２０１０年（平成２２年）

 ２０１１年（平成２３年）

 ２０１２年（平成２４年）

●北海道競馬で２歳９月にデビューしたコンメイ。しかしながら、なかなか勝ち星を挙げられず、ようやく初勝利を挙げたのは、デビューしてから実に１１戦目のこと。その後はＪＲＡとの交流戦に矛先を向けたが、３戦戦って８着，９着，４着。それでも、この前走のリゲル特別４着は悪くない内容で、レース経験を積みながら徐々に力をつけてきている感。今回は地方重賞初挑戦で、厳しい戦いを覚悟しなければならないが、強敵相手にも何とか渋太く食い下がって見せたい。今回は北海道三冠の最終戦で、３歳最強を決める一戦でもある。１番人気は、北斗賞，北海優駿の北海道３歳三冠のうちの１番人気は、北斗賞，北海優駿の３歳三冠のうちの二冠を制し、更に前走３歳牝馬の地方重賞フロイラインＣも制し、目下地方重賞３連勝中のクラキンコで単勝1.4倍の断然人気。今回勝てば、北海道競馬史上初の牝馬による３歳三冠達成となる。交流Ｇ３のエーデルワイス賞２着の実績も持つ馬。２番人気は、地方重賞の華月賞を制し、前走ＪＲＡ交流のリゲル特別では２位入線も失格となったサムライジャパンで単勝2.9倍。コンメイは、単勝158.9倍の最低人気。それでも、前走のリゲル特別では、２位入線のサムライジャパンとの差は４馬身程度。決して決定的な差をつけられたわけではなく、更にどんどん力をつけつつある今なら、上位食い込みの可能性もまったくないとは言えないはずだ。

３着

　レースでは、コンメイは五分のスタートを切るものの、中団後ろの位置取り。サラマナエイジュンが先頭に出る構えだが、これを外から一気にかわしてケイエムサウザーが先頭に。3/4馬身差で外エナモラードが２番手で、この２頭で後続に３馬身差をつけていく。３角では、ビービーガザリアスが３番手。クラキンコは、ここから２馬身後ろの５番手の位置。その３馬身後ろにサムライジャパン。コンメイは更に８馬身後ろの後方２頭目の位置。１周目４角ではバラバラの展開となり、先頭ケイエムサウザーは４馬身リード。コンメイは後方２頭目の位置のまま正面スタンド前へ。先頭コンメイは、最後方の争いで、５番手のクラキンコからは８〜９馬身の差。先頭ケイエムサウザーは、ただ一頭リードを１０馬身と開いての大逃げで１角へ。１〜２角でも、先頭ケイエムサウザーは更にペースを上げ、向正面にかかるとリードは１５馬身と逃げまくるが、オーバーペースが祟って急激にそのスピードを鈍らせる。エナモラードが２番手で、3/4馬身差でサラマナエイジュン，これに半馬身差で外クラキンコがじわっと４番手に押し上げる。その３馬身後ろの中団後ろにサムライジャパン。その3/4馬身内にコンメイがじわっと差を詰めて来ているが、３角からペースが上がると、コンメイは苦しい追走になってくる。ケイエムサウザーは息切れして歩くように失速し、３角ではサラマナエイジュンと内ムチが飛んでエナモラードの先頭争いに。半馬身差の外３番手クラキンコは手綱を持ったまま。コンメイは最後方に順位を下げて、先頭までは８馬身の差。３〜４角の中間では、クラキンコが馬なりで先頭に立つ。１馬身差で、手綱を押しながらサムライジャパンが２番手に上がってくる。更に3/4 馬身差で外ハヤテシゲマサが３番手に。４角では、先頭クラキンコが１馬身半早くも抜け出すが、前６頭が４馬身の圏内で固まっている。その後ろは４馬身と差が開いたが、コンメイが渋太い脚で単独７番手まで順位を上げてきて直線へ。

　直線に向くと、内ラチ沿いをクラキンコが先頭で、リードを２馬身1/4差と開いて、三冠達成に向かって驀進する。サムライジャパンが２番手で、ラスト150ｍから先頭との差をじわじわ詰めて行くが、前を捉えるまでの脚はない。クラキンコは少し差を詰められたものの、ゴール前では手綱を緩める余裕を見せながら、3/4馬身差をつけて史上初の牝馬による北海道三冠を達成。コンメイは大外に持ち出して最後のラストスパート。ラスト150ｍでは、３番手争いに競り負けたサラマナエイジュンが５番手となり、これに２馬身差でパシリコジュリエ，更に２馬身差でコンメイが７番手の態勢だったが、この３頭はゴール前差のない５着争いに。最後に伸びでまさったのはコンメイで、パシリコジュリエ，サラマナエイジュンの２頭をゴール前で半馬身かわして５着入着のゴール。優勝したクラキンコからは７馬身半の差があって、決して見せ場を作れたわけではなかったが、北海道三冠レースで５着入着を確保したのは評価していい。最低人気だったことを考えると、よく頑張っていると言える内容だった。今はまだ力をつけている途上だけに、これから更なる進化を期待したい。

●１１月の東京戦で、８着ながら勝ち馬から３馬身半差とそれほど差のない競馬をしたジーガーウイング。先手を取って渋太さを発揮したが、自分のパターンに持ち込めれば、ある程度の勝負はできる手応えを感じた。続く中京の平場戦は勝ち馬から焼６馬身差の９着。先手を取れずに自分の競馬ができなかったが、それでも大きくは負けなかった。しかしながら、年明けからは南関東の交流レースを２戦したが、ともに１０着と後方に沈んでしまう。勝ち馬からの差も大きく落胆したが、南関東の競馬が合わなかった印象。今回は北海道競馬に遠征しての交流戦で、ここ２戦の屈辱的な敗戦から立ち直りたい。１番人気は、園田競馬で２戦２勝として中央に再転入し、緒戦の前走平場戦で６着だったチョイワルグランパで単勝2.8倍。２番人気は、南関東のＡ２特別を９着，６着として北海道競馬に戻ってきたアンペアで単勝4.5倍。２歳時には北海道の交流Ｇ３のエーデルワイス賞優勝、その他にも交流Ｇ２の関東オークス３着，交流Ｇ３のスパーキングレディーＣ５着のグレードレース実績を持つ実力馬。ジーガーウイングは、単勝26.1倍の８番人気。グレードレースの勝ち馬まで出走してきて相手は強力だが、この馬のパターンにさえ持ち込めれば、見せ場を作るシーンもあり得るかもしれない。

３着

　レースでは、ジーガーウイングは好ダッシュ。３頭ほど並んだ争いを制して単独ハナを切る。半馬身外サイモンラメールが２番手だが、その外ほとんど差なくアンペアも先行争いの一角。内目からはジャージデスマイルもこの争い。人気のチョイワルグランパは、先頭から３馬身ほどの差の中団あたり。ここからジーガーウイングは行きっぷりもよく単独１馬身半リードの逃げ。２番手争いは４頭がほぼ並んでいるが、３角にかかると、ジャージデスマイルが単独２番手に押し上げて、先頭ジーガーウイングに半馬身差まで詰めて行くが、ジーガーウイングは手応え十分で、まったく動じていない。更に半馬身差で大外アンペアが３番手から押し上げる。３〜４角の中間では、アンペアが手綱をしごいて差を詰めにかかり、。更にこその１馬身後ろからこれを追うようにアストラルフォースも上がってくる。ここまで手応え十分に気持ちよく逃げを打っていたジーガーウイングに、４角ではアンペアが外から並んでくるが、この２頭で３番手以下を引き離し気味。２馬身差の３番手争いが、内リンガスファースト，外アストラルフォースの２頭で、チョイワルグランパはその直後で反応ひと息という感じで直線へ。

　直線に向くと、内ジーガーウイング，外アンペアの２頭が３番手以下をを引き離してのマッチレース。直線入口の手応え自体はジーガーウイングの方がまさっていたが、追い比べになってからはアンペアの方がじわっと頭ひとつリード。しかし、ジーガーウイングも懸命に食い下がる。ラスト150ｍでは３番手以下に５馬身の差をつけている。ジーガーウイングも踏ん張っていたが、ラスト100ｍで半馬身差にじわっと広げられると、ここからは突き放されてしまって、最後はアンペアに１馬身半差をつけられて２着でのゴール。ラスト100ｍでチョイワルグランパが３番手に上がってきたが、２着のジーガーウイングからは６馬身もの差があった。２着に終わったジーガーウイングだが、相手は交流Ｇ３の勝ち馬でもあるアンペア。ひと頃の勢いがないとはいえ、この相手に互角の勝負を演じ、しかも３着以下に６馬身もの差をつけた内容はなかなかのもの。マイペースで逃げを打てれば渋太さを発揮できるところを示してくれた。地方の交流レースとはいえ、ＪＲＡ所属と馬としてのこれが初連対。この後は、ＪＲＡの舞台でも勝ち負けの競馬を演じてみせたいところだ。 なお優勝したアンペアは、続く地方重賞のエトワール賞も、Ｇ１の全日本２歳優駿を制するなどダートでは無敗の人気馬ラブミーチャンを頭差まで追い詰める健闘を見せることになる。

●前走北海道の交流戦のミランダ特別で、Ｇ３ウイナーのアンペアに１馬身半差の２着と見せ場を作ったジーガーウイング。そのアンペアは、続く地方重賞のエトワール賞で、Ｇ１ウイナーでダートでは無敗のラブミーチャンを頭差まで追い詰める健闘を見せることになる。その比較から言っても、前走のジーガーウイングの走りは高く評価していいはず。今回は金沢の交流戦に駒を進めるが、もちろんここも一気の逃げ切り勝ちを狙う。１番人気は、近２走500万下平場戦で３着，１２着としているラグナロクで単勝1.6倍の断然人気。成績にムラのある馬だが、実力を発揮してくるようなら当然力量上位の存在。ジーガーウイングは、単勝5.1倍の２番人気。３番人気は、前走ミランダ特別では３番人気で７着だったマルタカボーイズで単勝5.6倍。５走前の500万下平場戦では３着に食い込んでいる。出走１０頭中６頭がＪＲＡ所属馬で、１〜６番人気までをＪＲＡ勢が独占しているが、ジーガーウイングもＪＲＡ勢が相手なら一層闘志が湧くに違いない。

３着

　 レースでは、ジーガーウイングは好スタートを切り、手綱を押しながらすっと先手を取って１馬身半のリード。外からスズカオペックが２番手でじわっと接近するが、間から人気のラグナロクが押し上げて、ジーガーウイングに半馬身差まで取りついてきて１角へ。１〜２角で、ジーガーウイングはまた逃げ脚を伸ばして、２馬身半とリードを開いての単騎逃げで向正面へ。２番手ラグナロクの内からサマーシルクロードが並んでくる。更に１馬身半差で地元のホワイトチャームか続き、その内首差でスズカオペックの態勢。ラグナロクなど手が動き始めるが、ジーガーウイングは気持ちよく逃げている。３角でも、ジーガーウイングは手応えよく２馬身リードの逃げ。ラグナロクは２番手争いだが、３〜４角の中間ではムチが飛んで苦しく見える。この時点の手応えの違いから、ジーガーウイングへの勝利の期待が高まってくる、４角からジーガーウイングも仕掛けて行くが、ラグナロクがムチを飛ばして１馬身差まで詰めてくる。１馬身半差でサマーシルクロードが３番手。その後ろは３馬身と差があって、メルシーレインボー，スズカマックス，マルタカボーイズの３頭が続いて直線へ。

　直線に向くと、先頭ジーガーウイングに、外からラグナロクがじわじわ詰め寄っての叩き合い。４角での手応えからはジーガーウイングも相当に粘れる思われたが、ラグナロクがぐんぐん伸び脚を加速させて、ラスト150ｍでジーガーウイングを抜き去って単独先頭に。４角での手応えの割りに、その脚色の違いは歴然。ジーガーウイングは、あっという間にラグナロクに突き放されてしまうが、３番手以下には４馬身近い差があって、２着確保は間違いない。最後は３番手メルシーレインボー以下も差を詰めて来たが、ジーガーウイングは３番手以下を２馬身半抑えて２着確保のゴール。しかしながら、優勝したラグナロクには５馬身もの差をつけられていた。ラグナロクの前には完敗したが、２着はがっちり確保したジーガーウイング。今後も地方交流レースでは安定した走りを見せてくれそうだ。

●前走金沢の地方交流レースのロベリア賞で２着だったジーガーウイング。これで交流戦を連続２着と、勝利にこそ手は届いていないものの、この馬の存在を示すレースができている。今回は再度の交流戦で、今度こそ勝利を狙いたい。ＪＲＡから参戦予定馬一頭が取り消しとなり、出走馬８頭中３頭がＪＲＡ所属馬。その３頭が１〜３番人気までを占めている。１番人気は、500万下平場戦６着の後、前走門別の交流戦を６馬身差圧勝しているプリティゴールドで単勝1.3倍の断然人気。ジーガーウイングは、単勝4.9倍の２番人気。前々走、交流Ｇ３勝ち馬のアンペアを苦しめた内容も評価されている。３番人気は、1000万クラスから降級してきたアスカルディで単勝7.5倍。ジーガーウイングにとって、ライバルはＪＲＡ勢。断然人気はプリティゴールドだが、決して負かせない相手ではないはずだ。

３着

　 レースでは、ジーガーウイングはまずまずのスタート。外のプリティゴールドの方が出脚は速いが、内から手綱をしごいて強引にジーガーウイングが行って、プリティゴールドを半馬身抑えて先頭。しかしながら、プリティゴールドもぴったりこれに取りついて、人気のＪＲＡ勢がレースを引っ張る。3/4馬身差で内にフラワータイムがつけ、半馬身差で外ウイングアイと、このあたりは地元勢が追走。１馬身1/4差の５番手争いの一角にアスカルディ。ここから、人気の先行２頭が後続を２馬身と少し引き離して行く。しかしながら、３角ではプリティゴールドが先頭に並んできて、終始圧力をかけられているジーガーウイングは息を入れられない。その後ろは２馬身半差でウイングアイ以下。残り600ｍの３〜４角の中間では、ジーガーウイングとプリティゴールドの先頭争いが続くが、２頭ともまだ手は動いていない。４角にかかっても先頭２頭の争いが続くが、直線入口でジーガーウイングの方が一瞬先に手が動く。２馬身1/4差でフラワータイムが３番手。アスカルディは、更に２馬身後ろの中団で反応が悪い。更に１馬身半後ろの最後方に近い位置の大外から、ゴールドコインが追い込みをかける態勢で直線へ。

　直線に向くと、内ジーガーウイングと外プリティゴールドの争いから、プリティゴールドの方が僅かにリード。内首差で食い下がるジーガーウイングだが、残り１ハロンからは突き放されてしまう。２馬身差でフラワータイム，更に２馬身半差で大外ゴールドコインの追い込み。道中厳しい競馬を強いられたジーガーウイングは、ここから脚色が鈍ってきて、ラスト150ｍからは、先頭プリティゴールドは独走態勢。ラスト100ｍでは３馬身半とリードを開く。２番手ジーガーウイングに、3/4馬身差まで詰め寄るフラワータイム。２馬身差の４番手ゴールドコインの伸び脚は際立っている。ここから２着争いは３頭が際どくなってきたが、ジーガーウイングは、ラスト50ｍを切ったところでフラワータイムに捉まると、大外急襲のゴールドコインにもかわされてしまって、無念の４着でのゴール。自分のペースで行けていれば、２，３着馬に負けることはなかったはずだが、勝ち馬が強過ぎて、それに真っ向勝負を挑まざるを得なかっただけに致し方ない。それでも、依然として地方の交流戦では、実力を存分に出し切ってくれていると言っていいだろう。

●前走のアルビレオ特別では、直線に甘くなって４着に終わったジーガーウイング。しかしながら、引き続き相性のいい門別の交流戦で、今度こそ勝利を狙いたい。１番人気は、地方重賞の星雲賞５着の後、前走のオープン特別ではポートジェネラルを下して優勝している地元北海道のミスティックダイヤで単勝1.9倍。そのポートジェネラルは、４月の交流Ｇ３の東京スプリントで４着となるなど、全国を駆け回る地方の猛者。それを捻じ伏せたミスティックダイヤの能力もかなりのものがあるはず。２番人気は、500万クラスで近５走３着，４着，１８着，３着，１１着としているＪＲＡのメイショウエルピスで単勝3.5倍。ＪＲＡ500万クラスで勝ち負けできる能力は侮れないが、成績にかなりムラのある馬ではある。ジーガーウイングは、単勝8.5倍の４番人気。３走前には北海道のトップクラスの一頭アンペアと好勝負を演じており、その比較からも、ここでもチャンスはあるはずだ。

３着

　レースでは、ジーガーウイングは好スタートで先頭に出て来ようという構えだが、これに外からメイショウエルピスが並んできて首ほど前に出る。ジーガーウイングは少し手綱を動かしながらの先頭争いだが、激しく競り合っている感じではない。3/4馬身差で内エスジーナミ，更に3/4馬身差で外モルフェキングの順。これに１馬身差でミスティックダイヤは５番手の位置で、その後ろはバラけた展開。メイショウエルピスが半馬身ほど出て先頭だが、３角にかかると、ジーガーウイングが内から馬なりで先頭に替わる。その後ろ１馬身1/4差で３頭並んだ３番手争いの大外にミスティックダイヤが押し上げる。ジーガーウイングの行きっぷりは抜群で、３〜４角の中間では、リードを１馬身半と開いていく。メイショウエルピスは苦しくなってきて、これに半馬身差で外ミスティックダイヤが単独３番手に。４角でも、先頭ジーガーウイングは持ったままで、２馬身と差を開きにかかる。２番手ミスティックダイヤは手が動き、これに半馬身差で内エスジーナミが３番手の態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭ジーガーウイングの逃げ脚は衰えず、２馬身半と更にその差を開いて行く。２番手ミスティックダイヤが懸命に追うが、残り１ハロンでもその差は２馬身1/4差でほとんど変わっていない。その後ろは１馬身差で、外ロイヤルクリッパーが３番手に上がろうとするが、中モルフェキングも突っ込んで来る。しかしながら、勝負は前２頭に絞られた格好。ラスト100ｍでは、先頭ジーガーウイングのリードは１馬身半にまで縮まると、ここからミスティックダイヤも伸び脚を発揮し、先頭ジーガーウイングに詰め寄ってくる。ゴール前は少し際どくなったものの、ジーガーウイングが首差粘り切って優勝のゴール。最後は詰め寄られてはいたが、ラスト100ｍの地点で、もう既に逃げ切り確実の態勢ではあった。これでＪＲＡ再転入後 １１戦目で嬉しいＪＲＡ所属での初勝利を飾ったジーガーウイング。やはり門別では自分のパターンに持ち込めるだけに、きっちり力を発揮してくれる。できることなら、ＪＲＡのレースで勝利を挙げたいところだ。

10.04.19

●２歳６月に岩手競馬でデビューしたダンストンルティー。デビュー２戦目で初勝利を挙げるが、その後は特別戦を９着，６着、平場戦を６着と結果を出せず。続く知床賞で２勝目を挙げるが、２歳Ａ平場戦で８着にとなって２歳シーズンを終える。春になってシーズンが始まると、緒戦の３歳Ａ平場戦で２着と好走。しかしながら、留守杯日高賞の前哨戦のあやめ賞では５着に終わり、メンバーが揃うと苦戦は否めない情勢。今回は初めての地方重賞初挑戦となるが、果たしてどこまで戦えるか。他地区からの参戦馬もあり、１番人気は笠松から遠征してきたエレーヌで単勝1.6倍の断然人気。名古屋の地方重賞のスプリングＣを優勝した後、ＪＲＡに挑戦した沈丁花賞では９着。しかしながら、続く前走笠松の地方重賞の新緑賞も優勝し、東海地区の３歳牝馬ではラブミーチャンに続くナンバー２の存在となっている。２番人気は、地元岩手の期待馬ダイメイジュエリーで単勝3.2倍。北海道競馬から岩手に移籍して目下４戦全勝。前走は前哨戦のあやめ賞を快勝している。北海道時代にも、地方重賞のフローラルＣ４着の重賞実績を持つ。ダンストンルティーは実績的にも見劣ることから、単勝85.3倍の９番人気。この強敵相手では確かに厳しいのは否めないが、何とか上位に食い込んで見せ場を作りたいところだ。

　直線に向くと、先頭コロニアルペガサスに、残り１ハロンで早くもエレーヌが並びかける。２頭の叩き合いは、ラスト150ｍでエレーヌがあっさり先頭。ダイメイジュエリーは３馬身遅れて３番手だが、これを外からプティフルリールがかわして３番手に。ダンストンルティーは、ダイメイジュエリーから２馬身半差の６番手だが、ここからダイメイジュエリーとミスギンレイの２頭は脚が止まってくる。ラスト100ｍでは、ダンストンルティーがこの２頭をかわにかかるが、その時外からショートエアリーがダンストンルティーを抜き去って４番手に。笠松から４頭が遠征してきているが、上位４頭を笠松勢が独占する競馬に場内がどよめく。ここから上位の馬たちはバラけてしまい、エレーヌはラスト150ｍを馬なりで流したまま２馬身半差をつけて快勝。ダンストンルティーは、勝ち馬から１２馬身半の差があったが、ミスギンレイ以下を１馬身かわして５着でのゴール。最強のダイメイジュエリーを破り、岩手勢最先着を果たした。ただ、笠松勢に完敗して見せ場を作れず、果敢に勝ちに行ったダイメイジュエリーと比較すると漁夫の利があった感もあるが、今後の自信につながる結果だったのは間違いない。まだまだ岩手の３歳牝馬ナンバーワンとは言えないが、それを狙える位置にいることを印象づけることはできたはずだ。

●前年１１月の平場戦で４着となり、これで２戦連続の入着を果たしたデステニーアロー。これで自信を深めたかに見えたが、その後は１３着，８着，８着，１０着，９着，１４着，８着，７着，７着と、まったく掲示板の圏内に入れない競馬が続く。なかなか苦しい競馬が続くが、近２走は勝ち馬からの差が1.0秒程度。そのことを考えれば、展開次第では掲示板の圏内に食い込むチャンスはあるはず。１番人気は、500万クラス昇級後の平場戦を５着，３着，２着と順位を上げてきているピサライコネンで単勝1.6倍の断然人気。２番人気は、近２走平場戦を２着，８着としているサクラサクラサクラで単勝4.1倍。デステニーアローは、単勝66.3倍の８番人気。勝ち負けまでは難しいが、久しぶりにこの馬の存在をアピールしてほしい。

　レースでは、デステニーアローは１馬身立ち遅れて後方から。内からサクラサクラサクラが先頭に立ち、１馬身差で外スーサンハリケーンが２番手だが、ここから半馬身差にじわっと詰めて行く。つれてメイショウヴァルナも差なく追走。デステニーアローは、先頭から６〜７馬身差の内々後方２頭目の位置から。３角にかかると、デステニーアローは少し仕掛けてじわっと順位を上げて行く。先頭サクラサクラサクラに、人気のピサライコネンが首差まで接近。１馬身1/4差でメイショウヴァルナとスーサンハリケーンの２頭の３番手争い。更に１馬身半差でリネンピュア。３〜４角の中間では、その後ろの馬たちは徐々に差が広がってくる。４角では、サクラサクラサクラとピサライコネンの２頭並んでの先頭争い。3/4馬身差で以下もそれほど差なく追走し、内目５番手のリネンピュアも、先頭までは１馬身半差。その後ろは２馬身半と差が開いてキャニオンルナが６番手。デステニーアローは更に２馬身後ろで、勝ち負けは難しそうだが、何とか上位食い込みの期待をかけて直線へ。

