２００４年（平成１６年）

 ２００５年（平成１７年）

 ２００６年（平成１８年）

●種牡馬として産駒数にも恵まれないヤマニングローバルは、これまで中央で出走した産駒数は５頭。そのいずれもが、勝利はおろか掲示板入りさえ果たしていない。しかし、このヤマニンデュエルは、ヤマニングローバル産駒としては これまでで最高の逸材。兄には朝日杯３歳Ｓであのミホノブルボンを鼻差まで追い詰める２着と大健闘したヤマニンミラクルを始め、ヤマニンアビリティ，ヤマニンリスペクトという重賞での活躍馬がいる。当然ヤマニンデュエルも期待を集めることとなり、今回のデビュー戦では、ヤマニングローバル産駒としては未だ嘗てない２番人気という高い支持を受けた。１番人気は、マル外のドラゴンアローで単勝1.5倍の圧倒的な人気。２番人気のヤマニンデュエルは、 鞍上に武豊騎手を迎えたこともあって単勝3.8倍となかなかの人気で、３番人気のマル外ナイキウェルカムは単勝11.7倍と人気では差が開いていた。ヤマニングローバル産駒のＪＲＡ 初入着はもちろん、ＪＲＡ初勝利さえ十分期待できる一戦となる。

　レースでは、出脚もよく先手を取りに行くヤマニンデュエル。決して無理して行ったわけでなく、すっと半馬身のリードで先頭へ。２番手は人気のドラゴンアローなどが一団で追走し、１頭を除いて全馬が４馬身の圏内。レースが動いたのは３角過ぎから。大外を回ってトーセンディライトが早くも仕掛けて来て、先頭のヤマニンデュエルを交わしにかかる。ここでヤマニンデュエルも先頭を譲らず、２頭で後続を１馬身半 と離していく。単独３番手のドラゴンアローはこのあたりでは反応が悪く、手が動き始める。替わって大外からエディキャスケードも先頭争いに接近して来る。それでも、内ヤマニンデュエル，外トーセンディライトの２頭で、再び１馬身半のリードを保 ち、３番手は内ナイキウェルカム，外エディキャスケード、その更に１馬身後ろの大外がドラゴンアローで直線へ。

　直線に向いても、内ヤマニンデュエル，外トーセンディライトの２頭が、びっしり馬体を併せての激しい叩き合いが続く。根性で勝るヤマニンデュエルが頭一つリードし、残り１ハロンでは 更に半馬身近くにリードを開いて勝利の期待が俄然高まる。しかし、ここから外ナイキウェルカムが一気の伸び脚。残り150ｍでは先頭争いの内の２頭を一気に交わして単独先頭に突き抜ける。 それでもなんとか連には残りたかったヤマニンデュエルだったが、勝負どころでは手応えが怪しかったドラゴンアローがここから一気にエンジン全開。先頭のナイキウェルカムにも迫る勢いで、残り100ｍであっという間に単独２番手に。ヤマニンデュエルは、残りあと100ｍというところで甘くなってしまい、ここからトーセンディライトが盛り返してきて、３番手争いは際どくなる。更には、この時点で２馬身後ろにいたエディキャスケードが、この３番手２頭に外から襲い掛かると、ゴール寸前で半馬身交わして単独３番手に。ヤマニンデュエルは、最後はトーセンディライトにも鼻差競り負けて５着と苦杯 のゴール。掲示板を確保したことで、一応ＪＲＡでのヤマニングローバル産駒初入着という記録は残したが、この結果は当然満足のいくものではない。それでも、すっと先行できた競馬センスと５着とはいえ渋太く粘っていた内容は今後につながるもの。鞍上の武豊騎手は、「 ちょっと外へ逃げ加減だったので、被せてくれて良かった。最後まで渋太く踏ん張っているが…。」とコメント。 ヤマニングローバル産駒のＪＲＡ初勝利への夢をつなぐ走りは見せてくれた。

