものだった。この好走をきかっけに、再浮上してこの馬の本当の力を また見せつけてほしい。

●鶴ヶ城特別で惜しくも僅差で勝利を逃したシャトーダンサー。それでも、久々の好走で存在をアピールしてくれた。そのまま勢いに乗って行きたかったが、続く福島の伏拝特別では１０着完敗と、近走は安定感がなくなってきた。それでも、力を出せる形になれば、まだまだ好勝負は可能なはず。１番人気は、 タマモクロスの父で白い刺客と称されたシービークロスの妹シービースマイルで単勝2.1倍。３歳牝馬だが、近２走はオープンのカーネーションＣ３着，900万クラスの白百合賞で鼻差２着と素質の高さを見せつけている。２番人気は、近２走平場戦１着，特別戦４着と実力を見せているヒメハギビゼンで単勝3.5倍。シャトーダンサーは、単勝15.0倍の７番人気。人気がまったくないわけではないが、ブービー人気と評価は低い。しかしながら、メンバー的に見ても、展開次第で十分に勝機はあるはず。

　直線に向くと、先頭アイランドビーナスが二の脚を発揮して、後続を突き放しにかかる。２番手争いのシービースマイル，ヒメハギビゼンの人気馬２頭は、既に余力はなく脱落していく。ヒガシマドンナが２番手で粘るところ、シャトーダンサーがじわじわ脚を伸ばして２番手を窺うが、序盤ハイペースだった分、ここからは追い込み勢の末脚が炸裂する。カミノラッキー，リュウマイテーの２頭がぐんぐん追い込んでくると、シャトーダンサーはあっりかわされてしまう。シャトーダンサーは、ヒガシマドンナを１馬身かわしたものの、逃げ切り勝ちのアイランドビーナスから５馬身近い差の４着でのゴール。一応上位入線は果たしたが、１年前には完全に打ち負かしたアイランドビーナスに今回は完敗の形。ただ、本当の力を出し切れていないにもかかわらず上位入線を果たすあたりは、この馬の底力と言ってもいいだろう。

●前走の加治川特別では４着だったシャトーダンサー。もうワンパンチを欠く結果ではあったが、上位入線を果たしてくれたことは評価していい。全盛期の勢いはないものの、今回も上位食い込みを狙いたい。今回は少頭数の一戦だが、１番人気は、間に１年の長期休養を挟みながら目下３連勝中のダイナブリーズで単勝1.2倍の圧倒的な人気。前走１年ぶりの900万特別をあっさり勝利したように、このクラスでは断然力量上位。後にダイヤモンドＳを制するなど重賞でも活躍する馬。２番人気は、前々走900万クラスの秋川特別を優勝しているシャンバラで単勝6.1倍。近７走900万クラスで全て４着以内という堅実さを誇る。シャトーダンサーは、単勝7.6倍の４番人気。人気のダイナブリーズは強力だが、それ以外となら差はないだけに、２着以内の好レースを狙っていく。

　直線に向くと、外のダナブリーズがあっさりと抜け出して単独先頭に立つ。懸命にシャトーダンサーが２番手で粘ろうとするところ、じわじわ差を詰めてくるシャンバラ。少頭数の競馬で、先頭ダイナブリーズが断然抜け出してしまい、焦点は２着争いとなったが、シャトーダンサーも粘り切ることができず、シャンバラがあっさり単独２番手に。シャトーダンサーは、シャンバラに１馬身かわされての３着に終わった。一応３着入着は果たしたシャトーダンサーだったが、５頭立ての競馬だったことを考えると、内容的にはもうひとつ。それでも、次走へまだ望みをつなげられる内容だっただけに、もう一度見せ場を作ってほしいところだ。

福島市制施行８０周年記念(900)

●月岡特別では３着だったシャトーダンサー。まだまだ互角の勝負ができるところを示してくれたが、続く新潟の苗場特別は８着，更に前走中山の浦安特別では７着と、大きく負けてはいないものの、苦しい戦いを強いられる。今回は福島に遠征しての競馬となるが、もう一度この馬らしい強い競馬を見せてくれることを期待したい。１番人気は、前走900万クラスの佐渡特別を優勝しているセノエタイヨーで単勝1.6倍の断然人気。２番人気は、前走函館の900万下戦の北海ハンデキャップを優勝しているグリーンガールで単勝4.2倍。この後、カブトヤマ記念でも４着に善戦する馬。シャトーダンサーは、単勝13.8倍の６番人気。ハンデ戦で53kgと比較的斤量にも恵まれただけに、密かに一発逆転を狙っている。

　直線に向くと、先頭シャトーダンサーも懸命に粘り込みを図るが、既に直後の位置まで取り付いているセノエタイヨーは、ここからあっさり先頭に抜け出して来る。シャトーダンサーは、抵抗できずに２番手に下がってしまったが、３番手以下の馬たちも伸び脚はなく、完全に２着は確保の態勢。後方にいたコンラートシンボリ，グリーンガールが３番手争いに上がってきたが、２番手のシャトーダンサーとは同じような脚色で、２馬身半の決定的な差がついている。先頭セノエタイヨーは、３馬身半抜け出して、断然人気の応える貫禄の勝利。シャトーダンサーは、危なげなく２着は守り切った。ワンパンチは欠いているものの、依然として渋太さは健在のシャトーダンサー。今回は勝ち馬が強過ぎたが、今後も展開とメンバー次第では、900万クラス勝ちのチャンスがないとは言えないはずだ。