　直線に向くと、サクラサクラサクラとピサライコネンの２頭の叩き合いで、３番手スーサンハリケーン以下は３馬身と突き放される。残り１ハロンでは、３番手争いは固まっていて、半馬身差でメイショウヴァルナ，更に首差でリネンピュアの３頭の争い。しかしながら、その２馬身後ろからキャニオンルナが一気の強襲。更に２馬身後ろからはデステニーアローも同じような脚色で追い込んでくる。ラスト100ｍで、ピサライコネンの方が首ほどリードし、サクラサクラサクラが２番手。その後ろは５馬身と開いて、上位２頭の１，２着は決まった。ラスト100ｍで、キャニオンルナが３番手に突き抜ける。スーサンハリケーンが４番手。デステニーアローは、少し甘くなった５番手リネンピュアに襲い掛かかり、これをゴール前で頭差捉えてギリギリ５着食い込みのゴール。上位２頭のマッチレースは、ピサライコネンが半馬身競り勝って人気に応える勝利を飾った。実に久しぶりに５着入着を果たしたデステニーアロー。ずっと苦戦を続けていたが、やっと掲示板圏内に食い込んでくれた。 鞍上の伊藤工騎手は、「スタートで立ち遅れたけど、最初からいつも通りの競馬をしようと思っていた。体がキッチリできていて具合も良かったから、直線では一瞬伸びかけたけど、内から馬が出て来た時にヒルんでしまったのが応えたね。」とコメント。 今回も勝ち馬から差があっただけに、今後も見通しが明るいとまでは言えないが、今後の更なる奮闘を期待したい。

●前走の平場戦で５着となり、９ヶ月ぶりに掲示板に上がったデステニーアロー。ここにきて調子が上がっている印象で、今回は更に前進していきたい。前走よりメンバーが強化されているが、前走以上の走りを期待。１番人気は、近３走平場戦を２着，２着，３着としているサクラナスカで単勝3.1倍。５走前には500万平場勝ちのある馬。２番人気は、近３走平場戦を２着，８着，２着としているサクラサクラサクラで単勝3.3倍。デステニーアローは、単勝206.0倍の最低人気。前走入着を果たしていることを考えれば、あまりにも評価が低い印象だが、再度実力を発揮できれば上位食い込みもないとは言えないはずだ。

〃

　 レースでは、デステニーアローはスタートは悪くなかったが、出脚はひと息で、手綱を押して行くものの後方から。サクラサクラサクラが好発ですっと１馬身リードで先頭。内プリティスターが２番手で、１馬身差で中ショウナンタイリンが３番手だが、これにサクラナスカなど内外から４頭が並んできて混戦模様。デステニーアローは、ここから５馬身後ろの後方３頭の外で、この３頭は２馬身半置かれた形になっている。３角では、今度はプリティスターが僅かに先頭で、半馬身差でサクラサクラサクラが２番手。更に半馬身差で大外サクラナスカがじわっと押し上げる構えだが、このあたりは固まっている。３分３厘では、デステニーアローは後方３頭目まで順位を上げているが、押っつけながらも前との差は詰まっていない。４角では、プリティスター，サクラサクラサクラ，サクラナスカの３頭並んでの先頭争い。１馬身半差でワンズガーホッド，アームズトウショウの４番手争い。後方３頭目のデステニーアローは、先頭までは７馬身差で少し外に持ち出して行く。その１馬身直後からはキタサンハナミチが追い込み態勢で直線へ。

　直線に向くと、サクラサクラサクラとサクラナスカの２頭の叩き合い。残り１ハロンでは、その後ろ１馬身半差でワンズガーホッド，更に１馬身半差で大外ショウナンタイリンなどの４番手争い。デステニーアローも、後方から徐々に末脚を加速させてくる。ラスト150ｍで、サクラサクラサクラが競り勝って先頭で、ラスト50ｍでは3/4馬身抜け出す。３番手ワンズガーホッドに、半馬身差でショウナンタイリンが詰め寄る。更に間首差でトゥインクルスノーなど、３着争いは接戦に。そこにゴール前で猛襲してきたのは後方待機のデステニーアローとキタサンハナミチ。デステニーアローは、キタサンハナミチには僅かに伸び負けたが、最後はどっと雪崩れ込んだ３着争いの一角に食い込んでのゴール。結果は、３着のショウナンタイリンから鼻，頭，首差の６着。トゥインクルスノーとは同着だった。惜しくも掲示板を逃したデステニーアローだが、勝ち馬からの着差は僅かに２馬身。メンバーもなかなか手強かっただけに、６着同着とは言え、これだけの競馬ができたのは大いに評価していい。 鞍上の竹之下騎手は、「連闘でしたが、前走より落ち着きがあっていい状態でした。メンバーは強化されていましたが、それでもしっかり差を詰めてくれたし、展開と相手次第ではチャンスがありそうです。」とコメント。 今回は内容的には前走の５着以上のもの。確実に調子も上がっており、今後の活躍が楽しみになってきた。

●札幌の平場戦では６着だったデステニーアロー。掲示板こそ逃したが、勝ち馬から２馬身程度とそれほど着差はなく、しかも前回５着入着に続いての走りだっただけに、ここにきて掲示板圏内に十分食い込めるところまできた感がある。しかしながら、続く福島戦では見せ場なく１０着に終わっているだけに、今度はなんとか巻き返したい。１番人気は、デビュー２戦目で未勝利を勝ち上がった後、500万下平場戦でも４着，２着と上位争いをしているシルバーキセキで単勝1.7倍の断然人気。前走も首差の惜敗で、今度こそと勝利を狙ってきている。２番人気は、地方交流レース３着の後、平場戦を２着，３着，２着と確実に上位争いをしているショウナンタイリンで単勝4.3倍。デステニーアローは、単勝97.5倍の９番人気。上位人気馬はなかなか強力だが、展開が嵌れば肉薄するシーンがあるかもしれない。

　 レースでは、デステニーアローは無難なスタートで、手綱を押して行くものの、元々前に行ける馬ではないだけに中団後ろの位置。ショウナンタイリンがぐいぐい手綱をしごいて先頭に出てくるが、半馬身差で外アムネリスとウインライラの２番手争い。これに１馬身1/4差で内からキクノアルバが４番手の順。ここから３馬身後ろの中団外に人気のシルバーキセキ。デステニーアローは更に１馬身半後ろを追走しているが、３角からじわっと差を詰めて行く構え。３角過ぎでは、好位を追走していたウインライラが故障発生で競走中止の不運に見舞われる。３分３厘では、先頭は依然としてショウナンタイリン，更にそれぞれ半馬身間隔でキクノアルバ，アムネリスの順。４角では、その後ろは２馬身と少し差があってマンガンオトメが４番手だが、その外にシルバーキセキが並んでくる。これに１馬身差でノアラインが続き、デステニーアローは更に２馬身後ろの中団だが、直線向く時に幾分外に膨れようにまた少し差が開く感じになって直線へ。

　直線に向くと、先頭ショウナンタイリンに、外から首差に並んでくるキクノアルバの叩き合い。アムネリスは3/4馬身遅れて３番手だが、残り１ハロンでは、その１馬身外の４番手争いからシルバーキセキがじわじわ脚を伸ばしてくる。デステニーアローは、更に２馬身半後ろの７番手あたりの大外で、末脚を伸ばして来てはいるが、勝ち負けまでは厳しい態勢。ここからショウナンタイリンが二の脚を発揮し、ラスト100ｍでは3/4馬身のリード。２番手キクノアルバに、１馬身差で外シルバーキセキがアムネリスをかわして前に迫る。２馬身半後ろの５番手ノアラインを、3/4 馬身差で外からデステニーアローがかわしにかかり、掲示板圏内に食い込みそうな態勢に。ここからは、先頭ショウナンタイリンにキクノアルバが並びかけるところ、外からシルバーキセキが襲いかかって、最後は３頭まったく並ぶ態勢となったが、シルバーキセキがゴール寸前で首差捉えての差し切り勝ち。デステニーアローは、ラスト50ｍでノアラインをあっさりかわして５着でのゴール。４着のアムネリスまでは１馬身半の差があった。勝ち負けの争いには食い込めなかったが、よく頑張って５着まで食い込んだデステニーアロー。現状では精一杯に近い走りではあったが、上位馬たちがなかなかの実力馬だっただけに、ある程度評価できる内容と言っていい。鞍上の宮崎騎手は、「中団あたりからよく伸びてくれましたが、最後は内にモタれてしまったんです。真っ直ぐ走っていれば、もう少し差は詰まっていたと思います。」とコメント。これからも是非頑張って上位争いに食い込んできてほしい。

●前走の平場戦で５着と巻き返してきたデステニーアロー。現状では入着ラインあたりの着順が多いが、徐々に着差の少ないレースができるようになってきて、前走以上の走りを期待したい。今回は連闘となる。１番人気は、５走前に現級勝ちの実績があるワンダーキラメキで単勝1.6倍の断然人気。ここ２戦こそ９着，５着とひと息の結果に終わっているが、その前は確実に勝ち負け以上の競馬をしていた馬。２番人気は、近３走平場戦５着，特別戦５着，平場戦１０着のヴィーヴァサルーテで単勝8.1倍。デステニーアローは、単勝42.1倍の１０番人気。１番人気のワンダーキラメキは確かに強力だが、それ以外の馬たちとはそれほど力量差があるとは思われない。末脚が生きる展開になれば、見せ場以上のレースまで期待していいはずだ。

　 レースでは、デステニーアローは、この馬としてはかなりいいスタートを切り、手綱を押しながら中団あたりに取りつく。広がった争いから、メイショウヴァルナがじわっと先頭に出る構えだが、これに半馬身差で内外５頭が広がっているが、この争いの最内がワンダーキラメキ。ここからホーマンルッツが手綱をぐいぐい押して先頭に並んでくる。半馬身差でワンダーキラメキとローズバレーの３番手争い。デステニーアローは中団やや後ろの位置だが、まったくの一団の状態のため、先頭まで３馬身半とそれほど差はない。３角では、デステニーアローは持ったままで、手応えよく追走している。３分３厘では、依然としてホーマンルッツとメイショウヴァルナの先頭争いで、3/4馬身差でローズバレーが３番手。内々ワンダーキラメキは５番手でじっと手綱を抑えたままで、先頭まで１馬身半差といつでも前を捉えられる位置。４角では、ここでもデステニーアローは持ったままで、直線の末脚にすべてを懸ける。先頭から５馬身差で、上位食い込みを狙える位置で直線へ。

　直線に向くと、メイショウヴァルナが単独先頭に出るが、すぐに外側からワンダーキラメキが差を詰めてきて、残り１ハロンでは先頭まで3/4馬身差。デステニーアローは、追い出されてから徐々に脚を伸ばしてきて、ワンダーキラメキに２馬身半差の７番手あたり。先頭争いは、メイショウヴァルナにワンダーキラメキが並びかけての叩き合いとなったが、ラスト100ｍでワンダーキラメキが競り勝って先頭。３番手にヴィーヴァサルーテ。ラスト80ｍで、デステニーアローはホーマンルッツをかわして５番手に上がるが、大外から追い込んだシャフツレディにかわされて６番手に。３番手に押し上げたスターリバイバルとは同じ脚色で、最後５番手に下がったヴィーヴァサルーテに半馬身差の６着でのゴール。３着からの差は僅か１馬身で、それだけに掲示板を逃してしまったのは残念だった。 鞍上の宮崎騎手は、「最後は切れる脚を使ってくれますし、テンにもう少しでも前に行ければいいんですが…。」とコメント。 それでも、直線入口では手応えもよく、少しずつではあるが力をつけている印象。今の体調を維持できれば、勝ち負けまで食い込んでくるチャンスもあるはずだ。

●前年暮の小倉の平場戦で勝ち馬から３馬身差の６着だったデステニーアロー。惜しくも掲示板は逃したが、３着馬から首，首，半馬身の差のない競馬。その前の平場戦５着と併せて考えると、安定感を身に着けてきた感もあった。しかしながら、年が明けてからの平場戦は、１１着，１１着，８着，１３着と振るわず。ここにきて厳しくなってきた印象があるが、今回は地方交流戦だけに、何とか変わり身を見せてほしい。１番人気は、近６走平番戦を３着，７着，７着，６着，５着，６着という成績のＪＲＡのウインルナで単勝2.2倍。この近６走は、いずれも勝ち馬から0.7秒以内の差と、常に差のない競馬を続けている。２番人気は、デビュー４戦目の未勝利戦を勝ち上がった後、続く昇級戦の特別では６着だったＪＲＡのトウショウノーヴァで単勝4.8倍。デステニーアローは、単勝35.8倍の７番人気。評価は低いものの、嵌まった時は驚くような好走を見せることがある馬だけに、密かに逆転を狙っていきたい。

　 レースでは、デステニーアローはスタートが少し甘く、の後ろ目の位置に。地元北海道のグレンチェックが先頭に立ち、3/4馬身差でワガミチヲイクが２番手。１馬身差でミスティックダイヤとトウショウノーヴァの２番手争い。その後ろ１馬身差で人気のウインルナは５番手からの競馬。デステニーアローはその３馬身後ろの後方３，４番手の争いの内で、前の集団からは少し間隔が開いている。３角では、先頭〜４番手のトウショウノーヴァまではそれぞれ半馬身の間隔。これにウインルナも手応えよく差を詰めてくる。３〜４角の中間では、デステニーアローも手綱を動かしながら、差を詰めようという構え。４角では、グレンチェックがまだ先頭だが、外から首差にミスティックダイヤが詰めにかかる。ウインルナは手綱を持ったまま虎視眈々。前の６頭が２馬身半の圏内でまったくの一団だが、インからようやく差を詰めてきたデステニーアローが、先頭から３馬身差の位置まで押し上げる。直線入口から、ウインルナが満を持して追い出しにかかって直線へ。

　直線に向くと、内ラチ一杯を回ってコーナーワークの差で先頭グレンチェックがまたリードを取るが、外からウインルナがじわじわ追い上げてくると、残り１ハロンでかわして先頭に。ラスト150ｍではウインルナが１馬身半抜け出し、２番手グレンチェックをミッドナイトボーイとミスティックダイヤがかわしにかかる。その後ろ２馬身差でデステニーアローが５番手に上がってくるが、外からメリトゥムがぐいぐい追い込んでくる。ここからデステニーアローとメリトゥムの２頭並んでの５番手争いの叩き合いに。勢いではメリトゥムの方がまさっていて、一旦は半馬身ほどかわされたが、ここからはデステニーアローも渋太さを発揮してまったく譲らず盛り返す。ここから２頭でじわじわ差を詰めて、ラスト50ｍでグレンチェックをかわすと、最後はデステニーアローがメリトゥムとほとんど同時の態勢に持ち込んでの４番手争いのゴール。まったく２頭並んだ際どい態勢だったが、デステニーアローは惜しくも鼻差及ばず５着。それでも最後は３着のミスティクダイヤとの差を１馬身差まで詰めていた。先頭ウインルナは、４馬身差の圧勝だった。もうひとつパンチ力が足りなかったデステニーアローだが、それでも自分の力は発揮して上位に食い込み。末脚が決まる展開になれば、更に上位の走りも期待できる手応えを掴んだ。今後も地方交流で戦っていくという選択も悪くないだろう。

●前走北海道の地方交流戦で５着だったデステニーアロー。何とか入着は果たしたが、今回はＪＲＡでの一戦だけに、前走とは違って厳しい戦いになるのは間違いない。１番人気は、近５走で２着１回，３着２回，４着１回と安定した走りを見せているピースオブキングで単勝1.7倍。２番人気は、1000万クラスから降級して、ここまで500万下平場を２戦して６着，３着としているセトノジャーニーで単勝4.5倍。現級勝ちの実績は侮れない。デステニーアローは、単勝97.2倍の９番人気。まったく人気はないが、展開が向くようなら上位食い込みの可能性もないとは言えないはずだ。

　 レースでは、デステニーアローはスタートはまずまずだったが、加速の速い馬ではないだけに、徐々に後ろに下がる形に。まず、トレボーネ，アローランサン，セトノジャーニーの３頭の先頭争いだが、この争いからアローテンザンが下がると、これに外からウインガルーダが並んできての３番手争い。１馬身半差でピースオブキングが追走する。３角では、３馬身遅れてテンペスタがポツンと追走し、その後ろ２馬身半差でデステニーアロー以下は固まっている。しかしながら、３〜４角の中間では、デステニーアローもじわっと差を詰めにかかる。４角では、トレボーネが半馬身リードで先頭キープ。セトノジャーニー，ウインガルーダの２番手争い。３馬身差でアローランサンが４番手。２馬身差でピースオブキングは５番手で、ややバラけた態勢となっている。デステニーアローは更に２馬身後ろで、じわじわとだが追い上げ態勢で直線へ。

　直線に向くと、トレボーネが単独先頭に立って、１馬身差でセトノジャーニーが２番手，更に１馬身差でウインガルーダが３番手。残り１ハロンでは、その後ろは３馬身差があって、人気のピースオブキングはまだ４番手。その１馬身半後ろの横に広がった５番手争いの真ん中にデステニーアローが突っ込んでくる。大外からはテンペスタの追い込み。ここからデステニーアローとテンペスタの２頭は、ピースオブキングと同じような脚色で伸び脚を発揮すると、ラスト50ｍで一杯になったウイングルーダをかわしての４番手争いに。何とか４着に食い込みたかったデステニーアローだが、テンペスタに首差競り負けて５着でのゴール。それでも、最後までなかなかの伸びを見せて、掲示板をしっかり確保。ＪＲＡのレースで掲示板に上がったのは前年１２月以来のこととなった。鞍上の菅原隆一騎手は、「パドックでは少しカリカリしていたんですが、レースに行けば問題なかったです。連闘で1000ｍでも手応えは良かったんですよ。今は具合がいいんだと思います。」とコメント。現状ではパンチ力は足りないが、ＪＲＡのレースでもまだまだ上位食い込みできる力のあることを示してくれた。

●前走の平場戦で５着に食い込み、久しぶりのＪＲＡでのレースでの入着となったデステニーアロー。勝ち切るまでの競馬は望み辛いが、引き続き上位食い込みを期待したい。１番人気は、未勝利を勝ち上がった後、500万下平場戦を６着，３着，５着と大崩れのないニューユニヴァースで単勝3.7倍。２番人気は、名古屋競馬からＪＲＡに転入し、転入後平場戦を１２着，５着，３着と成績を上げてきているゼニスパワーで単勝4.5倍。デステニーアローは、単勝76.4倍の１０番人気。相変わらず人気は低いが、前走同様の走りなら、見せ場を期待していいはずだ。

　 レースでは、デステニーアローは出脚が鈍く、手綱をしごいて行くものの後方２頭目の位置。スタートから１ハロンを過ぎたところでも、４頭が並んでの先頭争いはとなっているが、その中からショウグンエースとフェアユースの２頭がじわっと出てくる。デステニーアローは最後方の位置になり、先頭までは１０馬身の差があるが、３角にかかっても手綱を抑えたままで、最後の末脚に賭ける作戦か。３〜４角の中間でも、ショウグンエース，フェアユースの先頭争いが続き、この２頭で後続に２馬身差をつけている。３番手争いは、外からワイズドリームがじわっと押し上げてくる。４角では、先頭から３馬身差の５番手にテンペスタが押し上げ、これに１馬身差の内に人気にニューユニヴァース。デステニーアローは最後方のまま、先頭まで８馬身差の位置からラストスパートをかけて直線へ。

　直線に向くと、フェアユースが単独先頭に抜け出すが、これに外から並んでくるワイズドリームが、残り１ハロンでこれをかわして先頭に。先頭から１馬身半差の３番手からテンペスタが差してくる。デステニーアローは混戦馬群の中を突いてくるが、先頭まではまだ差がある。ラスト100ｍからは、ワイズドリームとテンペスタの２頭の叩き合いとなるが、ラスト50ｍで競り勝ったテンペスタが半馬身リードで優勝。ラスト100ｍの時点では、先頭争いの３頭から４馬身差があってゼニスパワーが４番手で、これに１馬身半差で中を突いたデステニーアローが突っ込んできている。大外からは同じような勢いでサイカニアの追い込み。デステニーアローとサイカニアの２頭は、ラスト50ｍでゼニスパワーを捉えたが、更に勢いを増したサイカニアに、デステニーアローは１馬身半突き放されてのゴール。それでも、ゼニスパワーを首差抑え込んで、前走に続いての５着入着を確保した。現状ではこれが精一杯なのかもしれないが、よく頑張っていると言っていいだろう。鞍上の菅原一騎手は、「ロスのないよう内々を回り、直線もうまくスペースを見つけて伸びてくることができました。体は減っていたけど、前走より状態は良く感じたし、こういう競馬を続けられれば。」とコメント。菅原一騎手は、この年２年目で未だ未勝利だけに、何とか勝利をプレゼントしたいところだったが、現状のデステニーアローでは、勝利を挙げるまでは厳しいかもしれない。

●前年８月の札幌開催の平場戦で５着となり、これで２戦連続の掲示板確保となったデステニーアロー。しかしながら、その後は８着，６着，７着，１１着，９着，８着と掲示板圏内には食い込めず、そろそろ頭打ちなのかという空気が濃くなってくる。更に年が明けてからも９着，８着という結果だったが、それでも前走は勝ち馬から0.6秒差と大きくは負けていない。引き続き厳しい状況なのは間違いないが、前走からの更なる上積みを期待したいところ。１番人気は、近３走４着，３着，２着と確実に上位争いをしているサクラデスティニーで単勝3.0倍。２番人気は、前走の平場戦で鼻差２着と健闘したワイキキブリーズで単勝3.2倍。デステニーアローは、単勝156.5倍の最低人気。かなり評価は低いが、展開がはまるようなら、ゴール前で突っ込んでくるシーンも、可能性がないとは言えないはずだ。

　 レースでは、デステニーアローはなかなかの好スタートを切るが、手綱をしごいて行くものの、元々ダッシュの利く馬ではないだけに、徐々に後方に順位を下げる。内からフラッパーミクが僅かに先頭。半馬身差でぐいぐい手綱をしごいて人気のサクラデスティニー。間首差でプリンセスネージュも先行争い。デステニーアローは、先頭から６〜７馬身差の後方３頭目の位置。３角では馬群も少しバラけて、デステニーアローは先頭まで１０馬身ほどの差に。３〜４角でも後方３頭目の位置だが、周りに他馬はなくポツンと追走。手応えも悪くなく、いいリズムでレースを進めてはいる。先頭はフラッパーミク，3/4馬身差でプリンセスネージュが僅かに２番手。外首差でサクラデスティニー。これに１馬身差でホクザンアロマが４番手で、ここまでが先団を形成。その後ろは２馬身半の差があるが、４角では５番手以下の馬たちも差を詰めてくる。フラッパーミクが終始先頭をキープ。3/4馬身差で２番手はサクラデスティニーなど３頭が並んでくる。デステニーアローは、後方３頭目のあたりの大外に持ち出し、先頭まで７馬身差の位置から渾身の追い出しにかかって直線へ。

　 直線に向くと、フラッパーミクが内ラチ一杯を１馬身半リードで先頭。外ホクザンアロマが２番手に上がってくる。サクラデスティニーは伸びがひと息。後方デステニーアローも末脚を繰り出して、残り１ハロンでは先頭まで５馬身近い差の中団大外。その半馬身内側からクリスリリーも突っ込んでくる。ラスト100ｍで、先頭フラッパーミクは、２馬身リードで押し切り態勢。２番手にホクザンアロマが粘っているが、更に１馬身1/4差で７〜８頭が横に広がり、デステニーアローもこの争い。この中から出て来たのがクリスリリーとデステニーアロー。デステニーアローは、前にいたドナリサを競り落とし、ゴール前でホクザンアロマも捉えたが、同じような脚で伸びたクリスリリーに首差及ばず３着でのゴール。４頭が接戦の２着争いだったが、デステニーアローは、500万クラスでは過去最高着順をゲットした。もう限界かとも思われていたが、ここにきて調子も上がっていたのか。鞍上 の宮崎騎手は、「デキが良くなっていたこともありますが、適度に時計がかかる馬場が良かったんだと思います。」とコメント。再び光明を見出しただけに、これからまだ頑張っていけそうだ。

●前走の小倉の平場戦で、９走ぶりに掲示板圏内に食い込んだデステニーアロー。もう限界かとさえ思われていた中で、２着馬に首差の走りができたことで、希望はつながった。上昇機運に乗って、今回も上位食い込みを目指す。１番人気は、近２走平場戦を３着，５着としているラフアウェイで単勝2.8倍。２番人気は、近２走平場戦を２着，９着，３着としているミエノグレースで単勝3.6倍。デステニアローは、単勝54.9倍の１１番人気。前走の好走にもかかわらず評価はあまり上がっていないが、展開がはまれば直線一気の差し脚が決まる可能性は十分にあるはずだ。
　