●デビュー戦では２番人気ながら５着に終わったヤマニンデュエル。ヤマニングローバル産駒ＪＲＡ初入着は果たしたが、もちろんこの結果は納得のいくものではない。デビュー２戦目となる今回も鞍上に武豊騎手を迎え、巻き返しはもちろんのこと、ヤマニングローバル産駒のＪＲＡ初勝利を目指す。前走はマル外の１，２着馬に少し水を開けられた形で敗れているが、３着馬との差は僅か。今回はマル父限定戦で前走より戦い易いメンバーだけに、単勝2.7倍の１番人気に支持され、いやが上にも期待が高まる。２番人気は、種牡馬としては殆ど無名のリキアイワカタカ産駒で、デビュー戦でも２番人気で３着と善戦しているリキアイワカワシで単勝3.4倍。３番人気は、昨夏の函館新馬戦４着の後休養し、４ヵ月半ぶりの前走未勝利戦でいきなり４着に頑張ったチャレンジシチーで単勝5.8倍。どの馬もまだキャリアが浅く未知数な面が多いが、ヤマニンデュエルの上昇度に期待したい。

　レースでは、それほど好スタートではなかったが、最内枠から好位に取り付いていくヤマニンデュエル。まずエイシンケンザンが出脚が速く先頭に立つが、以下も差なく続いて行く。１馬身差の２番手に、内シゲルコイコイ，外ハイタイドがつけ、その半馬身差の内４番手の好位にヤマニンデュエルが取り付くが、このあたりは全くの一団。先団８頭が３馬身の圏内にひしめき合っている。３角で、先頭エイシンケンザンの外からシゲルコイコイが首差まで馬体を併せてくる。更に１馬身差の３番手にハイタイドで、その半馬身内の４番手を終始キープするのがヤマニンデュエルで手応えは悪くないが、３分３厘ではハイタイドとヤマニンデュエルの間にチャレンジシチーが割って入ってくる。４角では、エイシンケンザンとシゲルコイコイの２頭のハナ争いで、その１馬身直後の３番手に内ヤマニンデュエル，外チャレンジシチーの２頭が手応えよく虎視眈々と追い出しのタイミングを窺って直線へ。

　直線に向くと、ヤマニンデュエルはエイシンケンザンとシゲルコイコイの間を突き、チャレンジシチーは一番外に出して一気に先頭争いに加わってくる。残り250ｍでは前４頭横に並んだが、勢いはヤマニンデュエルとチャレンジシチーの２頭が断然違っていた。残り１ハロンからは内ヤマニンデュエルと外チャレンジシチーのマッチレースに。頭一つリードして抜け出しを図ったチャレンジシチーに、ヤマニンデュエルも必死に食い下がりデッドヒートが続いたが、残り120ｍからチャレンジシチーがじわじわリードを開きにかかる。最後に3/4馬身差後れたヤマニンデュエルは２着に惜敗 のゴール。３番手には内ラチ沿いをぐいぐい伸びて来たレインボースカイが上がって来たが、前の２頭とは５馬身もの大きな差をつけられていた。ヤマニンデュエルも、３着馬を大きく引き離したように、能力の高さを示したが、今回はそれを上回ったチャレンジシチーの健闘を称えるしかない。 鞍上の武豊騎手は、「物見する面があるので、ハナに行った方がいいね。馬込みでリラックスして走れていたし、時計も悪くない。」とコメン。それでも、ヤマニングローバル産駒のＪＲＡ初勝利に確かな手応えを掴んだのも事実。次走こそ、父ヤマニングローバルの名を高める悲願の勝利を期す。

●デビュー２戦目の前走 未勝利戦で、あと一歩で勝利を逃したヤマニンデュエル。しかし、悲願のヤマニングローバル産駒ＪＲＡ初勝利は もう目前との確信を得て、今回こそ勝利を目指す。デビュー以来手綱を握る武豊騎手を鞍上に、単勝1.1倍の一本かぶりの人気を集め、もう負けられないと必勝を期してレースに臨む。２番人気は、前走、中京のデビュー戦で人気薄ながら３着に善戦したエルウェーキュートで単勝10.4倍。３番人気は、前走ヤマニンデュエルから５馬身差の３着だったレインボースカイで単勝13.6倍。前走はマル父限定戦だったが、今回は限定戦で はなく、これでこそ悲願達成に相応しいレースとなる。

　レースでは、持ったままで好位に取り付いて行くヤマニンデュエル。外から押してアースサイコーダーが先手を奪うが、ヤマニンデュエルも内から持ったままで殆ど差のない２番手へ。これに外から一気に行ったのがレインボースカイ。「今日はヤマニンデュエルの前に行って負かしに行く」という作戦で、あっという間に先手を奪って１馬身半の逃げ。３角で、２番手に内アースサイコーダーと外から上がって来たエルウェーキュートが併走し、ヤマニンデュエルは一旦先頭から４馬身差の４番手まで下げる。ヤマニンデュエルは、３角過ぎで少し手が動いたが、俊敏に反応して３〜４角にかけて持ったままで差を詰めにかかる。４角では、先頭レインボースカイの半馬身外にエルウェーキュートが並び掛けて行くが、ヤマニンデュエルはその１馬身半外の射程圏内 の３番手に取り付いて直線へ。