●福島市制施行８０周年記念で２着と健闘したシャトーダンサー。既に６歳牝馬ながら、その頑張りは本当に頭の下がる思い。続く前走福島の河北新報杯では７着に終わったが、今回の東京の平場戦で再度の上位食い込みを狙う。１番人気は、近２走特別戦で２着，３着とこのクラスでは力量上位のダイナセキトで単勝2.8倍。２番人気は、前々走重賞のクイーンＳで４着，前走の900万下特別では５着だったタクノチドリで単勝3.5倍。テレビ東京賞３歳牝馬Ｓ３着の重賞実績もある馬。シャトーダンサーは、単勝26.3倍の７番人気と少し評価を下げた形。しかしながら、力を出せる形になれば、十分互角の勝負に持ち込めるはずだ。

　直線に向くと、先頭ディアドータが逃げ込みを図り、シャトーダンサーが２番手からこれを追うが、ディアドータは余力を残しており、なかなか差を詰められない。シャトーダンサーの外からかわしにかかるのは１番人気のダイナセキト。懸命に頑張っていたシャトーダンサーだが、結局力尽きてディアドータ，ダナセキトに突き放されてしまう。シャトーダンサーは、後方待機のマーチングボーイにもかわされたが、なんとか４着は死守しようと踏ん張っている。ジェットマツレンとタクノチドリがゴール前シャトーダンサーに際どく迫ったが、シャトーダンサーはこの争いで何とか鼻，鼻差粘り切って４着確保のゴール。優勝争いは、粘るディアドータと追うダイナセキトの一騎討ちとなったが、底力を見せたダイナセキトが、捻じ伏せるように半馬身競り勝って優勝した。４着ではあったが、精一杯の勝負根性を見せてくれたシャトーダンサー。結局、このレースがラストランと なった。これで繁殖生活に入ったシャトーダンサーは、母としてなかなかの活躍馬たちを輩出。その血は更に広がっていくことだろう。

●２歳１１月にデビューしたクインビーの初産駒ヒロミチェリー。 競走生活では十分発揮されなかったクインビー、その血がいよいよ競馬場に帰ってきた。その期待のヒロミチェリーは、デビューから５戦連続４着と、確実に上位争いをするものの、あと一押しのパンチ力を欠いていた。その後、未勝利戦を３着，５着とした後、デビュー８戦目の前走小倉の未勝利戦で、２着以下に１馬身3/4差をつけて、これまでの溜飲を一気に下げる念願の初勝利を収める。そして、今回が300万クラス昇級緒戦の一戦。 １番人気は、前走300万下平場戦２着のカスガジョウで単勝3.4倍。２番人気は、前走300万下の豊後特別３着のダイハクリュウで単勝3.5倍とほとんど差のない人気。ヒロミチェリーは、単勝9.4倍の６番人気。傑出した馬は見当たらず、混戦模様の一戦で、ヒロミチェリーも昇級戦ということを考えれば、そこそこの人気を集めている。初勝利を挙げた勢いで、ここも勝ち負け以上の善戦を期待したいところ。

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●タマモクロスの妹ミヤマポピーがいよいよデビューを迎える。この頃、兄タマモクロスは注目を集める存在になりつつあったものの、まだ400万クラスを２連勝したところで、決して知名度が高いわけではないだけに、ミヤマポピーのデビュー戦も、大きく注目されるものとはなっていない。この時、ミヤマポピーが後に牝馬女王のタイトルを手にしようとは、誰も想像だにしていなかった。全馬デビュー戦となるが、１番人気は、グランディ産駒のシルバーメアーで単勝2.5倍。ミヤマポピーは、単勝3.5倍の２番人気に支持される。父はカブラヤオーという渋い配合。３番人気は、ミルジョージ産駒のオカノハードで単勝6.2倍。兄タマモクロスの競馬史に燦然と輝く最強馬ストーリーが胎動を始めているとき、妹ミヤマポピーも、もうひとつのサクセスストーリーを今スタートさせる。

　直線に向くと、先頭ミヤマポピーが素質の違いを見せつけるように、２馬身，３馬身と後続を突き放す。ワンダーマーチとワンダープレザンの２頭には既に余力なく、内ラチ沿いに入ってきたパッショネートが単独２番手に押し上げてくるが、先頭ミヤマポピーは余裕十分の手応え。ミヤマポピーは、軽く手綱を動かす程度で、ラスト250ｍはムチもまったく必要なし。２番手パッショネートもまったく差を詰めることができず、ミヤマポピーは、十分過ぎるほど余力を残したまま、２馬身半差を保っての圧勝のゴール。急上昇中のタマモクロスに続けとばかりに、鮮烈な勝ちっぷりでデビュー戦を飾った。非凡な素質を見せつけたミヤマポピーは、これから一線級クラスを相手の勝負を挑んでいく。本格化するのは３歳秋以降と思われるが、素質だけでも十分互角の勝負を期待していいはずだ。