　 レースでは、デステニーアローはスタートは五分に出て、少し手綱を押して中団の位置につけていく。広がった先頭争いから、芝からダートに入って、内から僅かに人気のラフアウェイが先頭。これに半馬身差で５頭が１馬身半の圏内に固まっている。この中にはブランシェールなどがいる。その３馬身半後ろの固まった後方グループの外を追走するデステニーアロー。３角では、その後ろはバラバラで、３馬身間隔が開いてミエノグレースは後方３番手。３〜４角の中間でも、デステニーアローは先頭から６馬身差の位置だが、手応えは悪くない。ラフアウェイが終始先頭だが、ブランシェールとブランシングレディの２頭が、外からじわっと差を詰めてくる。４角でも、デステニーアローは中団の後ろの位置で、先頭までは６馬身差。真ん中からぐいっと大外に持ち出して行って直線へ。

　 直線に向くと、ラフアウェイが逃げ込みを図り、3/4馬身差でブランシェールが２番手。１馬身半差でカノヤキャプテンとヴィクトリーマーチの３番手争い。デステニーアローは、更に２馬身半後ろで、中団の争いの大外から脚を伸ばしてくる。突き放しにかかったラフアウェイは、残り１ハロンで２馬身半のリード。ラスト150ｍで、ヴィクトリーマーチがブランシェールをかわして２番手に。その後ろは２馬身差があって、４番手争いは大混戦。デステニーアローもこの争いに加わってくる。この４番手集団から、デステニーアローを含む５頭が横に広がって、３番手ブランシェールに迫ってくる。この差し馬勢の中で末脚でまさったのが後方待機のミエノグレース。最後はこの５頭が、３番手ブランシェールにどっと並びかけたところがゴール。デステニーアローもこの３着争いの一角だったが、３着ミエノグレースから首，首，首差の６着。ブランシェールは捉えたものの、あと僅かというところで、惜しくも掲示板を逃してしまった。それでも、内容的には悪くなく、今後も好勝負できる予感。展開さえはまるなら、再度の上位食い込みも十分可能だ。

●３月の中京戦で、６着ながら３着から首，首，首差の僅差の勝負をしたデステニーアロー。その後の２戦は６着，１０着だが、展開さえ向けば最後に突っ込んでくる可能性のある馬。今回も上位食い込みのチャンスはあるはず。１番人気は、近５戦連続入着で、うち２着が３回という活躍を見せているフレイヤで単勝3.4倍500万クラス勝ちの実績のある馬。２番人気は、近４戦で２着２回，３着１回と実力を見せているウネントリッヒで単勝4.2倍。この馬も500万クラス勝ちの実績がある。デステニーアローは、単勝162.5倍でブービーの１５番人気。今回は上位人気馬はなかなか強力で、デステニーアローの人気が低いのはやむを得ないが、常に波乱を演出可能性を秘めている馬だ。

　 レースでは、デステニーアローは頭を上げてのスタートとなってしまい、ダッシュは鈍くすぐに抑えて殿りあたり。レッツマンボウが先頭に立って、外半馬身差でトウケイカガヤキが２番手。3/4馬身差で外ウネントリッヒ，半馬身差で内フレイヤ，大外フレンチミシルなどが固まっている。デステニーアローは、後方２頭目にひとつ順位を上げるが、先頭までは７〜８馬身の差がある。それでも、３角からデステニーアローは大外をじわっと押し上げて、３〜４角では中団後ろに近い位置まで接近。４角では、レッツマンボウが依然先頭で、半馬身差でトウケイカガヤキとウネントリッヒの２番手争い。更に半馬身差で大外フレンチミシル。デステニーアローは、中団後ろの外目で、先頭までは５馬身差まで詰めて来て直線へ。

　直線に向くと、ウネントリッヒが先頭に出るが、内半馬身差で食い下がるレッツマンボウ。残り１ハロンで、１馬身差でフレンチミシルが３番手。ここから４馬身差の位置にデステニーアローだが、大外テングジョーの方に半馬身先に行かれてしまう。それでも、ラスト150ｍからデステニーアローも渋太い末脚で追い込んでくる。ウネントリッヒが一頭抜け出して勝負を決める。２番手レッツマンボウに、3/4馬身差でフレンチミシル以下が固まって差を詰めて来て、２着争いは大激戦。デステニーアローは、テングジョーと同じ脚で大外から追い込む。最後は７頭固まっての２着争いとなったが、デステニーアローは僅かに態勢不利で８着でのゴール。２着に入ったフレンチミシルからの着差は僅か１馬身。着差を考えると、８着という着順はいかにも口惜しいが、それでもよく頑張っていたと言える内容。スタートが決まって、更に前が止まる流れであったら、「あるいは勝ち負けも」と思わせる内容ではあった。今後も伏兵として目が離せない存在だ。

●春の福島戦で、８着ながら５着馬から半馬身差の８着だったデステニーアロー。着順はもうひとつだったが、差のない競馬ができる力は示してくれた。続く前走の新潟戦は１０着に終わったが、展開さえ向くようなら、掲示板圏内に食い込んでくる可能性は十分にある。１番人気は、1000万下平場３着，特別戦２着と上のクラスでも勝ち負けの競馬をしているマイディアソングで単勝1.6倍の断然人気。降級戦の今回は、不動の中心馬。２番人気は、前走昇級２戦目の平場戦で半馬身差の２着と力を見せたナイキトリックで単勝3.8倍。デステニーアローはまったくの人気薄で、単勝219.1倍の最低人気。掲示板圏内がギリギリと見られているだけに、この評価も致し方ない。しかしながら、今後も展開次第で軽視できない馬になっていくはずだ。

　 レースでは、デステニーアローはスタートなかなか良かったが、すっと後方に控える形。内からナイキトリックがポンと１馬身半のリード。マイディアソング，グランデワイルド，アドマイヤアジナの３頭の２番手争い。デステニーアローは最後方の争いで、先頭までは８馬身差の位置だが、３角では内からじわっと後方３頭目に順位を上げて、このあたりは手応えもいい。３〜４角の中間では、ナイキトリックが半馬身リードで先頭。２番手グランデワイルドで、前４頭が一団。４角では、グランデワイルドが先頭に並んで行く。１馬身半差でマイディアソングが３番手。その後ろ２馬身遅れを取ったアドマイヤアジナ。後方内ラチ沿いのデステニーアローは、先頭まで７馬身差があるが、ここからスパート態勢で直線へ。

　直線に向くと、グランデワイルドの伸び脚が良く、残り１ハロンでナイキトリックを競り落として単独先頭。１馬身差で外３番手からマイディアソングが追ってきて、ラスト150ｍでは２番手に上がる。ラスト100ｍでは、２馬身半差でナイキトリックとオンワードセジールの３番手争い。１馬身3/4差で外テングジョウ，半馬身差で中クレバーアポロ，更に半馬身差で内デステニーアローはまだ７番手。それでも、デステニーアローはここからグーンと伸び脚を発揮し、一杯になったナイキトリックを一気に抜き去ったが、クレバーアポロには首差及ばず６着でのゴール。もう少しで掲示板というところだったが、今回も惜しくも入着はならず。それでも、展開次第でこれからも上位食い込みのチャンスはあるはずだ。

●種牡馬として北海道で繋養されていたウイングアローだったが、繁殖牝馬の質にも恵まれなかったこともあり、Ｇ１３着のサイレントエクセルなどの活躍馬こそ出したものの、シンジケートは解散となり、青森に移動することとなった。そして、青森の地で、細々とながら種牡馬生活を続けることに。青森に移動してからの初年度産駒は３頭。いずれも(有)フォレブルーの生産馬でもあり所有馬で、岩手競馬でデビューすることとなる。その内の一頭トーホクアローは、２歳６月にデビュー。新馬戦は８着で、その後の２戦は３着，６着という成績。３着だった時も、勝ち馬からの差は１３馬身と、内容的には振るわなかった。そのトーホクアローだが、デビュー４戦目の今回、相手関係もあって初勝利のチャンスが巡ってくる。単勝2.6倍の１番人気の支持を受け、2009年生まれの世代の勝ち馬第一号を目指す。２番人気は、前走の新馬デビュー戦では５着だったダイヤモンドタクトで単勝3.7倍。３番人気は、デビューからの全４戦を９着，４着，７着，９着のシルクマイハートで単勝4.0倍。前走９着のレースでは、６着のトーホクアローの方が先着している。全国的にはあまり注目されることのない一戦ではあっても、かつてサイレントエクセルが輝いていたこの岩手の地で、ウイングアロー産駒の輝きが健在であることを示してほしい。

３着

　直線に向くと、シルクマイハートとトーホクアローの２頭が抜け出してきての先頭争い。この２頭の叩き合いから、残り１ハロンでトーホクアローがあっさり競り勝って単独先頭に抜け出してくる。ここから力強い伸び脚を繰り出して、ラスト100ｍでは２馬身抜けて勝負あり。シルクマイハートが２番手だが、その２馬身後ろからモエレアツヒメが差を詰めるてくる。ラスト50ｍでは３馬身リードでトーホクアローが圧勝態勢。最後にモエレアツヒメが完全に２番手に上がったが、トーホクアローは危なげなく３馬身差をつけて嬉しい初勝利のゴール。現２歳世代のウイングアロー産駒の初勝利となった。さすがにこのメンバーでは力が違っていた。２歳世代のウイングアロー産駒の他の２頭は、ともに岩手で今のところ未勝利だが、是非ともトーホクアローに続いてほしい。これからまだまだウイングアロー産駒の勝利を見てみたい。

●デビュー４戦目の未勝利戦で、直線素晴らしい伸び脚を繰り出して３馬身差楽勝で初勝利を挙げたトーホクアロー。父ウイングアローが青森に移動してからの産駒の初めての勝利となった。続く芝のホープフル２歳戦では４着，更にダートのホープフル２歳戦では２着と上位争いを続けているだけに、当然２勝目にかかる期待は膨らむ。今回は２度目の芝でのレース。前々走の芝での走りも悪くなかったことから、ここでも十分チャンスはあるはず。１番人気は、目下４戦連続で２着，３着を続けるエトセトラで単勝1.7倍の断然人気。２番人気は、前走の新馬デビュー戦では首差２着だったキモンエンジェルで単勝4.1倍。トーホクアローは、単勝4.9倍の３番人気。上位人気馬の実力差はないだけに、もちろん勝利を狙っていく。

３着

　 直線に向くと、先頭キモンエンジェルに、外半馬身差にから詰め寄るエトセトラ。１馬身差の内々３番手のトーホクアローは、前が壁になっており、ここからじわじわ外に持ち出す。残り１ハロンでは、前の２頭が並ぶ態勢となってきたが、トーホクアローは、。外目に持ち出すしている間に前２頭から２馬身と差が開いてしまう。しかしながら、ここからエンジン全開のトーホクアローは、ラスト100ｍで先頭２頭に半馬身差まで詰め寄っての優勝争いに。ここからエトセトラも伸び脚を発揮して単独先頭に抜け出してきたが、これを更に外からトーホクアローが追い詰めると、ゴール寸前でエトセトラをギリギリ頭差捉えての差し切り勝ちのゴール。トーホクビリーヴは、４着争いに鼻差競り負けて５着だった。嬉しい２勝目の勝ち鞍を挙げたトーホクアロー。ダートに活躍が集中しているウイングアロー産駒だが、トーホクアローは芝でも勝利を挙げ、ダート・芝兼用であることを示してみせた。これからは、より強い相手との戦いとなり、いよいよ真価が試されることとなる。それでも、トーホクアローならかなりの活躍を期待していいはずだ。

●１０月の芝の２歳ホープフル戦で２勝目を挙げたトーホクアロー。続くダートの２歳戦では、直線内で進路が狭くなって、脚を余した形での２着に終わる。そして今回の２歳戦は、かなりのハイレベルのメンバー。ここで勝ち負けできるようなら、地方重賞での好勝負も見えてくる。１番人気は、近３走地方重賞の若駒賞２着，特別戦２着，地方重賞の南部駒賞５着としているエスプレッソで単勝1.1倍の断然人気。２番人気は、特別戦の若鮎賞でエスプレッソを２馬身半差下して優勝，地方重賞のジュニアグランプリ優勝後、前走の若駒賞では５着だったワタリドラゴンで単勝8.0倍。若駒賞敗戦の巻き返しに燃えている。トーホクアローは、単勝14.1倍の３番人気。地方重賞の活躍馬が相手で、トーホクアローにとっては今後の活躍を占う試金石の一戦となる。

３着

　直線に向くと、先頭ワタリドラゴンが２馬身リードで逃げ込みを図る。トーホクアローが内から単独２番手に上がり、残り１ハロンでは先頭を１馬身半差で追ってくる。エスプレッソは５番手で、先頭から４〜５馬身差で伸び切れない。ここからじわじわ差を詰めるトーホクアロー。内からラスト150ｍでは3/4馬身，100ｍでは半馬身差まで詰め寄ると、ラスト50ｍでついにワタリドラゴンを捉える。ここからグイッとワタリドラゴンを競り落としたトーホクアローは、最後は首差競り勝って優勝のゴール。エスプレッソは、少し差がある３着争いにまで詰め寄ってきたが５着に終わった。地方重賞勝ちの実績のあるワタリドラゴンを撃破したトーホクアロー。これはこの馬の大きな自信になる。現在岩手２歳最強と目されるのはアスペクトだが、トーホクアローもアスペクトに挑戦できる地位にまで徐々に上がってきた。

●１１月の２歳戦で勝利を飾って３勝目を挙げたトーホクアロー。実力馬のエスプレッソなど が相手の決してレベルの低いメンバーではなかっただけに、大いに評価していい内容だった。しかしながら、続く寒菊賞では、エスプレッソから３馬身差の４着に終わる。続く前走２歳Ａ級戦でも、ワタリドラゴンから１馬身3/4差の３着と、確実に上位争いはするものの、ここ２戦は少し足りないという着順に終わる。それでも、決して大きく負けているわけではなく、ここまでの走りを見る限り、地方重賞での十分上位争いをできるまでのレベルに達しているのは間違いない。そして今回、年が明けて の３歳世代の岩手最強馬を決める金杯に挑む。トーホクアローにとっても、これが地方重賞初挑戦となる。１番人気は、前走統一Ｇ１の全日本２歳優駿に挑戦して５着とＧ１入着を果たした岩手最強のアスペクトで、単勝1.0倍の元返しの人気。全日本２歳優駿では、最強のＪＲＡオーブルチェフから３馬身差と、着順だけでなく、レース内容も素晴らしいものだった。岩手では、目下地方重賞２勝を含む６連勝と、無敵の快進撃を続けている。２番人気は、前走特別戦の寒菊賞勝ちのエスプレッソで単勝24.3倍。地方重賞でアスペクトの２着になるなど、岩手ナンバー２の 地位にいる馬。３番人気には、人気薄だった寒菊賞でエスプレッソに鼻差の２着と健闘したウエディングサクラで単勝24.6倍。ここにきて急激に力をつけてきている。トーホクアローは、単勝54.1倍の５番人気。アスペクトの勝利はもう疑いようがないというムードだが、トーホクアローも、アスペクトは 別格としても、上位食い込みは十分狙える。大崩れのない差し脚は、ここでも大きな武器となって発揮されるはずだ。

３着

　 激戦の様相の直線の争いは、ファイトホーマーが１馬身リードで先頭で残り１ハロン。ウエディングサクラが２番手で、3/4馬身差でアスペクトもまだ３番手で踏ん張っていたが、外からトーホクアローがアスペクトをかわす。エスプレッソも伸びてはいるが、トーホクアローからは少し遅れている。ラスト100ｍでは、人気薄のファイトホーマーが、１馬身3/4差リードで押し切り態勢。 更に伸び脚を繰り出したトーホクアローが、ウエディングサクラをかわして２番手に上がって、先頭ファイトホーマーを懸命に追う。アスペクトはもう５番手まで後退 している。ここからの伸び脚がまさったのはトーホクアローだったが、先頭ファイトホーマーに3/4馬身差まで詰め寄ったところがゴールで２着まで。優勝したファイトホーマーは、単勝247.4倍のブービー人気。近３走も５着，６着を続けていた馬だが、この大一番でまさかの大激走だった。トーホクアローは、ファイトホーマーとの過去２度の直接対決でも、２度とも完全に先着している。今回強敵たちを撃破しているだけに、思わぬ伏兵の前に地方重賞制覇を逃したのは残念。それでも、地方重賞初挑戦で２着と、僅か３頭のウイングアロー産駒 明け３歳世代から、こうして活躍馬が出たのは感無量。これから冬休みに入るが、春からの３歳シーズンでの活躍が本当に楽しみになった。

●昨シーズン最終戦の地方重賞の金杯で２着と好走したトーホクアロー。３歳の今シーズンの活躍が大いに期待されることとなる。そして、シーズン緒戦の前走特別戦のスプリングＣでは４着。やや物足りなさは残ったが、一度レースを使われた今回は、大きな変わり身を期待したい。そして、トーホクアローが単勝1.7倍の１番人気に支持される。２番人気は、北海道から笠松へ移籍し、笠松では堅実なレースを続けていたテアトログレコで単勝3.4倍。岩手に移籍して、緒戦３歳Ｂ１戦を７馬身差圧勝している。３番人気は、前走３歳Ｂ１戦を４馬身差楽勝しているイルドフランスで単勝7.3倍。新興勢力は不気味ではあるが、トーホクアローはここでは負けられない。貫禄の勝利を演じて弾みをつけたい。

３着

　直線に向くと、残り１ハロンで、一杯に追い出されたトーホクアローがここから伸び脚を発揮。ラスト150ｍで、イルドフランスとアニーザスナイパーの先頭争いに、3/4馬身差でテアトログレコが３番手。これに半馬身差に迫って来たトーホクアロー。道中は苦しい手応えに見えたトーホクアローだったが、やはり追い出されてからは期待どおりの脚。ラスト100ｍでトーホクアローを含む４頭が並ぶ態勢になったが、この時点で既に勝負あり。あっさり先頭に立ったトーホクアローは、楽々と２馬身半抜けて完勝のゴール。ゴール前でテアトログレコが２番手に上がったが、トーホクアローが力の違いを見せつける勝利だった。今シーズン２戦目で確実に状態もアップ。岩手ダービー・ダイヤモンドＣに向けて、順調なステップで臨んで行けるはずだ。

●前走３歳Ａ級戦で２馬身半差の楽勝を演じたトーホクアロー。ややメンバーが軽くなっていたとは言え、一度レースを使われての確実な上昇ぶりが窺えた。今回は叩き３戦目で、いよいよ本領発揮の時か。今回の特別戦は、岩手ダービー・ダイヤモンドＣの前哨戦だけに、トーホクアローにとっても重要な位置付けのレース。そして、岩手ダービーの最右翼の存在と言われているロッソコルサが駒を進め、単勝1.3倍の断然人気に支持される。ＪＲＡ時代に500万特別入着があり、重賞にも２度出走している馬。前走のスプリングＣでは５馬身差圧勝と、モノの違いを見せつけている。トーホクアローは、単勝4.5倍の２番人気。４着だったスプリングＣでは、ロッソコルサに ６馬身近い差をつけられたが、当時とはデキ自体がまったく違っているだけに、どこまでこの差を詰められるか。３番人気は、前走の３歳Ａ戦ではトーホクアローの４着だったイルドフランスで単勝7.9倍。前走はシーズン緒戦で休み明けのレース。今回は大幅な上昇を示してくるはず。トーホクアローにとって、ロッソコルサは間違いなく難敵として立ちはだかる存在だが、打倒ロッソコルサへの手応えを何とか掴みたいところだ。

３着

　 直線に向くと、ロッソコルサが一杯に追い出しにかかって残り１ハロン。ラスト150ｍでは１馬身半とリードを開くが、２番手イルドフランスを外からかわしにかかるトーホクアロー。あっさり単独２番手に上がったトーホクアローは、ラスト100ｍではイルドフランスを３馬身も突き放すものの、ロッソコルサとの１馬身半差が縮まらない。ロッソコルサも渾身の力で追われて押し切り態勢。トーホクアローもじわっと差を詰めて、あともうひと押しが利くかと力が入ったが、１馬身差まで詰めたところでゴール。またしてもロッソコルサの前に敗れたが、前回 の対戦から大きく差を詰めて、着差は僅かに１馬身差の２着。ロッソコルサも余裕があった訳ではなく、トーホクアローが打倒ロッソコルサに手応えを掴んだ一戦となった。本番の岩手ダービー・ダイヤモンドＣでは、当然ロッソコルサ が難敵として立ちはだかるが、決して負かせない相手ではなくなってきたはずだ。

●前走岩手ダービーの前哨戦の七時雨賞で、最強のロッソコルサを１馬身差まで追い詰めたトーホクアロー。そして今回、待ちに待ったダービーの舞台を迎える。ここまで主役の座を務めることはなかったが、今回この大舞台で勝利を飾れば、岩手３歳最強の称号を得ることになる。１番人気は、そのロッソコルサで単勝1.3倍の断然人気。ＪＲＡ１勝の成績で岩手に移籍し、ここまで２戦２勝と実力を見せている。２番人気は、２歳時に岩手最強と言われたアスペクトで単勝3.9倍。統一Ｇ１の川崎の全日本２歳優駿で、直線見せ場を作る５着と健闘したほどの馬。その後は不振に陥り、冬場の南関東移籍でも結果を出せなかったが、前走岩手に戻った３歳Ｂ１戦を首差の僅差ながら勝利している。前走はメンバーが軽かったのは事実だが、今回本来の実力を発揮してくるようなら、もちろん強敵の一頭となる。これまで無敵だった盛岡競馬場で、復活を宣言するか。トーホクアローは、単勝5.8倍の３番人気。この上位３頭の争いと見られているが、鞍上の山本聡騎手にとっても、初の地方重賞のタイトル奪取を目指す一戦。東北に移動し、種牡馬としてはほとんど終わったとさえ見られているウイングアローだが、そのほんの僅かな産駒が大仕事を成し遂げるのか。期待は大きく高まり、注目の一戦となる。

３着

　直線に向くと、先頭アスペクトに、外からロッソコルサが並びかけての叩き合い。ラスト150ｍで、１５馬身差で３番手リアルサンボーイだが、外へ出したトーホクアローが、１馬身差の外から３番手を窺う。人気２頭のマッチレースにスタンドは沸いたが、ラスト100ｍを切ったところで、アスペクトがもう一度二の脚を繰り出して、ロッソコルサを突き放して、最後は２馬身差をつけて復活のゴール。トーホクアローは、最後に勝負根性を見せてリアルサンボーイを3/4馬身差し切ったが、３着でのゴール。２着のロッソコルサからは、約１３馬身の差があった。１，２着馬を負かせるだけの存在との評価だっただけに、この大きな着差をつけられたのは残念だった。それでも３着を死守した点は評価したい。この先、また条件が違えば、上位２頭に雪辱するシーンもあり得るはずだ。

●大一番の岩手ダービー・ダイヤモンドＣでは、二強から大差をつけられて３着に終わったトーホクアロー。残念な結果ではあったが、最後に３着を死守した勝負根性は評価したい。そして今回は、３歳Ａクラスの特別戦。二強のいないメンバー構成なら、負けるわけにはいかない。そして、トーホクアローが単勝1.5倍の断然人気に支持される。２番人気は、ダイヤモンドＣでトーホクアローに3/4馬身，半馬身差の５着だったエスプレッソで単勝4.1倍。地方重賞入着４回の実績のある馬。３番人気は、七時雨賞４着，Ｂ１戦６着としているイルドフランスで単勝8.2倍。元々実力のある馬だが、前走は意外な大惨敗だった。ダイヤモンドＣの二強に再び挑んで行くためにも、トーホクアローにとっては、ここで取りこぼすわけにはいかない。

３着

　直線に向くと、残り１ハロンで、大外ウエディングサクラが僅かに出て先頭。首差で中トーホクアロー，その内頭差でエスプレッソも差し返す。ライトマッスルは、先頭争いから僅かに遅れる。前３頭の激しいデッドヒートとなり、ここからまた勝負根性を発揮したのがトーホクアロー。ラスト100ｍでは、ウエディングサクラにトーホクアローが並んできて、ラスト70ｍでは差し返してトーホクアローが先頭。最後までこの３頭の争いが続いたが、トーホクアローが地力を見せて首差競り勝って優勝のゴール。内で食い下がったエスプレッソが、ゴール寸前でウエディングサクラを頭差かわして２番手に上がっていた。かなり苦戦したものの、人気に応える勝利を飾ったトーホクアロー。人気から考えると、もっと楽勝を期待したが、取りあえずは勝利を飾ったことを評価したい。これから更なる成長を期待したい。