　ここまで持ったままのヤマニンデュエルは、直線で武豊騎手が軽く押しただけで一歩一歩前の２頭を追い詰めて行く。 残り１ハロンで、２番手の内エルウェーキュートを外からあっさり交わすと、１馬身前にいる先頭レインボースカイを残り150ｍで交わして単独先頭へ。もはやヤマニンデュエルの勝利は疑いようもない。ほとんど馬ナリに近い手応えで先頭に立ったヤマニンデュエルは、レインボースカイを１馬身半引き離して余裕しゃくしゃくの楽勝劇 のゴール。圧倒的人気に応えて、ついに待ちに待ったヤマニングローバル産駒によるＪＲＡ初勝利を見事に果たした。しかし、ヤマニンデュエルにとってこの初勝利は通過点に過ぎない。 鞍上の武豊騎手が、「控えて差すレースに慣れてきた。抜け出す時も楽だったし、昇級しても相手なりにやれそうだよ。」とコメントしたように、自在の立ち回りが可能なヤマニンデュエルなら、昇級してもきっと好勝負をしてくれるはず。父ヤマニングローバルの種牡馬としての価値を高めるため、ヤマニンデュエルは新たなる戦いのステージへと向かう。

●デビュー３戦目の未勝利戦を勝ち上がり、ついに念願のヤマニングローバル産駒ＪＲＡ初勝利を達成したヤマニンデュエル。父の名を一層高めるため、昇級後の500万クラスでの活躍が大いに期待されたが、続く中山遠征の500万下平場戦では、勝ち馬から１７馬身差の１３着、続く前走阪神の平場戦では勝ち馬から８馬身差の９着とともに大敗。失意の結果ではあったが、前走は幾分レース内容にも進境が見られ、使われつつ徐々にクラス慣れも見込まれるだけに、今回の父内国産限定の平場戦で、そろそろ上位食い込みのきっかけを掴むレースを見せてほしいところ。１番人気は、９戦目の未勝利戦を勝って惜敗続きにピリオドを打ち、昇級後も平場戦を３戦して３着，２着，２着、しかもその３戦とも勝ち馬から0.3秒以内の僅差の競馬をしているトーホウレビンで単勝1.4倍の圧倒的な人気。２番人気は、３戦目の未勝利戦を勝ち上がった後、沈丁花 賞４着，滝桜賞３着と確実に上位に食い込んでいるセフティーステージで単勝6.5倍。そして、ヤマニンデュエルは単勝34.4倍の９番人気と低評価。確かに近２走のレース内容からは、苦戦はある程度覚悟しなければならないが、初勝利時の力強いレースぶりからは、決してこのまま終わるとは思えない。今回既に昇級３戦目となるだけに、何とかこのクラスで戦える手応えを実感できるレースを期待したい。

　レースでは、まずセンティーレがもの凄いダッシュ力で先頭に立ち、あっと言う間に２馬身のリード。ヤマニンデュエルも好位に取り付いていく。そして今度は、内からテイエムサムライがぐいぐい押して行って、センティーレに並び掛けてこの２頭のハナ争いに。２馬身離れた３番手にウイングシチーで、更に半馬身差の内４番手にホーマンブラヴォー。更にその半馬身外、先頭から３馬身差の５番手がヤマニンデュエルの態勢。断然人気のトーホウレビンは、ヤマニンデュエルの４馬身後ろの後方集団の一角で脚をタメている。向正面の中間では、今度はテイエムサムライが半馬身リードで先頭。２番手がセンティーレとなり、３番手は２馬身半開いてウイングシチーが追走するが、ここからすっと前２頭に１馬身差まで接近。つれて、内からホーマンブラヴォー，ヤマニンデュエル，セフティーステージの３頭が差なく続いて、先頭までの差を詰めて行く。以下は３馬身と差がついており、トーホウレビンは依然後方でじっとしたまま。３角で、ヤマニンデュエルは先頭まで３馬身の位置だが、ここまで手応えは悪くない。３〜４角にかけて、先団は固まってきて、ホーマンブラヴォー，ヤマニンデュエルも外から先頭まで１馬身半差まで接近。このあたりで、人気のトーホウレビンも外からまくり気味に進出を開始し、直線入口では外へふくれ気味になって他馬を強引に押しやってしまうほどの凄い勢いで、先頭から５馬身差の中団まで押し上げて直線へ。

　直線は、テイエムサムライとセンティーレの叩き合いとなるが、これを１馬身半差で追ってくるのがホーマンブラヴォーと外ヤマニンデュエルの２頭で、じわじわ先頭２頭に迫って行く。しかし、この３番手争いで、ヤマニンデュエルはホーマンブラヴォーに１馬身突き放されてしまう。それでも先頭２頭は既に脚色一杯で、ヤマニンデュエルにも上位食い込みの大いなるチャンス到来。その瞬間、大外から凄い切れ味で強襲してきたのが人気のトーホウレビン。残り150ｍではヤマニンデュエルを外から交わし、残り100ｍでは単独先頭に立っていたホーマンブラヴォーを外から並ぶ間もなく抜き去ると、あとは完全に一頭突き抜けての独走に。残り100ｍでは単独３番手に上がりかけたヤマニンデュエルだったが、今度は外からじわじわツルマルローレルが詰め寄ってくる。ヤマニンデュエルも懸命の頑張りを見せたが、残り50ｍで力尽きてツルマルローレルに後れてしまう。それでも、ゴール前内から差を詰めてきたセフティーステージの追撃を首差凌いで４着は死守 のゴール。優勝したトーホウレビンは３馬身差の圧勝だったが、ヤマニンデュエルも２着馬とは１馬身も差はなく、見せ場十分の内容。 鞍上の生野騎手は、「 先生からは、スタートは速いけどあまり行かないようにと言われていた。馬任せに乗ってあの位置になりましたが、一瞬は伸びてくれましたし、タメればもっと切れる脚を使えそうですし、このクラスでも十分やれますよ。」とコメント 。これで500万クラスで戦えるメドが立っただけに、これからは更なるパワーアップで500万クラスでの勝利を目指す。

●前走500万クラス昇級３戦目にして４着と変わり身を見せたヤマニンデュエル。前走がメンバー的にそれほどレベルも高くなかったとの見方から、前走の好走だけではなかなか評価が高まらないが、明らかにこれまでと違う走りっぷりだっただけに、決して恵まれての好走ではないはず。ここで本当の力を見せつけて低評価を覆したいところ。１番人気は、前走４ヶ月ぶりの500万下平場戦で３着に食い込んだウインサウザーで単勝2.1倍。２番人気は、前走こそ９着と人気を裏切ったが、３前走，前々走で僅差の４着，３着と好走しているタガノコマンダーで単勝6.1倍。ヤマニンデュエルは、単勝21.1倍の８番人気。前走４着の実績からの比較では、決して上位人気馬と較べてもそれほど遜色があると思われない。血統的背景が評価に影響しているとするなら、ここで是非とも父の名を高めるべく意地を見せてほしい。

　レースでは、互角のスタートを切ったヤマニンデュエルは、少し押しながら好位を取りに行く。まず、内からヤマニンデュエル，中ウインサウザー，外マルイチクエストの３頭のハナ争いとなるが、これに間を突いてオフィサーも加わって行き、前４頭が固まってレースを引っ張る。ここでヤマニンデュエルとマルイチクエストは控えて、結局ウインサウザーが先頭に立って半馬身リード。２番手がオフィサーで、その１馬身後ろの３番手がマルイチクエスト。ヤマニンデュエルは、その内に首差4番手で続いているが、このあたりはうまく流れに乗っている。３角で、ヤマニンデュエルは前２頭から２馬身離された形となるが、３分３厘で右ムチ一発入ると、すーっと前２頭に接近。４角では、先頭ウインサウザーが１馬身半とリードをとって軽快に逃げるが、２番手オフィサーの半馬身内の単独３番手にヤマニンデュエルが取り付く。４番手は２馬身開いてオッティミスタ以下の態勢で直線へ。