●岩手ダービーのダイヤモンドＣ３着の後、３歳Ａ１の十薬レースで勝利を収めたトーホクアロー。しかしながら、続く３歳の特別戦で７着，芝の地方重賞オパールＣ７着，３歳Ｂ１特別戦６着と振るわなかった。その後は古馬相手のレースとなるが、ＡＢ１特別２着，Ｂ１特別を２着，３着，５着ともうひとつ精彩を欠く内容。同世代最強のロッソコルサが古馬一線級と勝ち負けの争いをしていることを考えると寂しい思いもあるが、ロッソコルサとの再戦で、なんとか一矢を報いたいところ。そして、ロッソコルサが単勝1.2倍の１番人気に支持される。岩手ダービーのダイヤモンドＣこそアスペクトの２着に敗れたが、前走の古馬相手の地方重賞の青藍賞で頭差２着となるなど、現３歳世代では別格の活躍をしている。２番人気は、ダイヤモンドＣの勝ち馬アスペクトで単勝7.2倍。その後はグレードレース２戦を含む４走連続で着外となっているが、気分よく実力を出し切れれば、ロッソコルサを打ち破れるだけの力は持っている。３番人気は、ＪＲＡ未勝利から岩手に移籍し、Ｃ２クラスを破竹の５連勝中のコスモブジーで単勝8.8倍。実績的には格下でも、まだ底を見せていない。４番人気は、Ｂ２，Ｂ１クラスを目下２勝２着２回と、近走は安定して実力を見せているユウキタカラオーで単勝9.6倍。ＪＲＡ時代は、未勝利で入着４回という馬。この４頭の他はオッズが大きく開いて、トーホクアローは単勝31.1倍の５番人気。春と比べてかなり評価が下がってしまっているが、ここで是非復活の走りを見せてほしい。

３着

　 直線に向くと、先頭ロッソコルサが一杯に追い出されると、じわじわリードを開きにかかって、残り１ハロンでは２馬身半のリード。２番手トーホクアローの外にユウキタカラオーが並びかけ、この２頭の激しい叩き合いに。ラスト100ｍで３馬身とリードを開いたロッソコルサは、この時点で勝負を決定づける。焦点は２着争いとなり、トーホクアローも一歩も譲らず、２着を死守しようと踏ん張っていたが、ゴール寸前でユウキタカラオーに首差競り負けて３着でのゴール。４着のファイトホーマーは、更に６馬身もの大きな差があった。今回もロッソコルサの牙城は崩せなかったトーホクアローだったが、近走の成績から見れば、十分健闘と言える内容。ロッソコルサから２馬身3/4差という着差は、この馬の実力がまだ健在だったことの証。できることなら、何とか２着を確保したかったが…。それでも、これで古馬になってからの活躍にも、希望の光が見えて来たはずだ。

●不来方賞では見せ場十分の３着と健闘したトーホクアロー。強豪ロッソコルサを負かしに行った分、最後は３着に落ちたが、岩手３歳ナンバー２と言っても過言ではない底力を見せてくれた。今回はダービーグランプリで、全国の地方３歳トップクラスが集結しての一戦。ロッソコルサ級のメンバーが集まって、トーホクアローにとっては相当に手強い相手が立ちはだかる。１番人気は、北海道のニシノファイターで単勝2.3倍。４走前に地方重賞の王冠賞を優勝，前走オープン特別も古馬相手に勝利している。南関東の重賞の平和賞，鎌倉記念勝ちの実績も光る。地元岩手のロッソコルサは、単勝3.2倍の２番人気。不来方賞で、念願の地方重賞のタイトルを奪取。古馬相手の重賞でも勝ち負けをしている実力馬。３番人気は、愛知のブライトシンプーで単勝5.7倍。前走地方重賞の岐阜金賞を勝ってここに駒を進めてきた。東海ダービー２着の実績もある。４番人気は、南関東のから参戦のショコラヴェリーヌで単勝7.2倍。４走前にはＧ２関東オークスで６着。２歳時には、東京２歳優駿牝馬３着という成績がある。５番人気は、金沢のアルドラで単勝9.7倍。前走地方重賞のサラブレッド大賞典を優勝。ＭＲＯ金賞４着，東海ダービー５着という馬。トーホクアローは、単勝59.2倍の９番人気。上位人気馬とは力の差があると見られているが、前走のロッソコルサとの着差を考えれば、差のない競馬ができても不思議はないはずだ。

３着

　 直線に向くと、先頭はロッソコルサで、半馬身差で内ニシノファイターが２番手で食い下がる。外ブライトシンプーが２番手を窺い、その後ろの中からアルドラも伸びて来る。ラスト100ｍで、ロッソコルサが半馬身リードでなんとか押し切り態勢だが、２着争いが３頭並んで来る。その後ろからトーホクアローも最後までじわじわ差を詰めたが、２着争いから１馬身半差の５着でのゴール。優勝したロッソコルサとの着差は、前走とほぼ同じだった。それでも、この強豪揃いの中でそれほど差のない競馬を演じたのは、健闘と言っていい。岩手３歳世代ナンバー２の地位を確実なものにしたと言っていいだろう。ロッソコルサの岩手転入もあって、地方重賞のタイトルは手にできなかったが、この３歳シーズン、岩手生え抜きの馬として本当によく頑張った。今後は古馬相手にも、重賞戦線で頑張ってほしい。

●ダービーグランプリで５着に入着したトーホクアロー。全国から集まった強豪たちの中で上位争いができたのは、大きな自信になった。しかしながら、続くＡ２特別では古馬相手に２馬身差の２着。今回はグランプリの桐花賞に駒を進めるが、古馬の加わった岩手トップクラスと好勝負できるようなら、明けて４歳になってからの活躍にも希望が膨らむ。その意味でも、今回は試金石となる一戦。１番人気は、ダービーグランプリの勝ち馬の３歳ロッソコルサで単勝1.6倍の断然人気。３走前の古馬相手の地方重賞の青藍賞で頭差２着となっているように、古馬相手でも上位の実力は証明済み。２番人気は、前走の北上川大賞典ではレコード勝ちのマイネヴィントに２着と敗れたコアレスランナーで単勝5.1倍。前年の桐花賞２着馬。その他、この年交流Ｇ３マーキュリーＣで５着入着を果たし、近走も地方重賞で２着，３着を続けるトーホクキングが３番人気。トーホクアローは、単勝28.9倍の６番人気。オッズ面ではやや差があるが、相手なりに走れるこの馬の渋太さを発揮できれば、上位食い込みのチャンスはあるはずだ。

３着

●現２歳世代のウイングアロー産駒３頭のうちの一頭トーホクビリーヴ。既にトーホクアローが勝利を挙げているが、是非ともそれに続きたい。トーホクビリーヴは,これまで３戦して６着，４着，そして最下位の７着という成績。それでも、前々走は２着馬から２馬身差の競馬で、メンバー次第では初勝利へのチャンスも見出せるはず。そして今回は、メンバー的にも軽くなって、人気を集める存在に。１番人気は、デビューからの全３戦を８着，６着，４着としているファインメッセージで単勝2.1倍。トーホクビリーヴは、単勝4.0倍の２番人気。３番人気は、全３戦を８着，５着，５着としているイナズマノキセキで単勝4.8倍。実力や実績もそれほど差のないメンバーだが、トーホクビリーヴにとっては願ってもないチャンスだ。

３着

　 レースでは、トーホクビリーヴはスタートは五分に出て中団から。人気のファインメッセージが先頭に立って１馬身のリード。ワタリエンゼルが２番手で、半馬身差で内イナズマノキセキが３番手。すーっと押し上げて行ったトーホクビリーヴが３番手の外に並んでくる。更に半馬身差で外にドクトルフリージアで、前の方は固まっている。３角にかかると、外から押し上げたドクトルフリージアが２番手に接近。トーホクビリーヴは先頭から２馬身差の４番手で、手応え十分の行きっぷり。３〜４角の中間では、先頭ファインメッセージ，半馬身差でドクトルフリージアが２番手の態勢。首差で中ワタリエンエルも差はないが、これを外からすーっとかわしにかかるのがページェントガール。この２番手グループの１馬身半後ろでトーホクビリーヴは６番手。４角では、先頭ファインメッセージが１馬身半とリードを開きにかかる。トーホクビリーヴは、先頭から４馬身近い差の５番手から、満を持してのスパート態勢で直線へ。

　直線に向くと、トーホクビリーヴは外へ持ち出して末脚を伸ばしてくる。残り１ハロンで、先頭ファインメッセージに半馬身差に詰め寄ってくるワタリエンゼル。その外首差でドクトルフリージア。ラスト150ｍでは、その１馬身外の４番手まで押し上げてきたトーホクビリーヴ。ここからの切れ味はトーホクビリーヴが断然。ラスト100ｍで２番手に上がると、１馬身1/4差前にいるファインメッセージに一気に襲いかかる。トーホクビリーヴは、ライバルに抵抗の余地も与えず、ラスト50ｍでファインメッセージを並ぶ間もなく抜き去って、最後は１馬身半突き放して快勝のゴール。デビュー４戦目で嬉しい初勝利を飾った。これで、３頭いるウイングアロー産駒のうちの２頭が勝ち上がり。今回はメンバー的にはやや手薄ではあったが、とにかく勝利は嬉しい限り。更に勝利を重ねる頑張りに期待したい。

●前年３月のオープン戦で差のない３着となったパルティアシチー。着差も僅かだっただけに残念な思いもあったが、力のあるところは示してくれた。しかしながら、その後５ヶ月の休養を経て出走した小倉のオープン戦では、実質最下位のまさかの１０着惨敗。この馬本来の走りとはほど遠く、その後暫くして新たな屈腱炎を発症していることが判明。再び長い闘病生活に入る。今回は１１ヶ月の長期休養を経て軌跡の復帰。決して諦めなかった陣営の苦労が実った。しかしながら、この馬本来の力を発揮できるかどうかは分からない。決して本調子とは言えない状態での出走だが、潜在能力の高さで、今後に繋がる走りを見せてほしい。１番人気は、平地オープンから障害入りし、障害３戦目の前走オープン平場戦でも２着と実力を見せたシルバーブレイズで単勝2.2倍。障害全３戦で連対を外していない。２番人気は、前走のオープン平場戦で２着に逃げ粘ったランヘランバで単勝4.7倍。平地オープンのスピードを生かした強力な逃げ脚には定評がある。パルティアシチーは、さすがに長期休養明けとあって、単勝36.0倍の９番人気。実力の比較だけなら五分以上のものがあるが、あとはこの馬の精神力に期待するほかない。

３着

　１〜２角で、一旦は３馬身差まで詰められたドリームガールズが、再び逃げ脚を加速して６馬身のリード。ランヘランバが２番手で、３馬身差でゴールデンカイザー，更に１馬身差でパルティアシチーの順。向正面でも、先頭ドリームガールズは７馬身リードで逃げまくるが、２番手ランヘランバ以下は徐々に差が詰まってくる。４番手パルティアシチーは、２番手ランヘランバから２馬身差。一方、人気のシルバーブレイズは早くも手が動き始める。３角にかかると、外からワンダールストラーがムチを飛ばして押し上げて、パルティアシチーをかわして３番手争い。しかしながら、パルティアシチーもこれにぴったり１馬身と差はない。３〜４角の中間では、シルバーブレイズが障害飛越で落馬転倒。先頭ドリームガールズのリードは５馬身で、パルティアシチーは先頭まで８〜９馬身差。ここまで逃げまくっていたドリームガールズだが、４角でその差は一気に縮まって、ランヘランバがあっと言う間にかわして先頭に。3/4馬身差で内ドリームガールズが２番手。その後ろは２馬身半差でゴールデンカイザー，ワンダールストラーの３番手争い。その１馬身直後にパルティアシチーで、まだ余力を残している感じの手応えで、ここから内を狙う構えで直線へ。

　直線に向くと、先頭ランヘランバがじわじわリードを開きにかかる。１馬身半差でドリームガールズも渋太く２番手で粘っている。その後ろは３馬身半と逆に少し差が開き加減の３番手争いの２頭。その内を突いてパルティアシチーがここから一気の伸び脚を発揮する。残り１ハロンでワンダールストラーが単独３番手に上がったが、ラスト150ｍを切って内からパルティアシチーが一気にかわして３番手に。ここからのパルティアシチーの伸び脚は際立ち、ラスト60ｍではドリームガールズも並ぶ間もなく抜き去って２番手に。一頭抜けていたランヘランバは、４馬身差を保っての楽勝だったが、パルティアシチーも長期休養開けとは思えない力強さで２着確保のゴール。改めてこの馬の潜在能力の高さを見せつけた。脚部不安なく無事に行っていれば、きっと障害重賞でも好勝負できていたはず。田所秀調教師は、「久々だったから無理させずに中団からレースをしてもらうつもりだった。内に入れていたから少し掛かり気味になっていたが、４角では手応え十分だったし、ラストも予想以上の脚を使ったように能力があるね。次走はもっと良くなってくるよ。」とコメント。今からでも遅く はない。このまま無事に行けば、先々重賞での好勝負さえ期待していいはずだ。

●屈腱炎のため１１ヶ月の長期休養明けとなった前走オープン戦で２着と底力を見せつけてくれたパルティアシチー。レース後に脚元に疲れが見られたとのことだが、無事に今回小倉サマーＪで重賞初挑戦。ウイングアロー産駒がＪＲＡ重賞に出走するのは、これが初めてとなる。爆弾を抱えながらのレースで、一戦一戦が勝負となるが、ここで重賞入着はもちろん、重賞初制覇まで密かに期待。１番人気は、障害重賞５勝の実績を誇るコウエイトライで単勝3.5倍。１年２ヶ月の長期休養を余儀なくされ、休養明け 後の３戦は精彩を欠いていたが、４戦目の前走重賞の東京ジャンプＳで２着に食い込み、ようやく本領を発揮してきた。これだけの実績馬が58kgで出走できるというのも大きい。２番人気は、前走のオープン 平場戦で２着のパルティアシチーに４馬身差をつけて優勝したランヘランバで単勝3.6倍。平地オープンの力を持つ馬。パルティアシチーは、単勝17.4倍の６番人気。確かに手強いメンバーだが、決して通用しない相手ではないはず。この馬の力さえ出し切れれば、好勝負は間違いないはずだ。

３着

　ここで単独先頭はコウエイトライで１馬身半リード。２番手ドリームガールズ以下は一団に。パルティアシチーは２番手から１馬身差の広がった３番手争いの一角だが、すぐ前のドリームガールズがバテて下がってきたため、パルティアシチーは前が壁になって後方にまで順位を下げる形になってしまう。好位でじっと脚を温存したかったが、否応なく後ろに下げさせられてしまう。１〜２角で、先頭はコウエイトライで、１馬身差でカブリオールが２番手。その半馬身外からじわっとハッピーヘイローが３番手。3/4馬身差で内ランヘラン が４番手で向正面へ。更に１馬身1/4差で５番手バトルヴレーヴ以下は一団。パルティアシチーは、更に２馬身後ろの中団グループ。向正面の中間から、パルティアシチーは早くも仕掛け気味に。先頭コウエイトライは、一旦半馬身ほどの差に詰められていたが、飛越の巧みさで再び２馬身とリードを開いていく。パルティアシチーは中団やや後ろで、あまり手応えは良くない。３角では、先頭コウエイトライは、リードを３馬身半と開いて行く。しかしながら、２番手に上がったランヘランバと、これに1馬身差で続くバトルヴレーヴの２頭がすーっと差を詰めて、３角過ぎではコウエイトライのリードはあっと言う間に詰まって、 ランヘランバが先頭に並んでくる。３〜４角の中間では、コウエイトライの方は手が動き始めるが、外のランヘランバは手綱を持ったまま。１馬身3/4差で３番手バトルヴレーヴが手綱を押しながら差を詰めてくる。パルティアシチーは７番手で、先頭までは７馬身差。４角では、ランヘランバが先頭に立つが、これに内から今度はバトルヴレーヴが並んでくる。１馬身半遅れてコウエイトライ は３番手に後退。２馬身差でハッピーヘイロー，１馬身半差でスプリングカエサルとトウカイポリシーの２頭。パルティアシチーは、更に２馬身半後ろの７番手で、とても勝ち負けできる態勢ではないが、５着入着に望みを繋ぐ位置で直線へ。

　直線に向くと、ランヘランバとバトルヴレーヴの２頭がまったく並んだまま最終障害を飛越。飛越してからは３番手コウエイトライ以下をグングン突き放し、この２頭の叩き合いでランヘランバが首ほどリード。バトルヴレーヴもよく食い下がったが、ランヘランバがそのまま首差競り勝って レコードタイムで優勝。パルティアシチーは、５番手ハッピーヘイローに３馬身差，６番手スプリングカエサルに１馬身半差で、７番手からなかなか差を詰められない。伸びそうで伸び切れないパルティアシチーは、最後までスプリングカエサルと同じ脚色。ゴール前で５番手ハッピーヘイローが態勢を崩し、５着争いが際どくなったが、パルティアシチーは５着争いの２頭から１馬身半差のまま７着でのゴール。 順回りに入って下がってきた馬の後ろで順位を下げる不利がなければ、あるいは５着入着もあったかもしれなかっただけに、その点は残念だった。鞍上の岩崎騎手は、「勝負どころでドリームガールズが一気に下がって来たので詰まってしまいました。あそこがスムーズなら、もっとやれていたと思うし、能力はある馬ですよ。」とコメント。 残念な結果に終わったが、レコード決着の厳しい流れを経験したことは、今後に必ずプラスになるはず。このまま無事に行けば、障害重賞で上位争いのチャンスもまだまだあるはずだ。

●新たな活躍馬の輩出がなかなか厳しくなってきたウイングアロー産駒だが、そんな中で僅かに望みを託せる存在として頭角を現してきたのが船橋のパーシモンアロー。南関東デビューで、前年９月の２歳新馬戦で６着となった後は８ヶ月の休養。年が明けて５月に復帰すると、３歳条件戦を２着，５着とした後、その後に２連勝を飾ってと勢いに乗ってきた。特に前々走は５馬身差の圧勝で、なかなかの素質のあるところを見せつけていた。今回はＪＲＡ交流戦だが、是非ともＪＲＡ勢を撃破して３連勝を成し遂げ、更に期待を膨らませたい。１番人気は、荒尾競馬で５連勝した後に船橋に移籍したサチノシェーバーで単勝3.5倍。移籍後は南関東で３戦して、ＪＲＡ交流戦５着，３歳条件戦３着，３歳特別戦で２馬身半差優勝と成績を上げてきている。２番人気は、ＪＲＡの未勝利戦で４着となった後、地方のＪＲＡ交流戦で３着，２着，３着と上位争いを続けているＪＲＡのサックノヤクソクで単勝3.8場倍。パーシモンアローは、単勝5.9倍の４番人気。上位人気は拮抗しているが、キャリアも浅く上昇著しいパーシモンアローなら、あっさり勝利を決める可能性も十分だ。

３着

　直線に向くと、追い出しにかかったパーシモンアローは、あっという間にその差を３馬身と開いて内ラチ沿いに入って残り１ハロン。残り１ハロンを切ったところでモーリマティーニが２番手に上がったが、ラスト100ｍではパーシモンアローは５馬身リードで圧勝態勢。パーシモンアローは、最後は手綱を緩める余裕さえ見せながら、そのまま５馬身差の圧勝のゴール。まったく力が違うと言わんばかりの桁違いの強さを見せつけた。ＪＲＡの未勝利戦でも上位食い込みができる実力馬たちを相手にしなかったことから考えても、パーシモンアローの実力のほどが窺える。これで破竹の３連勝。どこまで突き進んで行けるのか、大いに楽しみにしたい。

10.02.13

●前走１１月の福島の500万下平場戦で、惜敗続きにピリオドを打つ勝利を飾ったマイネルパルティア。それまでのもどかしさを払拭する快勝ぶりだっただけに、1000万クラスに昇級しても期待のかかるところ。今回は３ヶ月の短期休養で鋭気を養い、いよいよ1000万クラスへの初挑戦となる。１番人気は、７ヶ月の休養明けの平場戦，特別戦を連続して僅差の２着としているオオトリオウジャで単勝2.9倍。毎日杯５着の重賞実績もあり、ダービートライアルのプリンシパルＳでは２番人気に支持されたほどの期待馬。２番人気は、1000万クラスの近７戦を２着５回，３着１回と堅実なレースを続けているディオスクロイで単勝5.2倍。前走の特別戦でも半馬身差の２着の競馬をしているように、この馬も1000万クラスでは力量上位。マイネルパルティアは、単勝131.7倍の１３番人気のかなり低い評価。1000万クラス昇級緒戦で、しかも相当強力な馬が駒を進めてきただけに、苦戦必至の見方もやむを得ないが、持ち前の渋太さを発揮できれば、差のない競馬ができても不思議はないはずだ。

　直線に向くと、リバプールサウンドが２馬身抜けて、単独先頭で逃げ込みを図る。残り１ハロンで、オオトリオウジャなど３頭の２番手争いだが、この３頭はもう余力がない。その外を一気にかわして単独２番手に押し上げたのがローレルレガリス。更に１馬身3/4差後ろの中団外からマイネルパルティアも脚を伸ばす。その２馬身後ろの後方大外からはケイジージュニアーの追い込み。ラスト120ｍで、先頭リバプールサウンドのリードは半馬身まで縮まり、ラスト80ｍでローレルレガリスがかわして先頭。3/4馬身差の３番手まで迫って来ているマイネルパルティアだが、その外側にケイジージュニアーが並んでくる。ここからはこの４頭が接戦の勝負となったが、伸び脚でまさったケイジージュニアーが、ゴール寸前でローレルレガリスを首差捉えての逆転勝ち。マイネルパルティアも優勝争いに際どく加わったが、２着のローレルレガリスに首差届かず３着でのゴール。それでも、最内リバプールサウンドをキッチリ頭差捉えていた。1000万クラス昇級緒戦で、しかもレース間隔が開いていたにも関わらず僅差の３着と大いに見せ場を作ったマイネルパルティア。スタートの出もひと息で、それでいて道中一気に脚を使いながら最後にまた脚を伸ばしたレースぶりは、大いに評価できるもの。鞍上の丹内騎手は、「ブランク明けでの昇級戦ということを考えればよく走っているし、力をつけているのだと思う。」とコメント。 今回の好走は、1000万クラスでのメドを立てた以上の収穫があったと言っていい。ウイングアロー産駒は1000万クラスではこれまで２着が最高だが、それだけにマイネルパルティアには悲願の1000万クラスの勝利を是非とも成し遂げてほしい。

10.03.07

●前走1000万クラス昇級緒戦の濃尾特別で首，首差の３着と接戦を演じたマイネルパルティア。1000万クラスでは厳しいと見られていた中で、ここまで力をつけていたのかと大いに評価が高まった。前走の内容から見ても、ここでももちろん勝ち負けまで期待。１番人気は、近２走特別戦を４着，２着としているローレルレガリスで単勝3.4倍。前走の濃尾特別ではマイネルパルティアに首差先着。２番人気は、前走500万下平場戦を９馬身差圧勝したジェネラルノブレスで単勝3.5倍。大きな変わり身を見せた前走だったが、その勝ちっぷりは本物のはず。昇級戦でもまったく侮れない。マイネルパルティアは、単勝13.4倍の６番人気。意外に評価が評価が低い感もあるが、前走の走りで上位人気馬と差のないことは証明済み。ウイングアロー産駒悲願の1000万クラス勝ちをなんとか果たしてほしい。