　直線はこの前３頭の争いに絞られたが、３頭とも同じような脚色で態勢は変わらない。２番手オフィサーを半馬身差で懸命に追うヤマニンデュエルだったが、残り１ハロンでは苦しくなり、オフィサーからじわり１馬身後れをとる。ここからじわじわ遅れだしたヤマニンデュエルは、残り100ｍでオフィサーから１馬身半後れると、あとは力尽きた形で最後はオフィサーから３馬身差の３着でゴール。先頭ウインサウザーの逃げ脚は最後まで衰えることなく、１馬身差を保って危なげのない逃げ切り勝ち。４番手から差して来たリーピンスイーパーは、ヤマニンデュエルに１馬身半差まで詰めるのがやっとだった。結果は３着だったヤマニンデュエルだが、４角で上位３頭に勝負が絞られた中の一頭で、五分の勝負ができたのは実力の証。前走に続いての好走で、500万クラスでの勝利をぐっと手元に引き寄せた感があり、鞍上の生野騎手 は、「スピード十分で、癖もなく乗りやすい馬。よく踏ん張ってくれたし、チャンスは近いと思います。」と勝利を意識するコメント。偉大な父の域に一歩でも近づくためのヤマニンデュエルの戦いはまだまだ始まったばかりだ。

●前走の５００万下平場戦で３着に食い込み、２走連続の入着を果たしたヤマニンデュエル。このクラスでも確実に上位争いができる能力を示すとともに、一戦ごとにパワーアップも窺えるだけに、そろそろ勝機が巡ってきても不思議はない。今回は1000ｍの電撃戦で、また新たな面を見せてくれるかもしれない。１番人気は、デビュー３戦目の未勝利戦を順当に勝ち上がった後、７ヶ月ぶりの実戦で昇級緒戦となった前走500万下平場戦で６着だったピサノヘネシーで単勝3.5倍。２番人気は、前走の平場戦では８着だったが、前々走は２着と善戦しているマル外のダイヤモンドプラドで単勝5.4倍。そして、ヤマニンデュエルは単勝7.5倍の３番人気。ヤマニンデュエルのライバルたちもそれほどの難敵ではないだけに、ここはヤマニンデュエルにも十分勝機がある組み合わせのレースとなり、ヤマニングローバル産駒のＪＲＡ２勝目への期待が大いに高まる。

　 レースでは、五分のスタートで出たヤマニンデュエルは好位の争いに。ポーンと好発で出たのはスターペスゲンズイだが、これを交わしてサラトガヴィーナスが単独先頭に立つ。２番手はヤマニンデュエルなど４〜５頭が並んでいたが、大外のエイシンアバロンが一気に上がって行って、スタートから250ｍ１馬身差の２番手にサラトガヴィーナスは控え、更に１馬身半差の３番手絶好のポジションにヤマニンデュエルが取り付く。その半馬身外４番手がウイングシチーで、人気のピサノヘネシーは、ヤマニンデュエルの１馬身半後ろの６番手の位置。の地点で、サラトガヴィーナスを交わして単独先頭に。３角で、先頭エイシンアバロンのリードは１馬身半。２番手がサラトガヴィーナスで、更に１馬身半差の３番手がヤマニンデュエルで、このあたり態勢は変わらず。一方、人気のピサノヘネシーは、３〜４角の中間あたりでは外々へ逃げ加減で、スピードが乗らずに後退気味で圏外に消えていく。ヤマニンデュエルは行きっぷりよく、３分３厘では２番手サラトガヴィーナスの外に馬体を併せて押し上げて行くが、先頭エイシンアバロンは依然として２馬身リードをキープ。しかし、４番手以下はヤマニンデュエルの後ろ２馬身と開いて反応も悪く、前３頭の勝負に絞られた形で直線へ。

　直線に向くと、ヤマニンデュエルとサラトガヴィーナスの２番手２頭が、ぐいぐい先頭エイシンアバロンに迫って行き、残り150ｍではエイシンアバロンをあっさり交わし去る。４番手以下は更に４〜５馬身も差が開いており、完全にヤマニンデュエルとサラトガヴィーナスの争いに絞られる。しかし、ここからヤマニンデュエルが力の違いを見せつけて、じわじわサラトガヴィーナスを突き放す。一完歩ごとにリードを開いたヤマニンデュエルは、最後はサラトガヴィーナスに１馬身半差をつける完勝 のゴール。ヤマニングローバル産駒ＪＲA２勝目を見事に飾った。鞍上の川田騎手は、「 周りが速くて行けなかったけど、その分折り合って運べました。最後は内の馬に出られていればダメだったかもしれませんが、うまくガードすることができました。」と コメント。明らかに前走よりパワーアップしており、一戦毎に力をつけているヤマニンデュエル。これで1000万クラスに昇級するが、父の名を高めるため、孤軍奮闘で更なる強敵相手に勝利を目指す。

●５月の500万下平場戦を快勝し、ヤマニングローバル産駒ＪＲＡ２勝目の勝ち鞍を挙げたヤマニンデュエル。晴れて1000万クラスに昇級することとなるが、更なる強敵にどんな戦いぶりを見せてくれるのか。しかしながら、北海道に遠征した昇級戦の競馬は、1000万下特別を２戦して１２着，９着と、まったく見せ場のない完敗を喫してしまった。力の差があったのかも知れないが、連戦の疲れがあったのも事実。それだけに、その後は４ヶ月の休養を取って、この秋から再スタートを切る。そして、休み明けの前走平場戦では７着と結果は伴わなかったが、あと僅かで５着入着もあった内容で、僅かながら浮上への光明を見出すことができた。そして、今回は休み明け２戦目で前進 しか考えられないだけに、入着以上の好勝負を期待したいところ。１番人気は、近４走３着，２着，２着，３着と、常に勝ち負けの勝負をしているテイクザケイクで単勝2.2倍。既に1000万下勝ちがあるという実績からも、ここでは力量上位。２番人気は、前走フルーツライン特別で勝ち馬から半馬身差の３着だったマイティシルバーで単勝3.2倍。前々走の特別戦では、５着に終わってはいるが１番人気支持され ていたほどの馬。ヤマニンデュエルは、これまでの実績から評価も低く、単勝50.4倍の８番人気。父ヤマニングローバルの名を高めるため、孤軍奮闘状態のヤマニンデュエルだが、それだけに背負っている期待も大きい。どうしてもこのまま終わるわけにはいかないだけに、ここで是非とも意地と根性を発揮してほしい。

　レースでは、なかなかの好スタートを切ったヤマニンデュエル。先行争いの一角に加わっていくが、テイクザケイク，ロードウィズダム，マイティーシルバーの３頭の先頭争いに先を譲って、ヤマニンデュエルは、先頭から１馬身差の４番手に下げて行く。まず、ロードウィズダムが先頭に立って、半馬身差の外２番手がマイティシルバー。更に半馬身差の内３番手がテイクザケイクで、ヤマニンデュエルはその１馬身後ろの４番手で、人気２頭をすぐ前に見ながらの競馬。以下も１馬身差で差なく続いているが、中団にいた最低人気のバリーバーンが、行きっぷりも悪く内ラチ沿いを最後方あたりまで下がっていく。３分３厘でも好位の一角のヤマニンデュエルだが、内テイクザケイク，外ダイタクカイエンの間に挟まって、更に後ろにいた差し馬勢も外から押し上げてきて、ヤマニンデュエルはやや包まれた格好になり、直線うまく前が開くか懸念される状況に。４角では、先頭は依然としてロードウィズダムで、半馬身差の外２番手がマイティシルバー。更に１馬身差の３番手が外ダイタクカイエン，大外アグネスボゾンの２頭。ヤマニンデュエルは、その１馬身後ろの内目５番手争いで、最内テイクザケイクと並ぶ態勢で直線へ。

　直線に向くと、ロードウィズダムとマイティシルバーの２頭の先頭争いとなるが、残り250ｍであっさりマイティシルバーが先頭に抜け出す。３番手争いは混戦となるが、テイクザケイクとダイタクカイエンの間 の狭いところをを割るように、ヤマニンデュエルが力強く伸びて来る。単独３番手に上がったヤマニンデュエルは、一杯になったロードウィズダムを残り150ｍで交わして単独２番手となるが、外のダイタクカイエンが半馬身差で執拗に食い下がる。この時点で、先頭マイティシルバーは３馬身半抜け出して独走態勢。なんとか２着を死守しようとするヤマニンデュエルは、ダイタクカイエンの差し返しを許さず２番手をキープしていたが、勝負どころで最後方まで下がっていった最低人気のバリーバーンが大外から強襲。ほぼヤマニンデュエルが２着確保の態勢だったが、ゴール寸前で大外から 追い込むバリーバーンに半馬身交わされて３着でのゴール。内外大きく離れた２着争いとなっては、ヤマニンデュエルも最後の渋太さを発揮することもできなかった。マイティシルバーは、ただ一頭５馬身抜け出しての圧勝だった。それでも、ヤマニンデュエルは３着に食い込み、1000万クラス初入着を果たした。 鞍上の上野翔騎手は、「軽く仕掛けただけでスッと行けましたからね。道中も楽だったし、２着はあるかと思いましたが。」とコメント。展開利があったわけでもなく、地力で上位争いを演じたレース振りから、次走以降も大いに期待していいはず。ヤマニングローバル産駒のＪＲＡ３勝目の勝ち鞍、そして準オープン昇級に大いに期待が膨らんだ。