　直線に向くと、ジェネラルノブレスとナムラフューチャーの叩き合いとなるが、ここからジェネラスノブレスが頭〜首ほどリード。しかしながら、ナムラフューチャーもまったく引かず、この２頭の競り合いが続く。１馬身半差でタマモスクワートが３番手で、ローレルレガリスは3/4馬身遅れて４番手。半馬身外のマイネルパルティアは、懸命にローレルレガリスに並びかけようとするが、前走のような脚色はない。内半馬身差でセイウンマルもじわじわ迫る。しかしながら、マイネルパルティアはラスト150ｍで力尽きて、ローレルレガリスから突き放され加減にになって、果たして５着入着を確保できるかという態勢に。ラスト100ｍからは、先頭ジェネラルノブレスにナムラフューチャーが再び馬体を併せて、２頭がまったく並んだ首の上げ下げの態勢の写真判定となったが、ジェネラルノブレスが鼻差粘って優勝。マイネルパルティアは、ローレルレガリスから１馬身半差遅れてしまったが、内からで食い下がるセイウンマル，大外から突っ込むホーマンクラフトを半馬身抑えて５着死守のゴール。メイクアダッシュもじわじわ差を詰めたが、マイネルパルティアから１馬身差の８着に終わった。３角手前からかなり脚を使って押し上げて行ったマイネルパルティアだが、その分最後にきて甘くなってしまった印象。前走首差の僅差の勝負をしたローレルレガリスとの差が１馬身半と開いてしまったのは不本意だが、それより前にまだ３頭の馬がいたという点では、相手が強かったとも言えなくもない。鞍上の丹内騎手は、「前が有力馬だったし、早目に外に出して動いて行ったのですが、最後にきて脚色が一緒になってしまった。」とコメント。 それでも、前に行った馬たちが上位を占める前残りの展開だっただけに、その中で後方から見せ場を作ったマイネルパルティアの走りもある程度評価できるはず。この馬向きの展開になれば、十分巻き返しは可能との手応えはあった。

10.12.25

●３月の伊勢特別で５着だったマイネルパルティア。決して満足のいく結果とは言えなかったが、掲示板を確保したあたり、確実さも身についてきた感がある。しかしながら、その後５ヶ月の休養を取ると、秋に復帰後の４戦はいずれも二桁着順の惨敗。まったく見せ場のない不振ぶりだったが、前走の平場戦では６着と見どころのある走りを見せてくれた。復調気配が窺えただけに、ここからなんとか上昇気運に乗って行きたい。１番人気は、昇級緒戦の前走特別戦で３着だったサイオンで単勝2.2倍。クラス２走目で更なる前進もあるはず。２番人気は、近２走特別戦で３着，２着としているメイショウツチヤマで単勝3.6倍。前走は３着のサイオンに3/4馬身先着している。マイネルパルティアは、単勝98.0倍の１１番人気。すっかり人気の下がってしまったマイネルパルティアだが、実力さえ出し切れれば互角の競馬は十分可能なはず。あとは、どこまで体調が戻っているかがポイントだ。なお、このレースには同じウイングアロー産駒のメイクアダッシュも出走する。

　直線に向くと、先頭バトルブリンディスに、半馬身差に外から迫るサイオン。間半馬身差でメイショウツチヤマも追ってくる。残り１ハロンで、外目からマイネルパルティアもじわじわ伸びるが、その内側からトウショウロジックが一気に脚を伸ばす。ラスト150ｍで、サイオンが単独先頭に抜け出す。ラスト50ｍでトウショウロジックが２番手に上がったが、サイオンがそのまま押し切って優勝。マイネルパルティアは、トウショウロジックには突き放されてしまったものの、メイショウツチヤマとの１馬身半差を、最後は3/4馬身差まで詰めたが、そのまま順位を上げられず５着でのゴール。最後方大外から追い込んだメイクアダッシュは、マイネルパルティアに3/4馬身差の７着まで。直線はじわじわとしか伸びられなかったが、渋太い脚で最後まで伸びて、久しぶりに掲示板を確保したマイネルパルティア。ここにきてようやく復調ムードになってきたことを確信。鞍上の津村騎手は、「４角までは完璧でしたが、もうひと踏ん張りがほしかったですね。でも、競馬は上手になってきましたよ。」とコメント。このまま順調に行けば、ウイングアロー産駒悲願のＪＲＡ1000万クラス勝ちの希望も再び見えてくるはずだ。

11.06.11

●前年暮の中山の1000万下平場戦で５着と掲示板圏内に食い込んだマイネルパルティア。しかしながら、年が明けての中山の平場戦では１３着と大敗に終わる。その後は３ヵ月半のレース間隔が開き、前走新潟の白馬岳特別に出走するも、ここでも１１着と振るわず。しかしながら、今回は叩き２走目で上昇を期待していいはず。１番人気は、1000万クラス昇級後の平場戦２戦を２着，６着としているレオプレシャスで単勝2.8倍。２番人気は、前走の平場戦では７番人気ながら２着と好走しているエアペイシェンスで単勝3.9倍。マイネルパルティアは、ここ２戦大敗していることもあって、単勝188.9倍の１４番人気とまったく注目されていない。それでも、この馬本来の力を出せるなら、上位食い込みの可能性もないとは言えないはずだ。

　直線に向くと、レオプレシャスが先頭で突き放す構えを見せたが、ソルモンターレとエアペイシェンスの２頭がぐいぐい伸びて、ラスト250ｍではこの２頭でレオプレシャスを抜き去っていく。ラスト１ハロンでは、この２頭の叩き合いからエアペイシェンスが競り勝って先頭に。マイネルパルティアは、３番手レオプレシャスから３馬身差の４番手争いに押し上げて、外のドリームマジシャンとの叩き合い。この時点で掲示板圏内への食い込みに期待がかかったが、ラスト150ｍでドリームマジシャンに競り負け、内目から伸びたヴィーヴァギブソンにもかわされて６番手に下がってしまう。決して差をつけられたわけではなかったが、５番手のドリームマジシャンに１馬身1/4差の６着でのゴール。惜しくも掲示板は逃したが、叩き２走目で復調の手応えを感じた。ややパンチ力を欠く印象は拭えないが、絶好調時のデキを取り戻せれば、更に活躍を期待していいはずだ。

11.09.24

●６月の1000万下戦で６着と、掲示板圏内にもうひと息のところまで行ったマイネルパルティア。しかしながら、その後は特別戦を２戦してともに１０着と、上昇気配は窺えなかったことから、新しい活躍の場を求めて障害に転向する。今回が障害のデビュー戦となるが、素質のあるところを見せられるのか。パルティアシチー，マルサンリターンなど、障害適性のある産駒を輩出しているウイングアロー産駒だけに期待がかかる。１番人気は、近４走を２着，５着，３着，３着と安定した成績を残しているディアマイホースで単勝2.0倍。障害では全１４戦して、入着１２回という超堅実馬。２番人気は、近３走連続４着を続けるメジロクリントンで単勝3.8倍。障害の活躍馬を多数輩出しているメジロ牧場の生産馬。マイネルパルティアは、初障害ということもあって評価は低く、単勝54.3倍の９番人気。それでも、潜在能力の違いで、いきなりの好勝負があっても不思議はないはずだ。

　直線に向くと、先頭メジロクリントンの逃げ脚はまったく鈍らず、残り１ハロンでは４馬身と逆にリードを開いて勝負あり。２番手ディアマイホースに、１馬身半差の３番手でマイネルパルティアも食い下がっていたが、ここからはじわじわ差を広げられてしまう。先頭メジロクリントンは、最後は７馬身差をつけての圧勝。マイネルパルティアは、最後はディアマイホースに３馬身遅れたが、そのまま危なげなく３着確保のゴール。直線では差を広げられたが、見せ場十分と言っていい内容。障害緒戦としては大いに評価していい競馬っぷりだった。鞍上の穂苅騎手は、「初障害でしたが、うまく飛んでいました。ペースが思ったよりも遅くて少し掛かるところがあったけど、レース内容は良かった。慣れてくればチャンスはくると思います。」とコメント。これから更に経験を積んでいけば、かなりの活躍を期待していいはずだ。

11.12.11

●障害入り緒戦で、着差はあったものの３着と上位食い込みを果たしたマイネルパルティア。障害適性を見せて、更なる前進が期待されたが、続く東京の未勝利戦では直線失速の６着。それだけに、今回は巻き返しを期す一戦。１番人気は、近２走２着，３着と好走しているエーシンマイトップで単勝2.3倍。２番人気は、平地準オープンから障害入りし、障害緒戦は５着だったダイバーシティで単勝4.5倍。マイネルパルティアは、単勝7.1倍の４番人気。それほど実力差はないはずで、勝ち負けの期待をかけていいはずだ。

　１〜２角で、先頭エーシンマイトップは３馬身半のリード。ネオポラリスが２番手で、１馬身差で内ミラクルオブレナ，外マイネルパルティアの３番手争いで向正面へ。ここから、先エーシンマイトップは、リードを６馬身と開いていく。マイネルパルティアは一旦単独３番手となるが、内からまたミラクルオブレナが並んできて、外からはダイバーシティも接近。３角では、先頭エーシンマイトップのリードは３馬身まで縮まってくる。ネオポラリスは一杯になって、ミラクルオブレナとマイネルパルティアの２番手争いに。３〜４角の中間の最終障害を飛越したところで、マイネルパルティアが僅かに単独２番手に出て、先頭までは２馬身差の射程距離。今度は４番手にヴィーヴァシャトルが押し上げてくる。４角では、先頭エーシンマイトップが３馬身とまた差を開きにかかる。２番手マイネルパルティアの内にミラクルオブレナが並んでくる。１馬身1/4差で外からヴィーヴァシャトルが接近して直線へ。

　直線に向いても、先頭エーシンマイトップの逃げ脚は衰えず、３馬身リードで押し切り態勢。２番手争いは、残り１ハロンでもマイネルパルティアとミラクルオブレナの叩き合い。3/4馬身外からはヴィーヴァシャトルも２番手争いに加わろうという構え。懸命に頑張っていたマイネルパルティアだが、ラスト100ｍでミラクルオブレナに競り負けて３番手。この時点で、先頭エーシンマイトップは６馬身の大きなリード。３番手のマイネルパルティアは、最後にヴィーヴァシャトルにじわじわ詰め寄られたが、これを首差振り切って３着死守のゴール。今回も勝ち負けには加われなかったが、見せ場は十分作ってくれた。前走の６着からもキッチリ巻き返してくれた。鞍上の柴田大騎手は、「中山コースの方がいいですね。ハミを抜くところもなくて、最後まで集中していました。中山コースなら、どこかでチャンスは来ると思う。」とコメント。もうワンパンチほしいところだが、経験を積んでのパワーアップも見込めるはずだ。　

12.01.09

●前走の中山の障害未勝利戦で３着と巻き返したマイネルパルティア。東京よりも中山の方が相性がいい印象で、今回も再度の期待。１番人気は、前走の障害未勝利戦では、マイネルパルティアに２馬身先着して２着だったミラクルオブレナで単勝2.0倍。マイネルパルティアは、単勝3.9倍の２番人気。３番人気は、平地1000万下クラスで前走盛岡の交流戦を勝利したボタニカルアートで単勝6.1倍。今回が初障害となる。マイネルパルティアにも勝機は十分。前走のミラクルオブレナとの２馬身差をなんとか逆転したい。

　直線に向くと、マイネルパルティアは前にもう一度詰め寄る余力はなく、残り１ハロンでは先頭まで２馬身半差。３番手ヴィーヴァシャトルも、７馬身差までじわりと詰めてきたが、ここからはもう同じような脚色。マイネルパルティアは、ミラクルオブレナに更にじわじわ差を広げられ、最後は５馬身差の２着でのゴール。３番手以下には最後差を詰めさせなかったが、今回は勝ち馬の力が一枚上だったか。鞍上の柴田大騎手は、「最初の障害が危なかったけど、中山は堅実に走りますね。前走から大幅に時計を詰めていましたが、飛越は達者だし、力もつけていますから、チャンスはくると思いますよ。」とコメント。それでも、今回はこれまでの最高着順の２着。障害初勝利がまた一歩近づいた感じだ。

12.01.21

●前走の障害未勝利戦では、これまでで最高の２着だったマイネルパルティア。中山コースの相性もよく、今回ももちろん勝機十分。１番人気は、平地準オープンから障害入りし、２戦 連続で２着と実力を見せているタガノバッチグーで単勝2.0倍。マイネルパルティアは、単勝3.1倍の２番人気で、この２頭で人気を分け合う形。３番人気は、近３走を２着，３着，７着としているブルーデザフィーオで単勝8.0倍。マイネルパルティアにとって、強敵となるのはタガノバッチグーのみ。これを撃破すれば、障害初勝利を手にできるはずだ。

　 １〜２角で、先頭タガノバッチグーのリードは３馬身まで詰まってくる。バックハウスが２番手，１馬身半差でマイネルパルティアが３番手で向正面へ。ここから、４番手ブルーデザフィーオは、 ３番手から５馬身と差が開いてくるが、向正面の中間を過ぎると、ユニバーサルアゲンとブルーデザフィーオの２頭がまたマイネルパルティアに接近してくる。そして３角手前では、マイネルパルティアも少し手が動くと、３角ではマイネルパルティアとユニバーサルアゲン の２頭が２番手バックハウスに接近する。３〜４角の中間では、先頭タガノバッチグーは２馬身半リードで手応え十分。２番手バックハウスに、内からマイネルパルティア，外からユニバーサルアゲンが並びかけるが、 最終障害飛越でユニバーサルアゲンは大きくバランスを崩し、完全に失速してたちまち後退。４角では、先頭タガノバッチグーはまだ持ったままで、もう勝利は濃厚か。２馬身差でバックハウスが２番手，内半馬身差でマイネルパルティアは３番手。その後ろは３馬身と差が開いてアンブロークン以下で直線へ。

　直線に向くと、先頭タガノバッチグーの逃げ脚は衰えず、残り１ハロンでも２馬身半リードで、もう既に逃げ切り態勢。バックハウスが２番手で、マイネルパルティアは内で首差遅れてなかなかかわせない。しかしながら、ここからマイネルパルティアは勝負根性を発揮し、ラスト100ｍでは頭差まで詰め寄ると、ラスト50ｍでバックハウスを捉え、あとは僅かに優勢の態勢で、バックハウスに鼻差競り勝って２着確保のゴール。逃げ切り勝ちのタガノバッチグーからは３馬身半の差があった。これで２戦連続の２着となったマイネルパルティア。どうしても一頭強い馬がいて勝利を手にできない。しかしながら、レースぶりも堅実で、勝利はもう時間の問題。鞍上の柴田大騎手は、「飛越は上手かったし、力まなくて競馬が上手になっています。今日も最後までやめていないんですが、勝った馬が強かったですね。現状は中山の方がいいと思います。」とコメント。次走こそ障害初勝利を何としても決めたい。

12.09.17

●１月の障害未勝利戦で２着となり、２戦連続の２着となったマイネルパルティア。勝利の順番が回ってくるのも時間の問題だったが、その後は暫く休養に入り、今回は８カ月ぶりの実戦となる。ただ、仕上がり状態は決して悪くないだけに、久々でもある程度の力は出せるはず。１番人気は、近５戦で２着と２回，３着２回と堅実な走りを見せているジュヌドラゴンで単勝2.9倍。２番人気は、初障害の前走で５着と悪くない走りを見せたウィッシングデューで単勝4.0倍。1000万クラス勝ちの平地力を持つ。マイネルパルティアは、単勝5.0倍の３番人気。実力的にもあっさり勝って当然ではあるが、あとはいかに休み明けを克服するかがカギとなる。

　 このあたりでは一団で、マイネルパルティアは先頭から１馬身半差の３番手で１角へ。１〜２角で、前３頭はそれぞれ１馬身間隔。内からジュヌドラゴンが好位に押し上げるが、かなり仕掛けていて苦しい追走。向正面でもマイネルパルティアは３番手だが、向正面の中間で少し仕掛けると、すっと動いてマイネルパルティアがかわして先頭。３角では、3/4馬身差で中ウィッシングデューが２番手。セラーナは苦しくなって後く。３〜４角の中間では、２馬身とリードを開いたマイネルパルティア。２番手でウィッシングデューの後ろは、２馬身差でアンブロークンが３番手まで上がってくる。４角では、先頭マイネルパルティアは手応えを残しながら、２馬身1/4差を保つ。２番手ウィッシングデューだが、３番手以下も余力を残している馬は見当たらず、マイネルパルティアの勝利は濃厚の態勢で直線へ。

　 直線に向くと、マイネルパルティアはここから追い出しにかかって２馬身半のリード。ウィッシングデューが２番手だが、前との差は縮まらない。残り１ハロンでウエスタンウェイブが３番手に盛り返すが、２番手との差は逆に開いて行く。そのまま前２頭は同じ脚色で、マイネルパルティアは２馬身半差を保って快勝のゴール。ついに待ちに待った障害初勝利を成し遂げた。休み明けでも、ここでは地力の違いを見せつけた。鞍上の五十嵐雄騎手は、「久々でしたが、体はできていました。向正面で一瞬怪しいところはあったんですが、仕掛けて行ったら反応してくれましたよ。ソラを使うので、あまり早目に抜け出したくはなかったんですが、今日はフワッとしながらも最後は押し切ってくれました。元々叩き良化型なので、ここから更に良くなりそう。オープンに昇級しても楽しみです。」とコメント。オープンではメンバーも強化されるが、相手なりに走れる面もあり、そこそこの勝負は見せてくれるはずだ。

12.12.01

●前走デビュー６戦目の障害未勝利戦を完勝したマイネルパルティア。今後はオープン相手でどこまで戦えるかがカギ。今回は中山大障害Ｇ１の前哨戦で、障害界最強のマジェスティバイオなども出走してきたが、何とか好勝負に持ち込みたい。１番人気は、前年のＪＧ１中山大障害，この年春のＪＧ１中山グランドＪを制し、現在障害王者の地位に君臨するマジェスティバイオで単勝1.5倍の圧倒的人気。前走ＪＧ２東京ハイジャンプでは、半年ぶりのレースで、しかも２カ所の落鉄もあって９着と大敗したが、本来の実力を出せば、その実力はここでは圧倒的。２番人気は、障害オープン近４走で、落馬した一戦を除いて連を外していないゴールデンガッツで単勝5.1倍。マイネルパルティアは、単勝22.4の５番人気。マジェスティバイオからは差があると見られているが、上位食い込みは十分可能だ。

10.03.11

●２歳１２月にデビューしたマイフェイヴァー。しかしながら、デビューしてからの２戦は８着，１５着と見せ場なし。年明けからは南関東の交流レースに向かったが１０着，９着。ここ２戦の勝ち馬からの差は、5.4秒，2.8秒とかなり大きく、今回も苦戦覚悟のレースだが、なんとか変わり身を見せてほしい。１番人気は、デビュー５戦目の３歳戦で初勝利を挙げ、続く前走ＪＲＡ交流戦のベストビット特別で半馬身差２着と好走した地元のティガレックスで単勝2.0倍。２番人気は、全７戦して入着４回のＪＲＡのタスマニアで単勝3.8倍。ＪＲＡの未勝利戦で、前々走１馬身1/4差２着の競馬が光る。マイフェイヴァーはまったくの人気薄で、単勝100.2倍の最低人気。まったく見どころのないレースが続いているだけにやむを得ない人気だが、そろそろ上積みがあってもいい頃だ。

　直線に向くと、先頭ゼットンが１馬身リードで粘り込みを図り、これを懸命に追うバトルスウィーパー。タスマニアは伸び脚がひと息で、２馬身と逆に差を広げられてしまう。２馬身半後ろのティガレックスは伸びがない。残り１ハロンから先頭ゼットンは甘くなってきて、ラスト150ｍでバトルスウィーパーがかわしにかかる。２馬身後ろのタスマニアも、ここからもう一度盛り返してくる。４番手ティガレックスの後ろは５馬身と差が開いて完全に勝負の圏外だが、マイフェイヴァーは５番手ヤマノビクトリアまで１馬身差で、初めての５着入着の可能性が出てくる。ラスト100ｍで、先頭バトルスウィーパーは２馬身抜け出して勝負あり。ここでタスマニアがゼットンをかわして２番手に上がるが、先頭とは同じ脚。そのままバトルスウィーパーが２馬身差を保って優勝。マイフェイヴァーは上位の馬たちとは差があったが、ヤマノビクトリア以下を１馬身半かわして５着入着のゴール。見せ場があった訳ではないが、初めて掲示板に上がれたことは、取りあえず良い傾向。これを是非とも浮上のきかっけに繋げていきたい。

10.04.15

●船橋の交流レースのベストホイップ特別で５着と初めて掲示板に上がったマイフェイヴァー。内容的には見せ場があった訳ではなかったが、それでもこれをきかっけに浮上していきたいところ。しかしながら、中央に戻った前走の未勝利戦では、後方のまま見せ場なく１１着と惨敗に終わる。中央の舞台ではなかなか厳しいレースが続いているが、再度南関東のレースで上位食い込みを目指す。１番人気は、近２走南関東の交流戦で４着，２着としているＪＲＡのレオキュートで単勝2.5倍。ＪＲＡのレースでの最高着順は４着。２番人気は、デビューからの２戦を７着，１０着としているＪＲＡのブルーラインハルトで単勝3.3倍。出走１１頭中ＪＲＡ勢は７頭で、上位人気４位までを占めている。そんな中で、マイフェイヴァーは、単勝86.3倍の最低の１１番人気。他のＪＲＡ勢との比較からも評価が低過ぎる印象もあるが、何とか前々走以上の結果を残したいところだ。

　直線に向くと、トウカイライフが一頭抜け出して１馬身半のリード。レオキュートとブルーラインハルトの２番手争いで、ディアグレースは後退。マイフェイヴァーは、５番手争いの３頭の外にじわじわ接近してくるが、先行３頭からは差が開いている。残り１ハロンでは、レオキュートが単独２番手に上がって、先頭トウカイライフに3/4馬身差まで接近。ブルーラインハルトは伸びを欠いて３番手。ラスト150ｍで、外のパームボーイと大外マイフェイヴァーの２頭が５番手争いから抜け出ると、失速した内ラチ沿いディアグレースをかわしての４番手争いに。しかしながら、３番手のブルーラインハルトまでは５馬身の差がついている。ここでレオキュートがトウカイライフを捉えると、じわじわリードを開いて１馬身半差をつけて優勝。マイフェイヴァーは、パームボーイにあっさり競り勝って前のブルーラインハルトを懸命に追ったが、差が開き過ぎていたこともあって２馬身半差まで詰めるのが精一杯で４着でのゴール。勝ち馬からは５馬身近い差があったが、前々走の５着を上回る結果を残した。まだまだ勝利には手が届きそうにないが、じわじわ力をつけてきている印象。更なる前進を期待したい。

11.02.26

●ウイングアロー産駒も６世代目となるが、ウイングアロー自身が青森のフォレブルーに移動する中、ただでさえ少ない産駒数は更に減少。現１歳世代はフォレブルーの生産馬だけという絶望的な状況。現３歳世代でも、ＪＲＡでは僅か２頭の登録となってしまう。その一頭マスコットウイングは、３歳１月にデビューするも、新馬戦は１８頭立て１７着，２戦目の未勝利戦も１１頭立て１０着と、ともにブービー負けという厳しい状況。レース経験も積んできただけに、そろそろ変わり身を見せなければ、早々に登録抹消にもなりかねない。１番人気は、デビューからの２戦を３着，５着としているヤマニンラレーヌで単勝2.0倍。２番人気は、近２走を３着，２着としているレッドマロンで単勝2.6倍。マスコットウイングは、単勝376.7倍の最低人気。あまりにも低い評価だが、これに異論は唱えられない状況。何とか意地を見せて上位争いに食い込んできてほしい。

　 レースでは、マスコットウイングは若干甘いスタートで後方から。好ダッシュでレッドマロンが先頭に立って１馬身半のリード。クールグランが２番手だが、これを内からかわしにかかるファンキートット。その後ろ１馬身半差でヤマニンラレーヌは絶好位４番手をキープ。その後ろは固まっており、ここから２馬身半後ろの後方大外にマスコットウイングの態勢。そして、３角手前から、マスコットウイングはじわっと中団にまで押し上げて、３分３厘では、先頭まで７馬身差の６番手争い。しかしながら、ここで内側に併走していたヤマニンカモミールが突然故障発生で競走中止の悲劇に見舞われる。先頭レッドマロンが２馬身リードで逃げているが、２番手グループは４頭が一団。４角では、単独２番手にすーっと押し上げたヤマニンラレーヌが、手応え十分に先頭レッドマロンの外首差まで並んでくる。3/4馬身差で中クールグランが３番手。これに１馬身差でファンキートットとアドマイヤシェマカの４番手争い。その２馬身半後ろの単独６番手からマスコットウイングは掲示板圏内を狙う構えで直線へ。

　直線に向くと、レッドマロンとヤマニンラレーヌの人気２頭の叩き合い。２馬身半と突き放されてクールグランが３番手。その後ろはまた２馬身半の差がついて、ファンキートットアドマイヤシェマカの４番手争いだが、この２頭の間を一気に割って末脚を繰り出して来たのがトーホウガーデン。残り１ハロンで、マスコットウイングは、この４番手争いの１馬身大外に取りついてじわじわ並んでくる。この４番手争いからトーホウガーデン一頭が突き抜けたが、あとの３頭は接戦の様相に。ラスト100ｍで、ヤマニンラレーヌがあっさり先頭に抜けて、最後は１馬身3/4差をつけて快勝。マスコットウイングは最後まで渋太く伸びて、ゴール前でファンキートットを3/4馬身捉えて５着入着のゴール。勝ち馬から１２馬身半の大きな差はあったが、単勝約370倍のまったくの人気薄で掲示板圏内に食い込んだ。これが現３歳世代のウイングアロー産駒の初めてのＪＲＡ入着となった。鞍上の酒井騎手は、「あまり外を回りたくなかったので馬の後ろにつけたら、砂を被ってフワフワ。でも、４角で被らない位置に持ち出すと、そこからもう一回脚を使ってくれました。勢いがついてからの脚がもっと持続するようになれば、何とかなりそうです。」とコメント。勝ち馬から大きな差があったように、まだまだ厳しい状況は続くが、今回変わり身を見せてくれたことで希望の光が見えてきた。

11.06.26

●デビュー３戦目の２月阪神の未勝利戦で５着と、初めて掲示板圏内に食い込んだマスコットウィング。しかしながら、その後の４戦は１３着，１１着，８着，１２着とほとんど見せ場なし。あの５着食い込みが精一杯の走りだったのかという雰囲気になってきているが、何とかもう一度奮起をしてほしい。１番人気は、デビューからの全５戦で２着４回という惜しい競馬を続けるブラックアテナで単勝1.5倍の断然人気。２番人気は、デビューからの２戦を７着，２着としているオークヒルパークで単勝3.7倍。前走は首差の僅差の勝負をしている。マスコットウイングは、単勝398.8倍の１４番人気のまったくの人気薄。近走の走りからは強気になれないが、なんとか浮上のキッカケを掴んでほしい。

　レースでは、マスコットウイングはスタートの出が甘く、手綱を押して行くものの後方の位置取り。外からスーッとシゲルカカリチョウが先頭に立って１馬身半のリード。オークヒルパークが２番手だが、これを外からかわしていくアフォリズム。人気のブラックアテナは、先頭から６馬身差の中団後ろの内々。その半馬身外側にマスコットウイングの態勢で１角へ。１〜２角で、先頭シゲルカカリチョウが２馬身リード。アフォリズムが単独２番手で向正面へ。１馬身差でオークヒルパークとドゥルキスの３番手争いだが、このあたり隊列は落ち着く。マスコットウイングは後方で、先頭までは１０馬身の差がある。３角でも、先頭シゲルカカリチョウが２馬身リードで逃げているが、３〜４角の中間では、２番手アフォリズムが１馬身差に接近。そして４角では、この２頭が先頭争いで並ぶ態勢。3/4馬身差でドゥルキス，サンレイプレシャス，メイショウブリッジの３番手争い。マスコットウイングは、先頭まで６馬身差の中団やや後ろで、やや外目の位置からスパートをかけて直線へ。

　直線に向くと、アフォリズムとサンレイプレシャス，メイショウブリッジの３頭並んでの叩き合い。中団あたりでじっとしていたブラックアテナが、外からじわじわと差を詰めて、残り１ハロンでは先頭まで半馬身差まで迫ってくる。マスコットウイングもじわじわ順位を上げてきている。ラスト150ｍからアフォリズムが二の脚を発揮し、グイッと3/4馬身抜け出て単独先頭。サンレイプレシャスとブラックアテナの２番手争い。ラスト100ｍで、マスコットウイングは７番手あたりで、４番手メイショウブリッジから３馬身差。ここからマスコットウイングは、内目を盛り返すオークヒルパークとともに前との差を詰めて行く。４着争いは最後混戦模様となったが、伸び脚でまさったマスコットウイングが、メイショウブリッジ以下を首差差し切って４着食い込みのゴール。近走の不振から大きな変わり身を見せる好走を見せてくれた。鞍上の芹沢騎手は、「前回は1200ｍでぶっ叩いてレースをしたんだ。その効果でやる気になっていた。よく頑張ってくれたよ。」とコメント。勝利を挙げるには更にパンチ力が必要で、未勝利戦も残り少なくなってきている中では厳しいが、僅かだが望みが出てきたと言っていいだろう。

11.07.09

●前走の未勝利戦で４着と、これまでの最高着順の走りを見せてくれたマスコットウイング。直線の伸び脚は今までにないもので、ここにきての成長を確信。更なる前進があれば、念願の初勝利への希望も見えてくる。１番人気は、全６戦で２着５回と惜敗を続けるブラックアテナで単勝1.4倍の断然人気。２番人気は、前走２着と好走しているホホヲヨセテで単勝4.3倍。マスコットウイングは、単勝29.2倍の６番人気。前走はブラックアテナと同じレースに出走し、その着差は２馬身3/4差。前走の差を更に詰めることができれば、面白い競馬ができるはずだ。

　 レースでは、マスコットウイングはスタートは五分に出て中団あたりにつけるが、ここからの行き脚はもうひとつで、後方に順位を下げて行く。ホホヲヨセテが先頭に出てくるがが、これに外から３頭が並んできて、先行争いは固まっている。人気のブラックアテナは、先頭から２馬身差の中団の位置。マスコットウイングは、更に５馬身後ろの内々後方２頭目の位置で、ぐいぐい手綱をしごくものの前に行けずに１角へ。１〜２角で、ホホヲヨセテが単独先頭を取り切って3/4馬身のリード。エピデンドラムが２番手だが、これに3/4馬身差で内々ブラックアテナが３番手に押し上げるが、このあたりはごった返す感じ。向正面では、マスコットウイングは後方３頭目だが、馬群はまったくの一団で、先頭まで７馬身差とそれほど離れているわけではない。向正面の中間を過ぎてからは、外目に持ち出して、じわっと押し上げようという構え。３角では、ホホヲヨセテが先頭で、首差でエピデンドラムが２番手だが、まったくの一団。３〜４角の中間では、ブラックアテナは先頭から１馬身半差の５番手で、やや包まれているような形。そこへ、大外からマスコットウイングがマクリをかけて押し上げて行く。４角では、先頭ホホヲヨセテが単独１馬身半のリード。固まった２番手争いの最内に、進路を見出したブラックアテナが押し上げてくる。更に１馬身1/4差の大外５番手あたりまでマスコットウイングが押し上げて来て直線へ。

　直線に向くと、逃げ込みを図るホホヲヨセテに、２番手争いからブラックアテナとリボルトレイダーの２頭がぐいぐい迫ってくる。伸び脚でまさったのはブラックアテナで、残り１ハロンで先頭ホホヲヨセテを捉える。１馬身半差の３番手にリボルトレイダーだが、一杯に追い出されたマスコットウイングが、その半馬身外にまで追い上げて来ている。ラスト100ｍで、先頭ブラックアテナが２馬身抜け出して押し切り態勢。２番手争いは、ホホヲヨセテ，リボルトレイダー，マスコットウイングの３頭が並んだが、脚色でまさっていたマスコットウイングがあっさり単独２番手に上がり、先頭ブラックアテナを猛追したが、惜しくも半馬身及ばず２着でのゴール。断然人気馬を捉え切れなかったのは惜しかったが、勝ち馬はなかなかの実力馬だけに、マスコットウイングの健闘は大いに賞賛されていい。鞍上の芹沢騎手は、「馬込みでは行きっぷりがもうひとつだったけど、外へ出すとスムーズに追い上げられた。もう本物だよ。」とコメント。前走より更に進化を遂げて、今はメキメキ力をつけていく時期。悲願の初勝利も、いよいよ現実味を帯びてきた。ＪＲＡのウイングアロー産駒はもはや絶滅寸前。マスコットウイングには何としても「１勝」を期待したい。

11.08.21

●７月の未勝利戦で２着となり、未勝利を勝ち上がるのに確かな手応えを掴んだマスコットウイング。続く前走の未勝利戦では４番人気で７着に終わったが、展開次第で前々走同様の走りを期待していいはず。１番人気は、デビューからの全３戦を６着，３着，２着としているベリーフィールズで単勝2.0倍。２番人気は、デビューからの４戦で３着１回，４着２回と安定した走りを見せているディープインパクト産駒のマハーバーラタで単勝3.7倍。マスコットウイングは、単勝51.7倍の９番人気。今回は評価が下がっているが、前走の走りがこの馬の力ではないはず。巻き返しの可能性は十分だ。

　レースでは、マスコットウイングはいつものように若干スタートが甘く後方から。マハーバーラタが出てきて先頭で１馬身のリード。２番手にはラプスドールなどが固まっている。人気のベリーフィールズは、先頭から２馬身半差の６，７番手あたり。マスコットウイングは、先頭から既に１２馬身差があって、後方２頭目の位置で１角へ。１〜２角では、ロブストニケが単独２番手で、半馬身差でリボルトレイダーが３番手で向正面へ。このあたりから隊列は落ち着き、ペースもゆったりとしてくる。向正面の中間では、中団より後ろの馬たちはバラけていて、マスコットウイングは依然後方２頭目で、先頭までは１５馬身の差がある。３角にかかると、マスコットウイングもじわっと差を詰めにかかるが、３〜４角の中間でもまだ後方３頭目で、先頭までは１０馬身差。４角では、先頭マハーバーラタは手応え十分に１馬身半リード。ラプスドール，リボルトレイダーの２番手争い。マスコットウイングはまだ後方３，４頭目のままで、先頭までは１０馬身近い大きな差があって、勝ち負けまでは厳しい情勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭マハーバーラタが二の脚で突き放しにかかって、２馬身，２馬身半とリードを開く。ラプスドールが２番手だが、残り１ハロンで内からシーズガレットがかわして２番手に。マスコットウイングは、後方からぐいぐい伸び脚を繰り出してくるが、どこまで順位を上げられるかというところ。ラスト150ｍでは、シーズガレットに２馬身突き放されてラプスドールが３番手。その後ろはまた２馬身差で、４番手争いは一団で混戦模様。マスコットウイングは、４番手から２馬身半差の中団大外から猛烈な追い込みをかけてくる。ラスト50ｍでは、３番手ラプスドールに１馬身1/4差で４番手グループがドッと襲いかかる。最後はマスコットウイングなどがグングン迫り、５頭横一線の３着争いのゴール。伸び脚でまさっていたのはマスコットウイングだったが、惜しくもラプスドールを鼻差捉え切れず４着。それでも、また掲示板圏内を確保して、力のあるところを見せてくれた。鞍上の松山弘騎手は、「元々最後はいい脚を使ってくれる馬ですし、今回もいい脚は使ってくれてはいるんですが、今日は厳しい馬場状態になってしまいましたね。」とコメント。テンに行く脚がないのがどうしても弱点となってしまうが、今後も展開次第かもしれないが、なんとか悲願の勝利を手にしてほしい。

11.09.04

●前走の未勝利戦で４着と巻き返してきたマスコットウイング。ただ、軽い馬場になったこともあって、もうひとつ追い込みが利かなかった。未勝利戦も残り少なくなってきた中、何とか勝利を手にしたいが、今回も雨の影響が残って、後ろから競馬をするマスコットウイングには厳しい条件となる。１番人気は、近４走で２着３回ともう勝利は目前のシーズガレットで単勝3.8倍。７連続入着の安定した走りが武器。２番人気は、近４走２着，５着，２着，３着とこちらも堅実なレッドデセーオで単勝4.0倍。マスコットウイングは、単勝16.6倍の６番人気。上位人気馬はかなり強力なだけに、どこまで上位に食い込めるか分からないが、決してチャンスがないわけではない。

　 レースでは、マスコットウイングは五分のスタート。この馬としてはいいスタートと言っていいが、それでも中団後ろの位置から。ラプスドールが先頭に出てくるが、これに外から並んできたのがエーシンメンフィス。１馬身差でレッドデセーオと外ラブデービットの３番手争い。マスコットウイングは、先頭まで８馬身差の位置で１角へ。１〜２角で、結局ラプスドールが先頭に立って１馬身半のリード。エーシンメンフィスは無理な競り合いは避けて２番手に控えて向正面へ。その後ろは１馬身半差で３番手以下が追走するが、このあたりの隊列はほとんど変わっていない。人気のシーズガレットは、先頭まで４差の６番手あたり。向正面の中間では、それまで後ろにいたエメラルスカイが、大外を一気にマクって押し上げていく。マスコットウイングは依然後方で、先頭までは８馬身差。それでも、この馬としては比較的差のない位置をキープしている。そして３角から、マスコットウイングも前との差を詰めにかかる。このあたりで、先頭はエーシンメンフィスに，２番手エメラルスカイと態勢は替わっている。３〜４角の中間では、シーズガレットが２番手に上がってきて、先頭に半馬身差に接近。その後ろ２馬身差でラプスドールが３番手。早目に動いたエメラルスカイは後退して行く。４角では、３番手の外にレッドデセーオが並んでくる。その後ろは３馬身と差が開いているが、３頭並んだ５番手争いに、大外からマスコットウイングが並んできてくる。しかしながら、前とは少し差があって、勝つまでは厳しいかという態勢で直線へ。

　直線に向くと、内エーシンメンフィス，外シーズガレットのの２頭の叩き合いとなるが、残り１ハロンから、もうひと伸びしたエーシンメンフィスの方が競り勝ってじわっと先頭。２番手から２馬身半差でレッドデセーオが単独３番手。ラスト150ｍでは、１馬身遅れてラプスドールが４番手，更に３馬身差でマスコットウイングが単独５番手に。マスコットウイング自身伸びてはいるものの、なかなか差を詰められなかったが、ラスト100ｍから４番手ラプスドールとの３馬身差を詰めにかかる。最後までよく伸びたマスコットウイングだったが、ラプスドールに3/4馬身差まで詰めたたところがゴールで５着。もう後がない未勝利戦で、スーパー未勝利戦出走の最低ラインの５着はなんとか死守。鞍上の松山弘騎手は、「前回同様に馬場が締まっていましたし、前の馬に楽な流れになったのが痛かったですね。力のいるダートの方が合っていますから、良馬場でやりたかったですね。」とコメント。はなかなか厳しい現状だが、これから未勝利脱出の最後のチャンスに望みをかけての戦いとなる。

10.02.07

●９月の名古屋のＪＲＡ交流レースのキューピット賞では、少し差のある５着と人気に応えられなかったマルサンリターン。続く前走暮の中京の500万下平場戦でも１３着と惨敗し、夏に勝ち負けしていた元気さが影を潜めてしまっている。体調が戻ればまだまだ十分好勝負が可能なはずだが、新しい活躍の場を求めて障害に転向する。今回は障害デビュー戦となるが、果たして障害適性の高さを見せてくれるのか。１番人気は、近２走３着，２着と上位争いをしているシースピアーで単勝2.6倍。障害は全６戦して入着５回という堅実馬。２番人気は、障害ではこれまで３戦して２着２回のスターフォワードで単勝2.8倍。唯一連対を外したのは競走中止によるもので、この馬の実力もかなりのものであるはず。マルサンリターンは、単勝89.3倍の１１番人気。障害初出走とあって評価は低いが、ウイングアロー産駒はパルティアシチーに代表されるように、障害もなかなか向いている印象。マルサンリターンも障害飛越を巧みにこなし、今後の活躍に希望を膨らませたい。

　レースでは、マルサンリターンはスタートはまずまず。内からすっとカシノアマゾネスが先頭に立って１馬身半のリード。マルサンリターンはじわっと押し上げて２番手に取りつく。これにマッハジュウクンが接近してきて１角へ。１〜２角で、先頭カシノアマゾネスは３〜４馬身差にリードを開く。マルサンリターンが単独２番手で、１馬身半差でマッハジュウクンが３番手の順。人気のシースピアーは、更に３馬身後ろの中団内。その２馬身後ろに２番人気のスターフォワードの態勢で向正面へ。先頭カシノアマゾネスはぐんぐんリードを開いて、ただ一頭１０馬身差をつけての大逃げに。マルサンリターンは２番手で、深追いせず自分のペースを守っている。３角では、先頭カシノアマゾネスは１５馬身差と更にリードを開くが、２番手以下の隊列は落ち着く。４角では、先頭との差は更に２０馬身にまで広がっていく。ここでスズカダークが障害飛越でバランスを崩して騎手が落馬。これに触れたトウカイロードも騎手が落馬するするアクシデント。先頭カシノアマゾネスは、この障害で着地した時に少し前のめりになったが、そのすぐ後に急激に失速。右肩跛行の故障発生で競走中止に。これにより、正面スタンド前では２番手以下の馬たちが先頭に替わる形になり、今度はマッハジュウクンが先頭に。半馬身差で内マルサンリターンが２番手。更にマッキーガリウムが２番手に並んでくる。ここからカラ馬のトウカイロードが先頭に出る形になって、前の方の馬たちは少しペースを乱される展開になって１角へ。

　１〜２角で、カラ馬２頭が前に行くが、先頭に替わったのはマッキーガリウム。その後ろ１馬身半間隔でマッハジュウクン，マルサンリターンの順。向正面にかかると、マッハジュウクンが先頭に接近。２馬身差の３番手マルサンリターンの外に、早くも人気のシースピアーが並んでくる。その後ろ3/4馬身差でスターフォワードも前を射程圏内に置いている。向正面の中間では、マルサンリターンが再び加速して単独３番手となるが、ここでシースピアーとツルマルビビッドの２頭が一気に押し上げて行って先頭争いに加わっていく。このあたりでは、マルサンリターンは先頭まで３馬身差の６番手の位置。３角では、後方の馬たちも進出を開始し、ほぼ一団の展開の中、マルサンリターンは後方の位置取りになる。それでも、先頭までは３馬身半差でそれほど差はない。内々で少しスピードの鈍ったマルサンリターンだったが、ここから手を動かして盛り返して行く。３分３厘では、マッキーガリウムが先頭，１馬身差でシースピアー，スターフォワードの人気２頭の２番手争いで、以下も差はない。４角では、マルサンリターンにはムチが飛び、これに反応して中団あたりまで押し上げてくる。マッキーガリウムがリードを開いて、２馬身半と後続を突き放しにかかる。シースピアーが２番手で、１馬身半差でスターフォワードが３番手。マルサンリターンは、その１馬身後ろの４番手まで盛り返してきて直線へ。

　直線に向いて、外のカラ馬トウカイロードが出るが、先頭で逃げ込みを図るマッキーガリウム。２馬身半差でシースピアーが懸命に追うが、なかなか差が詰まらない。１馬身差でカラ馬のスズカダークがいて、その3/4馬身後ろの３番手スターフォワードは伸び切れない。ここから２馬身と少し差を広げられたマルサンリターンは、ビービーライナーとの４番手争い。マルサンリターンも前に迫るほどの余力はなかったが、ラスト150ｍを切ったところでビービーライナーを競り落として単独４番手に。ラスト100ｍからシースピアーがようやく伸び脚を発揮し、先頭にぐいぐい迫ったが、マッキーガリウムがなんとか首差しのぎ切っての押し切り勝ち。マッキーガリウムの3/4馬身ほど前にはカラ馬のトウカイロードがいた。マルサンリターンは、３番手スターフォワードとの差を２馬身から少し詰めたがそれが精一杯で、そのまま４着確保のゴール。４着だったマルサンリターンだが、勝ち馬からの差は４馬身で、初障害としては及第点と言える内容。鞍上の難波騎手は、「スッと行けたけど、初障害だし、気難しい面があるので、控えて他馬と併せる形で走らせました。２周目をもう少しスムーズに走れていれば良かったんですが、カラ馬がいましたからね。でも、気の悪さは見せなかったし、ラストも伸びていたので次が楽しみ。」とコメント。 十分障害適性は見せてくれただけに、これからレースを使われて、更に力をつけていってくれるに違いない。

10.02.21

●障害転向緒戦の前走の未勝利戦で４着と上位争いを演じたマルサンリターン。緒戦としては大いに内容のある走りで、一度障害レースを経験した今回は大きな上積みが見込めるだけに、どんな走りを見せてくれるか楽しみな一戦。１番人気は、近３走を３着，２着，２着としているシースピアーで単勝1.7倍。前走は首差２着の惜敗だったが、４着のマルサンリターンに３馬身3/4差先着している。２番人気は、障害緒戦の前走未勝利戦で４着だったサイキョウワールドで単勝6.4倍。前走は２着のシースピアーから１２馬身の差があり、その比較からはマルサンリターンの方が上位とも思われるが、プロキオンＳ４着，シルクロードＳ５着のグレードレース入着実績のある平地力はやはり脅威。マルサンリターンは、単勝11.1倍の５番人気。意外に評価が低い印象だが、障害適性を見せつけての勝利を狙う。

　レースでは、２番人気のサイキョウワールドが、スタートで３馬身ほど立ち遅れ。マルサンリターンはスタートはまずまずで、すっと好位グループに取りつく。中からニシノアクエリオンが先頭に出てくるが、これに外からラッキーリップスが並んで行っての先頭争い。その１馬身半後ろ３頭並んだ３番手争いの最内がマルサンリターンの態勢で１角へ。１〜２角で、先頭はラッキーリップスで3/4馬身のリード。ニシノアクエリオンは抑えて２番手。3/4馬身差で内マルサンリターン，半馬身差の外アスカノユタカの順で向正面へ。ここからアスカノユタカが外から一気に先行争いに加わって行く。前３頭から２馬身差でマルサンリターンは４頭並んだ４番手争いの一角。ここから３馬身半差の中団後ろの位置にシースピアーの態勢。３角では、ニシノアクエリオンとアスカノユタカの２頭の先頭争い。３馬身差でラッキーリップスが３番手だが、マルサンリターンは、３番手から１馬身差の５番手の位置。ここの障害で、ビードラスティックとテイエムモモタローが落馬競走中止。３〜４角の中間では、今度はアスカノユタカが単独先頭に立って２馬身のリード。このあたり、マルサンリターンは先頭まで５馬身差の５番手で無理せず自分のペースを守っている。４角では、３番手グループは一団に固まってきて正面スタンド前へ。マルサンリターンもじわっと２番手争いの中に加わって行くと、先頭アスカノユタカとの差を詰めにかかる。人気のシースピアーは後方だが、先頭まで７馬身とそれほど差はない。ここからは、先頭アスカノユタカ，２番手ニシノアクエリオン，３番手マルサンリターンがそれぞれ首差の間隔でこの３頭の先行争い。その後ろは２馬身半と差が開いてくる。ここからアスカノユタカとニシノアクエリオンの２頭が再びペースを上げての先頭争い。マルサンリターンはまた先頭から２馬身半差の３番手に。シースピアーは、マルサンリターンから５馬身差の後方３頭目で１角へ。

　１〜２角で、アスカノユタカがまた２馬身半とリードを開いて単独先頭。ニシノアクエリオンが２番手で、これに3/4馬身差で内マルサンリターン，外ライブリシュロムの２頭がじわっと接近。１馬身3/4差の５番手がラッキーリップスの態勢で向正面へ。このあたりで、ライブリシュロムが２番手の外に並んで行く積極的な競馬。２馬身後ろの４番手がマルサンリターンだが、その外にラッキーリップスも並んでくる。向正面の中間にかかると、マルサンリターンが少し手が動いてまた内から差を詰めて行く。先頭アスカノユタカのリードは１馬身に縮まり、ライブリシュロムが２番手。１馬身差でニシノアクエリオンだが、その内から首差まで並んでくるマルサンリターン。半馬身差の大外ラッキーリップスも差はない。３角では、アスカノユタカとライブリシュロムの２頭並んでの先頭争いで、２馬身半差でマルサンリターン，ニシノアクエリオンの３番手争い。３分３厘でも先行２頭が競り合っていて、このあたりで更に差を広げられ加減になったマルサンリターンは、ムチが入って盛り返しを図る。ニシノアクエリオンは２馬身遅れて４番手に後退。シースピアーは中団まで押し上げて来ている。４角では、アスカノユタカが１馬身リードし、ライブリシュロムが２番手。１馬身半差に盛り返してきたマルサンリターンが３番手。２馬身差でサイキョウワールド，ラッキーリップスの４番手争いだが、その外に並んできたシースピアーがここからエンジン全開の態勢で直線へ。