●前年１２月、1000万クラス昇級４戦目の平場戦で３着に食い込んだヤマニンデュエル。この勢いで一気に1000万クラスの勝利にまで突き進みたかったが、その後は３戦して１１着，１０着，１３着と急降下してしまう。明らかに体調面で問題が出て来た走りだったことから、６ヶ月の休養を取って立て直しが図られる。今回は休み明けの一戦となるが、500万クラスに降級しての一戦だけに、休み明けでもいきなりの勝ち負けの競馬を期待したい。１番人気は、前走休み明け２走目の平場戦で２着だったシルクアルボーレで単勝3.2倍。３走前には1000万下平場戦で４着となっているように、このクラスでは力量上位の馬。２番人気は、1000万クラスでは出走取消が重なるなどして力を出し切れなかったが、前走500万クラス降級緒戦の平場戦で２着と力を見せたヴァンクルタテヤマで単勝3.5倍。ヤマニンデュエルは、単勝16.2倍の６番人気。ヤマニンデュエルも、実力さえ出し切れればあっさり勝利しても不思議のない実力の持ち主だが、今回はどこまで立て直しが利いたかがポイントとなるレース。ヤマニングローバル産駒の筆頭として特別な期待を背負うヤマニンデュエルだけに、意地とプライドに懸けて、500万クラスで無様なレースはしていられない。

　レースでは、ヤマニンデュエルとルルドウォーターの８枠２頭が好スタート。ここからヤマニンデュエルはぐいぐい押して、スピードの違いを見せつけてハナに立つ。１馬身差でルルドウォーターが２番手だが、今度は内からサッサイアが２番手に上がってきてヤマニンデュエルに3/4馬身差に接近してくる。シルクアルボーレは、先頭から６馬身差の中団やや後ろで、３角ではムチも飛ぶ苦しい行きっぷり。このあたり、先頭は依然としてヤマニンデュエルで、3/4馬身差の２番手に外から再びルルドウォーターが押し上げ、更に半馬身差で大外ヴァンクルタテヤマも３番手に進出。３分３厘では、この前３頭が先行グループを形成するが、４角では、３番手ヴァンクルタテヤマの3/4馬身差外の４番手にシルクアルボーレも押し上げてくる。先頭ヤマニンデュエルは、半馬身〜3/4馬身ほどリードを保つが、後続の厳しい追撃もあって、直線入口から手綱が動いてスパート態勢に入って直線へ。

　直線に向くと、先頭ヤマニンデュエルが１馬身とリードを取って逃げ込みを図る。２番手にはルルドウォーターだが、その外からヴァンクルタテヤマがぐいぐい末脚を伸ばしてくる。残り１ハロンでは、先頭ヤマニンデュエルの半馬身外まで詰め寄って来たヴァンクルタテヤマ。更に3/4馬身差で内ルルドウォーターが３番手で、大外シルクアルボーレも、先頭まで２馬身半差の４番手から差を詰めてくる。本来ならここからもうひと踏ん張りが利くヤマニンデュエルだが、休み明けの分息切れしてしまい、残り150ｍからヴァンクルタテヤマが単独先頭に抜け出して来る。残り100ｍでは１馬身1/4抜け出したヴァンクルタテヤマ。ヤマニンデュエルも懸命に２番手で頑張っているが、既に半馬身差の外にルルドウォーターとシルクアルボーレが馬体を併せてくる。ヤマニンデュエルも最後の力を振り絞って頑張っていたが、残り50ｍでシルクアルボーレにかわされると、ゴール寸前でルルドウォーターにも首差差されて４着でのゴール。この馬の実力から考えれば、４着という結果は満足のいくものではなかったが、休み明けで２着争いに踏ん張ったという点では一応及第点の内容。鞍上の四位騎手も、「 何とか押し切れるかと思ったが、最後は久々の分止まってしまった。でも、力があることは分かったし、次は何とかしたい。」とコメント。次走では大きな上積みが見込めるはず。立て直し効果もはっきり現れていただけに、次走では通算３勝目の勝ち鞍を挙げるチャンスも相当に大きいはずだ。