　直線に向くと、マルサンリターンが３番手からじわじわ前との差を詰めて行く。シースピアーも４番手から前に襲いかかって来る。伸び脚でまさっているのはこの２頭。ラスト150ｍでは、マルサンリターンがライブリシュロムをかわしにかかって、先頭まで3/4馬身差。この時点の勢いで、もう前の馬たちは敵ではない。１馬身半差まで詰めてきたシースピアーが、力強い伸び脚で前に迫ってくる。150ｍを切ってマルサンリターンがあっさり先頭に替わるが、これに追いすがるシースピアー。ラスト100ｍでは１馬身，50ｍでは半馬身差までマルサンリターンに詰め寄って、この時点では３番手以下に２馬身半差をつけて完全に前２頭の勝負。マルサンリターンも伸びていたが、シースピアーがそれを上回る脚で詰め寄り、最後は２頭ほとんど同時の写真判定のゴール。場内テレビのストップモーションでもはっきり分からないほどの接戦だったが、マルサンリターンが鼻差しのいで嬉しい障害初勝利を挙げた。辛勝ではあったが、前走のシースピアーとの３馬身3/4差を逆転して見せたあたりは、一度障害を経験しての上積みがあったということに他ならない。鞍上の難波騎手は、「緒戦で手応えは摑んでいました。平地力があるから直線の伸びは良かったし、体を併せる形になって渋太さを生かせました。もう少し飛越が上達すれば、まだ良くなってきますよ。」とコメント。経験を積んでいけば、まだまだ強くなっていくはず。これからの成長が楽しみだ。

10.03.21

●前走障害入り２戦目で未勝利を勝ち上がったマルサンリターン。鼻差の僅差の勝負ではあったが、さすがに障害馬としての素質のあるところを見せつけてくれた。今回はオープンに昇級してのレースで、今後の活躍を占う試金石となる一戦。平場戦としてはメンバーも揃っているが、オープンでも互角の走りでメドをつけたいところ。１番人気は、前走淀ジャンプＳで４着だったイコールパートナーで単勝3.7倍。障害キャリア３戦の馬だが、更に前進してくるはず。２番人気は、前走の春麗ジャンプＳでは１０番人気ながら鮮やかな差し切り勝ちを演じたハッピーヘイローで単勝4.7倍。特別勝ちの実績はここでは上位。マルサンリターンは、単勝16.2倍の８番人気。伏兵評価に留まっているが、相手なりに渋太く走れるタイプでもあり、いきなりの好勝負は十分可能だ。

　レースでは、各馬揃ったスタートで、マルサンリターンも前の方に出てくる。逆回りの向正面で、一気にテイエムダイアナが先頭に立って２馬身半のリード。ハッピーヘイローが２番手で、内半馬身差でマルサンリターンは３番手から。半馬身外にイコールパートナーも差はなく、以下も固まって追走。２〜１角にかけて、先頭テイエムダイアナは、リードを５〜６馬身と開いていく。２番手にハッピーヘイローで、その後ろは１馬身半差でマッキーガリウムが３番手に押し上げる。3/4馬身差で内マルサンリターン，外イコールパートナーがほぼ並ぶ態勢で正面スタンド前へ。このあたりで、先頭テイエムダイアナはリードを１０馬身と更に開いて単騎逃げ。ハッピーヘイローは自分のペースを守って２番手で、その後ろ２馬身差で３番手以下はまったくの一団。ここからマルサンリターンが単独３番手に上がってきて逆回り４角へ。４〜３角にかけて、先頭テイエムダイアナのリードは６〜７馬身に少し縮まる。このあたりで、イコールパートナーがマルサンリターンをかわして３番手に押し上げて行く。向正面でも隊列に大きな変動はなく、ここからタスキコースに入ってくると、２番手ハッピーヘイローにイコールパートナーが並びかけ、半馬身差でコウヨウウェーブが差なく追走。１馬身差でマルサンリターンとマッキーガリウムの２頭が続くが、このあたりから２番手争いの２頭が先頭との差を詰めて行く。

　ここから順回りの１〜２角に入って、先頭テイエムダイアナに、ハッピーヘイローとイコールパートナーの２頭が２馬身差までグングン差を詰めて行く。４番手以下は６馬身と差を開かれて向正面へ。ここで、ハッピーヘイローとイコールパートナーの２頭がテイエムダイアナをかわしての先頭争いに。しかしながら、テイエムダイアナも１馬身差で食い下がっている。その後ろは１０馬身と大きく差が開いてしまって、４番手のマルサンリターンは手が動き始め、３角手前ではマックスチャンプが外から並んでくるが、前との差は８馬身と少し詰まった程度。３角ではマルサンリターンがまた単独４番手となるが、なかなか前との差を詰められない。このあたりで、テイエムダイアナは脚色が鈍って先頭２頭にあっと言う間に離されてしまう。３〜４角の中間でも、ハッピーヘイローとイコールパートナーの人気２頭の競り合いが続く。その後ろはもう１０馬身の差がついて、テイエムダイアナが３番手。１馬身差まで詰めた４番手マルサンリターンだが、先頭２頭とは大きな差がついている。マックスチャンプが１馬身半差の５番手の態勢。４角では、ここでハッピーヘイローがぐっと脚を伸ばして、単独１馬身半のリード。しかしながら、イコールパートナーがまた盛り返して、今度は半馬身差し返して先頭に。ようやく単独３番手に上がったマルサンリターンだが、前とはまだ６馬身の差がついている。半馬身差で内テイエムダイアナも食い下がっているが、その後ろは２馬身半と差がついて、マルサンリターンの３着確保濃厚の態勢になってきて直線へ。

　直線に向くと、またイコールパートナーと内ハッピーヘイローが並んできて、この人気２頭のマッチレース。残り１ハロンから、３番手マルサンリターンはテイエムダイアナをじわじわ引き離しにかかるが、前との６馬身差はまったく縮まらない。前２頭の叩き合いは、ラスト150ｍでハッピーヘイローが競り勝って決着をつけると、最後はイコールパートナーに１馬身3/4差をつけて快勝。マルサンリターンは、一杯になったテイエムダイアナを一気に突き放したものの、２着のイコールパートナーからは５馬身差の３着でのゴール。最後の最後で４着に上がったマックスチャンプには６馬身の差をつけていた。人気２頭には少し差をつけられたが、オープン昇級緒戦で３着となかなかの走りを見せてくれたマルサンリターン。上位人気２頭はなかなか強かっただけに、３着という結果も十分及第点の内容。鞍上の難波騎手は、「横に馬がいると行きたがる面があるので、オープンのペースの方が競馬がしやすいですね。前が飛ばしていたので、いいペースかなと思ったのですが、まだキャリアが浅いですし、まだまだこれから良くなってくると思います。」とコメント。オープンでも十分戦えるメドを立てただけに、更に経験を積んでいけば勝機も見えてくるはずだ。

10.04.04

●前走障害オープン昇級緒戦の平場戦で３着だったマルサンリターン。オープンで通用する力をいきなり示してくれたが、経験を積んで更なる前進が見込める今回は、オープンでの勝利も狙って行きたい。１番人気は、障害では近３走を秋陽ジャンプＳ１着，イルミネーションＪＳ２着とした後、平地一走を挟んで前走ＪＧ２の阪神スプリングＪでも４着と底力を見せつけたゴールデンシャインで単勝2.7倍。２番人気は、オープンに昇級してからの２戦を牛若丸ＪＳ２着，オープン平場戦を５着としているセレスケイで単勝3.7倍。マルサンリターンは意外に人気は低く、単勝12.4倍の５番人気。前走３着とはいえ、１，２着馬から５馬身差をつけられただけにインパクトがやや低かったか。それでも、ここでも間違いなく上位争いをしてくれるはずだ。

　レースでは、マルサンリターンは躓いた感じでゲートを出るが、出遅れという形にはならずに好位に押し上げて行く。逆周りの２角〜１角で、チョウラブラブがすっと先頭に立って２馬身半のリード。セレスケイが２番手で、１馬身半差でマルサンリターンは３番手に。これに3/4馬身差でタカラボス以下が一団で続いている。ここから前の方はややバラけて、マルサンリターンは２番手から３馬身と差が開く。直後にタカラボスがつけるが、これに人気のゴールデンシャインが並んできて正面スタンド前へ。先頭チョウラブラブに、セレスケイが半馬身差に並んでくる。３馬身差でマルサンリターン，タカラボスとメジロスパイダーの３番手争い。その後ろは２馬身半差でゴールデンシャインの態勢。マルサンリターンが単独３番手に押し上げるが、ここで先頭を走っていたチョウラブラブが障害飛越でバランスを崩して落馬転倒。セレスケイは若干アオりを受け外へ逃避。後方のシースピアーなども不利を受けるが、内目を走るマルサンリターンにはまったく影響なし。セレスケイが単独先頭の形になって、マルサンリターンが１馬身差の２番手。半馬身差でタカラボスが３番手の態勢で逆回り４角へ。

　逆回り４〜３角で、セレスケイが単独先頭で２馬身のリード。外のメジロスパイダーが２番手に押し上げてくる。半馬身差で中タカラボスが３番手で、その内半馬身差でマルサンリターンが４番手だが、２番手グループは３頭がほぼ一団で向正面へ。ここからマルサンリターンがじわっと動いて僅かに出て単独２番手に。ゴールデンシャインは、２番手グループから２馬身半後ろで脚をタメている。シースピアーは更に２馬身半後ろの中団から。タスキコースに入ってきて、先頭セレスケイのリードは２馬身半だが、ここからマルサンリターンがじわっと差を詰めにかかる。後続グループも差なく固まってきて、ゴールデンシャインがすっと動いて２番手に押し上げて、先頭セレスケイに１馬身半差まで詰めて行く。マルサンリターンは、ゴールデンシャインの内で首差遅れての２番手争いで順回りに入ってくる。１〜２角では、先頭〜後方まで６馬身差のまったくの一団の展開。先頭セレスケイがまた逃げ脚を伸ばして２馬身半のリード。マルサンリターンがまた単独２番手で、外半馬身差でゴールデンシャインは３番手で向正面へ。向正面の中間では、またゴールデンシャインが単独２番手を取り返すが、３角ではもう一度マルサンリターンが並んできての２番手争いに。これに１馬身差で外マイネルアルセーヌが４番手にじわっと押し上げて、半馬身差で中タカラボスなどこのあたりは一団。ここまで気分よくレースを引っ張っていた先頭セレスケイだが、３〜４角の中間では少し手が動き始める。１馬身1/4差で外ゴールデンシャインが２番手。内3/4馬身差でマルサンリターンは前が壁になって抑えるような形で３番手で、マイネルアルセーヌが外に並んでくる。しかしながら、４角でマルサンリターンは少し外に出して進路を確保すると、外から並んできたタカラボスとともに先頭に接近。先頭セレスケイに、外から首差まで並んでいきたマルサンリターンとタカラボス。3/4馬身差で中ゴールデンシャインも４番手で頑張っている。この４頭が抜け出た格好で、その後ろは２馬身差でシースピアーがようやく５番手に押し上げてきて直線へ。

　直線に向くと、外のマルサンリターンとタカラボスの２頭がじわっと出て、セレスケイは１馬身遅れて３番手に後退。最終障害を飛越して、ここからはマルサンリターンとタカラボスのマッチレース。２頭馬体を併せての叩き合いとなるが、ラスト150ｍでタカラボスの方が首ほどリード。マルサンリターンも懸命に差し返しを図る。１馬身差でセレスケイが頑張るがもう余力はない。４番手ゴールデンシャインの方は既に失速している。ラスト100ｍからは、先頭争いの２頭が３番手セレスケイをグーンと突き放す。前２頭の叩き合いが最後まで続いたが、タカラボスの首差リードは最後までまったく変わることなく、マルサンリターンは競り負けてしまって無念の２着惜敗のゴール。３着以下を３馬身と突き放したが、もう一頭上を行く馬がいたのは予想外だった。それでも、前走以上に更に内容の濃い走りを見せてくれたマルサンリターン。これで、オープンで勝ち負けできる能力を改めて示してくれた。平地並みの上がりタイムの決着でだった。鞍上の難波騎手は、「タスキからでもハナに行ける勢いはあったのですが、一頭になるとフワフワするから無理をしませんでした。勝負どころから勝ち馬と同じような感じで上がって行けたのですが、直線で相手がもうひと伸びしましたからね。飛越は安定しているし、これで道中もう少しリラックスして走れるようになれば、もっと良くなりますよ。」とコメント。今回は惜敗に終わったが、障害オープンでの勝利はもう目前。これからまだまだ力をつけていってくれるはずだ。

10.05.22

●障害オープン入り後の２戦を３着，２着としたマルサンリターン。これでオープン勝ちもいよいよカウントダウンと思われたが、続くオープン平場戦では、他馬の落馬転倒のアオリを受けて、騎手が落馬して競走中止に見舞われる。その後のＪＧ２の京都ハイジャンプも抽選で除外され、このところは誤算続きで、ムードは決して良くない。この悪い流れを断ち切るためにも、ぜひここで勝利を決めておきたい。１番人気は、障害２戦目で６馬身差の初勝利を挙げた後、果敢に挑戦したＪＧ１中山グランドＪでは８着だったギルティストライクで単勝4.2倍。まだまだ障害のキャリアは浅く、底を見せていないという感じ。マルサンリターンは、単勝4.5倍の２番人気。３番人気は、中山新春ジャンプＳ２着の後、オープン平場戦を２戦し、競走中止，４着としているメジロラスタバンで単勝5.2倍。マルサンリターンにとっては、初めての東京遠征がどうかというところだが、もちろん勝機は十分だ。

　 レースでは、マルサンリターンは好スタートを切り、すぐに２角へ。外からランヘランバが一気にハナを奪って、３馬身，４馬身とリードを開いていく。向正面ではニューパワーが２番手だが、これに外からブルーポラリスが並んでくる。これに１馬身差でマルサンリターンは４番手，その半馬身内にミスターシービーの孫のニューヨーカーだが、ニューヨーカーは障害飛越で躓いて騎手が落馬。３角では、先頭ランヘランバは７馬身とリードを開く。３〜４角にかけてマルサンリターンは３番手だが、４角では先頭ランヘランバのリードは３馬身まで詰まってくる。正面スタンド前に入ってきて、２番手はブルーポラリスで、１馬身1/4差でギルティストライクが３番手に上がってくる。２馬身差でニューパワーが続き、その後ろ２馬身半差でマルサンリターン以下は固まっての追走。１〜２角で、先頭ランヘランバのリードは２馬身。２番手ブルーポラリスに、外からギルティストライクが半馬身差に接近。１馬身差でカラ馬のニューヨーカーがいて、１馬身半差でダノンバッカスが４番手。その後ろは２馬身半と少し差が開いてマルサンリターンは５番手の位置で向正面へ。ここから、先頭ランヘランバがまた逃げ脚を伸ばして、リードを５馬身と開いていく。２番手ブルーポラリス以下の態勢は大きく変わっていない。マルサンリターンは、先頭から７馬身差の５番手で、少し仕掛け気味の追走となってきて、以下は一団に固まっている。３角では、先頭ランヘランバのリードは３馬身半。２番手争いはブルーポラリスとダノンバッカスの２頭が並んでくる。３〜４角の中間では、更に２馬身半差でギルティストライクは脚をタメている感じで４番手。１馬身差でカラ馬のニューヨーカーがいて、これに１馬身差でマルサンリターン。４角では、マルサンリターンは手綱をしごいているが、思うように差を詰められない。先頭ランヘランバに外からダノンバッカスが並びかける。２馬身差でブルーポラリスが３番手で、その１馬身外にギルティストライク。その後ろは２馬身差で、マルサンリターンとメジロラスタバンの２頭が、最内のカラ馬ニューヨーカーと並ぶ５番手争いで直線へ。

　直線に向くと、ランヘランバとダノンバッカスの叩き合いに、内からブルーポラリス，外からギルティストライクが並んでくるが、残り300ｍでギルティストライクがあっさり単独先頭に抜け出してきて、残り250ｍでは既に１馬身半のリード。２番手争いは、カラ馬のニューヨーカーに、内からブルーポラリス，外にはダノンバッカスが並んでの争いだが、ここからブルーポラリスは一杯に。２馬身差でマルサンリターン，メジロラスタバン，ディアディアーの３頭が並んで前との差を詰めてくる。残り１ハロンでは、先頭ギルティストライクは４馬身リード。ラスト150ｍで、２番手ダノンバッカスはかわされて、ここからは差し馬３頭の２着争いの叩き合いに。この３頭は、ディアディアーが首ほどリードし、メジロラスタバンに首差遅れてマルサンリターンは４番手の態勢だったが、この後もこの３頭は同じような脚色のまま。マルサンリターンも踏ん張ってはいたが、巻き返す余力はない。先頭ギルティストライクは、６馬身と断然差を開いてレコード勝ち。ディアディアーが、最後にカラ馬のニューヨーカーをかわして２着。マルサンリターンは、ディアディアーから半馬身，半馬身差の４着でのゴール。道中の行きっぷりがあまり良くなかったことを考えると、マルサンリターン自身よく頑張ってはいるものの、またしても勝利には手が届かず。レコード決着では厳しかったか。鞍上の難波騎手は、「前走の落馬の影響もなく、飛越は安定していましたが、今日は流れが速くて脚が溜まりませんでした。それでも内容は悪くなかったし、流れがひとつでチャンスがくると思います。」とコメント。 それでも、オープンでの勝利はもう目の前に来ていることは間違いない。

●前走東京遠征したオープン戦では、２着争いには加わったものの４着に終わったマルサンリターン。レコード決着の厳しいレースだったが、この経験はこれから生きてくるはず。今回は関西に戻っての一戦で、今度こそ何とか勝利を手にしたい。１番人気は、平地オープンから障害入りし、デビューからの２戦を２着，１着として勝ち上がってきたシルバーブレイズで単勝2.2倍。平地力では明らかに上位の存在。マルサンリターンは、単勝4.1倍の２番人気。３番人気は、近２走４着，２着と上位争いをしているプライドイズハートで単勝7.0倍。上位馬は実力的に差はなく、もちろんマルサンリターンにも勝機あり。今度こそ勝利を決めたいところだ。

　 レースでは、マルサンリターンはスタートは五分に出て、好位に取りついて行く。ヨドノヒーローが先頭にも出てくる勢いだが、これをアツキアオモイがかわして先頭。半馬身差でトウカイマジック，更に１馬身差でヨドノヒーローは３番手から。これに3/4馬身差で内マルサンリターンが続く形。ここから前２頭がリードを開きにかかって１角へ。１〜２角で、先頭アツキオモイは２馬身リードで、向正面にかかるとその差は５馬身と開いていく。２番手トウカイマジックの後ろも２馬身半と少し差があってヨドノヒーローが３番手。更に２馬身半差でマルサンリターンの順。３角では、アツキオモイのリードは７〜８馬身と開き、４角では１０馬身差まで広がってくる。２番手トウカイマジック，３番手ヨドノヒーローもポツンポツンという形の追走。４番手マルサンリターン以下は固まってきて正面スタンド前へ。先頭アツキオモイリードは更に開いて１５馬身差の大逃げになってくる。トウカイマジックが２番手で、２馬身半差でヨドノヒーローが３番手。更に２馬身差でエーシンサーフィン，プライドイズハートが４番手争いに上がってくる。１馬身差でマルサンリターンは６番手に少し順位を下げで１角へ。

　１〜２角で、先頭アツキオモイは、２０馬身近くまでリードを開いて逃げまくる。向正面にかかると、トウカイマジックは脚色が怪しくなってくきて、ヨドノヒーローが単独２番手に上がってくる。その後ろは１馬身半の間隔でエーシンサーフィン，マルサンリターンの順。向正面の中間あたりからは、先頭アツキオモイはオーバーペースが祟って、徐々に逃げ脚が鈍ってくる。マルサンリターンは、ヨドノヒーローに半馬身差の３番手まで押し上げる。３角では、先頭アツキオモイのリードは８馬身差まで詰まってきて、３〜４角の中間ではもう３馬身に。２番手ヨドノヒーローに、１馬身差の３番手マルサンリターンの外にシルバーブレイズが並んでくる。アツキオモイは撃沈し、４角ではヨドノヒーローがあっさり先頭に替わるが、外3/4馬身差にじわっと迫るシルバーブレイズ。マルサンリターンは若干遅れを取って、１馬身3/4差の３番手。更に１馬身差でエーシンサーフィンが続いて直線へ。

　直線に向くと、ヨドノヒーローがすっと１馬身半とリードを開いて押し切りを図る。２番手にシルバーブレイズで、その後ろは１馬身半差でマルサンリターンは差を詰められない。４番手エーシンサーフィン以下は更に突き放されてしまう。先頭ヨドノヒーローは、更に差を開き加減で、残り１ハロンでは２馬身リードでほぼ勝負あり。２番手シルバーブレイズの後ろも２馬身半差で、３番手マルサンリターンも前と同じ脚色。ここからは３頭ほとん同じ態勢のまま、ヨドノヒーローがまだ余裕を見せながら２馬身半差をつけて快勝。マルサンリターンは、最後の最後で少しだけ差を詰めたものの、シルバーブレイズに１馬身1/4差の３着でのゴール。今回も、もうひと押しが利かずに善戦止まりに終わったマルサンリターン。どうしても同じような結果のレースが続いてしまうが、オープンでの勝利はもう目前まできていることには間違いない。鞍上の難波騎手は、「少しテンションが高くなってきたのが気になっていましたが、いい感じで上がって行けたし、安定して走ってくれています。ただ、前が止まらない形になって不向きな展開でしたから。」とコメント。 そろそろ疲れも懸念されるだけに、なんとか早目に勝利を決めたいところだが…。

10.05.02

●前年８月札幌の白鳥大橋特別で３着だったメイクアダッシュ。惜敗を続けて、ウイングアロー産駒悲願の1000万クラス勝ちをなかなか果たせずにいたが、それでも勝利はもう時間の問題と思われた。しかしながら、その後は特別戦を６着，７着，６着、平場戦を９着，７着とひもうひとつ精彩を欠く内容。前走中京の伊勢特別も８着に終わったが、それでも勝ち馬から４馬身半差と大きく負けているわけではない。体調が上昇気運に向かうなら、まだまだ巻き返しがあっていいはず。１番人気は、昇級緒戦の前走ラジオ福島賞で３着と善戦したリバイバルシチーで単勝3.7倍。クラス２走目で更なる前進が見込まれる。２番人気は、近７走1000万特別で 0-2-5-2 と堅実なレースを続けているフサイチオフトラで単勝5.0倍。２歳時にはオープンの萩Ｓ優勝，Ｇ３の札幌２歳Ｓ４着の実績を持つ。メイクアダッシュは、単勝17.2倍の６番人気。底力の比較で言えば、メイクアダッシュはまったく遜色がないどころか、当然勝ち負けまで期待していい実力馬。今度こそ復活劇を演じて見せてほしい。

　直線は、先頭メイクアダッシュが更に後続を突き放しにかかって、残り１ハロンを切って２馬身半のリード。３角から一気に脚を使った馬とは思えない力強い脚色だが、果たしてこのままゴールまで押し切れるのか。ウイングアロー産駒悲願のＪＲＡ1000万クラスでの勝利を目指して、渾身のラストスパート。しかしながら、後続勢の中からジョウノボヘミアンがぐいぐい２番手に抜け出してきて、先頭メイクアダッシュに襲いかかる。ラスト150ｍまではメイクアダッシュが２馬身半のリードを保っていたが、ここからはジョウノボヘミアンが一気に差を縮める。ジョウノボヘミアンの後ろは２馬身差で、リバイバルシチーなどの３番手争いとなっていたが、これを大外からサクセスヒューゴーがかわして単独３番手に。既にジョウノボヘミアンの脚色は違っており、ラスト80ｍでメイクアダッシュはあっさりかわされて２番手に。これに最後は３番手サクセスヒューゴーも詰め寄ってきたが、メイクアダッシュは最後甘くなりながらも半馬身しのいで２着確保のゴール。先頭ジョウノボヘミアンには２馬身差をつけられていたが、久しぶりに２着とこの馬の実力を発揮してくれた。昨年に続いてこのレース２着という結果だったが、近走はもうひとつ精彩を欠いていただけに、今回の好走でひと安心。鞍上の西田騎手は、「約１年ぶりの騎乗になりましたが、この馬とは相性がいいと思っていたし、いい頃のイメージで乗りました。結果的に早く動いてしまいましたが、それでも２着といい競馬をしてくれたので、これをキッカケに次はなんとか頑張ってほしですね。」とコメント。 再び1000万クラスでの勝利に期待が膨らんだだけに、もちろん次走も勝利を目指していく。