●500万クラス降級緒戦の平場戦で４着と力を見せたヤマニンデュエル。休み明けでのいきなりの好走だっただけに、ひと叩きされて勝利は目前のはずだったが、続く前走の平場戦では１番人気に支持されたものの、スタートで２馬身の痛恨の出遅れ。短距離の電撃戦での出遅れの上に、強引に２番手に上がって行く無謀な競馬が祟り、直線失速の１１着に大敗していた。この前走は、ヤマニンデュエルの力を全く出し切れずに終わっただけに、今回は強気の連闘でリベンジを図る。１番人気は今回もヤマニンデュエルで単勝3.5倍。多くのファンも、前走全く力を出し切れずに終わっているのをよく知っている。２番人気は、前走ヤマニンデュエルが４着だった平場戦で、ヤマニンデュエルに首差先着の３着だったルルドウォーターで単勝4.4倍。休み明けのヤマニンデュエルに首差の先着なら、ヤマニンデュエルが休み明け３走目の今回は、ヤマニンデュエル上位が妥当な評価のはず。３番人気は、前走平場戦で４着だったダイナミックターンで単勝5.4倍。１月には連対実績もあるように、このクラスで勝ち負けできるだけの力は持っている馬。しかしながら、ヤマニンデュエルは1000万クラスでも好走実績があるように、本来ここでは格上の存在。ここは自慢のスピードを存分に発揮し、通算３勝目の勝利を父ヤマニングローバルに届けたい。

　レースでは、ヤマニンデュエルは抜群のスタートでポンとリードを取る。前走は痛恨の出遅れだったが、今回のスタートのダッシュ力が、本来のヤマニンデュエルの姿。ここからぐいぐい手綱をしごいて半馬身，3/4馬身とじわじわリードを開きにかかるが、内からアミフジハナザカリ，ルルドウォーターの２頭も、懸命に手綱を押してヤマニンデュエルを追撃する。外ヤマニンデュエルが半馬身リードで先頭で、内アミフジハナザカリが２番手の位置。更に首差とほとんど差なく、ルルドウォーターが３番手の位置で早くも３角へ。そして今後は、外を回ってクレバージェフリーが３番手に押し上げてくる。３分３厘では、先頭ヤマニンデュエルは、手応えよく3/4馬身リードで逃げているが、内アミフジハナザカリ，外クレバージェフリーの２頭が２番手争いで、ヤマニンデュエルを挟撃していこうという構え。更に１馬身差で内ルルドウォーターが４番手だが、更に外からシルクリザルトが上がってきて、ルルドウォーターをかわして４番手に押し上げて行く。ルルドウォーターは５番手に順位を下げた形となっているが、手綱を抑えて脚を温存している。４角でも、先頭ヤマニンデュエルは手綱を持ったままの楽な手応え。3/4馬身差の単独２番手がクレバージェフリーで、更に１馬身後ろの３番手争いが４頭並んでいるが、そのいちばん内に押し上げてきたのがルルドウォーター。先頭から５馬身差の最後方の大外には伏兵のコペルニクスの態勢で直線へ。

　直線に向くと、先頭ヤマニンデュエルは、ここから満を持して追い出しにかかると、残り１ハロンでは後続を１馬身半と突き放す。２番手にはクレバージェフリーが粘っていたが、ここで外からダイナミックターンがこれをかわして２番手に押し上げる。内々ルルドウォーターもじわじわ伸びてはいるものの、切れ味はもうひとつ。力の違いを見せつけるように更に加速するヤマニンデュエルは、残り100ｍで３馬身とリードを開いて圧勝態勢。２番手には外ダイナミックターンで、更に3/4馬身差で内アミフジハナザカリが３番手。更に半馬身差で中ルルドウォーターが４番手で、２着争いはやや際どくなってきたが、そこへ後方待機のコペルニクスが大外一気の強襲。コペルニクスが、ゴール寸前でダイナミックターン以下を首差かわして２着に食い込んだが、先頭ヤマニンデュエルは、２馬身半のリードを保って、余裕綽々の逃げ切り勝ちのゴール。出遅れた惨敗した前走の雪辱を果たし、今回はスピードの違いを見せつける文句なしの勝利だった。鞍上の四位騎手も、「 前走は躓き加減だったが、今日はスタートが決まったからね。ポンと行けたので楽に運べたし、力を出し切れた。この馬の競馬ができたね。」とコメント。これで再び1000万クラスに昇級するが、今度こそ1000万クラスでの勝利に近づきたいところだ。