11.04.02

●前年５月の白馬岳特別で２着と好走したメイクアダッシュ。安定した成績は残せていないが、実力さえ発揮できれば勝ち負けできる底力を改めて示した。しかしながら、その後は特別戦を８着，１０着，１１着，１０着、平場戦を７着，７着と、掲示板圏内には食い込めず。そして前走小倉の中京スポニチ賞でも１０着と、苦しい戦いが続いている。それでも、とにかく気分よくこの馬のパターンにさえ持ち込めれば、巻き返しがあっても不思議はない。１番人気は、500万下平場戦を５馬身差圧勝した後、前走1000万下平場戦では１番人気で８着に終わったダノントレビアンで単勝3.2倍。前走でも着差は３馬身程度で、昇級２戦目での上積みも見込めるはず。２番人気は、前走平場戦では６着ながら、勝ち馬から１馬身1/4差の競馬をしているジョーメテオで単勝3.6倍。1000万クラスでは２度連対するなど、元々このクラスでは力量上位の馬。メイクアダッシュは、単勝33.7倍の１１番人気。近走の低迷からは仕方のない評価だが、そろそろ変わり身を期待したい。

　 直線に向くと、ライゴウテンユウとジョーメテオの２頭の争い。3/4馬身差でメイクアダッシュが３番手から追ってくる。残り１ハロンを切って、ジョーメテオがじわっと単独先頭に抜け出して、ライゴウテンユウが２番手で粘るが、ラスト100ｍでは、これをアースマリンとメイクアダッシュがかわして行く。この２番手争いからグイッと伸びたメイクアダッシュは、単独２番手から先頭ジョーメテオを追い詰めたが、惜しくも首差及ばず２着でのゴール。かなり差のないところまで行っただけに、ウイングアロー産駒初のＪＲＡ1000万クラス勝ちを逃したのは何とも無念。それでも、近走の不振から一変した走りを見せてくれた。鞍上 の丸田騎手は、「スタートが悪いと聞いていたけど、スッと出てくれたし、いい位置で運べたのが大きかったですね。流れも向きましたが、最後はしっかり脚を使っていました。」とコメント。これで停滞ムードを払拭。安定して走れるかどうかは分からないが、再び希望が膨らんできた。

10.02.17

●２歳６月に北海道競馬でデビューしたラッキーサンライズ。北海道では６戦して、２着１回，５着１回と目が出なかったが、２歳暮から名古屋競馬に移籍し、新天地で新たなスタート。移籍後の条件戦を２着，３着とすると、３戦目の特別戦で初勝利を挙げる。その後の条件戦でも３着，１着とし、勢いづいて今回ＪＲＡとの交流戦に挑む。１番人気は、新馬デビュー戦で勝ち馬から0.5秒差の６着とした後、続く前走笠松の地方交レースで、ＪＲＡ勢が上位を占める中で１馬身半差の２着と実力を見せたＪＲＡのラパリーダで単勝1.4倍の断然人気。２番人気は、新馬デビュー戦では大敗の８着に終わったが、母が天皇賞・秋５着馬のポジーという血統と入念な乗り込みが評価されているＪＲＡのサンマルデジタルで単勝3.2倍。ラッキーサンライズは、単勝26.3倍の６番人気。まだまだ実績面では胸を張れる訳ではないラッキーサンライズだが、確実に力をつけており、ＪＲＡ勢相手にも互角の勝負は可能なはずだ。このマンゴー賞は、父ウイングアローが初勝利を挙げた一戦。親子制覇を是非とも成し遂げたい。

　直線に向くと、ワールドウイングが先頭で逃げ込みを図り、内のエスジーロビンは一杯になって後退。追い出されてからラッキーサンライズは反応よく、外からじわじわ詰め寄って、残り150ｍを切ってワールドウイングに並びかける。ワールドウイングはそれほど抵抗を見せる場面もなく、ラスト100ｍを切ってラッキーサンライズが半馬身リードして先頭に。その後ろは２馬身半差で、エスジーロビンをかわして外からプリティが猛追。プリティの伸び脚は断然で、ゴール前であっという間にワールドウイングをかわしたが、既に完全に一頭抜け出していたラッキーサンライズは、ゴール前は抑える余裕さえ見せて、１馬身半差を保って快勝のゴール。ラパリーガはもうひとつの内容で差のある４着に終わった。ＪＲＡ勢が２〜４着を占める中、見事にＪＲＡ勢を撃破したラッキーサンライズ。余裕さえ感じさせる勝ちっぷりで、ＪＲＡ勢でもこのクラスが相手なら力が一枚上だったか。 そして、父ウイングアローと親子二代のマンゴー賞制覇を成し遂げた。この勝利をきっかけに更なる飛躍を期待したい。

10.05.05

●１月のＪＲＡ交流レースのマンゴー賞を優勝したラッキーサンライズ。父ウイングアローとの親子二代の同レース制覇だった。ＪＲＡ勢を撃破した勢いで、更に強い相手への勝負を挑んでいったが、地方重賞初挑戦となったスプリングＣでは見せ場なく８着。続く特別戦の駒鳥特別は優勝したが、前走中央500万下平場戦に挑戦してここでは１１着。それでも、４角まで手応えはよく中団につけた走りはなかなかよく、ＪＲＡ500万クラスでもある程度戦える手応えは感じる内容で、着順ほど悲観する必要はない。今回は、名古屋の３歳三冠の第１戦。最強のラブミーチャンを始め、実力馬たちが他地区に転戦中ということもあり、ややメンバーは手薄になったが、ラッキーサンライズも上位争いを期待していはずだ。

　１番人気は、ＪＲＡに挑戦した沈丁花賞で６着と悪くない競馬をした後、古馬男馬相手のＢ級特別でも１着，２着と実力を見せているメモリーキャップで単勝2.2倍。４走前の地方重賞ゴールドジュニアでラブミーチャンの２着としたのを始め、地方重賞で３度の入着実績を持つ。２番人気は、近３走連続でＪＲＡに挑戦し、５着，１３着，６着と健闘を見せているニューブラウンで単勝2.6倍。地方重賞では２度の入着実績がある。ラッキーサンライズは、単勝12.5倍の４番人気。いろいろ経験を積んできた今なら、このメンバーでも互角以上の競馬は十分可能。地方重賞制覇のチャンスも十分にあるに違いない。

　１〜２角でも隊列は変わらず、ラッキーサンライズは手応えよくじっくり脚を温存している。向正面に入って、今度は外ワイドサンデーが単独先頭で、１馬身差で内カラーレストパーズが２番手だが、これに外からニューブラウンが並んでくる。3/4馬身差で中メモリーキャップも差はない。じわっと押し上げて来たラッキーサンライズが、その3/4馬身外に取りついてくる。３角にかかると、ラッキーサンライズはここから仕掛けて、大外を一気に押し上げて行く。ニューブラウンが単独２番手で、１馬身差でカラーレストパーズとメモリーキャップの３番手争いだが、ラッキーサンライズはこの３番手争いの２頭をあっさり抜き去っていく。更には３〜４角の中間でニューブラウンも抜き去ると、４角では楽々と単独先頭に。上位人気馬を大外からかわして行く時の勢いは断然違っており、この時点で勝利の期待が俄然高まる。直線入口では２馬身とリードを開いたラッキーサンライズ。ワイドサンデーが２番手で頑張り、１馬身1/4差でカラーレストパーズ，メモリーキャップの３番手争いだが、これに大外からグーンとホウライオーカンが並んでくる。ニューブラウンは一杯になって後退気味で直線へ。

　直線を向くと、先頭ラッキーサンライズはすっと３馬身半とリードを開いて残り１ハロン。もう既に独走態勢となっている。ワイドサンデーは後退し、メモリーキャップとホウライオーカンの２番手争いとなるが、メモリーキャップには既に余力はなく、ラスト100ｍでホウライオーカンが単独２番手に上がる。ここでもラッキーサンライズは４馬身近いリードで勝利は確定。ホウライオーカンも最後脚を伸ばしてはいたが、もうとても追いつけない。ラッキーサンライズは、ラスト50ｍを軽く流す余裕を見せながら、２馬身差を保ってのＶゴール。３着に入った人気のメモリーキャップは、２着ホウライオーカンから更に３馬身もの差をつけられていた。着差以上の圧倒的な強さを見せつけたラッキーサンライズ。３歳三冠の第１弾を制し、地方重賞初制覇も達成。今回の予想以上の勝ちっぷりは、この馬の地力強化の証。体調面もアップしていたのだろう。鞍上の戸部尚騎手は、「いい形の展開と流れになりました。ちょっとしたことで行きたがるので、そこだけを気をつけて乗った。勝負どころの脚は本当に鋭かった。」 、川西調教師は、「正直なところ半信半疑でした。（追い切りは平凡だったが）実戦タイプということですね。今日の返し馬は本当に良かった。1900ｍという距離もこの馬に合っていたようです。」とコメント。 このところ東海勢が全国の３歳地方重賞を席巻しているが、それだけに今回はトップクラス不在の一戦。これからはより強力な相手と戦っていかなければならないが、今のラッキーサンライズなら上位争いは十分可能なはず。今回の２着馬までは東海ダービーの優先出走権を獲得したが、次なる東海ダービーは東海・北陸・中国の交流レースでメンバー強化は必至。この舞台でどんな競馬を見せてくれるのか、本当に楽しみだ。　

10.06.04

●東海地区の３歳三冠の第一弾、駿蹄賞を楽勝したラッキーサンライズ。メンバーが軽かったとも言われたが、相手を寄せつけないその完勝ぶりは、この馬の地力強化の証。今回は難敵も駒を進めてきたが、今のラッキーサンライズならチャンスはあるはず。１番人気は、笠松、水沢、佐賀、園田と全国を渡り歩いて、目下地方重賞４連勝中の笠松のエレーヌで単勝1.3倍の断然人気。次々と地方重賞を勝ちまくって話題となっている馬だが、いよいよ地元東海地区のダービー制覇を狙ってくる。ラッキーサンライズは、単勝4.9倍の２番人気。３番人気は、駿蹄賞では１番人気で３着だったメモリーキャップで単勝10.0倍。確かにエレーヌを打ち破るのは容易ではないが、決して太刀打ちできない相手ではないはず。栄光のダービー馬のタイトル奪取を目指し、全力の勝負を挑んでいく。

　直線に向くと、外のエレーヌがあっさり単独先頭。内のメモリーキャップも懸命に頑張ってはいるが、勝負は完全についている。外からラッキーサンライズが追ってくるが、先頭エレーヌとの差はなかなか縮まらない。ラスト150ｍで、先頭はエレーヌで１馬身半のリード。外のラッキーサンライズが、内のメモリーキャップをかわして２番手から前を追う。ここからラッキーサンライズも勝負根性を振り絞り、先頭エレーヌを懸命に追ったが、エレーヌもここからまた伸び脚を見せ、ラッキーサンライズは最後は半馬身差まで詰め寄ったものの２着でのゴール。エレーヌは、ラスト150ｍからは追ってはいてもムチは入っておらず、半馬身の着差以上に危なげのない内容で、地方重賞破竹の５連勝を成し遂げた。打倒エレーヌを目論んだラッキーサンライズは、逆に返り討ちに逢ってしまった。エレーヌの鞍上の筒井勇騎手は、「ラッキーサンライズが来ているのは分かっていました。迫られてからまた伸びてくれた。」とまさに快心の勝利。エレーヌの筒井勇騎手が、ゴール手前でガッツポーズを見せるなど、まだ若干余裕を残していただけに、今回は相手が強かったというところか。それでも、ラッキーサンライズの地力強化も目覚しい。これからの活躍が本当に楽しみだ。

10.05.19

●前年秋の地方重賞の東京記念で４着と上位食い込みを果たしたロングウェーブ。しかしながら、その後は９カ月の休養を余儀なくされることに。ようやく再びその雄姿を見せたのは、この年５月のＡ２以下の特別戦の皐月盃。結果は６着だったが、これを叩かれて強豪揃いの大井記念に駒を進める。南関東のトップクラスが集まるハイレベルの一戦だが、５２kgの斤量を生かせば、持ち前の渋太さで上位食い込みは十分狙える。１番人気は、ここ２戦交流Ｇ２のダイオライト記念で地方馬最先着の４着，統一Ｇ１のかしわ記念で６着とＪＲＡの強敵と戦ってきているセレンで単勝2.4倍。前年暮のＧ１東京大賞典でも４着と善戦している実力馬。２番人気は、報知オールスターＣ，金盃と地方重賞を連勝後、続く前走のマイルグランプリでは１番人気で４着だったマズルブラストで単勝3.1倍。金盃では、セレンを２着に下している。３番人気は、帝王賞，かしわ記念とＧ１２勝の実績を持つボンネビルレコードで単勝6.2倍。ここ２戦は統一Ｇ１で連続６着となっている。その他、Ｇ１のフェブラリーＳの覇者サンライズバッカスなども出走。ロングウェーブは、単勝42.6倍の９番人気。さすがにこのメンバーでは低評価もやむを得ないが、ロングウェーブは相手なりに走れる渋太さが持ち味。Ｇ１でも上位に食い込んでくるような相手でも、見せ場を作ってくれることを期待したい。。

　レースでは、ロングウェーブはそれほどいいスタートではなく、中団後ろの位置から。すっと先頭に立ったのはランキングで１馬身半のリード。ここから3/4馬身差に詰めてきてマズルブラスト，グラストップガンの２番手争い。ロングウェーブは、先頭から８馬身差の後方３頭目の位置で１周目３角へ。人気のセレンは、先頭から６馬身差の内々６番手。４角では、２馬身半差でボンネビルレコードは中団から。更に４〜５馬身差のロングウェーブは後方３頭目で、先頭までは１２馬身ほどの差。正面スタンド前ではゆったりとした流れで、単独先頭はランキングで、１馬身半差でマズルブラストが２番手。セレンは先頭から７馬身差。ロングウェーブは先頭から１２馬身差の位置で、内から少し中に持ち出して１角へ。１〜２角で、先頭ランキングは２馬身半と少しリードを開く。２番手はマズルブラストで変わらないが、向正面では隊列はバラけてきて縦長に。中団セレンは先頭まで７馬身差の位置をキープ。１馬身半差でボンネビルレコードが追走。向正面の中間では、更に２馬身半後ろの後方グループの外目をロングウェーブがじわっと押し上げる。サンライズバッカスは２馬身半差の後方２頭目の位置だが、ここから進出を開始。最後方のタンゴノセックも動き始める。３角では、先頭に立ったマズルブラストに、外からグラストップガンが並びかけると、３〜４角の中間では、グラストップガンが持ったままで先頭に出て、内半馬身差でマズルブラストは苦しくなってくる。その後ろは２馬身半差で内ライジングウェーブ，外セレンの３番手争い。ランキングは一杯になって脱落する。ロングウェーブは依然後方のまま、なかなか順位を上げられない。４角では、グラストップガンが単独２馬身抜けて、マズルブラストが２番手。１馬身半差でセレンが単独３番手で、ライジングウェーブは１馬身遅れて４番手。ボンネビルレコードは、更に２馬身半後ろの中団内々。そこからまた３馬身差の後方グループの外で、懸命に手が動くロングウェーブ。先頭までは１０馬身の差があって、勝ち負けまでは厳しい情勢で直線へ。

　直線に向くと、残り400ｍで先頭グラストップガンが３馬身と後続を突き放す。マズルブラストは一杯で、これを一気に抜き去ったセレンが単独２番手に上がり、先頭グラストップガンを猛追。脚色で断然まさるセレンは、残り１ハロンでグラストップガンを捉える。この時点で、その後ろは４馬身と差が開いていたが、ボンネビルレコードが内ラチ沿いを３番手に押し上げる。マズルブラストをかわしてライジングウェーブと最後方から早目進出のタンゴノセック４番手争い。その１馬身外からサンライズバッカスも追ってくる。ロングウェーブは、更に２馬身半後ろの中団外だが、ここからじわじわ差を詰めにかかり、ラスト100ｍでＧ１馬のサンライズバッカスを捉える。４番手争いの馬たちの中で、最後まで伸び切ったのはロングウェーブで、最後はタンゴノセックを半馬身捉えて４着でのゴール。あっさり先頭に抜け出したセレンは、完全にセーフティリードを取り、猛烈に追い込んでくるボンネビルレコードを２馬身抑え、人気に応えて快勝した。ロングウェーブは、優勝したセレンからは８馬身差があったが、強豪揃いの中で地方重賞入着を果たした。確かに斤量は恵まれていたが、長期休養明け２戦目で、まだ本調子まで戻り切っていないことを考えると、健闘と言っていい頑張り。今後も渋太い競馬で見せ場を作ってくれるはず。できることなら、もう一度地方重賞のタイトルを奪取したいところだ。

10.06.10

●前走実力馬揃いの地方重賞の大井記念で４着と善戦したロングウェーブ。改めて底力のあるところを示してくれたが、今回はＡ２以下特別で勝利を目指す。特別戦とはいえ、なかなかメンバーの揃ったが、もちろんロングウェーブにもチャンスは十分。１番人気は、前走牝馬の地方重賞のしらさぎ賞で重賞初制覇を果たしたジョーイロンデルで単勝2.4倍。近１２戦で９勝と勢いに乗って、トップ牝馬にまで登り詰めてきた。２番人気は、地方重賞で２着３回の実績を持つシャレーストーンで単勝3.4倍。近３走は、地方重賞の金盃４着，Ａ２特別で３馬身差快勝，高知の交流Ｇ３の黒船賞６着という成績。ロングウェーブは、単勝4.7倍の３番人気。実力的には拮抗しているだけに、ロングウェーブの勝負根性に期待したい。

　レースでは、ロングウェーブは若干甘いスタートで、じっくり中団からの競馬。内からランキングが出てくるが、中半馬身差でジョーイロンデルも差はなく、これに外からコアレスガバナーが並びかけて、この３頭の先行争い。ロングウェーブは内々の後方２頭目の位置で、先頭からは７馬身の差があって１角へ。１〜２角で、単独先手を奪ったのはコアレスガバナーで、リードを３馬身と開いていく。ランキングが２番手の態勢で向正面へ。更に３馬身と開いてジョーイロンデルが４番手。そこからまた３馬身差で、４番手シャレーストーン以下。１馬身半差でメイホウホップは手が動き、更に１馬身差の中団内々のロングウェーブも、向正面の中間では手が動き、早くもムチまで飛んで厳しい競馬か。３角では、先行３頭はそれぞれ１馬身半間隔。これに１馬身差のシャレーストーンは手応えが怪しく、これを外からかわしにかかるメイホウホップ。これと同じような脚でロングウェーブもじわっと差を詰めるが、ここでも押っつけながらの追走。３〜４角の中間では、ジョーイロンデルが単独２番手に押し上げ、手応えよく先頭に接近。４角では、１馬身差でランキングとメイホウホップの３番手争い。その間を狙うように１馬身差でロングウェーブが５番手の位置。ここまで押っつけながらの追走だったが、果たしてここから伸びて来られるのか。

　直線に向くと、逃げたコアレスガバナーに、外からジョーイロンデルが並んできての叩き合い。１馬身半差でメイホウホップが単独３番手。残り１ハロンでは、更に１馬身1/4差で、ランキングをかわしてロングウェーブが４番手に上がって来る。外ウツミランカスターもこの争い。ここまで反応の悪かったロングウェーブだが、一杯に追い出されて、このあたりから徐々に脚色にパワーがみなぎってくる。ジョーイロンデルが先頭で、これを3/4馬身差で追うメイホウホップの争いとなるが、１馬身差の単独３番手となったロングウェーブが、ラスト150ｍを切ってからインを突いてグイグイ。伸び脚は断然まさり、ラスト60ｍでは、メイホウホップをかわして２番手に上がると、押し切りを図るジョーイロンデルを厳しく追い詰める。そして、ゴール寸前でこれを首差捉えたロングウェーブが優勝のゴール。道中は苦戦を覚悟したが、決してバテない類い稀なるスタミナがまさった印象。地方重賞を制して勢いに乗るジョーイロンデルを捻じ伏せた。もちろんこの勝利は実力の証。この後は、再び更なる強敵に勝負を挑む。

10.07.02

●前走Ａ２特別の短夜特別を優勝したロングウェーブ。Ａ２戦とはいえなかなかのメンバーが揃っていただけに、この勝利は高く評価されるもの。今回はオープン戦で、前走以上にメンバーは強化されるが、前々走大井記念４着の実績を見ても、もちろんここも優勝争いの期待。１番人気は、昨秋の天皇賞１０着を最後に南関東に移籍してきたアドマイヤフジで単勝2.1倍。日本ダービーなどＧ１入着４回、グレードレース３勝の実績はここでは断然のもの。久々であることと、ダートでの戦いで移籍緒戦という点で、そのあたりにつけ入るチャンスはあるはず。２番人気は、前走短夜特別では２番人気で１１着に沈んだシャレーストーンで単勝4.8倍。羽田盃２着などの地方重賞実績を持つ馬で、前走の大敗は決してあれが実力ではなく、今回巻き返してくる可能性は高い。ロングウェーブは、単勝5.6倍の３番人気。決め手を欠くスタミナタイプだけに、勝ち切れるかどうかは何とも言えないが、勝ち負けの競馬は間違いないはずだ。

　レースでは、ロングウェーブはスタートで頭を上げるような形になって、１馬身立ち遅れ。後方からの競馬となる。好スタートはケイアイジンジンで、すっと２馬身半リードするが、外からシャレーストーンと間アドマイヤフジの２頭がこれに並んで行こうかという構え。ロングウェーブは後方グループの大外で、先頭までは６馬身差の位置で１角へ。１〜２角で、先頭はケイアイジンジンで、3/4馬身差でシャレーストーンが２番手。その後ろは１馬身3/4差でフリートアピールとアドマイヤフジの３番手争いで向正面へ。その後ろは５馬身と間隔が開いて、チェレブラーレがポツンと５番手の位置。これに２馬身半差で後方グループは固まっているが、この一群の大外がロングウェーブの態勢。向正面の中間を過ぎると、ロングウェーブもじわっと押し上げて単独６番手に。３角では、先頭ケイアイジンジンに、外から手応え十分にシャレーストーンが並んでくる。１馬身半差でアドマイヤフジが３番手で、フリートアピールは手応えが苦しくなって後退。３〜４角の中間では、ロングウェーブは依然後方で、なかなか差を詰められない。４角では、ケイアイジンジンが先頭をキープするが、外首差でシャレーストーンは持ったまま。１馬身1/4差で３番手アドマイヤフジも追撃態勢で、その後ろは５馬身と大きく差が開いてフリートアピール。これに3/4馬身差でチェレブラーレがいて、その１馬身外にようやくロングウェーブの態勢で直線へ。

　直線に向くと、前２頭の争いからシャレーストーンがすっと先頭。しかしながら、内半馬身差でケイアイジンジンも食い下がる。更に１馬身1/4差でアドマイヤフジも懸命に前を追ってくる。残り１ハロンでは、その後ろ２馬身半差でフリートアピール，チェレブラーレの４番手争いで、更に１馬身差で外ロングウェーブ。ここまでなかなか伸び切れない感じのロングウェーブだったが、残り１ハロンを切ってからようやく伸び脚を発揮。ラスト150ｍでチェレブラーレらを抜き去って単独４番手に上がるが、３番手のアドマイヤフジまではまだ３馬身の差がある。ラスト100ｍで、先頭シャレーストーンが１馬身1/4差抜け出し、アドマイヤフジとケイアイジンジンの２番手争い。ロングウェーブは更にまだ３馬身の差があったが、ここから２番手争いの２頭に迫って行く。しかしながら、エンジンのかかりが遅かっただけに、３番手に競り負けたケイアイジンジンに１馬身差まで迫ったものの４着止まりのゴール。先頭シャレーストーンはそのまま押し切り勝ち。Ｇ１の常連アドマイヤフジの移籍緒戦は２着に終わった。もうひとつ伸びを欠いて４着に終わったロングウェーブ。前に行った馬同士の決着だっただけに、スタートで後手を踏んで後方からの競馬になったのが痛かった。元々後ろから行くタイプの馬だが、勝負どころで前との差が開き過ぎていた。今回は距離も短かった印象で、今後も条件次第では今回の上位馬を負かして不思議はないはずだ。